都市鉱山とは?日本の現状や回収できる資源についても簡単に解説
※下記の画像は全てイメージです
私たちの身の回りには、実は貴重な資源がたくさん眠っています。使わなくなったスマートフォンや古いパソコン、壊れた家電製品。これらは単なるゴミではなく、金や銀、レアメタルなどの貴重な資源を含む「都市鉱山」です。
資源の乏しい日本において、都市鉱山は新たな資源供給源として大きな注目を集めています。
この記事では、都市鉱山とは何かを簡単に分かりやすく解説し、なぜ都市鉱山が注目されるのか、日本の現状などを解説していきます。
Contents
都市鉱山とは何か
都市鉱山という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのようなものか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、都市鉱山の基本的な概念から、なぜ今注目されているのかまで詳しく見ていきましょう。
都市鉱山の意味を簡単に解説
都市鉱山とは、都市部に蓄積された使用済み製品の中に含まれる有用な金属資源を、鉱山のように見立てた概念です。
1988年に東北大学の南條道夫教授らが提唱した言葉で、英語では「Urban Mine(アーバンマイン)」と呼ばれています。
従来の鉱山が地中深くから鉱石を掘り出すのに対し、都市鉱山は私たちの生活空間にある製品から資源を回収します。つまり、都市そのものが資源の宝庫といえるでしょう。
たとえば、携帯電話1台には目安として0.03~0.05グラムの金が含まれると言われており、これは微量に思えるかもしれませんが、日本全体で眠っている携帯電話の数を考えると、膨大な量の金が都市に埋もれていることになるのです。
都市鉱山に含まれる主な製品
都市鉱山を構成する製品は、私たちの生活に身近なものばかりです。代表的なものとして、まず挙げられるのが携帯電話やスマートフォンでしょう。これらには金、銀、銅、パラジウムなどの貴金属が使用されています。
また、使われなくなった指輪、ネックレス、ブレスレットなどのアクセサリー関連に使用されている貴金属も都市鉱山に該当します。
パソコンやタブレットも重要な都市鉱山で、基板には金メッキが施され、各種部品にはレアメタルが使われています。特にハードディスクには、強力な磁石の材料となるネオジムやジスプロシウムといった希土類元素が含まれているのです。
家電製品も忘れてはいけません。エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどの大型家電には、銅線やアルミニウム、鉄などの基本的な金属に加え、モーターにはレアアースが使用されています。
自動車も巨大な都市鉱山といえるでしょう。特にハイブリッド車や電気自動車のバッテリーには、リチウムやコバルトなどの貴重な金属が大量に使われています。また、排ガス浄化装置の触媒には、プラチナやパラジウムといった高価な貴金属が含まれているのです。
なぜ都市鉱山が注目されているのか
都市鉱山が注目される背景には、いくつかの重要な理由があります。まず、世界的な資源需要の増大で、新興国の経済発展により金属資源の需要は年々増加していますが、天然資源には限りがあります。
また、資源の偏在性も大きな問題です。レアメタルの多くは、特定の国に集中して産出されるため、供給が不安定になりやすく、例えばレアアースの生産は中国が世界の約半数を占めており、政治的な理由で輸出が制限されるリスクがあります。
環境問題も重要な要因です。天然の鉱山開発は、森林破壊や水質汚染など深刻な環境破壊を引き起こします。一方、都市鉱山からの資源回収は、適切に行えば環境負荷を大幅に削減できるのです。
経済的なメリットも見逃せません。日本のような資源輸入国にとって、国内で資源を確保できることは、貿易収支の改善につながります。さらに、リサイクル産業の発展により、新たな雇用も生まれています。
都市鉱山から回収できる資源とは?
都市鉱山には、想像以上に多様な資源が含まれています。貴金属からレアメタルまで、現代社会に欠かせない資源が、使用済み製品の中に眠っているのです。
ここでは、具体的にどのような資源が回収できるのか詳しく見ていきましょう。
貴金属
・都市鉱山に含まれる代表的な貴金属
- 金
- 電子基板の接点、配線に使用
- アクセサリーなどにも多く使用
- 銀
- 電子部品の導電材料として使用
- アクセサリーなどにも多く使用
- 銅
- 配線、モーター、変圧器に使用
- 電気伝導性に優れた基本的な金属
都市鉱山から回収される貴金属の代表格は、やはり金です。電子機器の接点や配線には金が使用されており、例えばスマートフォン1台あたり約0.03グラムの金が含まれていると言われています。
銀も重要な回収対象で、銀は金よりも電気伝導性が高いため、高性能な電子部品に多用されています。太陽光パネルの電極にも銀ペーストが使われており、今後の需要増加が見込まれる資源です。
銅は最も回収量の多い金属で、電線やモーター、基板など、あらゆる電気製品に使用されており、純度の高い銅線は、そのままリサイクルできるため、効率的な資源循環が可能といえるでしょう。
また、鉄、アルミニウム、銅、鉛のような基本金属も量が多く単一素材に区分しやすい金属資源として、比較的リサイクルが進んでいます。
レアメタル
レアメタルは、産出量が少なく、現代のハイテク産業に不可欠な金属の総称です。都市鉱山は、これらレアメタルの重要な供給源となっています。
・代表的なレアメタル
- リチウム
- リチウムイオンバッテリーの主原料
- スマートフォン、ノートPC、電気自動車に不可欠
- コバルト
- リチウムイオンバッテリーの正極材料
- 高性能バッテリーに必要
- インジウム
- 液晶ディスプレイの透明電極に使用
- タッチパネルの材料として重要
- タンタル
- 小型コンデンサーの材料
- 電子機器の小型化に貢献
- ネオジム
- 強力な永久磁石の材料
- ハードディスク、スピーカー、モーターに使用
- パラジウム
- 電子部品の接点材料
- 触媒としても使用
リチウムは、スマートフォンやノートパソコン、電気自動車のバッテリーに使用される最重要レアメタルです。今後の電気自動車の普及により、需要は飛躍的に増加すると予想されています。使用済みバッテリーからのリチウム回収技術は、日々進化を続けているのです。
ネオジムやジスプロシウムなどの希土類元素は、強力な永久磁石の材料として欠かせません。ハードディスクドライブ、エアコンのコンプレッサー、風力発電機など、様々な製品に使用されています。
インジウムは、液晶ディスプレイの透明電極に使用される貴重な金属です。スマートフォンやテレビの普及により需要が急増しましたが、産出量が限られているため、リサイクルの重要性が高まっています。
タンタルは、コンデンサーの材料として電子機器に広く使用されています。耐熱性と耐腐食性に優れ、小型化が求められる電子部品には欠かせない金属となっています。
日本の都市鉱山の現状
資源小国といわれる日本ですが、都市鉱山という観点から見ると、実は世界有数の資源大国なのです。
ここでは、日本の都市鉱山の規模や特徴、そして世界的に注目を集めた取り組みについて詳しく解説します。
日本の都市鉱山の規模と世界での位置
日本の都市鉱山に眠る資源量は、世界でもトップクラスといえるでしょう。独立行政法人物質・材料研究機構の試算によると、日本の都市鉱山には金が約6,800トン、銀が約6万トン蓄積されているとされています。
レアメタルについても、日本の都市鉱山は豊富な蓄積量を誇るとされています。
- リチウム:世界埋蔵量の約3.8%程度
- インジウム:世界埋蔵量の約16%程度
- タンタル:世界埋蔵量の約10%程度
特に注目すべきは、これらの資源が高度に濃縮された形で存在することです。天然の鉱石と比べて金属含有率が高いため、効率的な回収が可能となっています。
日本が都市鉱山大国と呼ばれる理由
日本が都市鉱山大国と呼ばれるようになった背景には、いくつかの要因があります。
まず、高度経済成長期から続く旺盛な消費活動により、大量の工業製品が国内に蓄積されてきたことが挙げられます。
日本人の買い替えサイクルの短さも要因で、新しい機能や性能を求めてまだ使える製品でも買い替える傾向があるため、比較的状態の良い製品が都市鉱山として蓄積されやすいといえるでしょう。
技術力の高さも見逃せません。日本企業は長年にわたり、高品質な電子機器を製造してきました。
これらの製品には、品質保証のために純度の高い金属が使用されており、リサイクル価値が高い傾向にあるといえるでしょう。
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さらに、日本には優れたリサイクル技術があり、金属の分離・精製技術は世界トップレベルで、都市鉱山から効率的に資源を回収する能力を持ってると言われており、これも日本が都市鉱山大国と呼ばれる理由といえるでしょう。
東京オリンピックのメダルプロジェクト
2020年東京オリンピック・パラリンピックで実施された「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」は、日本の都市鉱山活用を世界に示す画期的な取り組みでした。
このプロジェクトでは、全国から集められた使用済み携帯電話や小型家電から、オリンピック・パラリンピックのメダル約5,000個を製作しました。
必要とされた金属量は、金が約32キログラム、銀が約3,500キログラム、銅が約2,200キログラムという膨大なものでした。
2017年4月から2019年3月までの2年間にわたって実施され、全国の自治体や企業が協力しました。全国市町村の90%にあたる約1,600の自治体が参加し、回収された小型家電は約7万9,000トン、携帯電話は約621万台にのぼりました。
このプロジェクトの成功は、都市鉱山の可能性を実証しただけでなく、循環型社会の実現に向けた国民意識の向上にも貢献したといえるでしょう。
このプロジェクトは世界初の試みとして、国際的にも高い評価を受けています。
日本の都市鉱山の課題
日本の都市鉱山の最大の課題は回収率の低さで、小型家電の回収率は、現在でも10%程度にとどまっており多くの資源が埋もれたままになっています。
回収率が低い理由のひとつは、消費者の認知不足で都市鉱山の重要性やリサイクルの方法を知らない人がまだ多い現状があるためといえるでしょう。
回収の利便性向上も重要な課題で、現在の回収ボックスの設置場所は限られており、アクセスしにくい場合があります。
まとめ
都市鉱山とは、私たちの身の回りにある使用済み製品に含まれる有用な金属資源を指す言葉です。携帯電話、パソコン、家電製品、自動車など、様々な製品に金、銀、レアメタルといった貴重な資源が使われています。
また、使われなくなったアクセサリーにも金などの資源が使われています。「おたからや」は純金インゴットやプラチナ製品はもちろん、ブランドジュエリーや壊れたアクセサリーまで幅広く買取しているため、不要になった製品はぜひ査定に出してみませんか?
「おたからや」での貴金属の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「貴金属」の参考買取価格の一部を紹介します。
画像 | 商品名 | 参考買取価格 |
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24金 (K24) SGCゴールドバー | 1,708,800円 |
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21.6金 (K21.6) 新10円金貨 明治34年 2枚まとめ | 255,400円 |
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純銀(シルバー)田中貴金属インゴット | 1,590,000円 |
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竜50銭銀貨 竜20銭銀貨 日本古銭 | 52,200円 |
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プラチナ (Pm850) ネックレス | 200,100円 |
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プラチナ (Pt850) ネックレス | 138,900円 |
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
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査定員の紹介
伊東 査定員

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趣味
ショッピング
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好きな言葉
有言実行
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好きなブランド
ハリーウィンストン
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過去の買取品例
おりん、インゴット
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