プラチナの価格はこれからどうなる?価格推移・変動・予想を解説
近年、プラチナの価格の相場が上昇し、プラチナを購入しようかと迷っている方が増えてきています。
そのため、アクセサリーとしても人気のあるプラチナが「これからも価値ある素材なのかどうか」が気になる方も多いようです。
この記事では、これからのプラチナ価格予想についてご紹介いたします。
価格推移や変動なども詳しく紹介していますので、プラチナの購入や高値での売却を検討する際の参考にしていただければ幸いです。
Contents
プラチナと金で価格が異なる理由とは
プラチナと金の需要が生む価格の違い
金は古くから宝飾品として広く利用されてきました。
それに加え、投資商品としての需要も高く、安全資産としての地位を確立しています。この安定した需要が、金の価格を支えています。
一方、プラチナは需要の約60%が自動車産業や宝飾産業によるものです。
特に自動車産業への依存度が高いため、世界的な景気動向や産業の変化に敏感で、価格が変動しやすい特徴があります。
プラチナの価値が下がった背景
プラチナはその希少性から、2008年以前は金を上回る価格で取引されていた期間がありました。
年間供給量が約200トンと非常に少なく、金の19分の1しかないことがその価値を支えていました。
しかし、2008年のリーマンショックを境に、プラチナの主な用途である工業需要が減少。これにより、プラチナの価格が下落しました。
一方で、金は「安全資産」としての需要が急増し、価格が上昇。結果として、プラチナと金の価格差が広がりました。
プラチナの価格推移と現状
プラチナの価格は常に変化しています。
そこで、プラチナの価格推移や現状をご紹介します。
これからのプラチナの価格を予測する上で、大切なポイントとなるので、ぜひ参考にしてみてください。
近年におけるプラチナの価格推移
プラチナの価格推移は以下の通りです。
年 | 最高値(円) | 最安値(円) | 平均(円) |
---|---|---|---|
2023 | 5,372 | 4,464 | 4,880 |
2022 | 5,251 | 3,983 | 4,545 |
2021 | 4,929 | 3,678 | 4,324 |
2020 | 4,052 | 2,553 | 3,425 |
2019 | 3,747 | 3,099 | 3,385 |
2018 | 3,972 | 3,040 | 3,471 |
2017 | 4,121 | 3,549 | 3,804 |
2016 | 4,201 | 3,463 | 3,817 |
2015 | 5,322 | 3,636 | 4,541 |
2014 | 5,375 | 4,641 | 5,105 |
2013 | 5,570 | 4,427 | 4,977 |
長らくプラチナの価格は低迷していましたが、2020年以降は回復傾向です。
プラチナの値動きが大きいことから、短期投資を好む投資家を中心に人気が高まっていると考えられます。
プラチナの市場価値が上昇するとともに、プラチナの買取相場も現在高くなっています。
- おたからや査定員のコメント
プラチナの価格は、ここ数年で回復基調を見せ、自動車産業を中心に需要が高まり続けています。特にガソリン車やハイブリッド車の触媒として使用されることで、その市場価値がさらに注目されています。
ご自宅にプラチナ製品をお持ちの場合、現在の市場動向を踏まえた価値を確認してみるのも一つの方法です。「おたからや」では、経験豊富な査定士が丁寧に対応し、無料査定も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
プラチナの価格が変動する理由
プラチナの価格は、需要と供給のバランスが価格に影響を与えます。
しかし、プラチナの価格が変動する理由は、需要も含め以下の3つです。
プラチナの需要が変動
1.自動車産業が支えるプラチナ需要
プラチナ需要の約6割は自動車産業に依存しており、自動車産業の動向がプラチナ価格に大きな影響を与えます。
従来、プラチナはディーゼルエンジン車の「排気ガス浄化システム」で有毒ガスを浄化するために使用されてきました。
特に日本では、大型トラックやバスなどの商用車に欠かせない重要な素材とされています。
2.環境技術と需要の変化
ガソリン車の排気ガス浄化には従来パラジウムが使用されていましたが、近年のパラジウム価格高騰を受け、ガソリン車でもプラチナが代替材として採用されるケースが増加しています。
また、電気自動車(EV)では燃料電池にプラチナが使用されるものの、EVへの移行需要が近年後退傾向にあることも影響を及ぼしています。
これらの変化から、自動車業界の動向がプラチナ価格に与える影響は今後も重要な要素となります。
プラチナの産出国の経済動向
プラチナの産出国上位5カ国は以下の通りです。
順位 | 国 | シェア率(2022年) |
---|---|---|
1 | 南アフリカ | 71.50% |
2 | ロシア | 11.50% |
3 | ジンバブエ | 9.80% |
4 | カナダ | 3.10% |
5 | アメリカ | 1.70% |
参照「GLOBAL NOTE 国際統計・個別統計専門サイト」
上記のように、プラチナの産出国シェアでは、南アフリカが圧倒的なシェアを誇ります。
南アフリカに占める割合が非常に大きいため、南アフリカの経済動向や産業の状況がプラチナ市場に大きく影響を与えます。
1.南アフリカの経済が価格に与える影響
南アフリカの通貨「ランド」が下落すると、輸出が促進されプラチナの供給が増える傾向にあります。
これにより、市場に供給過多が起こり、プラチナ価格が下落する可能性があります。
一方で、南アフリカの鉱山では、電力不足や労使紛争が頻発します。
これらの問題が供給量を減らし、結果的にプラチナ価格が上昇する要因となることもあります。
2.他の主要国の影響力
ロシアは世界第2位のプラチナ産出国で、シェアは11.50%を占めますが、南アフリカの71.50%には遠く及びません。
ウクライナ情勢によりロシアのプラチナ供給が一部制約を受ける影響はあるものの、全体の市場への影響力は限定的です。
以上により、プラチナ市場の価格変動においては、南アフリカの動向が最も重要です。
南アフリカの経済状況や鉱山運営が、需要と供給のバランスを大きく左右し、価格に直結する主要な要因となっています。
プラチナの消費量が多い国の景気
1.主要消費国と多様な用途
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
北米(カナダ・アメリカ) | 37.1t | 38.1t | 38.5t |
西欧 | 46.5t | 37.0t | 49.1t |
日本 | 18.5t | 11.5t | 24.1t |
中国 | 66.1t | 53.5t | 61.8t |
インド | 3.8t | 5.3t | 6.3t |
参照:「北辰物産株式会社『世界の白金(PLATINUM)の需給データ』」
プラチナの主要な消費国には、中国、北米、西欧、日本、インドが挙げられます。
これらの国々では、結婚指輪や婚約指輪といった宝飾品の需要が特に高い一方で、医療分野ではペースメーカー、宇宙開発ではスペースシャトルの部品など、幅広い用途に活用されています。
こうした多岐にわたる用途のため、各国の経済状況や産業動向が消費量に影響を与え、それがプラチナ価格に敏感に反映されるという特徴があります。
2.経済の低迷が価格に与えた影響
プラチナ価格の変動には主要消費国の景気が大きく影響しています。
特に、2020年に発生した新型コロナウイルスのパンデミックは、消費国の経済活動を停滞させ、自動車販売を含むプラチナ需要が急激に減少したことで、価格が大幅に下落しました。
現在でもプラチナ市場では主要国のGDPや経済指標が重要視され、これらが価格変動の指標として注目されています。
- おたからや査定員のコメント
プラチナの価格は需要と供給、主要消費国や産出国の経済動向に大きく影響を受けます。
例えば、自動車産業での利用増加や世界的な景気回復が需要を押し上げ、価格の上昇に寄与しています。一方で、南アフリカやロシアといった産出国の動向も市場に直接的な影響を与えます。
こうした複雑な要因を踏まえ、現在のプラチナの市場価値が気になる方は、ぜひ我々専門家の査定をご利用いただき、最新の市場価格をご確認ください。
プラチナの価格が上昇した過去の事例
これまで、プラチナの価格は上昇と下落を繰り返してきました。
近年、価格が上昇している背景には、どのような事例があるのかを具体的に見ていきます。
プラチナの価格動向を予測する際には、過去の事例を参考にすることで、変動の傾向をより把握しやすくなります。
今後の価格について考える際のヒントとして、ぜひお役立てください。
2000年代のプラチナ価格上昇
2000~2008年にかけて、プラチナ価格は大きく上昇しました。
年 | 最高値 | 最安値 | 平均 |
---|---|---|---|
2000 | 2,440 | 1,546 | 2,064 |
2001 | 2,702 | 1,754 | 2,242 |
2002 | 2,590 | 2,101 | 2,350 |
2003 | 3,136 | 2,940 | 2,765 |
2004 | 3,495 | 2,921 | 3,158 |
2005 | 4,166 | 3,014 | 3,406 |
2006 | 5,224 | 3,910 | 4,552 |
2007 | 5,990 | 4,550 | 5,251 |
2008 | 7,968 | 2,576 | 5,692 |
2009 | 4,631 | 2,886 | 3,902 |
プラチナの価格は、2008年までの8年間で約3.2倍に上昇しました。
この価格高騰の背景には、ヨーロッパにおけるディーゼルの普及拡大があります。
環境規制が厳しいヨーロッパでは、排気ガス浄化システムの需要が高まり、プラチナの需要が大幅に増加。その結果、プラチナ価格は1グラムあたり7,968円という高値を記録しました。
しかし、2008年に発生したリーマンショックを機に、プラチナ価格は大幅に下落しました。
2020年後半からプラチナ価格が高騰
2008年9月15日に発生したリーマンショックの影響で、プラチナの価格は一時大きく下落しました。しかし、2020年末から再び上昇に転じています。
その要因の一つは、コロナ禍を経て自動車業界に活気が戻り、世界的な経済活動が再開したことです。
また、パラジウムの価格が上昇した影響で、自動車部品の素材がプラチナへと切り替えられたことも需要増加の大きな要因となっています。
さらに、2021年11月時点で154カ国が2050年を目標に脱炭素化を進めており、この動きに伴いプラチナの触媒需要が増加しました。
これらの背景から、2020年後半以降、プラチナ価格は再び上昇基調を見せています。
- おたからや査定員のコメント
プラチナの価格は、これまで世界経済や自動車業界の動向を背景に、上昇と下落を繰り返してきました。
現在も、脱炭素化の流れや自動車産業の需要に支えられ、価値が高まっています。一方で、代替素材の登場や市場動向次第では、今後の価格変動も予想されます。
ご自宅にプラチナ製品をお持ちの方は、今の市場価値を確認する良いタイミングかもしれません。
プラチナのこれからの買取相場は?
プラチナは現物資産であるため、価値が完全にゼロになる可能性は極めて低いと考えられます。
特に、ガソリン車やハイブリッド車の人気が続く中で、プラチナの需要は高まる可能性があり、それに伴い買取相場が徐々に上昇することも予想されます。
ただし、長期的な視点では注意が必要です。
自動車産業に大きく依存するプラチナは、もし新たな代替素材が発見されれば需要が減少し、市場価値の低下につながる可能性があります。その結果、買取相場も下落するリスクがあります。
プラチナを売るなら、買取相場が高くなっているタイミングでの売却がおすすめです。
- おたからや査定員のコメント
プラチナの買取相場は、現物資産としての価値や自動車産業での需要増加に支えられ、今後も注目される資産です。
一方で、代替素材の研究進展や市場供給の状況によって、相場が変動する可能性もあります。
「おたからや」では、市場動向を踏まえた適正な査定を行い、プラチナの価値を丁寧にご案内いたします。
プラチナを高く売るコツ
ここからは買取のプロとして、プラチナの価値を最大限に引き出し、プラチナを高く売るコツを紹介します。
付属品も一緒に査定してもらう
プラチナを売却する際には、保管している付属品も一緒に査定に出すことをおすすめします。
特に、有名ブランドのジュエリーであれば、箱や保証書といった付属品が揃っていることで、買取価格が高くなる可能性があります。
これらの付属品は買取査定に影響を与えるため、日頃から大切に保管しておきましょう。
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お手入れしてから査定に出す
プラチナを査定に出す際は、事前に簡単なお手入れをすることで印象を良くすることができます。
プラチナは変色しにくい素材ですが、付着した汗や皮脂によって輝きを失う場合があります。
柔らかい布で軽く拭き取り、清潔な状態で査定を依頼するのがおすすめです。
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