資産運用の手段は株式や不動産など多岐にわたります。その中でも長い歴史を持ち、世界中で価値を認められているのが「金」です。金は、紙幣や株式に比べて価値が大きく変動しにくく、インフレや金融不安が高まる時期には「安全資産」として注目されています。

しかし、安定している一方で「利益を生みやすい投資ではない」といった側面もあります。そのため、金の資産運用を始めるにあたっては、メリットとデメリットを正しく理解することが重要です。

この記事では、「金の資産運用」の方法、メリット・デメリット、始めるタイミングなどを詳しく解説します。金投資に興味のある方に向けた内容ですので、ぜひ参考にしてください。

そもそも「金」の資産運用とは？

金は資産運用の中でも特に「安全性の高い資産」として注目されています。株式や債券のように配当や利息はありませんが、その価値は世界的に安定しています。

経済環境が大きく変わっても価値が安定しているのが大きな特徴です。ここでは、金がなぜ資産として利用され続けているのか、その基本的な性質を確認していきましょう。

世界共通で価値を持つ資産

金は古代から人々に「富の象徴」として扱われてきました。通貨や株式とは異なり、国や時代を越えて価値が認められるのが特徴です。

実物資産として保有できるため、紙幣が信用を失った場合でも「価値を保ち続ける資産」として信頼されてきました。特に国際情勢が不安定になると、金の需要が高まりやすく、価格が上昇する傾向があります。

インフレや経済不安に強い特徴

物価が上昇すると、現金の価値は相対的に下がってしまいます。しかし、金は物価に連動して価値が見直されるため「インフレに強い資産」と言われています。

また、金融危機や株価の大幅下落といった不安定な局面では、資金が金に流れやすいという特徴もあります。資産を守る手段として金が選ばれるケースが目立つようになるのです。

こうした特徴から、金は「守りの資産」として投資家だけでなく一般の人々にも利用されているのです。

金投資のメリット・デメリット

金は「守りの資産」として注目される一方、必ずしも万能な投資対象ではありません。資産運用に取り入れる際には、金特有の強みと弱みを正しく理解しておくことが大切です。

以下は、主なメリット・デメリットをまとめた表です。

このように、金投資を検討する際には、メリットとデメリットを把握することが大切です。自分の投資スタイルや目的に合っているかどうかを見極めることが重要なポイントです。

ここからは、金投資の代表的なメリットとデメリットを整理して見ていきましょう。

金投資のメリット

金の強みは、価値が世界共通で通用することです。企業や政府が発行する資産ではないため、信用リスク（発行元の倒産・破綻で価値が失われる可能性）をほぼ受けません。

さらに、インフレに強い点もメリットの1つ。インフレによって現金の価値が下がっても、金は限られた実物資産のため価値が失われにくいのが特徴です。

また、株式や不動産は景気の影響を強く受けますが、金はその値動きと連動しにくい資産です。株や不動産の価値が下がってしまったときでも、資産全体のリスクを抑える効果が期待できます。そのため、株式や不動産投資をしている人にとって、金投資はリスク分散の方法となります。

また、実物として所有できる安心感も大きいポイントです。データや紙の記録に依存せず、長い歴史を通じて価値が認められてきたという実感を得やすい資産と言えるでしょう。必要になれば現金化もしやすく、売却先が見つけやすい流動性も備えています。

金投資のデメリット

金は配当や利息がつかないため、ただ保有しているだけではお金は増えません。価格が上がらなければ利益にならないため、短期間で大きく増やす投資には不向きです。

また、売買のたびに手数料がかかり、小さな値動きでは実質的な利益が出にくい点にも注意が必要です。実物を持つ場合は保管コストや管理の手間、盗難・紛失リスクも伴います。

加えて、金価格はドル建てで決まるので、為替の影響を受けます。金の国際価格が上がっても、円高だと評価額が下がることもあります。金の値動きと為替の動き、両方を見る必要がある点は、初心者が見落としやすい注意が必要です。

• おたからや査定員のコメント

金投資の主な方法

金投資にはさまざまな投資法があります。現物取引や金融商品、少額から始められる純金積立などが代表的です。それぞれ、始めやすさ・コスト・保管の手間などに違いがあります。

自分に合った方法を選ぶためには、それぞれの特徴を理解しておくことが欠かせません。ここでは代表的な金投資の手段を紹介していきます。

金地金（バー）や金貨を直接保有する

金地金（インゴット）や金貨を購入して実物を手元に置く投資法です。現物を所有できるため、「確かな資産を持っている」という安心感が得られるのが大きな魅力です。相続や贈与に活用されることも多く、長期保有を前提とする方に選ばれています。

ただし、購入時と売却時には手数料がかかり、価格差によっては思ったほど利益が残らないこともあります。

また、自宅での保管には盗難や紛失のリスクがあります。安心して保有するために銀行の貸金庫や専門業者の保管サービスを利用するのが一般的です。保管リスクやコストが別途かかる点には注意が必要です。

少額から始められる純金積立

純金積立は、毎月決まった金額で金を購入し、積み立てていく方法です。少額から始められるため、まとまった資金が無い方でも始めやすく、初心者に人気があります。価格が高いときも安いときも、毎月同じ金額で買い続けられる仕組みです。そのため、購入価格の平均がならされる「ドルコスト平均法」の効果も期待できるでしょう。

ただし、積立を長期間続ける場合は、手数料や保管料の負担が積み重なります。始めやすい分、長い目で見てどの程度のコストがかかるのかを意識しておくことが大切です。

金ETFや投資信託といった金融商品で運用する方法

金を現物で持たずに投資する方法もあります。代表的なのが金ETF（上場投資信託）や金関連の投資信託です。証券口座があれば株式と同じように売買でき、購入や売却もスムーズです。現物の保管や盗難を気にせずに済むのが大きなメリットです。

一方で、金融商品である以上は信託報酬といった運用コストがかかります。また、証券市場を通して取引するため、売買を繰り返す場合には、手数料の負担も考慮する必要があります。手軽さと流動性を重視する人にとっては、実物保有に代わる有力な選択肢と言えるでしょう。

金の資産運用で注意すべきポイント

金は「守りの資産」と呼ばれることが多く、長期的に安定した価値を維持しやすいのが特徴です。しかし、投資である以上注意すべき点が多数あります。

むしろ「安定しているから安心」と思い込んで購入してしまうと、期待した成果が得られないこともあります。ここでは、金の資産運用を考えるうえで押さえておきたい注意点を詳しく解説していきます。

相場の見極めと購入タイミング

金の価格は世界中の市場で決まり、為替や国際情勢などさまざまな要因で日々変動します。株式のように大きな値動きをしにくいのが特徴です。しかし、戦争や金融危機など有事の際に、急に価格が高騰したり下落したりすることがあります。

世界情勢が不安定になると金が買われやすくなり、価格が一時的に急上昇するケースも。逆に、景気が安定し株式市場が好調なときには、値下がりすることもあります。

ですので「買いのタイミングが適切か」を慎重に判断することが大切です。ニュースや経済指標、金価格の推移を定期的に確認して、相場感をつかむ意識を持つと安心です。

税金や手数料の知識

金を購入・売却するときには必ず販売業者の手数料などの「コスト」がかかります。また、売却して利益が出れば課税の対象となります。

日本では、金の売却益は基本的に「譲渡所得」として扱われ、場合によっては確定申告が必要です。特にまとまった金額を売却したときには税負担が想定以上に大きくなることもあります。そのため、事前に仕組みを理解しておくことが大切です。

このようなコストや税金が利益を目減りさせる要因になります。金投資を始める前に、購入・保管・売却にかかる費用を具体的に把握しておくことが重要です。ここからは、金投資にかかる税金について整理していきましょう。

総合課税の場合（実物の金を売却した場合）

金地金（バー）や金貨など、現物を売却して利益が出た場合には「総合課税」が適用されます。給与所得など他の所得と合算され、所得税率（5％〜45％の7段階）が課税されます。

また、保有期間によって課税区分が変わり、5年以内なら短期譲渡所得。5年を越えると長期譲渡所得として計算されます。長期保有の方が税率が軽くなるため、長期投資との相性がよいと言えるでしょう。

分離課税の場合（金融商品としての金投資）

金ETFや投資信託など、証券会社を通じて金融商品として金に投資した場合は「分離課税」が適用されます。株式投資の利益と同じ扱いで、利益に対して一律20.315％の税金が課されます。

注意点

現物を何度も売買していると、投資目的ではなく事業所得や雑所得とみなされる場合もあります。その場合は課税方法が変わり、税負担が大きくなる可能性もあります。

取引の頻度が多い方は特に注意が必要です。

いつ「金」投資を始めるべきか

金は「価値が落ちにくい」ため、投資を始めるタイミングをそれほど厳密に選ぶ必要はありません。大切なのは「短期的な値動きに振り回されず、コツコツと継続して保有する」ことです。

とはいえ、少しでも有利に始めるための考え方やポイントを押さえておくと安心です。ここからは、金投資を始めるタイミングについて解説していきましょう。

初心者が少額からスタートするコツ

初めての金投資は、いきなり大金を投入するのではなく、純金積立などで少額から始めるのがおすすめです。毎月一定額を購入することで、価格が高いときも低いときも平均的に買い付けることができます。リスクを抑えつつ投資を継続できる「ドルコスト平均法」を活用できます。

初心者でも安心して始めやすい方法としては、「純金積立」がおすすめです。

経済動向と金価格の関係

金の価格は世界経済や為替の動きに大きく影響を受けます。株式市場が好調なときには金の需要が落ちて価格が下がります。逆に、不況や金融不安が高まると金の需要が増えて価格が上がる傾向があります。

また、日本では円建てで取引するため、円高・円安の為替変動も見逃せません。円安になれば金の価格は上がりやすく、円高になれば下がりやすいのです。

こうした動きを理解しておけば、購入や売却のタイミングを判断する参考になります。

金の買取なら「おたからや」がおすすめ

金は投資として保有するだけでなく、必要になったときに売却して現金化できる点も大きな魅力です。特に相場が高騰している局面では、金を売ることで大きく利益を得られるでしょう。

ただし、売却する際には「どこに持ち込むか」が重要なポイントになります。信頼できる買取店に相談することで、相場に見合った適正な価格での取引が可能になります。

「おたからや」では、全国に店舗を展開し、金地金や金貨はもちろん、金製品に含まれる金の無料査定にも対応しています。経験豊富な査定員が市場価格を踏まえて丁寧に査定するため、安心して取引できる環境が整っています。

• おたからや査定員のコメント

まとめ

金は、世界共通で価値が認められ、インフレや経済不安にも強い資産として古くから選ばれてきました。長期的に資産の安定性を高めたい人にとってはおすすめの選択肢です。しかし、配当や利息がなく、為替や手数料の影響を受けるといったデメリットもあります。

本記事では、さまざまな金の投資方法について解説しました。それぞれに特徴があり、状況や目的に合わせて、適切な手段を選ぶことが大切です。

また、金を保有するだけでなく、売却して現金化することも有効な手段の1つ。特に相場が高いときには、思わぬ利益を得られる可能性があります。その際には、専門知識を持つ買取店を利用することで、より安心して取引できるでしょう。

「おたからや」では、金地金や金貨はもちろん、ジュエリーやブランド品に含まれる金の査定も行っています。投資の一環としての売却を検討している方や、ご自宅に眠っている金製品がある方は、ぜひ一度ご相談ください。