プラチナとは?希少性や特徴、用途から指輪に選ばれる理由までわかりやすく解説
※下記の画像は全てイメージです
純白の輝きと永遠に変わらない美しさで、婚約指輪や結婚指輪の定番として愛されているプラチナ。プラチナは金よりも希少で変色することがなく、アレルギーを起こしにくいという特徴から長く身に着けるジュエリーの素材として最適とされています。
しかし、プラチナという名前は知っていても実際にどのような金属なのか、なぜこれほど価値があるのかについて詳しく知る機会は少ないのではないでしょうか。
ホワイトゴールドとの違いやPt950という刻印の意味、さらには工業分野での重要な役割までプラチナはさまざまな興味深い側面があります。
本記事ではプラチナの基本的な定義から優れた物理的性質や化学的性質、指輪に選ばれる理由、そして幅広い用途までわかりやすく解説します。
Contents
プラチナとは?基本知識を簡単に解説
プラチナは私たちの生活に身近な貴金属でありながら、その本質については意外と知られていません。ここでは、プラチナという金属の基本的な知識をわかりやすく解説していきます。
プラチナとはどんな貴金属?
プラチナは元素記号Ptで表される白金族元素の1つで、銀白色の美しい光沢を持つ貴金属です。原子番号は78、比重は21.45と金の19.32よりも重く、地球上で最も密度の高い金属の1つとなっています。
日本語では「白金(はっきん)」とも呼ばれますが、文字通り白い金属という意味で名付けられました。
プラチナ最大の特徴は極めて安定した化学的性質を持つことでしょう。空気中で加熱しても酸化せず、ほとんどの酸やアルカリに侵されることがありません。
唯一、王水(濃塩酸と濃硝酸の混合液)には溶けますが、日常生活で触れる物質では変質することがないため「永遠の金属」とも呼ばれています。
プラチナとホワイトゴールドの違い
プラチナとホワイトゴールドはどちらも白い輝きを持つ貴金属として比較されることが多い金属です。しかし両者は全く異なる金属でありそれぞれに特徴があります。
最も大きな違いはプラチナが単一の元素からなる純粋な貴金属であるのに対し、ホワイトゴールドは金にパラジウムやニッケルなどを混ぜた合金である点です。
色味においても違いがあり、プラチナは自然な白色で時間が経っても変色することがありません。
一方ホワイトゴールドは金本来の黄色味を消すために白色金属を混ぜており、多くの場合ロジウムメッキを施して白く見せています。このメッキは使用により徐々に剥がれるため、定期的にメッキを再塗布する必要があります。
またアレルギー性の面でも、プラチナの方が金属アレルギーを起こしにくいという利点があり、肌に優しい素材として選ばれることが多いといえるでしょう。
プラチナの特徴と優れた性質とは
プラチナが貴金属の王様と呼ばれる理由は、その優れた性質にあります。ここでは、プラチナの持つ特別な特徴について科学的な観点から詳しく見ていきましょう。
プラチナの物理的・化学的性質
プラチナの融点は1,768℃と非常に高く、金の1,064℃と比較するとその耐熱性の高さがわかります。
高い融点によって高温環境でも形状を保つことができ、工業用途でも重宝されています。また熱伝導率と電気伝導率も優れており、腐食に対する抵抗力は全金属中でもトップクラスといえるでしょう。
化学的には極めて安定しており酸素に反応することがありません。これがプラチナが永遠に輝き続ける理由です。
さらに展延性と可鍛性に優れ、1グラムのプラチナから約2キロメートルの細線を作ることができます。この性質により繊細なジュエリーデザインも可能になっています。
プラチナの希少性と産出量
プラチナは地球上で最も希少な貴金属の1つです。年間産出量は約780トンで、金の約3,000トンと比較するとその希少性は明らかでしょう。南アフリカとロシアが世界産出量の約80%を占めており、限られた地域でしか採掘できないこともプラチナの価値を高めている要因です。
またプラチナは地球の地殻中の含有量は0.001ppm(100万分の1)程度で、金の0.004ppmよりもさらに少ないことからも希少性が十分に伝わるでしょう。
さらにプラチナの精製には約6ヶ月という長い期間が必要で、鉱石から純粋なプラチナを取り出すまでに複雑な化学処理を何度も繰り返さなければなりません。
プラチナの純度表示(Pt950・Pt900など)
プラチナ製品には「Pt950」「Pt900」「Pt850」といった刻印が打たれており、プラチナの純度を示す国際的な表示方法で1,000分率で表されています。
プラチナの純度とそれぞれに含まれるプラチナの量をまとめたものが以下の表になります。
プラチナの純度 | プラチナの含有率 |
Pt999(純プラチナ) | 99.95% |
Pt950 | 95% |
Pt900 | 90% |
Pt850 | 85% |
たとえば、プラチナのジュエリーに「Pt950」と刻印があった場合、そのジュエリーはプラチナが95%含まれているという意味になり、残りの5%には「割金」と呼ばれるプラチナ以外の金属を配合しています。
日本ではプラチナジュエリーとして認められるのはPt850以上と定められています。婚約指輪や結婚指輪ではPt950やPt900が主流となっており、純度と強度のバランスが最も良いとされているためです。
プラチナが指輪に選ばれる4つの理由
婚約指輪や結婚指輪の素材として、プラチナが圧倒的な人気を誇るのには明確な理由があります。ここでは、プラチナが指輪に最適とされる4つの理由を詳しく解説していきます。
変色・変質しない永遠の輝き
プラチナ最大の魅力は、何十年経っても変色しない永遠の輝きでしょう。
金や銀は空気中の硫黄分と反応して黒ずんだりくすんだりしますが、プラチナは化学的に極めて安定しているため、そのような心配がありません。汗や温泉、海水、化粧品など、日常生活で触れるあらゆる物質に対して耐性を持っています。
変色しないほか、変質しないというプラチナの特性は、毎日身に着ける結婚指輪にとって理想的です。お風呂に入るときも料理をするときも外す必要がなく常に身に着けていられます。
長年使い続けても購入時と変わらない美しい白色の輝きを保ち続けることから、プラチナは結婚指輪などの素材として選ばれ続けているのでしょう。
アレルギーを起こしにくい安全性
プラチナは金属アレルギーを起こしにくく、肌に優しい貴金属として知られています。金属アレルギーの原因は汗などで金属が溶け出してイオン化し、体内のタンパク質と結合することで起こります。
しかしプラチナは化学的に安定しているため、イオン化しにくくアレルギー反応を引き起こす可能性が極めて低いのが特徴でしょう。
特に高純度のPt950やPt900はアレルギーの原因となりやすいニッケルやコバルトを含まないため、敏感肌の方でも安心して着用できます。実際プラチナによるアレルギー報告は極めて稀で金属アレルギーに悩む方にもおすすめの素材です。
強度と粘り強さによる耐久性
プラチナは見た目の美しさだけでなく実用面でも優れた耐久性を持っています。純金や純銀と比較して強度が高く、さらに粘り強いという独特の性質があります。
この粘り強さにより強い衝撃を受けても割れたり欠けたりしにくく、変形しても修復しやすいという利点があります。
またプラチナは加工性にも優れており、複雑なデザインの指輪も製作可能でサイズ直しや修理も容易に行えます。
- おたからや査定員のコメント
将来的に指のサイズが変わってもプラチナならサイズ調整が可能です。この実用性の高さが、多くの人々に一生もののジュエリーとして人気な理由となっています。
純白の輝きとダイヤモンドとの相性
プラチナの純白の輝きはダイヤモンドの美しさを最大限に引き立てます。プラチナ特有の落ち着いた白色はダイヤモンドの透明感を際立たせ、その輝きを一層美しく見せる効果があります。黄色味のある金ではダイヤモンドに色が映り込むことがありますが、プラチナならその心配がありません。
高級ジュエリーブランドの多くがダイヤモンドジュエリーにプラチナを採用するのは、この相性の良さゆえです。
さらにプラチナの白色は肌なじみが良く、日本人の肌色にも美しく映えます。イエローゴールドでは派手に感じる方でもプラチナなら上品で洗練された印象を与えるでしょう。
年齢を重ねても違和感なく着用できるプラチナの普遍的な美しさは、一生を共にする結婚指輪として最適です。
プラチナの用途と活用分野とは
プラチナは装飾品としてだけでなく、私たちの生活を支える様々な分野で活躍しています。その優れた性質を活かした多様な用途について詳しく見ていきましょう。
ジュエリー・装飾品としての用途
プラチナの用途として最も身近なのがジュエリーや装飾品です。世界のプラチナ需要の約30%がジュエリー用途で、特に日本は世界最大級のプラチナジュエリーの市場となっています。婚約指輪や結婚指輪をはじめ、ネックレスやブレスレット、ピアスなど幅広いアイテムにプラチナが使用されています。
高級腕時計の分野でもプラチナは使用されておりロレックスやパテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど世界的な高級時計ブランドが限定モデルや最高級ラインにプラチナを採用。
またオリンピックのメダルやノーベル賞のメダルの一部にもプラチナが含まれており、最高の栄誉を表現する素材として認識されているといえるでしょう。日本では文化勲章や各種褒章にもプラチナが使用されています。
工業用触媒としての重要性
プラチナの需要の約40%を占めるのが工業用触媒としての用途です。プラチナの性質ならではの使われ方が自動車の排気ガス浄化装置で、有害な一酸化炭素や窒素酸化物を無害な物質に変換する触媒として欠かせません。
化学工業でもプラチナ触媒は広く活用され、硝酸の製造やシリコーンの生産、医薬品の合成など様々な化学反応を効率的に進める触媒として使用されています。
特に石油精製ではガソリンのオクタン価を高める改質装置に不可欠で、私たちが日常的に使用する燃料の品質向上にも大きく貢献しているといえるでしょう。
投資商品としてのプラチナ
プラチナは、金と並ぶ重要な投資商品として世界中の投資家から注目されています。プラチナ地金やプラチナコイン、ETF(上場投資信託)など様々な形で投資することが可能です。
特にプラチナ地金は500グラムや1キログラムのバーとして取引され、現物資産として保有する投資家も多く存在します。
価格変動の特徴として、プラチナは工業需要の影響を強く受けるのが特徴といえるでしょう。自動車産業の動向や環境規制の強化により価格が大きく変動することがあり、金よりもボラティリティ(価格変動率)が高い傾向にあります。
歴史的には金価格を上回ることが多かったプラチナですが、近年は需給バランスの変化により価格関係が逆転する場面も見られています。
投資商品としての魅力はその希少性と将来性にあり、限られた産出国に依存する供給構造と環境技術での需要拡大が期待されることから、長期的な価値上昇を期待する投資家が多いのです。
プラチナ製品の選び方とお手入れ方法
大切なプラチナ製品を選び、長く美しく使い続けるためには正しい知識が必要です。購入時のポイントと日常のケア方法について紹介します。
プラチナ製品を選ぶ際のポイント
プラチナ製品を選ぶ際、まず確認すべきは純度を示す刻印です。「Pt950」や「Pt900」などの刻印があることを確認して信頼できる店舗で購入することが大切です。
極端に安価な製品はプラチナメッキや合金の可能性があるため、鑑定書や保証書が付属している製品を選ぶことで品質保証の面では安全でしょう。
デザイン選びでは、流行に左右されないシンプルなデザインは年齢を重ねても違和感なく着用可能なため、日常使いも考えつつ指輪なら引っかかりの少ない滑らかなデザインがおすすめです。
購入後のアフターサービスの有無も大切で、サイズ直しやクリーニング、修理などのサービスが充実している店舗を選ぶことで長く安心して使用できるでしょう。
日常のお手入れと保管方法
プラチナは変色しない金属です。しかし日常の汚れや小傷により輝きが、にぶることがあります。基本的なお手入れは柔らかい布で優しく拭くだけで十分でしょう。
汚れがひどい場合はぬるま湯に中性洗剤を少量溶かし、柔らかいブラシで優しく洗います。その後きれいな水でよくすすぎ、柔らかい布で水分を完全に拭き取ることが大切です。
プラチナは硬い金属です。しかしダイヤモンドなど硬い宝石と擦れると傷がつく可能性があるため、保管する際は他のジュエリーと接触しないよう個別に保管することをおすすめします。
まとめ
プラチナは希少性と化学的に極めて安定した性質を持つ貴金属です。単なる装飾品の素材を超えて産業分野でも重要な役割を果たしているといえるでしょう。
ジュエリー素材としてのプラチナは、変色しない永遠の輝きやアレルギーを起こしにくい安全性やダイヤモンドとの相性の良さなど、一生身に着ける装飾品に求められるすべての要素を兼ね備えています。
また産業分野においても自動車の排気ガス浄化や燃料電池など、環境技術に欠かせない存在です。プラチナは美しさと実用性を兼ね備えた、まさに現代社会に不可欠な貴金属といえるでしょう。
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「おたからや」での「プラチナ」の参考買取価格
ここでは、インゴットとアクセサリーを例に「おたからや」での「プラチナ」の参考買取価格の一部を紹介します。
画像 | モデル名 | 参考買取価格 |
---|---|---|
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プラチナ99.95 (Pt99.95) プラチナインゴット | 3,505,500円 |
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プラチナ1000 (Pt1000) 石福金属工業インゴット 200g | 1,402,200円 |
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プラチナ850 (Pt850) ダイヤネックレス | 915,300円 |
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プラチナ1000 (Pt1000) メープルプラチナコインまとめ | 273,500円 |
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プラチナ950 (Pt950) アレキサンドライトリング 0.94ct | 206,000円 |
プラチナジュエリーの場合は、純度や重量が基本となるものの、石の有無やデザイン性、ブランド価値も含めて総合的に評価されます。
なお売却の際は、Pt999とPt950、Pt900といった刻印を正確に見極め、素材の特性に応じた査定ができる買取専門店を見つけることが重要です。
ジュエリーの場合、人気ブランドかどうかで査定額が大きく変わります。とは言え、ノーブランドの品でも素材としての価値があるため、一定の値段がつくことに変わりはありません。また、キズや変形といった商品の状態も評価に関わり、付属品の有無やデザインの流行、相場のタイミングも査定額に影響します。
「おたからや」では、ブランド品以外や状態の悪い品でも丁寧に査定いたします。ジュエリー以外にも、コインやインゴットの買取にも対応しておりますので、不要なプラチナ製品はぜひ「おたからや」へお持ちください。
- おたからや査定員のコメント
「おたからや」では、プラチナの指輪やネックレス、ブレスレットをはじめ、インゴットやコインなど幅広いアイテムを対象に査定を行っております。純度(Pt1000・Pt950・Pt900など)や重量、さらに保存状態や市場相場まで丁寧に見極め、適正な価格をご提示いたします。ご不要になったプラチナ製品も、新たな価値へとつなげられるよう、誠意をもってご対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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査定員の紹介
伊東 査定員

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趣味
ショッピング
-
好きな言葉
有言実行
-
好きなブランド
ハリーウィンストン
-
過去の買取品例
おりん、インゴット
初めまして。査定員の伊東と申します。 おたからやでは、今日のプラチナ1gあたりの買取相場を基に、お品物一つひとつのデザイン性やブランド価値をプラスで評価し、高価買取を行っております。 これまでに1万点以上のお品物を査定してきましたが、多くのお客様に「想像以上の金額になった」と大変喜んでいただいております。 また、おたからやは、すべての店舗に比重計を完備しており、お客様の大切なプラチナジュエリーの含有量を正確に測定します。これにより、インゴットからネックレス、リングまで、あらゆるプラチナ製品の価値を最大限に引き出します。 私たちは、金額だけではなく、おもてなしの心で最高の接客を心がけております。お客様一人ひとりの思いに寄り添い、丁寧な説明と誠心誠意の対応で、ご納得いただけるよう努めます。 ご自宅に眠るプラチナ製品がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。皆様のご利用を心よりお待ちしております。
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