金属アレルギーの原因と対策を徹底解説!なりやすい金属・なりにくい素材・防ぐ方法を紹介

※下記の画像は全てイメージです
金属アレルギーは、金属が引き金となって起こるアレルギー反応です。皮膚に金属が触れることで起こるアレルギー性接触皮膚炎の一種であり、金属から溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結びつく過程で発症します。
近年では予備軍を含め患者数が増加傾向にあり、日本人の10人に1人以上がこの症状に悩まされているとも言われています。
本記事では金属アレルギーの原因や主な症状、アレルギーを起こしやすい金属と起こりにくい素材まで徹底解説します。正しい知識を身に付け、安全におしゃれを楽しむための参考にしてください。

Contents
金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは、金属との接触によって皮膚炎などの症状が現れるアレルギーです。ピアスやネックレス、腕時計、眼鏡のフレームなど、日常生活の身近な金属製品が原因となることがあります。
性別や年齢を問わず誰にでも起こり得る身近なアレルギー症状であり、一見無関係に思える人でも、ベルトのバックルや衣服のホックなどでかぶれる場合があります。
金属イオンと汗・皮脂が原因となって起こる
金属アレルギーは、金属そのものではなく金属から溶け出した「金属イオン」が引き金となります。汗や皮脂によって金属がイオン化し、この金属イオンが体内のタンパク質と結合すると、免疫システムがそれを異物とみなしてアレルギー反応を引き起こすのです。
つまり、金属が直接肌に触れているだけでは発症せず、汗などで微量な成分が溶け出すことが原因となります。特にニッケル・クロム・コバルトなどは汗でイオン化しやすく、金属アレルギーを起こしやすい金属として知られています。そのため、汗をかきやすい夏場にアクセサリーでかぶれるケースが多くみられます。
主な症状
金属が触れていた部分の皮膚に現れるかゆみや赤み、かぶれ(湿疹)などが金属アレルギーの代表的な症状です。ピアス穴周囲の腫れや水ぶくれ、腕時計を外した跡が発赤するなど、接触部位に炎症が起こります。
金属製ピアスを着けた耳が熱っぽく感じたり、痛みを伴ったりするケースも報告されています。なお、症状がひどくなると金属に触れていない部分にまで湿疹やかゆみが広がることもあります。汗疹(あせも)などと症状が似ているため見分けがつきにくい場合もあります。
遅延型アレルギー(IV型)が多い理由
金属アレルギーの多くは「遅延型アレルギー(IV型)」と呼ばれるタイプです。金属に接触してすぐではなく、通常は約12~72時間後になってから症状が現れるのが特徴で、花粉症などの即時型(I型)アレルギーとは発症メカニズムが異なります。
金属イオンはIgE抗体ではなくT細胞を介して抗原として認識されるため、反応がゆっくり起こるのです。このように金属による即時型アレルギーはまれで、大半が遅れて症状が出るIV型に分類されます。
アレルギーの分類

アレルギー反応は、金属アレルギーを含め大きく5つのタイプ(I型~V型)に分類され、それぞれ作用する仕組みや症状の特徴が異なります。
例えば、花粉症や蕁麻疹などはI型、輸血不適合や一部の自己免疫疾患はII型、血清病などはIII型、金属による接触皮膚炎(かぶれ)はIV型に該当します。
さらに、受容体に対する抗体が作用するV型も提唱されており、バセドウ病などがこれに含まれます。以下の表で各型の概要と代表例をまとめました。
| 型(分類) | 主な機序・特徴 | 代表的な疾患例 |
|---|---|---|
| I型(即時型) | IgE抗体が関与し、抗原との接触後すぐに症状が出るアレルギー反応 | 花粉症、蕁麻疹、気管支喘息、アナフィラキシーショック など |
| II型(細胞傷害型) | 自身の細胞表面に付着した抗原にIgG/IgM抗体が結合し、補体の作用で細胞を破壊する反応 | 不適合輸血による溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血 など |
| III型(免疫複合型) | 可溶性抗原と抗体が結合して免疫複合体を形成・沈着し、炎症を引き起こす反応 | 血清病、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス(SLE) など |
| IV型(遅延型) | T細胞が中心となり起こる細胞性免疫反応で、症状の出現が24~48時間後と遅いのが特徴 | 接触性皮膚炎(金属アレルギー)、ツベルクリン反応 など |
| V型(刺激型) | 抗体が細胞表面の受容体に結合し刺激・阻害することで起こる特殊なタイプ | バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、重症筋無力症 など |
金属アレルギーの種類

金属アレルギーには症状の現れ方に応じて、「局所型金属アレルギー」と「全身型金属アレルギー」の2種類があります。
それぞれどのような特徴があるのかを確認していきましょう。
局所型金属アレルギー
局所型金属アレルギーでは、金属が触れている部分だけに炎症が起こります。ネックレスによる首のかぶれ、ピアス装着部位の腫れ、腕時計のバンドの発赤、ジーンズの金属ボタンでかぶれるケースなどが典型例です。
原因となる金属としてはニッケルが最も多く、安価なアクセサリーに含まれるため注意が必要です。ニッケルは金メッキの下地にも使われており、そのメッキに微量に含まれるコバルトとあわせてアレルギーを起こしやすいことが知られています。
また、クロムも皮革製品のなめし剤に含まれるため、革ベルトの腕時計や革靴・手袋でかぶれを起こすことがあります。
全身型金属アレルギー
全身型金属アレルギーでは、体内に取り込まれた金属イオンが血流に乗って全身に運ばれ、離れた部位の皮膚にまで症状が現れます。
例えば、歯の詰め物など歯科治療に使われた金属が唾液でイオン化し、体内に吸収されることで、口腔とは別の場所である手のひらや足の裏などに湿疹が出ることがあります。
また、食事から摂取された金属が原因で発症するケースもあります。チョコレートやココア、豆類などニッケルなどの金属を多く含む食品を大量に摂取すると、全身にかゆみや発疹として症状が出ることがあり、金属アレルギーの方は控えた方がいいでしょう。
歯科金属アレルギーとは

歯科金属アレルギーとは、歯の治療で使用される金属が原因で起こる金属アレルギーです。銀歯や被せ物から金属イオンが唾液によって溶け出し、全身型金属アレルギーの一種として発症します。
典型的には、掌や足裏に膿を伴う発疹が生じる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や、手足の水ぶくれなどの症状が現れ、原因が歯科金属だと気付きにくいことがあります。
パッチテストで特定された金属があれば、歯科でその金属を除去・別素材に置換する治療を行い、多くの場合症状が改善します。
ステロイド剤で症状が治らないと金属アレルギーの可能性が高い

通常、接触皮膚炎などの湿疹は適切なステロイド外用剤で炎症が治まりますが、金属が原因の場合は原因物質が触れ続けている限り完治せず繰り返すことがあります。
ステロイドで一時的に症状が治まっても何度も再発し、だんだん薬が効かなくなってきたら、体内の歯科金属など金属アレルギーを疑うべきです。
ステロイド外用剤は対症療法にすぎず、根本解決には原因金属を除去する必要があります。ステロイドで治らない皮膚炎は、金属アレルギーを念頭に皮膚科と歯科での検査・治療を検討してください。
アレルギーを起こしやすい金属

金属の中でも特にアレルギーを起こしやすいとされる金属があります。代表的なのはニッケル・クロム・コバルトで、これらは金属アレルギーの3大原因金属とも呼ばれます。
汗や体液でイオン化しやすいため体内に取り込まれやすく、アクセサリーや衣類、日用品など身近な製品に含まれていることも多いため注意が必要です。
ニッケル
ニッケルは金属アレルゲンとして最も頻度が高い金属です。パッチテスト陽性率も高く、アレルギーを起こしやすいとされています。
加工しやすい利点からアクセサリー以外にも調理器具やベルトのバックルなど多くの製品に広く使われています。特にニッケル製のピアスは皮膚組織を貫通するためアレルギー反応が起こりやすく、注意が必要です。
クロム
クロムも金属アレルギーを引き起こしやすい金属の1つです。光沢があるためメッキ素材として利用価値が高く、バッグや革製品の金具、包丁などの調理器具に使われています。
また、ホタテやエビなどの貝類、大豆製品などにも微量に含まれるため、摂取によってアレルギー症状を起こすこともあります。
コバルト
コバルトも金属アレルギーを起こす確率が高い金属です。単体で使われることは少なく、多くは他の金属との合金成分や磁性材料の添加物、ガラスや陶器の着色顔料などとして身近な製品に含まれます。
アクセサリーやピアスなどにも微量に含まれている可能性があり、ニッケルに次いで注意が必要です。
- おたからや査定員のコメント
ニッケル・クロム・コバルトは汗でイオン化しやすく、皮膚や体内に入り込み感作を誘発する3大アレルゲン金属です。ピアスやバックル、メッキ金具など身近な品に多用されるため、陽性反応が出た方はチタンや樹脂のアクセサリーにした上で、装着時間を短縮し、使用後は汗を拭き乾燥させた上で保管してください。
また、貝類や大豆にも微量に鉄分が含まれるため、食事由来の症状にも注意し、定期的なパッチテストで自身のアレルギーの状況を確認するのがおすすめです。

金属アレルギーになりにくい素材

一方で、アレルギーを起こしにくい金属や素材もあります。代表的なのはゴールドやプラチナ、チタンなどです。これらは体内でイオン化しにくく生体親和性が高いため金属アレルギーを起こしにくいとされています。
それぞれの特徴を確認していきましょう。
ゴールド
ゴールドはイオン化しにくいため、アレルギーになりにくい金属です。しかし、アクセサリーでは強度確保のため純金ではなく他金属を混ぜた合金で用いられます。
混ざっている銀・銅・ニッケル・パラジウムなどが原因でかぶれることがあり、純金(K24)と比べて合金(K18など)の方がアレルギーの可能性が高まるので、注意が必要です。
プラチナ
プラチナは金と並びイオン化傾向が低く、非常に腐食しにくい金属で、アレルギーを起こしにくい金属とされています。
また、金より硬度があり、高純度(Pt900やPt950)のアクセサリーでも実用可能なため、混ぜられる他金属が少なく、金属アレルギーの発症率も低く抑えられます。
チタン
チタンはイオン化傾向自体は高いものの、表面がすぐ酸化して保護皮膜を形成するため、それ以上溶け出さずアレルギーを起こしにくい金属です。
生体親和性が非常に高く、歯科インプラントや人工関節など医療分野でも広く利用されています。金属アレルギー対応のピアスやアクセサリー素材としても注目されており、チタン製品は敏感な方でも比較的安心して使用できます。
アレルギーフリー素材にも注目

金属そのものではなく、金属を使わないか特殊加工で金属イオンを遮断した素材にも注目が集まっています。例えば、鉄にクロムやモリブデンを加え耐腐食性を高めたサージカルステンレス(316L)は金属アレルギーを起こしにくい合金として医療用メスやアクセサリー素材に活用されています。
他にも、樹脂製(プラスチック)やセラミック製のアクセサリー、ニッケルフリーメッキ加工など、金属イオンの肌への影響を減らす工夫が施された製品が増えてきています。これらの素材は金属アレルギー体質の人でも比較的安心しておしゃれを楽しめる選択肢となっています。
混合金属(合金)に注意すべき理由

混合金属(合金)にも注意が必要です。合金とは複数の金属を混ぜ合わせて作られる金属材料で、多くのアクセサリー製品が合金でできています。見た目や名称だけでは純金属か合金か判断しづらく、アレルギー原因の金属が含まれている場合があります。
ここからは合金とはどのような金属なのかを確認していきましょう。
合金は複数の金属を混ぜて作られる
合金とは、その名の通り複数の金属を溶かし合わせて作られた金属材料のことです。金属の強度を高めたり色調を変えたりする目的で広く利用されています。
例えば、純金は柔らかすぎるため銅や銀などを混ぜて硬度を上げたK18ゴールドが一般的です。また、金にニッケルやパラジウムを混ぜて白っぽくしたホワイトゴールドなど、目的に応じてさあざまな金属を組み合わせた合金が作られます。
ニッケルやクロムが含まれていることが多い
アクセサリーや金属製品に使われる合金には、アレルギーを起こしやすいニッケルやクロムが含まれていることが多いです。例えば、ニッケルシルバーは5~30%、ステンレス鋼には約8~10%程度のニッケルが含まれます。
ホワイトゴールドの合金もニッケルやパラジウムを混ぜて色調を調整しているため、ニッケルアレルギーの人は注意が必要です。
また、工業用のクロムメッキやクロム合金も身の回りに多く、これらに接することで金属アレルギーが生じる場合があります。肌に触れる金属部分にニッケルなどが含まれていると、汗でイオン化してアレルギーの原因になり得るため注意しましょう。
「18金」「プラチナ」表記でも合金の可能性がある
貴金属製品には「18金」「プラチナ950」などの刻印がされていますが、これらは純度を示すものであり、完全な純金属ではない点に注意が必要です。例えば、18金(K18)は全体の75%が金で残り25%は銀や銅など他の金属で構成された合金です。同様にプラチナ950(Pt950)は95%がプラチナで残り5%にパラジウムや銅が含まれます。
表示上は「金」「プラチナ」でも実際には他金属が混ざっているため、それらの金属によってアレルギーが起こる可能性があります。金属アレルギーが気になる場合は、できるだけ純度の高い(K18以上やPt950以上)製品を選ぶとリスクを減らせます。
季節性のものもあるので注意

金属アレルギーの症状は季節によっても変化することがあります。
一般に、汗をかきやすい夏場は金属がイオン化しやすいため接触皮膚炎が悪化しやすく、一方で冬場は乾燥による肌バリア低下や食品摂取が影響するケースもみられます。季節ごとの特徴を理解し、適切な対策をとることが大切です。
夏特有の金属アレルギー
夏場は高温多湿で汗をかきやすいため、金属アレルギーの症状が出やすくなります。汗は弱酸性で塩分を含み、肌に触れた金属を溶かして金属イオン化させる作用があるため、気温の高い夏は金属アレルギーを誘発しやすいです。実際に、夏になると愛用していたアクセサリーで急に肌荒れするケースもよくみられます。
また、汗で蒸れた皮膚はバリア機能が低下するうえ、アクセサリーに繁殖した雑菌が刺激となり、炎症が悪化しやすいとされています。このように、夏特有の環境下では金属アレルギーが一時的に悪化・発症しやすくなるため注意が必要です。
冬特有の金属アレルギー
冬場は夏と比べて汗をかきにくいため、汗によるアクセサリーかぶれは減る傾向にあります。しかし、空気の乾燥によって肌のバリア機能が低下し、わずかな金属イオンでも皮膚に侵入しやすくなるため、冬ならではの金属アレルギー症状が出ることがあります。
特に耳たぶなど普段保湿を意識しない部分が乾燥していると、金属成分の侵入リスクが高まります。また、牡蠣やチョコレートなど冬に摂取しやすい食品に含まれる金属が要因で全身型の症状が増える傾向も報告されています。
汗っかきな人は金属アレルギーになりやすい

体質的に汗っかきな人は、金属アレルギーを発症しやすい傾向があります。汗は金属をイオン化させる要因であり、汗の量が多いほど金属イオンの溶出が増えてアレルギー反応を引き起こすリスクが高まるためです。
例えば、同じアクセサリーを身につけていても、よく汗をかく人の方がかぶれを起こしやすいとされています。汗っかきな人は特に夏場に注意し、こまめに汗を拭いたり乾かしたりすることに加えて、アレルギー対応の素材を選ぶなどの対策が有効です。
病院で金属アレルギーを特定できる

金属アレルギーかどうかは、病院で検査を行うことで特定できます。
皮膚科でのパッチテストをはじめ、必要に応じて血液検査や経口負荷試験(飲み薬を用いた試験)などを組み合わせ、どの金属がアレルギーの原因かを調べることが可能です。金属アレルギーが疑われる場合は専門医に相談し、適切な検査を受けることが重要です。
パッチテスト
金属アレルギーの診断には、皮膚科で行うパッチテストが最も一般的です。アレルギーが疑われる金属を含む試薬パッチを皮膚に貼り付け、通常48時間密着させます。
貼付部分に発赤や湿疹などの反応が現れれば陽性と判定され、その金属がアレルゲンである可能性が高まります。判定はパッチ除去後すぐだけでなく、48時間後・72時間後・1週間後にも確認し、遅れて出る反応も見逃さないようにします。
パッチテストは検査精度が高い反面、検査中は入浴や運動を控える必要があるほか、ごくまれに検査自体で新たにアレルギーを獲得してしまうリスクが指摘されています。
血液検査
血液による金属アレルギー検査もあります。リンパ球刺激試験と呼ばれる方法で、採血した血液から白血球を取り出し、疑わしい金属イオンを加えて培養し反応を調べる検査です。一度の採血で結果が出て、検査中に生活制限がない、安全性が高いなどの利点があります。
一方で、偽陽性が多い報告があること、全ての金属に対応できない点、実施している医療機関が少なく検査費用が高い点などの課題も指摘されています。
経口負荷試験
経口負荷試験は、原因と疑われる金属を実際に体内に取り入れて反応を確認する検査です。ニッケルアレルギーが疑われる場合に医師の管理下で微量の硫酸ニッケルを服用し、全身の症状(発疹やかゆみ)が誘発されるか観察するといった方法がとられます。
食事由来の全身型金属アレルギーの診断に有用ですが、負荷によって症状が出るリスクがあるため、安全に配慮して慎重に行われます。
診断してもらう際の注意点

金属アレルギーの検査・診断を受ける際には、いくつか留意すべき点があります。
下記のような注意点を理解し、不安な点は事前に医師に相談しましょう。
人によっては検査が辛く感じる
金属アレルギー検査のうち、特にパッチテストは人によっては辛く感じることがあります。複数のパッチを背中に48時間以上貼り付けたままにする必要があり、この間は入浴や運動が制限され、不快感やかゆみに耐える場合があります。
敏感肌の人はテープ自体でかぶれたり、貼付による違和感で睡眠が妨げられることもあります。検査が負担に感じるときは無理をせず、医師に申し出て対処法を相談しましょう。
パッチテストでできた赤みがなかなか引かないことがある
パッチテスト後、貼付していた箇所の赤みやかぶれがなかなか引かずに残ることがあります。検査で陽性反応が出た場合、その部分の皮膚には炎症が起きているため、赤みや痕が数日から時に数週間続くことがあります。
中には、一時的に色素沈着(皮膚が茶色っぽくなる)や色抜け(白斑)が生じるケースも報告されています。これらは多くの場合徐々に改善しますが、検査前にこうした可能性について知っておくと安心です。
アレルギー検査がきっかけで発症する恐れがある
ごくまれに、アレルギー検査自体が新たなアレルギー発症のきっかけになる可能性も指摘されています。
パッチテストでは少量とはいえアレルゲン(金属)を皮膚に密着させるため、これまで反応しなかった物質に対して感作(アレルギー体質化)されてしまうリスクはゼロではありません。実際には極めてまれなケースですが、検査後に別の物質にもかぶれやすくなるなど異変を感じた場合は、速やかに医師に相談してください。
金属アレルギー対策方法8選

最後に、金属アレルギーを予防・軽減するための実践的な対策を紹介します。日頃の工夫で発症リスクを下げたり症状を回避したりすることが可能です。
以下に、金属アレルギー対策として有効な8つのポイントを挙げます。
金属の種類を認識する
まずは、自分が触れる金属製品にどのような金属が使われているのかを把握することが重要です。アクセサリーや時計には素材の刻印がある場合は確認し、ニッケルやコバルトなどアレルギーを起こしやすい金属が含まれていないか注意しましょう。
可能であれば、皮膚科でパッチテストを受けて自分が特に反応しやすい金属を特定しておくと、避けるべき金属の種類を明確にできます。
好きなデザインの代替品を見つける
金属アレルギーの原因となる金属が判明したら、それを避けつつ好みのデザインを楽しめる代替品を見つけましょう。例えば、ニッケルのピアスでかぶれる人は、同じデザインで樹脂製ポストのピアスやチタン製ピアスに切り替えるといった方法があります。
時計のバックルや眼鏡のフレームも、アレルギーフリー素材の商品が増えているため、自分の体質に合った素材のものを選ぶと安心です。
外観がそっくりな別素材で代替する
金属そのものを避けたい場合、見た目が金属そっくりな別素材で代替する方法もあります。樹脂やアクリル製のアクセサリーは、金属風のメッキやカラーリングで一見して金属と区別がつかないデザインのものも多く販売されています。
金属アレルギー対応をうたったシリコンコーティングのボタンや、プラスチック製バックルのベルトなど、日用品でも非金属素材に置き換えられる製品があります。デザイン性を損なわずに素材だけ置き換えることで、アレルギー反応を回避できます。
金メッキを避けるようにする
アクセサリー選びでは、金メッキ製品を避けることも対策になります。金メッキは安価に美しい外観を得られる反面、表面の金層が薄く日常の摩耗で地金が露出しやすいため、時間とともにニッケルなど下地の金属が肌に触れてアレルギーを起こす場合があります。
金属アレルギーが心配な場合は、薄いメッキよりも純度の高い貴金属や厚めの金張り製品を選ぶと安心です。
アクセサリーの装着方法に留意する
金属製アクセサリーの装着方法にも工夫しましょう。例えば、長時間連続して身につけると汗や皮脂でかぶれやすくなるため、適度に外して肌を休ませることが大切です。
ピアスや指輪は就寝時や入浴時には外す、ネックレスは汗をかいたら一度外して肌を清潔にする、腕時計はベルトを締めすぎず適度に緩めるなど、装着時間やフィット感を調整して肌への負担を減らします。
アレルギー回避に効果的な装着方法
アクセサリー類の身につけ方を工夫することで金属アレルギーのリスクを下げることもできます。例えば、指輪やバックルの内側に透明マニキュアを塗ってコーティングし、金属部分が直接肌に触れないようにする方法があります。
ピアスの場合、樹脂製のカバーやセーフティピアスを使用することで、金属ポストが耳の皮膚に触れる面積を減らせます。また、ネックレスやブレスレットはインナーの上から着けて金属が直接肌に触れないようにしたり、絆創膏や保護シールで金属部分を覆ったりする工夫も有効です。
金属製品をきれいにキープする
金属製品自体を清潔に保つことも重要です。アクセサリーや時計などは、使用後に汗や皮脂を柔らかい布で拭き取り、汚れを残さないようにしましょう。金属表面に付着した汗や塩分は腐食を促し、金属イオンの溶出やサビの原因となります。
定期的に洗浄・消毒することで雑菌の繁殖も防げ、肌への刺激を減らすことができます。また、長期間使っている金属製品はメッキ剥がれや劣化が進んでいる場合があるため、状態をチェックし必要に応じて新しいものに交換することも検討しましょう。
装着する皮膚状態もきれいにキープする
金属が触れる皮膚側のコンディションを整えることも大切です。普段から保湿ケアをしっかり行い、肌のバリア機能を高めておきましょう。乾燥して荒れた皮膚は金属イオンの侵入を許しやすいため、特に冬場やエアコン使用時期はローションやクリームでこまめに保湿します。
逆に、汗をかきやすい部位は、汗をかいたら早めに拭き取り、皮膚を清潔で乾いた状態に保つことが重要です。また、かゆみや炎症が出ている部分に無理に金属製品をつけないようにし、皮膚の症状が悪化しないよう配慮しましょう。
金属アレルギーになりにくい食事を心がける
食生活を見直すことも金属アレルギー対策の1つです。ニッケルやコバルトを多く含む食品を過剰に摂取すると、体内に金属が蓄積して全身型の症状を悪化させることがあります。
チョコレート、ココア、ナッツ類、貝類、大豆製品などはニッケル含有量が比較的高いため、金属アレルギーのある方は摂り過ぎに注意しましょう。バランスの良い食事を心がけ、必要に応じて医師や栄養士に相談しながら金属の摂取量を調整すると安心です。
心身ともに健康的な生活を送る
最後に、心身の健康を保つことも見逃せません。ストレスや疲労、睡眠不足などは免疫バランスを崩し、アレルギー症状を悪化させる要因になり得ます。
適度な運動や十分な睡眠、ストレス発散を心がけ、肌の調子を整えておきましょう。また、日頃から規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事を意識することで、体全体の抵抗力が高まり、金属アレルギーの症状も出にくくなるとされています。
金属アレルギーに関するよくある質問

最後に、金属アレルギーについて多くの方が抱く疑問やよくある質問にQ&A形式でお答えします。
Q. 金属アレルギーは一度発症すると治らないのですか?
A.残念ながら、一度金属アレルギーを発症すると、体質として完全に治すことは難しいとされています。感作された免疫の記憶は基本的に持続するためです。
ただし、原因金属を避ければ症状は出なくなりますし、歯科金属の除去など原因物質を取り除くことで症状をコントロールすることが可能です。
Q.金属アレルギーは突然発症することがありますか?
A.はい、金属アレルギーはある日突然発症することがあります。初めは問題なく使えていたアクセサリーでも、繰り返し接触するうちに免疫が感作され、ある日を境にかぶれなどの症状が出始めるケースが多いです。
体質や曝露量によって発症タイミングは異なりますが、数年使った後に発症する例もみられます。
Q.チタンやプラチナでもアレルギーを起こす人はいますか?
A.非常にまれですが、チタンやプラチナのような金属でもアレルギー反応を起こす人は存在します。これらは一般的に安全性の高い金属ですが、100%反応しないとは言い切れません。
ごく少数ながらチタンでかぶれた症例や、プラチナに対するアレルギー反応が報告された例もあります。ただし、その頻度は極めて低く、大半の人にとってチタン・プラチナはアレルギーを起こしにくい素材です。
Q.時計の裏蓋でかゆみが出る場合はどうすればいいですか?
A.腕時計の裏蓋で肌がかゆくなる場合、まずはその部分に触れる金属が原因と考えられます。
対策として、時計の裏蓋に透明マニキュアを塗ってコーティングしたり、裏蓋に保護フィルムや絆創膏を貼って直接触れないようにする方法があります。また、チタン製や樹脂製などアレルギー対応の時計に買い替えることも根本的な解決策です。
Q.アクセサリーを長くつけると発症しやすくなりますか?
A.はい、一般的に金属と長時間かつ繰り返し接触するほどアレルギーを発症しやすくなるとされています。
免疫は一定量以上の抗原(金属イオン)にさらされると感作されやすくなるため、アクセサリーを長くつけっぱなしにしたり毎日身につけたりする習慣はリスクを高めます。休憩を入れながら使用したり、時々外して肌を休ませるようにすると良いでしょう。
Q.メッキ加工のアクセサリーは安全ですか?
A.一概に安全とは言えません。金メッキなどは表面にアレルギーを起こしにくい金属をコーティングしていますが、メッキ層が薄いため日常の摩擦で剥がれ、下地の金属(ニッケルなど)が露出すると結局アレルギーを引き起こす可能性があります。
アレルギーが心配な場合は、薄いメッキ加工品よりも最初からニッケルフリー素材のアクセサリーや、厚いコーティングが施された製品を選ぶ方が安全です。
Q.歯の詰め物(金属)が原因でアレルギーが出ることはありますか?
A.はい、歯の金属(詰め物や被せ物)が原因で全身にアレルギー症状が出ることがあります。口腔内で金属イオンが溶け出し血流に乗ることで、口とは離れた皮膚に湿疹が生じる歯科金属アレルギーが知られています。
皮膚科のパッチテストで歯科金属が陽性となった場合、歯科でその金属をセラミックなど別素材に置換する治療を行うことで症状が改善するケースが多いです。
Q.夏と冬で症状が変わるのはなぜですか?
A.季節により発症要因が変化するためです。夏は汗によって金属がイオン化しやすく、汗をかく部位にかぶれが出やすくなります。
一方、冬は汗をかきにくいため接触皮膚炎は少ないものの、乾燥で肌のバリア機能が低下して金属が浸透しやすくなったり、牡蠣やチョコレートなど冬に摂取しがちな食品由来の金属で全身に症状が出る傾向があります。
Q.市販の「アレルギー対応」と書かれた商品は信用できますか?
A.「アレルギー対応」商品は一般的に通常品よりアレルギーリスクが低い設計になっていますが、万能ではありません。
例えば、「ニッケルフリー」表記ならニッケルを使用しておらず多くの人には安全ですが、代わりに使われている金属に反応するケースもゼロではありません。アレルギー対応品はあくまで“比較的安心”という位置付けで、自分の体質に合うか慎重に試すことが大切です。
Q.子どもや男性でも金属アレルギーになりますか?
A.はい、金属アレルギーは性別や年齢に関係なく発症し得ます。女性に多いイメージがありますが、これはピアスやアクセサリーの使用頻度に起因する部分が大きく、男性や子どもでも金属に触れる機会があれば十分起こり得ます。
実際、腕時計やベルトのバックルでかぶれる男性、矯正装置や学校の名札(金属製)でかぶれる子どもの報告例もあります。
まとめ
金属アレルギーは、主にニッケルやクロムなど汗でイオン化しやすい金属が原因となり、局所型から歯科金属による全身型までさまざまな形で現れます。発症リスクは、汗や季節、合金の含有金属にも左右されます。汗っかき体質の人や薄いメッキ製品の長期使用は感作を早める要因になり、症状が慢性化するとステロイドだけでは抑えきれない可能性も高いです。
自分の感作金属を検査で把握し、チタン・プラチナなど反応しにくい素材や非金属代替品を選ぶこと、装着時間の工夫やメンテナンスで汗と接触を最小限にすることが、長く安心しておしゃれを楽しむ鍵となるでしょう。
「おたからや」での金の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「金」の参考買取価格の一部を紹介します。
2025年12月02日09:30更新
今日の金1gあたりの買取価格相場表
| 金のレート(1gあたり) | ||
|---|---|---|
| インゴット(金)23,120円 -11円 |
24金(K24・純金)22,849円 -11円 |
23金(K23)21,693円 -10円 |
| 22金(K22)20,999円 -10円 |
21.6金(K21.6)20,537円 -10円 |
20金(K20)18,918円 -9円 |
| 18金(K18)17,340円 -8円 |
14金(K14)13,138円 -7円 |
12金(K12)11,058円 -5円 |
| 10金(K10)9,208円 -4円 |
9金(K9)8,283円 -4円 |
8金(K8)6,896円 -3円 |
| 5金(K5)3,428円 -2円 |
||
※上記の買取価格はあくまで参考価格であり、市場の動向、
付属品の有無などによって実際の査定額が変動する場合があります。
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
金属アレルギーはニッケルやクロムなど汗で溶けやすい金属が主な原因で、接触部位のかぶれから歯科金属による全身症状まで幅広く現れます。
自分のアレルゲンを検査で把握し、金属アレルギーが疑われる場合はお持ちの製品を売却して、アレルギーフリー素材の製品の購入も検討するとよいでしょう。
- おたからや査定員のコメント
汗でイオン化しやすいニッケルやクロムは感作を加速し、薄いメッキ品の長期使用で症状が固定化しやすいです。暑さで発汗が増す夏場は特にご注意ください。パッチテストで原因金属を把握し、チタン・プラチナへ置換し装着時間を短縮すると再発リスクを大幅に抑えられるでしょう。
もし、症状が出てしまうアクセサリー等をお持ちの場合は、「おたからや」の店舗にお持ち込みいただければ、即日査定額をお出しさせていただきます。

金の買取なら「おたからや」
金製品を売却する際は、最新の相場を即時に反映できる査定店を選ぶことが重要です。「おたからや」なら世界51 カ国との取引実績や全国約1,590店舗を展開しているネットワークを活かし、高水準の買取価格をご提示します。国際市場に直結した販路を持つため、中間コストを抑えた適正評価が可能です。
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買取方法は店頭と無料出張のほか、LINEで写真を送るだけの簡易オンライン査定にも対応しているので、お気軽にご利用ください。外出の手間を抑えながら概算を把握できるため、忙しい方や遠方の方にも便利です。大切な金製品を納得の条件で手放したいときは、実績と誠実な対応に定評のある「おたからや」へぜひご相談ください。
おたからやの金買取
査定員の紹介
伊東 査定員
-
趣味
ショッピング
-
好きな言葉
有言実行
-
好きなブランド
ハリーウィンストン
-
過去の買取品例
おりん、インゴット
初めまして。査定員の伊東と申します。 おたからやでは金の買取をする際に、今日の金の1gの買取相場を基に、デザイン性などをプラスで評価して高価買取を行っております。過去に1万点以上の査定をさせていただきましたが、とても多くのお客様に想像以上の金額になったと喜んでいただきました。また、おたからやでは、すべての店舗に比重計を完備しているため、金の含有量を正確に測定することができます。 金額はもちろんのこと、接客も最高のおもてなしができるように心がけております。私共はお品物だけではなくお客様一人ひとりの思いに寄り添い満足して帰っていただけるように丁寧な説明を致します。誠心誠意対応させていただきますので、是非おたからやのご利用をお待ちしております。
その他の査定員紹介はこちら金を高く売るためのコツは、「金の価格が高いときに売ること」と「高値で買い取ってくれる専門店に売ること」です。金の価格は現在非常に高騰しているため、売却にはベストなタイミングといえます。
金の高価買取はおたからやにお任せください。
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