円高・円安になると
金価格はどうなる?
金相場の変動要因と
金売却時のポイントを解説
2024年6月、円相場は1986年以来約37年ぶりに節目の1ドル160円を突破しました。日米金利差に加えて、さまざまな要因が円安を後押ししています。円安によって原油や小麦粉などの輸入品が割高となり、日本経済への悪影響が懸念されています。
円高・円安は、金の価格を左右する重要な要因です。円安が続くなか、金の買取価格は上昇し、2024年10月には過去最高の15,025円を記録しました。
この記事では、円安・円高についての概要を解説するとともに、金価格に影響を与える要因や金の売却・保有時に注意すべきポイントを紹介します。これから金の売却・保有を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
2024年12月13日 9:30更新
今日の金1gあたりの買取価格相場表
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Contents
円高・円安とは?
知っておきたい為替の基本
外国と取引する際には、異なる通貨と交換する必要があります。例えば、日本の輸入会社が外国の会社に代金を支払う際には円を外貨に交換し、日本の投資家が外貨建ての金融資産を売却した際には、外貨を円に交換します。
通貨間の交換比率は、固定されていた時代もありました。しかし、現在では、主要通貨の外国為替相場制度は、変動相場制に移行しています。変動相場制では、市場での通貨の需要と供給によって、交換比率は変わってきます。
「円高」・「円安」は、ある時点と比較して、特定の相手通貨との交換比率がどちらの方向に動いたかをとらえた呼び方です。
円を相手通貨と比較して、その価値が相対的に高いか低いかを示しています。そのため、円高であれば、「円高ドル安」「円高ユーロ安」など相手となる外貨の「安」とワンセットになります。
「円安」であれば、対円でドル高やユーロ高が同時に起こっているという意味です。
例えば、1ドル120円が1ドル150円になると、ドルの価格が上昇して円の価値が下落したことになるので「ドル高円安」と呼ばれます。逆に1ドル150円が1ドル120円になると、ドルの価格が下落して円の価値が上昇し、この場合は「ドル安円高」と呼ばれます。
円高の概要とメリット・デメリット
円高とは、ドルなどの外国通貨と比較して、相対的に円の価値が高くなる状態を指します。
米ドルは、世界で最も取引量の多い通貨であるため影響力が高く、世間一般で単に「円高」という場合、「円高ドル安」を指すことがよくあります。
「円高」は、日本円の価値が外国通貨に比べて高くなるという日本側の見方なので、円高のメリット・デメリットは日本人や日本企業にとってのものだといえるでしょう。
円高になると、同じ外貨建ての商品やサービスを購入するために必要な円が少なくて済み、以下のようなメリットがあります。
- 輸入品の価格が下がる
- 輸入コストが安くなるため、企業の利益が増加する
- 海外旅行の費用が安くなる
一方、円高になると、同額の外貨で交換できる日本円の量が減少し、外国人が日本の製品を購入するのにより多くのお金を必要とします。
そのため、以下のようなデメリットが生じます。
- 海外に輸出された日本製品の価格が上がり、売れにくくなる
- 海外で得た利益を日本円に換えた場合、価値が下がる
上記のように、円高は日本経済にさまざまな影響をおよぼします。輸入企業にとってはメリットとなる一方、輸出企業にとってはデメリットとなります。
円安の概要とメリット・デメリット
円安とは、ドルなどの外国通貨と比較して、相対的に円の価値が低くなる状態を指します。
日本側から見た円安のメリットは、以下が挙げられます。
- 日本製品の価格競争力が上がり、海外での売上が伸びる
- 海外で得た利益を日本円に換算すると、利益性が向上する
- 外国人にとって日本旅行が安価になり、インバウンド需要が増える
それに対して円安のデメリットは、以下のとおりです。
- 輸入品の価格が上がる
- 輸入コストの増加や輸入原材料費の値上げにより、国内で製造される製品の価格も上昇する可能性がある
- 海外旅行の費用が高くなりやすい
近年、円安が続いており、メリットとデメリットを正しく理解して適切に対応する必要があります。
円高・円安と
金価格の関係性は?
円高・円安の一般的なメリット・デメリットを見てきましたが、ここでは金価格に対する為替相場の影響について、近年の世界と日本の金価格の推移も併せて解説します。
円高になると金価格は下落する
金の取引は世界中で行なわれており、基本的に取引はドル建てです。そのため、日本においてもドル建ての金価格を基準に価格が設定されます。
なお、一般の方がよく目にする貴金属商の金小売価格は、円換算後の金価格にコストと手数料を加味して設定されています。
そのため、円高になると、ドル建ての金価格はそのままでも、円換算後の金価格は下落します。これは、円高時に輸入品の価格が下落するのと同じ理屈です。
円安になると金価格は上昇する
円安が進むと、ドル建ての金価格に変動がない場合にも、日本での金価格は上昇します。これは、円安によって円の価値が下がり、ドル建ての金の価格が相対的に高くなるためです。
円安時に輸入品価格が上昇するのと同じように、円安によって輸入される金の価格も上昇します。
円安ドル高は、アメリカの金利が日本の金利に比べて高い場合に起こりやすくなります。高金利で利益を得ようと、円をドルに換えて運用する動きが出るためです。
直近での円安も、おもにアメリカでの急激な利上げと、日本での金融緩和継続という政策スタンスの違いによってもたらされたと考えられています。
近年の金価格と為替の推移
三菱UFJ銀行発表のドル円為替相場によると、近年、2022年から2024年にかけて、円安が進行する傾向が見られました。2022年1月には1ドル115円台で推移していたドル円相場は、2024年6月には1ドル160円台まで円安が進みました。
上の表から、2022年1月以降、円安が進行したことで、円建ての金小売価格が上昇基調となりました。一方、ドル建ての金価格は、一本調子の上昇局面にはなく、むしろ同水準から下落傾向となっています。
したがって、この期間に見られる円建て金小売価格上昇のおもな要因は、円安であったといえるでしょう。
為替以外の金価格の変動要因
ただし、円安以外の要因も、円建て金小売価格の上昇に影響している可能性があります。円安以外で円建て金小売価格に与える影響について、以下で説明します。
需要と供給のバランス
金価格は、需要と供給のバランスで変動するため、需要が高まれば価格は上昇し、需要が減少すれば価格は下落します。
近年、新興国を中心に、各国中央銀行が外貨準備に占める金の割合を高めていることなどを背景として、金への需要は伸びています。
一方、金の埋蔵量には限りがあり、金の採掘量も長期的に頭打ちです。金は希少かつ多用途な貴金属であり、需給バランスから見て、中長期的には金価格が下落する可能性は低いと予想されます。
経済的・地政学的要因
金は、特定の国の信用リスクを負わず、実物資産として価値が保持されるため、世界的な経済的・地政学的リスクが高まった状況では買いが集まります。
これは、金が「有事の金」と呼ばれる理由です。
2023年10月の中東情勢の緊迫化も、世界的な経済的・地政学的リスクを高める要因となりました。これにより、金への投資が拡大し、金価格が上昇したと考えられます。
近年の金価格上昇も、ウクライナショックによる地政学リスクの高まりや、アメリカにおける銀行破たんを発端とする金融不安などを理由とした、金への投資拡大がおもな要因です。
また、新興国は、政治的・経済的リスクが比較的高い傾向にあるため、不安定な状況下に備えて金への需要が高まっていることも、金価格上昇の要因の一つでしょう。
インフレ対策
インフレとは、モノの価格が上昇する一方で、お金の価値が下がることを指します。インフレが進むと、現金や預金などの資産価値は目減りするのが特徴です。
一方、金はインフレ時に価格が上昇します。金は希少価値が高く、貨幣として長い歴史を持つことから、投資家はインフレで価値が目減りする資産に代えて金を保有しようとするためです。
世界的なインフレは、2024年現在も高い水準にあります。今後、沈静化していくと予想されますが、依然として続くとすれば、インフレ対策として金に投資する動きは衰えず、今後も金価格上昇の下支えとなるでしょう。
金を保有・売却するときの
ポイントは?
金相場は、ドル円為替相場やその他の要因によって変動します。ここでは、金の保有・売却を行なう際に押さえておきたいポイントを以下で解説します。
貴金属を高く売却するためのポイントは、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
<関連記事>貴金属は高く売ろう!売却時のポイント4選を紹介します
近年の金相場を把握しよう
金相場は、需要と供給のバランス・世界情勢・経済状況・金利などさまざまな要因によって変動します。そのため、金の保有または売却を検討している方は、金相場の推移と変動要因を把握する必要があります。
日々のニュースや経済状況をチェックするだけでなく、過去の相場動向を調べて傾向を把握することも重要です。
金相場が高くなったタイミングで売却したい場合は、その日の金相場と過去の推移を確認するだけでなく、金相場を動かしている世界情勢にも目を向けましょう。金価格が「有事」の影響で値上がりしている場合は、その事象が収まった際には値下がりが予想されます。
また、金価格はドル円相場に連動して動くため、今後、円高・円安どちらの傾向になるかも注視する必要があります。金を購入する場合も、今後、金価格がどう動くか、どのくらいの期間保有すれば利益が出るかなどを考えてから、購入するタイミングを決めることが大切です。
自分に合った投資手法を選択する
金は、インフレ対策や資産の安全性確保に有効な投資対象です。利息や配当を生まない投資商品であるため、値上がり時の売買差益によって収益を得るという特徴があります。金投資をする際は、この点を押さえておきましょう。
また、金への投資手法は、以下のようにいくつかの種類があります。
金の現物購入
金の現物購入は、金貨や金地金を直接購入する方法です。銀行、証券会社、貴金属商、デパートなどで入手でき、売りたいときにすぐ換金できるメリットがあります。しかし、盗難のリスクや保管コストがかかるというデメリットもあります。
純金積立
純金積立は、毎月一定額の金を積み立てていく方法です。長期投資に向いており、積立額は1,000円程度の少額から始められます。金の保管は運営会社が行なうため、盗難のリスクを軽減できます。
金FTF
金FTFは、株式市場で取引される投資信託です。金現物で運用されるものが多く、現物購入のリスクを抑えられます。株式と同じように売買できるので、銘柄によっては短期投資にも向いています。
それぞれの特徴をよく理解し、自身の投資目的や投資スタイルに合わせて、最適な方法を選んでください。
売却は専門店に依頼する
近年、金の価格は高水準で推移しているため、金保有者のなかには、早めの売却を検討している方も多いのではないでしょうか。
金の売却は、専門店に依頼するのがおすすめです。
「おたからや」は、全国に約1,200店舗以上展開する買取専門店です。査定料や各種手数料も無料で、店頭買取のほか、出張買取にも対応しています。
純金でない製品をお持ちの場合にも、金含有量を測定する専門の査定具を使用して、正確な価値の査定が可能です。金価格の最新動向を熟知したプロの査定士が、お手持ちの金を査定します。
「おたからや」は、買い取りに特化した専門店なので、販売コスト分を買取価格に上乗せしてお客様に還元できます。金または金製品の売却をお考えの方は、高値での買取価格に自信がある「おたからや」に、ぜひご相談ください。
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まとめ
日本での金価格は、世界市場で取引されるドル建ての金価格を円換算したものになります。そのため、ドル円相場が円安に傾くと円建ての金価格は上昇し、円高に傾くと円建ての金価格は下落する傾向があります。
金価格の短期的な動向を予想するのは難しいですが、ドル円為替相場の動きを理解しておくことは、長期的なトレンドを把握するためにも重要です。
金の保有・売却を検討している方は、ドル円相場の話題に関心を持っておくことでタイミングを計りやすくなるでしょう。
買取専門店「おたからや」では、無料で金を査定しています。売却をお考えの方は、ぜひご相談ください。
金を高く売るためのコツは、「金の価格が高いときに売ること」と「高値で買い取ってくれる専門店に売ること」です。金の価格は現在非常に高騰しているため、売却にはベストなタイミングといえます。
金の高価買取はおたからやにお任せください。
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