【金の純度の調べ方】
押さえておきたい
「K」の意味も解説します!

※下記の画像は全てイメージです
金の「純度」とは?
金の純度とは、ジュエリーや金塊の中に金がどのくらい含まれているのかを表しています。
金の純度を表す文字は、「K」と「数字」を組み合わせて製品に刻印されます。Kは「カラット(Karat)」の略、数字は24分率の重量比率を示しており、K24やK18など実際の刻印です。カラットが大きければ大きいほど純金に近くなります。
また、24金は金の浮遊率が99.9%以上の場合に「純金」と呼ばれています。金は24分率で表されているので、24が金100%と思いがちですが、K24(24金)は金の割合が99.9%以上の金であるという点に注意が必要です。
また、金やその他のものがどのくらいの割合で含まれているのかによって、ピングゴールドやグリーンゴールドなどに分けられています。実際の金は熱にとても弱く、傷になったり型が崩れてしまいます。なので、純金だけでなくその他の物も混ぜた状態で保存して価値を維持しているのです。
金の価値は
「純度」で決まる
金の価値は純度(金の含有率)によって変わるのです。純度が高い金、つまりKのあとの数字の大きい方が高値になるので、数字とともに金の価値も高まっていきます。
金の価値が高い理由
金の価値を語る前に、人類と金の出会いを紐解いてみましょう。人類が金を見つけたのは、およそ6,000年前のシュメール文明だとされています。そんな太古の昔から、人類と金は深い関係にあるのです。そんな金の魅力や価値は、希少価値・資産価値・美しさの3つです。まず、希少価値ですが、金は地球上で採掘できる量が決まっており、将来的には全て採掘され尽くすと言われています。
そうなると、地上にある金を溶かして再利用するしかありません。採掘できる量が有限なので、金には希少価値があるのです。続いて、資産価値です。金は紙幣や株式と異なり、金自体に価値があります。また、歴史上金が無価値になったことはありません。そのため「有事の際の金」と呼ばれるように、戦争などで国がパニックになると金の価値が上がります。このように、金は物質自体に資産価値があるのです。
最後は、美しさが挙げられます。やはり、誰が見ても金は綺麗だと感じるでしょう。また、金はどれだけ年月が経っても腐食しません。そういったこともあり、昔から権力や富の象徴として使われてきたのではないでしょうか。
金の価値は日々変動している
金の価値は、為替などと同様に日々変動しています。なぜなら、金は世界中の市場で取り扱われており、需要と供給のバランスを保つためです。また、先述したように金は無限に採掘できるものではありません。そのため、金の資産価値が著しく低下することが考えづらく、変動相場の投資商品という一面もあるのです。
「K」の意味は?
純度に関する基礎知識
金の純度を表す単位「K」は、カラットの頭文字をとっています。金におけるカラットは「純度」を表すのに対し、ダイヤなど宝石のカラットは「質量」を意味する単位です。なおダイヤモンドなどの宝石でもカラットという単位を使いますが、意味が全く異なるため、金と宝石のカラットを混同しないよう注意してください。
英語で書いた場合も金は「Karat」ですが、宝石の場合「Carat」と表記されます。また、厳密には読み方も若干異なっており、宝石はカラットではなく「キャラット」です。とはいえ、どちらもカラットの数値が上がるほど価値が高くなります。また、日本では〇〇金という単位を使うこともありますが、これはカラットと同じ意味を持っています。
カラットの計算方法
カラットの計算方法は、24進法を用いた独特のやり方です。純度99.9%の金はK24(カラット)と表記されるので、24が最高値ということになります。純度の計算方法ですが、〇〇Kの〇〇に入る数字を24から割ったものが金の純度です。例えばK18の場合、18/24=0.75なので75%になります。このようにカラットの数字が分かれば簡単に純度を調べられるので、自分の持っているアクセサリーの純度を調べてみてください。
よく使われる
ジュエリーのK(カラット)
ここからは、アクセサリーやジュエリーでよく使われるカラットを見ていきましょう。
K24・24金は純度99.9%の以上の純金と呼ばれるものです。ほぼ100%の金なので、腐敗や変色といったリスクがなく、長い時間が経過しても金そのものの美しさを保ってくれます。しかし、硬度は低く柔らかいため、ジュエリーとして使用されることは稀です。基本的に資産としてインゴットや金貨などに活用されています。
まず初めに、K18・18金は純度75%の金を意味しています。ジュエリーとして最も多く流通しているのが、このK18です。K18の金は25%の割金が入っているので、加工のしやすさと使い勝手の良さのバランスが特徴的。ジュエリー以外の高級アクセサリーにも頻繁に採用されているため、馴染みがある人も多いのではないでしょうか。
続いてK14・14金は、純度58.5%の金を意味しています。割金の割合も40%を超えてくるため、この辺りからジュエリーとしての価格はかなりリーズナブルになるでしょう。また、金の含有率が低いため、腐食や変色のリスクも増加するのが特徴です。しかし、割金が多い分、加工のしやすさや耐久性は高まるので、高級万年筆などの文房具にも活用されています。
最後にK10・10金ですが、これは純度41.6%の金を意味しています。金の割合が半分を切っているので、金本来の美しさよりも、グリーンゴールドやレッドゴールドなど、割金と合わせた美しさを持っているさジュエリーが大半です。こちらも割金の含有率が高いので、K24やK18よりも耐久性は増します。しかしながら、割金が増えると金属アレルギーを発症してしまうなど、別のデメリットが出てくるのも特徴です。
「アトK」との違い
日本で生産されたジュエリーはK〇〇と表記されます。その逆に〇〇Kと表記されるものは「アトK」と呼ばれており、海外生産のジュエリーという意味です。また、アトKのジュエリーは品質が悪いことも多く、18KのジュエリーでもK14程度の含有量しかないことも少なくありません。
アトKジュエリーは日本製のジュエリーと比較した際に、どうしても価値が下がってしまう傾向にあります。ただし、「アトK」の表示がなされていても問題のないケースも存在します。「アトK」表記を使っているブランドもあるので、「アトK」表記の全てが悪いわけではなく、製品によって見極める必要があることに留意しましょう。
金の純度を
正確に調べる7つの方法
自分自身の金製品の純度を確かめ、どれくらいの資産価値があるかを把握したい方もいるでしょう。金の純度や偽物か否かは、以下7つの方法を使って調べることができます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
磁石を使用して調べる
「自分が持っているゴールドジュエリーは、本物の金なの?」そんな疑問がある人は、そのジュエリーに磁石を当ててみましょう。本物の金であれば磁石にはくっつきません。もし、ジュエリーが磁石にくっついた場合は、偽物である可能性が考えられます。
また、K18やK10であっても割金には磁石に反応しない割金が使われていることが多いため、基本的に磁石には反応しません。この方法でピタリと純度の割合は分かりませんが「とりあえずすぐに本物かどうかを見たい」人はぜひ磁石を使って検証してみてください。
刻印を確認する
ゴールドの純度を調べる上で誰でもできるやり方は、刻印を確認することです。刻印はK24やK18などで彫られており、純度は先述した通りになっています。とはいえ、K10のジュエリーをK18と偽る悪質な業者も存在します。「刻印にはK18と入っているけど、これは本当かな?」そう感じた人は、刻印の横に日本国旗が入っているかを確認してください。
日本国旗は「造幣局マーク」とも呼ばれ、マークが入っているジュエリーは日本で定められた検査に合格した正真正銘のゴールドです。刻印を見て純度を調べたい人は、この「造幣局マーク」が入っているかをチェックしてくださいね。
X線検査
「純度をできるだけ具体的に知りたい」そんな人は、X線を用いたX線検査・分析がおすすめです。X線検査は、X線を金製品の表面照射することで、その表面から放出される蛍光X線を測定する方法です。金・銀・銅からはそれぞれ異なる蛍光X線が放出されるので、その構成物質を見ると、金の純度を調べられる訳です。
また、この方法は様々な金属に使える方法なので、ゴールドに含まれる割金の割合や含有率も導き出せます。とはいえ、X線検査をするための装置は数百万円も掛かるため、個人が購入するにはあまり現実的とは言えません。
破壊検査と非破壊検査
続いて、破壊検査と非破壊検査です。それぞれ分けて見ていきましょう。まず、破壊検査は、文字通りジュエリーを破壊して調べる方法です。破壊検査の中には物理的に傷をつけるものや、薬品を使用し、その腐食具合によって判別する方法などがあります。傷や腐食を伴う検査なので、大切なジュエリーに対して行うのはおすすめできません。
一方、非破壊検査はジュエリーに傷や腐食をつけずに調べる方法です。最初に紹介した磁石を使う方法や、比重を測って調べる方法が、これに当たります。大切にしているジュエリーを調べたい人は、傷にならない非破壊検査がおすすめです。
硝酸をかける
ゴールドは数ある貴金属の中でも最強クラスの溶けない・壊れない物質です。そのため、水をかけてもサビることはないですし、強い酸をかけても溶けることはありません。
そのため、この性質を逆に利用した検査方法があります。それは、硝酸をかけることです。
そもそも、硝酸とは窒素化合物で、無色・激臭の液体です。湿気を含む空気中では煙を立て、強い酸化作用をもち、セルロイド・爆薬などの製造に使われています。
硝酸は酸の中でも非常に強い部類に入りますが、純金であればなんら影響がありません。しかし、他の貴金属は硝酸で溶けてしまい、色が変わってしまいます。
そのため、強い酸を使って調べることで、ゴールドが本物か偽物かを調べられます。しかし、硝酸は目に入ると失明する危険性のある非常に危険な物質です。硝酸を用いて検査をする際は、必ず専門家の指示を仰ぎましょう。
試金石(しきんせき)
を使って調べる
試金石とは、ゴールドの質を計るために用いられる主に黒色をした石英質の鉱石のことを指します。主に江戸時代で使われていたイメージが強く、時代遅れな感じもありますが、現代でも手軽に使える検査方法です。
【やり方】
- ジュエリーや金製品を試金石に擦り付け、痕跡を取る(痕跡とは、試金石の上に削り取られた金のこと)
- 純金であれば山吹色に近い色になり、純度が低い場合はオレンジに近い色になる
このようにして簡単に調べることが可能です。また、試金石と一緒に試金棒と呼ばれる商品が売れられています。試金棒は痕跡の色と見比べて純度が判別しやすいようにするアイテムです。自分のジュエリーに合った試金棒を購入しましょう。
プロに鑑定してもらう
「自分で調べるのはちょっと不安」そんな人は、質屋などに持って行き、プロに鑑定してもらいましょう。プロの鑑定を受ければ、ジュエリーを傷つけずに正確な純度が調べられます。
純度を調べるには
手の感覚も大切
金の純度を調べるには、手の感覚も大切です。なぜなら、純金は貴金属の中で最も重い素材であり、比重が高いことでも知られています。そのため、一度純金を持ったことがある人であれば、その感覚を忘れないようにしてください。割金に使われる銀は、金の半分程度の重さしかありません。そのため、純金と割金を使っているジュエリーの2つを持った時、手に感じる重さがかなり違うはずです。
純金は温度も変化しやすい
また、純金はそのものの温度も変化しやすい性質を持っています。そのため、触ってすぐはひんやりと感じますが、一定時間触り続けていると、体温くらいの温度に変化するはずです。手の感覚のみで正確な純度を調べるのは困難ですが、純金かそうでないのかを簡単に判別できます。同じ体積の銀や銅がある人は、ぜひ手の感覚を頼りに純度を調べてみましょう。
アルキメデスも実践?
水を用いて
純度を調べられる
先ほど、金の純度は水とコップを使い、浮力を活用して調べられることを解説しました。ここからは、実際に浮力を用いて金の純度を調べたアルキメデスの話を見ていきましょう。
アルキメデスとは?
アルキメデスは、紀元前三世紀、古代ギリシア時代に活躍した科学者として有名です。そんなアルキメデスは、「浮力の原理(比重の概念)」などの科学法則を発見し、現代科学の元になったと言っても過言ではありません。
アルキメデスと金の王冠
ある時アルキメデスと同時期のシラクサ王が金の王冠を作ろうと言い出しました。そこで金細工師を呼んで金塊を渡し、王冠は完成。しかしその後、金細工師が混ぜ物をして王冠を作り、一部を自分のものにしたのではないかという噂が広がりました。
こんな噂が広まってしまうと、王の威厳にも関わります。そこで、時の王「ヘロン」はアルキメデスを王宮に呼び「王冠を傷つけることなく、本物か混ぜ物かを調べよ」と命じたそうです。そんな重大な依頼を受けたアルキメデスは困り果てました。
しかし、解決策は思わぬところから出てきました。アルキメデスは疲れを癒やすために風呂に入った瞬間、水が湯船からあふれるのを見て、比重を用いて純度を調べる方法を発明したのです。その後、王冠と同じ重量の金塊を用意し、水を張った容器にそれぞれを投入。すると、金塊を入れた時よりも王冠を入れた時の方が多く水が溢れたそうです。
王冠が本物の純金であれば、金塊と同じ量の水が溢れるはず。しかし、王冠の方が明らかに水が溢れており、王冠は混ぜ物であると結論付けました。このように、天才科学者のひらめきによって比重を用いて金の純度を調べる方法が発明されたのです。
水を用いて調べてみる
ゴールドの純度を確かめるには、水を用いるやり方もあります。この方法では比重を調べることができます。そもそも比重とは、体積あたりの重量を指し、金属には純度に応じた適切な比重が決まっています。
- K24:19.3
- K20:16から17
- K18:15~16
- K14:13~14.5
- K10:11.5~13
カラット毎の比重は上記のようになっています。ならば比重計を買って調べればすぐにできるのでは?と考える人もいますが、質の良い比重計は数十万円もするので現実的ではないです。そこで、液体を使ってすぐ簡単にできるものを解説します。
【用意するもの】
- 計量カップ(細かな目盛りが付いたもの)
- 重量計
- ゴールド
【やり方】
- 重量計を使ってジュエリーの重さを測る
- 計量カップに水を入れて、液体の体積を記録する
- 水の入ったカップにジュエリーを入れる
- 増えた水のかさがジュエリーの体積になる
- 1で記録した重量に体積を割れば比重が求められる
これだけで、簡単に比重を割り出せます。細かな目盛りがある計量カップの方が正確な比重を把握できるため、おすすめです。また、「比重を調べたいけど、目盛りの細かい計量カップがない」そんな人は、今から紹介するやり方でやってみてください。
【用意するもの】
- コップ
- 重量計
- 糸
- ジュエリー
【やり方】
- 重量計を使ってゴールドの重さを測定
- コップに水を入れて重量計に乗せる
- コップを乗せた状態で、重量計の「ゼロ機能」で表示を0にする
- ジュエリーを糸で結び、コップの水の中に入れる(この時、ゴールドが周りに当たらないように注意しましょう)
- 増えた重量を記録する
- 最初の工程で記録した重量にを5の重量で割る
これで比重が分かり、金の純度も判明します。どちらも手軽にできる検査方法なので、自分に合った方を試してみてください。
金の歴史を振り返ろう
ここまで、金の純度の調べ方や純度別の呼び方を解説しました。ここでは、金が古くからどのように流通し、価値を認められてきたのかを紹介いたします。
人類と金との出会い
冒頭でもお話した通り、人類と金が出会ったのは紀元前6000年前のシュメール文明だと言われています。シュメール文明には謎が多いため金を発見した詳しい経緯は不明です。しかし「シュメール人が信仰していたアヌンナキと呼ばれる神々が、実は宇宙人で、宇宙人との交信によって、シュメール人たちは優れた知識を得ていた」と言われることも多く、アヌンナキたちが対価として金を得ていたと信じる人々も少なくありません。
現代のように重さや純度で単価が決まることはなったものの、人類と金が切っても切り離せない関係にあるのは、古代から継承される歴史が物語っているようです。
日本と金の関係性
日本は11世紀ごろ、マルコ・ポーロが書いた「東方見聞録」によって「黄金の国 ジパング」の伝説が広まりました。
東方見聞録には「宮殿の屋根は全て黄金でふかれており、宮殿内の道路や部屋の床には、厚さ4センチの純金板がしきつめられ、窓さえ黄金でできている。」という記述があるのですが、当時の日本が中国との貿易の決済に砂金を用いていたことが関係していると言われています。
そんな日本が金を発見したのは、749年の宮城県桶谷町付近という説が有力です。この頃から、権力者たちの建築物には金が使われるようになり、同時期に建てられた東大寺の大仏には150kg以上の金が使われたとされています。
また、17世紀になると日本最大の金脈である佐渡金山を発見。1621年には佐渡で小判の製造も開始されました。1898年に金が枯渇したことによって採掘は中止されましたが、古くから日本と金は密接な関係にあったことが分かります。
まとめ
今回は、金の純度や純度の調べ方を解説しました。まとめると、金は純度によって24K、18Kと呼び方が異なり、純度を表す「K」はカラットという単位であることを紹介しました。また金の純度を調べる方法は、比重を調べたり、磁石を使ったりと様々あるが、より正確に知りたいのであれば専門家に依頼すべきと理解いただけでしょう。正しい計算方法を理解しながら、お手持ちの金がどれくらい価値があるか考えてみてはいかがでしょうか。
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ショッピング
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好きなブランド
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