シルバーアクセサリーや銀製品には、「925」などの数字の刻印がされているのを見たことがあるでしょうか。この数字は銀の純度を示しており、純度によって銀の性質や価値が変わります。

本記事では、シルバーの純度とは何か、その種類ごとの特徴や刻印の読み方、さらに純度の違いによる見た目やお手入れ方法、高く売るためのポイントについてわかりやすく解説します。

シルバーの「純度」とは

シルバーの純度とは、銀がどれだけ含まれているかを示す割合のことです。銀製品では純度を「1000分率（パーミル）」で表すのが一般的で、たとえば「925」と刻印されていれば銀含有率92.5％という意味です。

なお、1000‰が純銀（ほぼ100％）で、純度が高いほど希少価値も上がります。銀の純度は、製品の品質を判断する指標の1つです。

999／958／950／925／900／800の意味

銀製品の刻印は数字が示す含有率で品質を判断することが可能です。999は純銀で柔らかく、輝きも高いが傷付きやすい欠点があります。

958／950は高純度を保ちつつも硬さを補い、食器や高級アイテムに用いられます。925は加工しやすく多様な製品に最適です。900は古銭やアンティークで見られ、800は実用性重視の欧州製品に多く使われます。

合金成分の考え方

純銀（99.9％）は柔らかすぎて細工や彫刻が難しいため、銀製品には銅を中心とした他の金属を少量混ぜた「銀合金」が一般的に使われます。銀に混ぜる金属は「割り金」と呼ばれ、銀の強度や色調に影響を与えます。最も多い組み合わせは銀＋銅で、銅を7.5％加えたものがスターリングシルバー（銀925）です。

スターリングシルバーは残りの7.5％に銅のみを配合することで、銀の白さを保ちつつ硬さを向上させ、金属アレルギーも起こりにくい特徴があります。一方、「シルバー925」の刻印だけでは、残りの7.5％に何の金属が使われているか特定されません。

製品によっては銅以外にニッケルや鉛などが含まれる場合もあり、合金成分によって銀の風合いや耐変色性が多少変わることがあります。なお「German Silver（ジャーマンシルバー）」や「洋銀」と呼ばれる合金は銅・亜鉛・ニッケルで構成されており、銀を全く含まない紛らわしい名称なので注意しましょう。

インゴット（地金）とジュエリーで純度が異なる理由

銀のインゴットや投資用コインは、資産価値を重視して、純度の高い純銀（999など）が用いられるのが普通です。純銀は、化学的に安定で純度が高いほど市場価値も高くなるため、資産保有目的では極力純度の高い銀が求められます。

一方、指輪やネックレスといったシルバージュエリーでは、純銀だと柔らかすぎて傷が付きやすく変形もしやすいため、あえて純度を下げた銀合金が用いられます。

銀92.5％のスターリングシルバーは、硬度と加工性のバランスが良く、ティファニーなど有名ブランドも採用するほど実用的で高品質な素材です。このように、インゴットは純度重視、ジュエリーは耐久性重視と目的によって適した純度が異なるのです。

• おたからや査定員のコメント

刻印・ホールマークの読み方

銀製品には、その純度や素材を示す「刻印」が打たれていることが多く、これを読めば銀の品質がわかります。刻印の形式は数字、STERLINGなどの文字、国の紋章などのホールマークが用いられるなどさまざまです。

身近な例では、指輪の内側に「925」などの数字が刻まれている場合があります。刻印は、銀製品の品質保証にもなっています。

一般的な数値刻印

銀の純度は、前述の通り数値で示されるものです。銀製品には「999」「958」「950」「925」「900」「800」といった数値が、単独またはアルファベットと組み合わさって打刻されています。

たとえば、純銀のインゴットには「999」または「純銀」と刻印されることが多く、スターリングシルバーの指輪なら「925」だけでなく「SV925」や「SILVER925」といった形で刻印されることもあります。

958の刻印はブリタニアシルバー、900や800はコインシルバーやコンチネンタルシルバーを示し、アンティーク品にみられることが多いです。基本的に、数字がそのまま銀品位（パーミル）を意味し、「925」とあれば92.5％銀であることを表しています。

用語刻印

刻印には、数字以外に文字による表示も存在します。代表的なのが「STERLING」で、これはスターリングシルバー（銀925）の意味です。19世紀以降の英米の銀製品には品位表示として「Sterling」や「Sterling Silver」の文字が刻まれ、本物の銀であることを示していました。

「BRITANNIA」はブリタニアシルバー（銀958）を指し、イギリスでは一時期、純度の保証刻印として用いられました。「COIN」はコインシルバー（銀900前後）の意味で、かつて米国などで、銀貨を溶かして作った銀器に「Coin Silver」と刻印された例があります。

イタリア語で銀を意味する「ARGENTO」も、海外製の銀製品で見られる表示です。たとえば、800 ARGENTOとあれば、銀含有率80％の銀製品を指しています。また、元素記号を用いた「Ag925」のような刻印もあり、これはAg（銀）が925‰の純度であることの証明です。このように、用語刻印も基本的には銀の品位を表す点では数値と同じですが、国やメーカーごとの慣習でさまざまな表記が存在します。

日本・海外のホールマーク

ホールマークとは、国や都市の公的な検定機関が、貴金属製品に刻印する品質保証のマークです。海外、特にイギリスやフランスのアンティーク銀器には、銀の純度や製造年、工房を示す複数のシンボルが刻まれていることがあります。

たとえば、イギリスのホールマークでは、銀の純度を示す記号のほか、製造年を表すアルファベット文字、ロンドンやバーミンガムといった検定所を示す紋章が組み合わされています。フランスでは、ミネルバの横顔の刻印が、銀950の保証マークとして使われてきました。

一方、日本には、欧米のような公的ホールマーク制度はありません。メーカーや職人の自主的な判断で、「SV」「純銀」「SILVER950」といった品位刻印を打つのが一般的です。日本ジュエリー協会のガイドラインでは、「SV」「SILVER」など品位の数字を併記しない刻印は、銀含有率925‰以上の製品に限定して使うとされています。

刻印がない・薄い・読みづらい場合の注意点

銀製品のなかには、刻印が摩耗して薄くなっていたり、元々刻印が打たれていないものも存在します。刻印が無いからといって、必ずしも偽造品とは限りません。

銀の刻印は、法律上必須ではないため、本物の銀でも省略されていることがあります。買取店で鑑定器による素材分析を受ければ、純度を確認したうえで買い取ってもらえます。

純度別の主な種類と特徴

銀には純度によってさまざまな呼称や種類があり、それぞれ特徴があります。ここでは、代表的な銀の品位ごとに、名称とその特徴を紹介します。

ファインシルバー

ファインシルバーとは、銀含有率99.9％以上の純銀のことで、「ピュアシルバー」「純銀」とも呼ばれます。非常に柔らかいため、加工品として扱うのは難しいですが、化学的に安定して変色しにくい性質を持つのが特徴です。

銀の価値（地金価格）は、純度が高いほど高額になる傾向があるため、インゴットや投資用コインは純銀で作られます。純銀製のアクセサリーは少ないですが、ある場合は衝撃や負荷に注意して丁寧に扱う必要があります。

ブリタニアシルバー

ブリタニアシルバーは、銀含有率95.8％の高純度シルバーです。1697年から1720年頃のイギリスでは、スターリングシルバー（925）に替えてブリタニアシルバーが法定純度とされ、銀貨の鋳造にも用いられました。

しかし、純度が高く軟らかすぎたため、加工や耐久性の問題から短期間でスターリングシルバー基準に戻された経緯があります。現在では、アンティークの銀器・銀食器や美術工芸品などに見られ、硫化による黒ずみ（黒銀）が生じにくく、美しい白色光沢を保つ点が長所です。

シルバー950

銀含有率95.0％のシルバー950は、スターリングシルバーより銀の割合が高い合金です。他の金属がほとんど含まれないため色味は純銀に近く、銀本来の白さと輝きを楽しめます。硬度はスターリングシルバーよりやや低いものの、手作りアクセサリーの素材としても人気です。

日本の作家や工房が製作する製品では、あえてこのシルバー950が使われる場合もあります。純度が高い分だけ変色もしにくい傾向がありますが、硫黄成分には反応してしまうためお手入れが必要です。

スターリングシルバー

スターリングシルバーは、銀92.5％＋銅7.5％の伝統的な銀合金で、世界的に最も普及しているシルバー素材です。「Sterling（スターリング）」には「本物の」「信頼できる」という意味があり、その名の通り古くから貨幣や宝飾品の素材として信用されてきました。

硬度と加工性に優れ、細かな細工や石留めにも適しています。銅を含むことで硫化による変色（黒ずみ）は純銀より起こりやすいですが、研磨すれば元の輝きを取り戻すことが可能です。ティファニーなど有名ブランドでも、スターリングシルバー製のアクセサリーが数多く作られており、品質と美しさから高い人気を誇ります。

コインシルバー

コインシルバーとは、古い銀貨やアンティーク銀器に使われた銀合金で、銀含有率が90％（900）またはそれ以下のものを指します。19～20世紀のアメリカやヨーロッパ大陸では、流通していた銀貨を溶かして食器や装飾品を作ることがあり、その際の素材がコインシルバーでした。

純度900の銀はスターリングシルバーより硬く頑丈になるため、大型のフォークやナイフ、懐中時計のケースなど実用品に好まれました。一方で銅の割合が多いため経年による黒ずみや緑青が発生しやすく、お手入れを怠ると表面がくすんだ色になりがちです。

アンティーク市場では、あえて古色を帯びたコインシルバーの風合いを好む愛好家もいますが、資産価値的には、スターリングシルバーより下回るのが一般的です。

シルバーフィルド

シルバーフィルドは、真鍮（しんちゅう）などの安価な金属を芯にして、表面に厚い銀の層を熱圧着した素材です。銀合金のコーティング層は、重量比でおよそ1/20程度にも及び、通常スターリングシルバーが使われます。

銀メッキ（シルバープレート）よりも被膜が厚いため、長期間使用しても下地の金属が露出しにくく、剥がれにくいのが特徴です。見た目はほぼ銀製品と変わりませんが、内部に別の金属が使われているため、純銀製品より安価に製造できます。シルバーフィルドは、刻印として「SILVER FILLED」や比率（例：1/20 925）の形で表示されることがあります。

シルバープレート

シルバープレートとは、銅やニッケル合金などの表面に電気メッキによって、ごく薄い銀の層を被覆したものです。代表的な刻印として、「EPNS」（Electro Plated Nickel Silverの略）があり、ニッケルシルバー製の台座に銀をメッキした製品を指します。

他にも、ピューター（白鑞、 Britannia Metal）に銀メッキした「EPBM」や、銅に銀を圧着した古典的技法の「シェフィールドプレート」なども、広義のシルバープレートです。シルバープレート製品は、外見上は銀そのものですが、銀の層が極めて薄いため、使用や磨耗によって下地の金属の色（黄色味や赤味）が見えてくることがあります。

また、銀含有量が微量なため、買取の際は銀製品としての価値はほぼ認められず、実用品・装飾品としての評価となる点に注意が必要です。

純度の違いで変わる性質と見た目

銀は純度によって硬さや耐久性、変色のしやすさなどの性質が変化し、製品の見た目や手入れの手間にも影響を及ぼします。

ここでは、純度の違いによる性質と、外観上の違いについて解説します。

硬さ・耐擦傷性・変形しにくさ

一般に、銀の純度が高いほど、金属としての硬さは低下します。純銀のビッカース硬度はおよそHv25～100程度ですが、銀925ではHv70～150まで向上します。つまり、スターリングシルバーの方が純銀より硬く、傷が付きにくく変形もしにくいということです。

実際、純銀製のアクセサリーは、日常生活のちょっとした衝撃でも、曲がったり凹んだりしやすいため、通常はあまり用いられません。シルバー925など銀合金は適度な硬度があるため、リングなど頻繁に触れるアクセサリーでも、耐久性を発揮します。

一方、純度を下げすぎると硬くなりすぎて加工が難しく、もろくなる場合もあるため、銀と銅のバランスが取れた92.5％の比率が広く使われているのです。

変色（硫化）耐性とメンテ頻度

銀は、空気中の硫黄分と反応して硫化銀が生成し、表面が黒ずむ性質があります。純銀は変色しにくい特徴がありますが、合金の場合は含まれる銅など他金属の影響で硫化が起こりやすくなるので注意が必要です。たとえば、スターリングシルバーは純銀よりも早く表面が黒っぽくなる傾向があり、逆にシルバー950やシルバー958は銅の割合が少ない分、やや変色しにくいといえます。

ただ、いずれも長期間放置すれば硫化は進むため、定期的なお手入れが必要な点は共通です。純度の低い（銅の多い）銀ほど頻繁に黒ずみが発生するため、純度80～90％のアンティーク銀器などは、こまめなメンテナンスが欠かせません。

なお、一度生じた黒ずみは、専用クリーナーや研磨剤入りクロスで除去でき、元の輝きを取り戻せます。

白さ・輝き・表面仕上げの乗りやすさ

銀はどの純度であっても、磨けば鏡のような白い輝きを放ちますが、純度によって微妙な色味の違いがあります。純銀は、澄んだ白い光沢が特徴で、上品な輝きを見せます。スターリングシルバーは、わずかに含まれる銅の影響で、ごくわずかに温かみのある色味になりますが、肉眼で見分けるのは難しい程度です。

実際、シルバー950とシルバー925を並べても、その色合いの差はほとんどありません。むしろ、純度よりも表面仕上げやコーティングの有無の方が、見た目に影響します。純度が高い銀は軟らかいため、細かな彫刻やテクスチャ加工をすると、エッジが丸まりやすい傾向です。

それに対し、スターリングシルバーは適度な硬さがあるため、シャープな彫刻模様や鏡面研磨など、意図した表面仕上げを比較的維持しやすいといえます。純度による見た目の違いは、わずかな白さの差と、加工精度の違いとして表れる程度です。

ロジウムメッキの有無と見た目・手入れの違い

銀製品には、変色を防ぐために、ロジウムという金属でメッキを施したものがあります。ロジウムメッキされた銀は、非常に光沢が強く、ステンレスやホワイトゴールドのようなクールな輝きになるのが特徴です。一方、無垢の銀は、時間とともに表面がくすみやすいものの、磨き直すと柔らかな白い光沢が蘇ります。

お手入れの面では、ロジウムメッキありの方が圧倒的に楽です。ロジウムは、耐久性が高く変色しにくいため、普段は柔らかい布で軽く拭くだけで輝きを保つことが可能です。一方、無垢の銀は、使用後に汗や皮脂を拭き取ったり、定期的にクリーナーで磨いたりと手間がかかります。

ただし、ロジウムメッキも、表面のコーティングが摩耗すると下地の銀が露出し、そこから硫化が進むことがあります。その場合は、再度メッキし直すと、新品同様の輝きを取り戻せます。買取評価の点では、ロジウムメッキの有無によって、銀そのものの評価額が大きく変わることはありません。

用途別の選び方

銀製品は、用途によって適した純度や素材が異なります。アクセサリーとして身に着けるのか、食卓で使う銀器なのか、あるいは投資目的なのかで、選ぶべきシルバーの種類も変わってきます。

ここでは、用途別にどのようなシルバーを選ぶと良いか、その目安を紹介するので、一つずつ確認していきましょう。

アクセサリー

日常使いのアクセサリーには、耐久性と美しさのバランスが取れたスターリングシルバー（925）が最も一般的でおすすめです。指輪（リング）は特に摩擦や衝撃を受けやすいため、硬度の高い銀925が向いています。

銀950も美しい輝きがありますが、925より柔らかいため、リングよりはペンダントやブローチなど力のかからないデザインに適しています。ピアスやネックレスチェーンも、肌に触れて汗にさらされやすいので、変色やアレルギーの点で信頼性の高いスターリングシルバーが安心です。

一部には純銀（999）のアクセサリーもありますが、非常に柔らかく変形しやすいため、観賞用やごく軽いペンダントトップ程度にとどめておくのが無難でしょう。

カトラリー／銀食器

スプーンやフォーク、ナイフといったカトラリーでは、日々の実用に耐える硬さと適度な重量感が求められます。そのため伝統的に英国では、スターリングシルバー（925）のカトラリーが多く作られてきましたが、フランスやドイツでは銀800～900程度の合金も一般的でした。

純度800〜900の銀器は、銅の割合が高くなる分だけ硬度が増し、傷が付きにくく曲がりにくいため、毎日使うフォークやナイフには理にかなった素材と言えるでしょう。ただし、純度が下がると、銀特有の上品な白い光沢が若干鈍くなり、また、硫化による変色も起こりやすくなります。

そのため、格式を重んじる場では、スターリングシルバー製のカトラリーが好まれ、実用本位ではやや純度を下げた銀器が用いられるという、住み分けが見られます。なお、高級銀食器ブランドの一部製品は、銀メッキの場合もあるため、購入時には品位表示を確認するとよいでしょう。

コイン／バー

資産価値やコレクションとして銀を保有する場合は、純度の投資用コインやインゴットを選ぶのが基本です。

たとえば、アメリカのシルバーイーグル銀貨や、カナダのメイプルリーフ銀貨は純度99.9％以上で、投資家やコレクターに人気があります。純度が高いほど、銀そのものの価格変動がダイレクトに反映されるため、資産保有目的では純銀が理想的です。

逆に、古い銀貨は純度90％程度ですが、これは当時の流通硬貨の素材であったためです。現代の投資では地金価格重視なら純銀、アンティーク収集では歴史的価値も含めて純度にこだわらない、といった住み分けになるでしょう。

アレルギーへの配慮

金属アレルギーをお持ちの方がシルバー製品を選ぶ際には、合金に含まれる金属やメッキ加工に注意が必要です。純銀およびスターリングシルバー（銀+銅）は、比較的アレルギーを起こしにくい素材とされています。銀そのものに対するアレルギーは稀で、大半はニッケルなど他の金属が原因となります。

したがって、「Nickel Silver（ニッケルシルバー）」と呼ばれる合金（実際には銀を含まず銅・ニッケル・亜鉛から成る）や、銀メッキ製品の下地にニッケルが使われている場合は要注意です。シルバーアクセサリーのなかには、表面にロジウムメッキを施して変色を防ぐと同時に、金属アレルギーのリスクを軽減しているものもあります。

ただし、メッキ層にごく微量でも、ニッケルが含まれていると敏感な方は反応する可能性があります。アレルギーが心配な方は、信頼できるメーカーのスターリングシルバー製品を選ぶか、「ニッケルフリー」「アレルギー対応」と明記された商品を選ぶと良いでしょう。

シルバーアクセサリーの変色や傷を防ぐポイント

お気に入りのシルバーアクセサリーを美しい状態で保つには、日頃のお手入れと保管方法に工夫が必要です。銀は放っておくと、表面が黒ずんだり細かな傷が蓄積したりしますが、以下のポイントに気を付ければ輝きを長持ちさせられます。

できる限り硫黄や塩素に触れさせない

銀の変色（黒ずみ）は、主に硫黄と塩素が原因です。硫黄は、温泉の成分（硫黄泉）や温泉街の空気、また、日常ではゴム・革製品、たまごや玉ねぎなど、硫黄分を含む食品からも発生します。

シルバーアクセサリーを身に着けたままこれらに触れると、短時間で表面が黒っぽく変色したり曇ったりすることがあります。防止策として、温泉に入るときやプールで泳ぐときは、銀製の指輪やネックレスは外すようにしましょう。

また、日常の家事でも、塩素系漂白剤や洗剤を扱う際には外しておくと安心です。長期間使わず保管する際も、空気中の硫黄でゆっくりと硫化が進むため、密閉できる袋に入れて空気に触れさせないようにするのが効果的です。

こまめに柔らかい布で拭く

シルバーアクセサリーは、使った後に軽くお手入れする習慣をつけると、黒ずみの発生を大幅に遅らせられます。具体的には、着用後に柔らかい布で表面を優しく拭き取り、汗や皮脂を落としましょう。

汗や皮脂には微量の硫黄や塩分が含まれており、これが銀に付着したままだと硫化や腐食の原因となります。特に夏場など汗をかきやすい時期は要注意です。

汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めたぬるま湯にアクセサリーをしばらく浸し、柔らかいブラシで優しく洗浄してから水気を拭き取る方法も効果的です。日々の簡単なお手入れを積み重ねると、シルバーならではの美しい輝きを長く保つことができます。

ケースや袋に入れて保管する

使わないシルバーアクセサリーを保管するときは、空気を遮断する工夫をしましょう。おすすめはシルバー専用の保存袋（ターニッシュ防止袋）を利用することです。専用袋には、変色を防ぐ薬剤が含まれているものもあり、銀を空気中の硫黄から守ってくれます。

専用袋がない場合でも、小さなチャック付きポリ袋などにアクセサリーを入れ、できるだけ空気を抜いて密封すると効果があります。保管前には水洗いや超音波洗浄器などで汚れを落とし、完全に乾燥させてから袋に入れてください。

また、複数の銀製品を一緒に保管すると接触部分で傷が付く恐れがあるため、個別に袋やケースに入れるのが望ましいです。適切な保管によって、次に取り出したときも輝きが損なわれず、すぐに身に着けやすくなるでしょう。

シルバーアクセサリーを高く売るための4つのポイント

不要になったシルバーアクセサリーを売却する際には、ちょっとした工夫で買取価格をアップさせることができます。

ここでは、買取査定で良い評価を得るための4つのポイントをご紹介します。

状態が悪化する前に売る

シルバーアクセサリーは、使わずに長期間放置しておくと、どうしても変色やくすみ、傷の悪化が進んでしまいます。黒ずみが強くなったり表面に傷が増えたりすると、その分買取査定でマイナス評価になりかねません。

したがって、「最近あまり使っていないな」と感じ始めたら、思い切って早めに売却するのがおすすめです。実際、ジュエリーボックスにしまいっぱなしでも硫化による変色は進むため、使わないのであれば早めに手放した方が良い状態で次の方に渡せます。

クリーニングしてから査定に出す

買取店に査定を依頼する前に、自分でできる範囲で構いませんので軽くお手入れをしておきましょう。具体的には、銀専用の研磨クロスで黒ずみを落としたり、指紋やホコリを柔らかい布で拭き取ったりします。

汚れたまま持ち込むよりも、ピカピカに磨かれた状態の方が査定員に与える印象が良く、高評価につながります。ただし、研磨剤でゴシゴシ磨きすぎて地金を減らしてしまったり、メッキがある製品を剥がしてしまったりしないよう注意が必要です。基本は、「見た目が美しい状態」で査定に臨むことが大切です。

付属品も一緒に査定に出す

購入時についてきた箱・ケース、ギャランティカードや鑑定書、ブランドのロゴ入り保存袋などの付属品が手元にある場合は、忘れずに一緒に買取に出しましょう。ブランド物のシルバーアクセサリーでは、付属品がそろっていると中古市場での評価が上がり、結果的に買取価格がプラスされる場合があります。

「もう使わないから」と箱類を捨ててしまわず、大切に保管しておくと売却時に役立つでしょう。また、チェーンとトップがセットの商品やペアジュエリーなどは、可能な限りセットで出す方が高値が付きやすい傾向があります。

信頼できる買取店を選ぶ

最後に、売却先の選定も重要です。銀製品の価値を正しく査定できる、実績豊富な買取店を選びましょう。買取価格は、基本的にその日の銀相場と重量で決まりますが、ブランド品やデザイン性に優れたものはプラス評価されることもあります。

付加価値を、きちんと査定に反映してくれるお店を選ぶことが大切です。具体的には、宝飾品の買取実績が多い専門店や、銀相場に明るい業者が安心です。

「おたからや」は店舗に経験豊富な鑑定士が常駐しており、ご来店のいただいた際は現物をその場で無料の真贋判定を行います。付属品がなくても素材・状態・流通性を確認した上で、適切な評価をつけることが可能です。

査定額にご納得いただければ即日現金化することも可能ですので、まずはお気軽にご来店ください。

シルバーの純度に関するよくある質問

最後に、シルバーの純度や刻印に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。

純度表示の意味やお手入れ、買取に関する疑問にお答えします。ぜひ参考にしてください。

Q. 「925」などの数字は何を意味しますか？

A. シルバー製品に刻まれた「925」等の数字は、その銀合金中の銀の割合（純度）を表しています。

たとえば、「925」であれば銀含有率92.5％を意味し、これはスターリングシルバーと同等です。同様に「999」は99.9％の純銀、「958」は95.8％のブリタニアシルバーといった具合に、数字そのものが千分率での純度表示になっています。

Q. シルバー950とシルバー925は、どちらが黒ずみにくい／硬いですか？

A. シルバー950の方がシルバー925より黒ずみにくい傾向があります。なぜなら、銀950は銅の含有量が5％と少なく、硫化による変色（黒ずみ）がやや起こりにくいからです。

一方で硬さについてはシルバー925の方が勝ります。シルバー925は7.5％の銅を含むことで硬度が増しており、シルバー950より傷や変形に強くなっています。

Q. 「EPNS」「Silver Plated」刻印は、銀製品として買取できますか？

A. 「EPNS」や「Silver Plated」と刻印されたものは、いずれも表面が銀メッキされた製品であり、中身まで銀が詰まっているわけではありません。

このため、買取店では純銀製品としての扱いにはならず、銀の価格では買い取ってもらえないことがほとんどです。

Q. German Silver／Nickel Silverは銀ですか？

A. 「German Silver（ジャーマンシルバー）」や「Nickel Silver（ニッケルシルバー）」は名前にシルバーとありますが、実際には銀を全く含まない合金です。

主成分は銅・ニッケル・亜鉛で、銀に似た白い色をしているためそのように呼ばれます。見た目こそ銀色ですが、素材的な価値は銀とは異なるため、銀製品としては扱われません。

Q. 純銀のアクセサリーの強度はどうですか？

A. 純度999‰のシルバー（純銀）は非常に柔らかい金属です。

純銀は衝撃に弱く、指で曲げられてしまうほど変形しやすいため、日常使いのアクセサリー素材としては不向きといわれます。

Q. 刻印が無いシルバーでも買取できますか？

A. 刻印が無い銀製品でも、買取は可能です。刻印は法律上必須ではないため、本物の銀でも省略されている場合があります。

買取専門店で鑑定器による素材分析を受ければ、純度を確認したうえで買い取ってもらえます。刻印が無いからといって、偽物とは限りません。

Q. 変色（黒ずみ）は不良ですか？クリーニングで取れますか？

A. 銀の 変色（黒ずみ）は品質不良ではなく、銀が空気中の硫黄分と反応してできる表面変化です。使用や保管中に多少黒ずんでしまっても、専用のクリーナーや研磨クロスで磨けば元の美しい光沢を取り戻せます。

ただし、長年放置して厚い硫化膜ができると、完全に取るのに時間がかかる場合もありますので、早め早めのクリーニングが肝心です。

Q. ロジウムメッキのシルバーと無垢では、見た目・買取評価は違いますか？

A. ロジウムメッキ品は常に輝く白さを保てる点で、無垢のシルバーと見た目が異なります。無垢の銀は時間とともにくすみますが、磨けば輝きが戻ります。

なお、買取時の評価はメッキの有無で大きく変わりません。

Q. 海外表記の「Ag925」「SILVER 925」「925 Italy」の違いは？

A. いずれも銀含有率92.5％という意味で、本質的な違いはありません。

Ag925は元素記号Ag＋純度表示、SILVER 925は英語表記で銀925、925 Italyは「銀925かつイタリア製」であることを意味します。

Q. シルバーの買取価格を上げるコツはありますか？

A. きれいな状態で査定に出すこと、付属品をそろえること、早めに売却すること、信頼できる店を選ぶことなどで買取額アップが期待できます。

まとめ

銀は、純度が高いほど高額になる傾向がありますが、その逆に硬度は低く、アクセサリーとしては扱いにくい部類に入ります。そのため、シルバーアクセサリーには、傷つきにくい銀合金が使われることがほとんどです。特に、銀の含有量92.5％の「シルバー925」「スターリングシルバー」は、ハイブランドも採用している高品質な製品として高い人気を誇ります。

銀は、その日の相場によって価格が変動しますが、人気ブランドやコレクターに人気のアイテムなど、付加価値によっても金額が変わります。シルバーアクセサリーの買取なら、銀製品の買取実績が豊富な「おたからや」へご相談ください。

「おたからや」での銀製品の参考買取価格

「おたからや」での銀製品の参考買取価格は下記の通りです。

商品画像	型名	参考買取価格
	純銀（シルバー）海外スイスインゴット　200g	356,000円
	純銀（シルバー）インゴット3kg	540,000円
	外国銀貨 5枚おまとめ	2,203,300円
	シルバー925 (Sv925) クロムハーツ ペンダントトップ	7,524,000円
	シルバー1000 (Sv1000) 銀食器 2枚セット	83,766円

※上記の買取価格はあくまで参考価格であり、市場の動向、付属品の有無などによって実際の査定額が変動する場合があります。

売却前には黒ずみを柔らかい布で優しく拭き取り、袋や箱、保証書などの付属品をそろえておきましょう。これだけで査定がスムーズになり、提示額が安定しやすくなります。

銀相場は毎日動くので、手放したいと思ったら早めに問い合わせるのがおすすめです。特に、スターリングシルバーは人気が高いため、状態が良いほど評価が伸びます。定期的な磨きで輝きを保つ習慣も大切です。

• おたからや査定員のコメント

シルバーの買取情報をチェックする

銀製品の買取なら「おたからや」

銀製品を手放す際は、相場の動きを正確に捉え、販路が豊富な査定店を選ぶことが重要です。「おたからや」は世界51カ国との取引実績と全国約1,620店舗のネットワークを活かし、最新の市場価格を即座に反映した高水準の買取額をご提示いたします。

シルバー925のジュエリーやカトラリー、アンティークのティーセット、銀貨・インゴット、さらにはブランドアイテムまで幅広く査定対象となります。重量・品位刻印・デザイン性・コンディションを熟練の査定員が丁寧に確認し、黒ずみや小キズがあるお品でも価値を逃さず適正価格をご提案できますので安心してご相談ください。

買取方法は店頭査定に加え、出張査定とLINEで写真を送るだけの簡易オンライン査定をご用意しております。外出の手間を抑えつつ概算を把握できるため、お忙しい方や遠方の方もご利用が可能です。大切な銀製品を納得の条件で売却したいときは、豊富な実績と誠実な対応で信頼を集める「おたからや」へぜひお任せください。

シルバーの買取情報をチェックする