金を売ると税金がかかる?脱税の場合のペナルティや正しい節税知識も解説

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金の売却益は「申告不要」と思っている方もいますが、税金がかかるケースも多いです。特に近年は、税務当局の情報管理が進み、把握されるリスクが高まっています。
税務署は支払調書やマイナンバー、国税総合管理システム(KSK)で資金の流れと申告内容を照合しています。無申告や過少申告が判明すれば本税に加え、加算税・延滞税が課され、悪質な隠蔽は刑事罰の対象となるおそれがあるので、十分な注意が必要です。
ここでは、譲渡所得の計算方法や罰則の種類、節税の方法についてご紹介いたします。基礎的な仕組みを理解しておくだけでも、不要なリスクを避けやすくなります。
また、取得費不明時の概算取得費や所有期間5年超の1/2課税、年間50万円控除の考え方まで解説しますので、ぜひお役立てください。

金を売却した場合にかかる税金

個人が金を売却して利益を得た場合は原則「譲渡所得」に該当し、取得費と譲渡費用を差し引いた後に課税が生じます。売却額そのものではなく、あくまで利益部分が課税対象となります。
家族へ無償で渡す場合、該当するのは贈与税です。また、購入時には消費税がかかります。
無申告のケースは、各種の情報から税務署に把握され、加算税・延滞税が課されます。少額だからと軽視すると、後から大きな負担になることもあります。
ここでは、税区分ごとの計算方法と注意点を確認していきましょう。
個人の金売却で発生する「譲渡所得税」
個人が保有していた金を売却して利益(売却額から購入費用等を差し引いた譲渡益)が出た場合、それは「譲渡所得」として所得税の課税対象になります。譲渡益の計算方法を誤ると、申告内容にズレが生じやすくなります。
年間の金の売却益が50万円までであれば特別控除で非課税となりますが、50万円を超えると所得税の申告が必要です。
また、金の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得とみなされ、計算上課税対象となるのは利益の50%となる優遇措置があります。売却のタイミングによって税額が大きく変わる点は押さえておきましょう。
譲渡所得は給与所得など他の所得と合算する総合課税となり、利益が大きいほど高い税率が適用されます。金を売却して思わぬ税負担を避けるため、保有期間や利益額に応じた正しい申告が大切です。
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家族などへ渡した時にかかる「贈与税」
売却ではなく無償で渡す場合も、税金の扱いが変わるため注意が必要です。保有している金を家族や知人にあげた場合、その金額相当分に対して贈与税が発生する可能性があります。
贈与税には年間110万円までの基礎控除(非課税枠)が設けられており、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。
たとえば、金地金を年間合計100万円相当贈与した場合には課税されません。ただし評価額の算定方法によって判断が分かれる場合もあります。
しかし、110万円を超える部分には贈与税が課税され、その税率は贈与額が大きくなるほど高くなります。(最大55%の高税率となることもあります)
金の贈与は現金同様に税務署に把握される対象ですので、計画的に少額ずつ贈与するなどの対策や、贈与契約書の作成を検討すると良いでしょう。また、毎年110万円ずつ贈与する手法についても、「定期贈与」とみなされると一度にまとめた贈与と判断され、課税される恐れがあるため注意が必要です。
形式だけでなく、実態が重視される点を意識しておくことが大切です。
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金の購入時にかかる「消費税」
金を購入する際にかかる主な税金は消費税(10%)です。購入時点では税負担が発生するものの、売却まで課税は確定しません。
国内の業者から金地金や金製品を購入する場合、商品価格に対して消費税が加算されるため、100万円分の純金インゴットを買うと消費税10万円を含め110万円の支払いになります。
一方、金を買っただけでは所得が発生していないため、購入時点では所得税や住民税などは課されません。購入後に金を保有しているだけの場合も、固定資産税のような保有税はかかりません。
ただし、金の購入代金に充てた現金の出所について不自然な点があれば贈与等を疑われる可能性がありますし、高額な金の購入は税務署にも情報提供されます。
将来の売却や申告に備え、購入時から記録を残しておくことが重要です。金の購入時には消費税負担のみですが、将来売却する際の税金も見据えて記録を保管しておくと安心です。
また、SNSでは金の税金について様々な意見が挙げられています。
売るとき大変やん。一気に税金で持っていかれるやんって思うからインゴットは買えない。
長期でなく短期のETFの方がマシって最近は思ってる。
昔はゴールドなら現物一択って思ってたけど。
出典:X
- おたからや査定員のコメント
金の売却益は原則「譲渡所得」となり、売却額から取得費と譲渡費用を差し引き、年50万円の特別控除を適用して課税額を算出します。保有期間が売却年の1月1日基準で5年超なら長期区分となり、課税対象は1/2となります。
継続的な取引は事業所得とみなされる可能性があり、特別控除は使えません。家族への無償での譲渡は、受贈者に贈与税が生じる場合があるので注意しましょう。購入時の消費税は、個人では還付されません。

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税務署が金の無申告取引を把握する仕組み

金の取引は匿名性が高いと思われがちですが、実際には多くの情報が記録されています。「金を売っても申告しなければ税務署にバレないのでは?」と考えるのは大変危険です。
国税当局には、金の売買による所得を把握するための複数の仕組みが整っています。一度に多額の金を売却した場合はもちろん、比較的少額の取引であっても不審な資金の動きがあれば把握される可能性があります。
ここでは、税務署が金の無申告取引を見逃さないために活用している3つの仕組みについて解説します。金を売却して得た利益は、基本的に「どこかに記録が残る」ものと心得て、正しく申告することが重要です。
買取業者から提出される「支払調書」
金の売買で1回の取引金額が200万円を超えると、買取業者は氏名・住所・生年月日・金の品位・数量・取引日・対価等を記載した支払調書を税務署へ提出します。この仕組みにより、高額な現金取引は制度的に可視化され、無申告のままでは整合性が取れません。
200万円以下でも、頻繁な分割売却や同一口座への多額の入金は、他の情報との突き合わせによって把握されることがあります。
金額だけでなく、取引の回数やパターンも判断材料になります。名義を変えても送金経路や住所の一致で関連が可視化されやすく、回避することは難しいでしょう。
買取業者には本人確認記録の保存義務があり、照会時には個々の取引が特定されます。後から説明を求められる場面に備え、取引記録を残しておくことが重要です。領収書や明細を保管し、申告時に整合性を示せるよう準備しておくと安心です。
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・国税庁|「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等
マイナンバーによる資産・所得情報の管理
日本では近年、個人の資産や所得情報を一元的に管理するためのマイナンバー制度が整備されています。税務だけでなく、行政手続き全体で活用範囲が広がっています。
金の売買においても、買取時に顧客にマイナンバーカードの提示を求める業者が増えているのが現状です。これはマイナンバーを活用した本人確認により、盗品の売却防止だけでなく取引者の情報を紐付けて管理する狙いがあります。
税務署が業者に調査をかければ、そのマイナンバー情報から「誰がいくらの金を売却したか」まで追跡可能です。さらに、政府は今後マイナンバーと銀行口座の紐付けを義務化する方針を示しており、実現すれば国民の資産はより詳細に確実に把握されることになります。
マイナンバー制度によって給与・年金、預貯金、不動産といった財産情報が統合管理されるため、金の取引だけを隠すことは困難です。「マイナンバーとひも付いた情報網」によって、資産隠しや無申告は芋づる式に発覚する時代になりつつあるのです。
国税総合管理システム(KSK)による金の流れの監視
国税総合管理システム(KSK)は、申告書データ、支払調書、固定資産や保険情報、金融機関の報告等を統合管理する大規模な税務データベースです。税務署内では、この情報をもとに横断的な分析が行われています。
税務署は納税者単位で各情報を突合し、申告内容と資金移動、資産保有の整合性を機械的にチェックします。高額入金と貴金属売却履歴に乖離があったり、短期に分割売却が集中していたり、過年度との不整合があったりする場合には、調査対象に選定される可能性が高まります。
KSKにより遡及的な検証も可能なため、無申告を続ければ、さらに発覚するリスクは上がります。帳簿や証拠となる書類を保存し、計算過程を明確にして説明できる体制を整えてください。売買した日付、数量、対価の記録はきちんと管理しましょう。
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申告漏れが発覚した場合に発生する罰則の種類

申告漏れは「税金を後で払えば終わり」とは限らず、附帯税によって負担が増えやすい点に注意が必要です。申告漏れが判明すると、本税に加えて加算税や延滞税が科され、仮装・隠蔽があると重加算税の対象となります。
税務署は自主是正の有無や行為態様を踏まえて水準を判断し、遅延期間に応じた利息相当分も加算します。以下で各附帯税の仕組みと刑事罰のリスクを整理していきます。仕組みを把握しておくことで、いざという時の対応が取りやすくなります。
余計な負担の増加を防ぐためにお役立てください。
本来の税金に上乗せされる「追徴課税」
実務で用いられる「追徴課税」は法令上の正式用語ではなく、本税の不足分に上乗せされる附帯税の総称です。一般には「追徴」という言い方でまとめられますが、内訳を理解することが重要です。
附帯税は加算税(過少申告・無申告・不納付・重加算)と延滞税で構成され、制度上は利子税も含まれます。加算税の税率は申告の有無や自主是正の時期、仮装・隠蔽の有無で変わります。
適用区分を正しく理解しておくと、誤りに気づいた際に自ら対応でき、結果的に総コストを抑えられます。延滞税が発生することもあるため、証拠となる書類や計算の根拠を整理し、整合性を明確にしてください。
確認すべき項目を先に洗い出しておくと、手戻りも減らせます。期限や利率は改正で変わる場合があるので、最新の通達などで必ず確認しておくと安心です。
過少申告加算税
過少申告加算税は、期限内に申告した税額が不足していた場合に賦課されます。申告自体はしていても、計算違いや計上漏れがあると対象になり得ます。
税率は原則10%で、当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%です。調査の事前通知前に自主的に修正申告を行えば、適用されません。
事前通知後から実地調査前で更正の告知がない等の要件を満たす修正申告なら、5%に軽減されます。誤りに気付いたら速やかに修正し、計算過程と根拠資料を整えて提出してください。
併せて遅延の経緯を説明し、再発防止策を示してください。対応が遅れるほど、追加負担が増えることが多いです。調査で帳簿不提示や売上の大幅過少記載が判明した場合は、上記税率に5〜10%の加重が上乗せされることがあります。
適用要件は最新の通達で必ず確認してください。
無申告加算税
無申告加算税は、確定申告の期限までに申告をしなかった場合に課される追徴税です。期限後申告をしても、原則としてペナルティが発生する点がポイントです。
申告しなかったということは税金を一切納めていない状態ですので、過少申告よりも重い負担となります。
具体的には、期限後に申告した際に本来納めるべき税額に対して原則15%が課税されます(追加で納付すべき税額が50万円以下の部分)。さらに、50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は25%に税率が上がります。
たとえば、無申告で指摘を受け200万円の税を後から納めた場合、最初の50万円に15%、残り150万円に20%が課される計算です。ただし、こちらも税務調査の通知前に自主的に期限後申告をした場合には5%に軽減されます。
気付いた時点で早めに動くことが、負担軽減につながります。いずれにしても、無申告が発覚すると本来の税額の数割ものペナルティを支払うことになり、経済的ダメージが大きくなります。
重加算税
重加算税は、売上や利益の隠匿や架空計上、二重帳簿などの仮装・隠蔽が認定された場合に、他の加算税に代えて課されます。単なるミスではなく、意図的と判断されるかどうかが大きな分かれ目になります。
税率は過少申告に代えると35%、不納付は35%、無申告に代えると40%となります。調査で更正の告知後の修正は課税の対象となり得ます。
事実を証明する書類の破棄や改ざんは厳禁とし、事実関係を整理して誠実に説明してください。説明の一貫性を保てるよう、証拠の管理も徹底することが重要です。
延滞税については、1年の除算期間が適用されない点や、再発時に10%の加重がある点にご注意ください。監査の経路を明確にし、チェックリストを運用して同じミスが起きないようにしましょう。
最新の通達やQ&Aで要件を確認し、不明点があれば専門家に相談してください。
延滞税
延滞税は、本来納めるべき税金を期限までに納付しなかった場合に、遅れた日数に応じて課される利息のような性格の税金です。利率は固定ではなく年度ごとに見直されるため、参照時点にも注意が必要です。
延滞税の利率は年度ごとに定められており、納期限から遅れて日が経つほど高い負担となります。たとえば2024年の場合、期限から2ヶ月以内の期間については年率2.4%、2ヶ月を超えた期間については年9%弱(8.7%)の利率が適用されます。
これは年利換算ですので、1年遅れると約9%、2年遅れれば元の税額の約18%もの延滞税を追加で支払うことになります。銀行の利息に比べると非常に高率で、放置期間が長引くほど負担が増えてしまいます。
また延滞税は日割計算で毎日加算されていくため、発覚後にすぐ納付してもそれまでの期間分は免れません。
期限までに適正に納税しないと、高利の利息を払わされると心得て、申告・納税は余裕を持って行いましょう。納付の遅れは複利的に家計へ響きやすい点も意識しておくと安心です。
悪質な場合は刑事罰の対象になるおそれがある
行政上のペナルティだけでなく、一定の悪質性がある場合は刑事事件として扱われる可能性があります。所得税法等は、故意に納税を免れた者に対し罰金刑や懲役刑、またはその併科を規定しています。
多額・組織的・反復的な不正や証拠隠滅の試みがあれば、告発や立件の可能性が高まります。疑わしい点が見つかったら、まず事実を正確に調べ、できるだけ早く修正して関係機関へ申告してください。
こうすることで影響を最小限に抑えられます。記録はきちんと残し、説明責任を果たす姿勢も欠かせません。迷った場合は、早い段階で税理士など専門家に相談するのが現実的です。
早期の自主的対応が信頼回復の第一歩となります。量刑判断では情状や是正状況も考慮される場合があります。
金に関する税金を節税するためのポイント

節税を進めるうえでは、法律で認められた優遇措置をしっかり理解し、その計算根拠を明確にすることが大切です。制度を正しく使うことが、結果的に最も安全な節税につながります。
金は、保有期間の区分や特別控除の有無、取得費を示す書類の有無で税額が変わります。
ここからは、具体的な対策をわかりやすく紹介します。準備しておく書類や手順もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。売却前に一度全体像を確認しておくと安心です。
所有期間が5年超なら課税対象額は半分になる
金を売却して譲渡所得が出た場合、保有期間で税負担が変わります。この区分は節税効果が大きいため、特に重要なポイントです。
5年超は長期譲渡所得となり、課税対象は利益の50%に圧縮。5年以内は短期で全額が対象です。さらに年間50万円の特別控除があり、長期なら控除後の残額の50%にのみ税率がかかります。
たとえば、200万円の利益なら、短期は200万円、長期は100万円が課税対象となります。数字で比較すると、差が大きいことが分かります。
急ぎでなければ5年超の保有を検討してください。相場変動も踏まえて時期を見極めると良いでしょう。売却前に購入費用等を差し引いた利益を把握しておくと安心です。
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年間50万円までの特別控除を最大限活用する
金の売却益は、ほかの動産の売却益と合算して年間50万円まで特別控除の対象です。この非課税枠をどう使うかで、申告の要否が分かれます(長期譲渡と短期譲渡があった場合は、短期譲渡から優先的に控除の対象となります)。
合計が50万円以下なら所得税はかからず、確定申告も不要となります。たとえば、利益が100万円見込めるなら、50万円ずつ2年に分ければ非課税枠を最大限活用できます。ただし、相場変動による価格下落リスクも考慮が必要です。
同一年内は合算され、50万円を超えた部分は課税対象です。価格変動のリスクも踏まえ、計画的に非課税枠を有効活用してください。
また、SNS上でも金を売却した際の税金に関する注意を促す声が見られます。
地金が上がっていますが、年間の売却益が50万円以上だと税金がかかってくるそうなので、
売ったお金が全部自分のものだと思うと後で大変なことになりそうです😓
出典:X
金を売却した際に確定申告が必要になるケースとは?

確定申告が必要になるケースは、特別控除50万円適用後に課税される譲渡所得が残るか、生活用動産の特例に該当するか、給与所得者の20万円特例の扱いなどを踏まえて判定します。
条件が複数絡むため、自己判断で省略しないことが重要です。さらに、年内の複数売却は利益を合算し、1点で30万円を超える高額売却や反復取引の有無も確認してください。
住民税の申告要否が別途生じる場合もあるため、所得区分ごとの取り扱いを併せて見直しましょう。不安がある場合は、早めに専門家へ確認すると安心です。
必要になるケース
申告が必要となる典型例は、年内の金の譲渡益を合算し、特別控除50万円を差し引いても課税対象額が残る場合です。一度の売却額だけで判断しない点が重要です。
給与所得者でも、他の雑所得等と合算して課税所得が生じれば申告してください。生活用動産の装飾品でも1点の売却額が30万円を超えると課税対象になり得ます。
反復継続の売買で営利性が高いと判断される場合は、事業所得等として扱われるので控除の適用外です。取引の頻度や目的も判断材料になります。
高額入金や短期集中の分割売却がある年は、証拠となる書類を揃えて計算根拠を明確にし、期限内に確定申告・納付を行うと安心です。なお、給与所得者は給与以外の所得が20万円以下なら所得税の申告を省略できる特例がありますが、別途申告が必要となる自治体もあるので、注意してください。
不要になるケース
申告が不要となる代表例は、当年の譲渡益合計が特別控除50万円以内に収まり、課税される譲渡所得が生じない場合です。この場合でも、記録の保存はしておくと安心です。
生活用動産としての装飾品を1点30万円以下で売却したときも原則非課税で、確定申告の義務はありません。譲渡損は他所得と損益通算できないため、損失を理由に申告しても税負担は減りません。損失が出た年でも、判断は慎重に行いましょう。
少額の換金のみで控除内にとどまる年は、記録を保存しておけば手続き上は申告不要です。なお翌年以降に大口売却の予定があれば、通年の見通しを持って管理してください。
購入価格が不明な金は税負担が大きくなるので要注意

購入価格が分からないまま金を売却すると、売却額の大半が利益と認定され、想定以上の納税負担につながります。この点は、節税を考えるうえで最も見落とされやすい部分です。相続や古い購入では証拠となる書類が残っていないケースもあるため、早めの確認が重要です。
以下で概算取得費の仕組みと、税負担を抑える購入証明の整え方を順に解説します。売却を検討し始めた段階で準備しておくと安心です。
購入価格が分からない場合は売却額の95%が利益とみなされる
取得費を立証できない場合、税法上は「概算取得費」として売却額の5%だけを取得費とみなし、残る95%が利益となります。取得費が不明なだけで、税額が大きく変わる点に注意が必要です。
実勢より取得費が小さく算入されるため、課税対象が膨らみやすい点が最大のリスクです。たとえば、本来50万円で購入し80万円で売却した例でも、概算では取得費4万円、利益76万円という計算になります。
実態より不利な計算になりやすいことが分かります。実際の取得価額や付帯費用を示せれば、課税所得を圧縮できるでしょう。
まず取得時期と価格を把握し、不明なら代替資料の収集を急いでください。相続・贈与なら、購入記録や当時の相場資料、写真で合理性を補強します。日頃から資料を整理しておくことが、将来の節税につながります。営利性の高い継続売買は適用外となるため、条件は必ず確認してください。
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購入を証明できる書類を残すようにする
取得費を適切に反映するには、以下のような資料を残すようにしましょう。
- 領収書・請求書
- インゴットの発行証明書
- 品位刻印やシリアルナンバーの写真
- 販売店の保証書
- 配送伝票
- 口座の出金記録
これらは単体ではなく、複数を組み合わせて取得経緯を示すことが重要です。上記のような、日付・数量・単価が分かる資料を体系的に保管します。
たとえば、紙は退色や紛失に備えてスキャンし、電子データは二重にバックアップするなど工夫をしましょう。相続や贈与で引き継いだ場合は、台帳や通帳、当時の相場表、購入時の写真を収集し、来歴と価格の合理性を示すようにしてください。
売却先へ提出する写しは控えを残し、原本はきちんと管理しましょう。資料は品位・重量・ロットと現物を突き合わせ、抜けや矛盾をメモで補正すると、後日の税務対応がスムーズになります。
日頃から整理しておくことで、急な売却にも落ち着いて対応できます。
買取の際は信頼できる買取店を選ぶことが大切

税金のトラブルを防ぐには、買取価格だけでなく、書類と法令順守の体制が整ったお店を選ぶことが大切です。取引後の申告まで見据えた対応ができるかが判断基準になります。
取引明細や領収書、重さや純度のデータを正確に発行し、本人確認をきちんと行う業者なら、後の確定申告もスムーズに進みます。手数料や入金方法の説明がわかりやすいか、控除の内訳を開示しているかも確認しましょう。
同じ条件で複数社に見積もりを依頼し、金額と書類の質を合わせて比べると安心できます。口コミや店員の対応、苦情への姿勢もチェックすると、不安を減らせます。入金までの所要日数や支払方法の選択肢も事前に確認しておきましょう。
「おたからや」は店舗に熟練の鑑定士が常駐しており、ご来店いただければ無料で真贋判定と現物の詳細チェックを行うことが可能です。初めての売却でも相談しやすい体制が整っています。
査定では最新の相場データや自社の成約履歴を参照し、どの要素が価格に影響したかを分かりやすく説明します。箱や保証書などの付属品が揃っていない場合でも、素材や状態、希少性を多面的に評価することで査定が可能ですのでご安心ください。
また、査定にかかる費用・手数料等は全て無料です。査定にご納得いただければ書類手続きのうえ最短で当日中に現金をお渡ししますので、まずはお気軽に店頭へお越しください。
金の税金に関するよくある質問(Q&A)

金の税金は「売ったら必ず課税される」ものではありません。利益が出ているかどうか、所有の期間、取得費を証明できるかによって、課税の有無や税額が変わります。さらに、申告が必要なケースを見落とすと、加算税や延滞税などの負担が増える可能性もあります。
ここでは、本文で解説した制度や注意点をもとに、読者がつまずきやすいポイントをQ&A形式で整理していきます。
Q. 金を売却すると必ず税金がかかりますか?
A.
必ずかかるわけではありません。個人が金を売却して利益が出た場合は原則「譲渡所得」として課税対象になります。
しかし、利益が出ていない場合や、特別控除の範囲に収まる場合は課税されないことがあります。
Q. 金の売却益はどの税区分になりますか?
A.
個人が保有していた金を売却して利益が出た場合は、原則として「譲渡所得」に該当します。取得費と譲渡費用を差し引いた後に課税が生じます。
Q. 年間50万円の特別控除とは何ですか?
A.
金の売却益は、ほかの動産の売却益と合算したうえで、年間50万円まで譲渡所得に対する特別控除の対象になります。
また、合計が50万円以下なら所得税はかからず、原則として確定申告も不要になります。
Q. 譲渡所得はどう計算しますか?
A.
売却額から、購入費用などの取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡益を出します。
そのうえで、譲渡所得に共通して認められている年間50万円の特別控除を適用し、残った部分が課税対象になります。
Q. 所有期間が5年を超えると税負担はどう変わりますか?
A.
5年を超えると長期譲渡所得として扱われ、課税対象となるのは利益のうち50%のみになります。
5年以内の短期だと全額が課税対象です。
Q. 5年超かどうかはいつの時点で判定しますか?
A.
売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得として扱われます。いつ売ったかだけでなく、基準日にも注意が必要です。
Q. 金の譲渡所得は他の所得と合算されますか?
A.
譲渡所得は給与所得など他の所得と合算する総合課税です。
利益が大きいほど高い税率が適用される可能性があるため、利益額の見込み確認が重要です。
Q. 金を家族に無償で渡した場合はどうなりますか?
A.
売却ではなく無償で渡す場合、税務上は「贈与」として扱われ、贈与税の対象になる可能性があります。
気になる方は、状況を整理した上で、弁護士や税理士などに相談するようにしましょう。
Q. 贈与税の非課税枠はありますか?
A.
贈与税には年間110万円までの基礎控除があります。1年の受け取り合計が110万円以下なら贈与税はかかりませんが、超えた部分には課税され、金額が大きいほど税率も上がります。
Q. 毎年110万円ずつ贈与すれば安全ですか?
A.
毎年110万円ずつ渡す方法でも、あらかじめ継続的に渡す約束がある場合などは「定期贈与」とみなされることがあります。
合計額を一度に贈与したものとして課税されるおそれがあるため注意が必要です。
Q. 金を買うときにかかる税金は何ですか?
A.
金の購入時にかかる主な税金は消費税で、税率は10パーセントです。購入しただけでは所得が発生しないため、購入時点で所得税や住民税は課されません。
Q. 加熱処理は価値を下げますか?
A.
加熱処理は国際的に認められた一般的手法です。鑑別書に「通常加熱」と記載されていれば価値を損なうことはほとんどありません。
Q. 金を保有しているだけでかかる税金はありますか?
A.
購入後に保有しているだけの場合、固定資産税のような保有税はかかりません。
Q. 購入価格が分からないと税金面で不利になりますか?
A.
取得費を立証できない場合、概算取得費として売却額の5%だけを取得費とみなします。
残る95パーセントが利益とみなされるため、課税対象が膨らみやすいです。
Q. 取得費を証明するためにどんな書類を残すべきですか?
A.
領収書や請求書、発行証明書、保証書、配送伝票、口座の出金記録など、日付・数量・単価が分かる資料を保管することが有効です。
紙の書類を電子化して保存したり、データのバックアップを取っておくこともおすすめです。
Q. 申告漏れが発覚するとどんなペナルティがありますか?
A.
本税に加えて加算税や延滞税が課され、仮装・隠蔽があると重加算税の対象となる可能性があります。
悪質な場合は刑事罰の対象となる恐れがあるため、正しい申告と記録管理が重要です。
まとめ
金を売って得た利益は、基本的に譲渡所得に区分されます。まずは自分の取引がどの所得区分に当たるかを把握することが重要です。
所有期間が5年を超えると税率が下がり、年間50万円の特別控除も活用できますが、取得時の領収書がない場合は概算取得費(5%)で計算され不利になることもあるので注意しましょう。
無申告はマイナンバーや買取店の支払調書で把握され、発覚すれば加算税や延滞税が課され、場合によっては罰則を受けることがあります。少額だからと軽く考えず、申告要否を丁寧に確認する姿勢が大切です。
売却益は年内のほかの譲渡損益と合算し控除後に課税額を確定させます。確定申告が必要かどうかを確認し、信頼できる業者で記録を残し、生活用動産の特例や1点30万円以下の非課税枠もチェックしましょう。
事前の整理と記録が、結果的にトラブル防止と節税につながります。
「おたからや」での金の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「金」の参考買取価格の一部を紹介します。
2025年12月30日14:00更新
※上記の買取価格はあくまで参考価格であり、市場の動向、今日の金1gあたりの買取価格相場表
金のレート(1gあたり)
インゴット(金)24,130円
-594円
24金(K24・純金)23,937円
-589円
23金(K23)23,020円
-567円
22金(K22)22,007円
-541円
21.6金(K21.6)21,476円
-528円
20金(K20)19,642円
-483円
18金(K18)18,073円
-445円
14金(K14)13,995円
-345円
12金(K12)10,859円
-267円
10金(K10)9,700円
-239円
9金(K9)8,711円
-214円
8金(K8)6,467円
-159円
5金(K5)3,137円
-77円
付属品の有無などによって実際の査定額が変動する場合があります。
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
売却益は原則として譲渡所得に該当し、所有期間や取得費の証明、各種控除の適用によって税額が大きく変わります。
特に取得費が不明確な場合は概算取得費での計算になり不利になることがあるため、購入時の領収書など証拠となる書類は大切に保管してください。
税務上の処理に不安があるときは、税理士などの専門家に相談して確定申告の要否や節税策(長期保有区分・特別控除など)を確認することをおすすめします。
- おたからや査定員のコメント
金製品の売却益は原則として譲渡所得に該当し、所有期間や取得費の立証で課税額が大きく変動します。取得費が不明な場合は概算取得費が適用され不利になるため、領収書や納品書は保管しておくことが重要です。
無申告は支払調書やマイナンバーで把握され、発覚時は加算税・延滞税や場合によっては刑事責任が生じます。50万円の特別控除や5年を超える長期区分は有効ですが、例外規定もあるため、売却前に信頼できる買取店で記録を整え、疑問があれば専門家に相談してください。

金の買取なら「おたからや」
「おたからや」では、インゴットや純金コイン、K18・K14・K10といったジュエリーから、歪んだリングや片方のみのピアス、刻印が薄れたスクラップまで幅広く査定いたします。店頭では専門鑑定士が純度を正確に測定し、現在の金価格や最新の取引相場を反映した高水準の査定額を速やかにご提示します。
付属品がなくても公平に評価する体制を整えており、どのような状態でお持ちいただいても安心してご利用いただくことが可能です。全国1,630店舗を展開しており、ネットワークと海外との取引実績を活かした高価買取も魅力です。全国どこでもお近くの「おたからや」をご利用できます。
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※本記事は、おたからや広報部の認可を受けて公開しております。
おたからやの金買取
査定員の紹介
伊東 査定員
-
趣味
ショッピング
-
好きな言葉
有言実行
-
好きなブランド
ハリーウィンストン
-
過去の買取品例
おりん、インゴット
初めまして。査定員の伊東と申します。 おたからやでは金の買取をする際に、今日の金の1gの買取相場を基に、デザイン性などをプラスで評価して高価買取を行っております。過去に1万点以上の査定をさせていただきましたが、とても多くのお客様に想像以上の金額になったと喜んでいただきました。また、おたからやでは、すべての店舗に比重計を完備しているため、金の含有量を正確に測定することができます。 金額はもちろんのこと、接客も最高のおもてなしができるように心がけております。私共はお品物だけではなくお客様一人ひとりの思いに寄り添い満足して帰っていただけるように丁寧な説明を致します。誠心誠意対応させていただきますので、是非おたからやのご利用をお待ちしております。
その他の査定員紹介はこちら金を高く売るためのコツは、「金の価格が高いときに売ること」と「高値で買い取ってくれる専門店に売ること」です。金の価格は現在非常に高騰しているため、売却にはベストなタイミングといえます。
金の高価買取はおたからやにお任せください。
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