金相場の今後はどうなる?今後の予測と価格を動かす6つの要因を徹底解説

※下記の画像は全てイメージです
金価格はインフレ懸念と地政学リスクの長期化を背景に、安全資産としての需要が一段と増加し、2025年にはドル建てで1オンス4,300ドル超、円建てで1g23,000円台という史上最高圏に達しました。
本記事では、足元の相場動向を整理したうえで、実質金利やドル指数、中央銀行の買い越しなど6つの主要因を手掛かりに、短期から長期までの価格シナリオをわかりやすく解説し、保有期間別の戦略とよくある疑問にもお答えします。
また、円建て価格の計算方法や税金のポイントも押さえることで、これから金取引を始める方でも判断に役立つ実践的な知識を提供します。

現在の金相場

2025年時点で、金相場は過去最高値圏で推移しています。国内では2025年10月に金価格が1gあたり23,000円台を記録し、過去最高値を更新しました。
この背景には、国際情勢の不安定化や世界的なインフレ傾向、円安の進行などが複合的に影響しています。その中でも、金融緩和による通貨価値の下落と、安全資産としての金の信頼性が再評価されたことが価格上昇を後押ししました。
2025年12月15日09:30更新
今日の金1gあたりの買取価格相場表
| 金のレート(1gあたり) | ||
|---|---|---|
| インゴット(金)23,614円 +177円 |
24金(K24・純金)23,425円 +175円 |
23金(K23)22,528円 +169円 |
| 22金(K22)21,536円 +161円 |
21.6金(K21.6)21,016円 +157円 |
20金(K20)19,222円 +144円 |
| 18金(K18)17,687円 +133円 |
14金(K14)13,696円 +103円 |
12金(K12)10,626円 +79円 |
| 10金(K10)9,493円 +71円 |
9金(K9)8,525円 +64円 |
8金(K8)6,329円 +48円 |
| 5金(K5)3,070円 +23円 |
||
※上記の買取価格はあくまで参考価格であり、市場の動向、
付属品の有無などによって実際の査定額が変動する場合があります。
ドル建ての動きと背景
ドル建ての金価格は、2025年に史上最高値を更新しました。10月には一時1オンス=4,300ドル超を付ける場面もあり、この5年で大幅な上昇を遂げています。背景には、地政学的緊張や経済の不確実性、ドル安傾向といった要因が挙げられます。
インフレ懸念が続く中で利息を生まない金の価値が見直され、各国中央銀行による金買い増しや投資マネーの流入がドル建て価格を押し上げました。主要金融機関も金価格見通しを上方修正する動きが見られ、市場全体が強気に傾いています。
円建ての動きと為替の影響
円建ての金価格も、為替の影響で一段と高騰しています。金は国際的に米ドル建てで取引されるため、円安が進行すると円換算での価格が上昇する仕組みです。実際、2020年は1g=5,000円台だった国内金価格は、2025年10月には1g=23,000円台と4倍以上に跳ね上がりました。
これはドル建て金価格の上昇に加え、同期間に円相場が1ドル=110円前後から150円前後まで大幅に円安が進んだことが主因です。つまり、為替変動が国内金価格に与える影響は大きく、円高局面ではその逆に、国内価格が抑えられる傾向があります。
直近のニュース・イベント
直近では、金市場に影響を及ぼしたニュースやイベントがいくつかありました。例えば、2025年には米国と中国の貿易摩擦激化が金相場を押し上げました。トランプ大統領の新アメリカ政権の発表した追加関税措置により投資家の安全資産志向が強まり、金需要が急増しました。
また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊張など地政学リスクが高まる局面では、安全資産としての金買いが一気に進みました。さらに、予想外の利下げ示唆など主要中央銀行の金融政策に関するサプライズも短期的に金価格を動かす要因となっています。
- おたからや査定員のコメント
足元の金相場は史上最高圏を維持し、ドル建て4,300ドル超・円建て23,000円台という高値を更新しました。地政学リスク、世界的インフレ、急速な円安が同時進行し、実質金利のマイナス圏定着と中央銀行の積極買いで現物需給が高まっています。
短期的には政策サプライズやETF資金流出入で値動きが荒くなる場面も想定されますが、採掘コスト上昇と公的需要の構造的拡大を踏まえると、中長期的な下値余地は限定的と判断できます。

金相場の予測が難しい3つの理由

金価格の将来予測は専門家にとっても難しいとされています。その背景には大きく3つの理由があります。
それぞれの理由について確認していきましょう。
様々な価格変動要因がある
金の価格には実に様々な要因が影響します。金利・インフレなどのマクロ経済要因、ドルの価値や為替動向、地政学リスクや景気の先行き、不透明な需給バランス、投機的なマネーの動きなど、単一の指標では説明しきれない多くの要因が存在します。
1つの要因が上昇要因でも、別の要因が下落要因となり相殺するといったケースも多々あり、こうした複雑さが金価格の行方を読みづらくしています。
ニュース・イベントの飛び石性
金相場は突発的なニュースやイベントによって急変動することがあります。戦争やテロなど地政学リスクの表面化、各国の政策発表、金融市場の混乱などは事前予測が難しく、市場に「飛び石」的なインパクトを与えます。
例えば、景気後退や金融不安が生じると短期間で金が買われ価格が急騰することもあります。こうした予測不能なイベントの頻発により、継続的なトレンドが乱れ、金価格の予測が一段と難しくなります。
需給データの不透明さ
金市場の需給を正確に把握することも容易ではありません。世界の需給統計には、店頭取引や統計的残差をまとめた「OTC and other(店頭取引ほか)」という項目があり、2016年以降この数値が大きく膨らんでいます。
これは「実際には観測不可能な店頭需要や在庫変化などを推計したもの」で、総供給量と総需要の差を埋めるための数字です。つまり、市場の実際の需要・供給には未知の部分が多く、データ上見えにくい需給ギャップが存在するため、それに基づく予測にも限界があります。
金価格を動かす6つの主要因

金相場に影響を与える要因は多岐にわたりますが、特に重要と言われるのが以下の6つの項目です。それぞれが金価格に上昇または下落の圧力を与える仕組みについて解説します。
実質金利
実質金利とは、名目金利から予想インフレ率を差し引いた金利のことです。一般に金価格は実質金利と逆相関の関係があります。
実質金利が高くなれば、利息を生まない金の相対的な魅力が低下し金価格は下落圧力がかかります。反対に、インフレ率が金利を上回り実質金利がマイナスになると、法定通貨の価値が目減りする中で金の価値が見直され、金価格は上昇しやすくなります。
ドル指数・為替
金価格は米ドルとの間に逆相関の関係が知られています。ドルが主要通貨に対して強くなる局面では、ドル建て金価格は割高感から下落しやすく、ドルが弱くなると金価格は上がりやすい傾向があります。
また、日本においてはドル円レートが金の円建て価格へ影響します。円高が進めば同じドル建て金価格でも円換算での価格は下がり、円安なら上がります。このようにドルの価値(対主要通貨および対円)の変動が金価格の重要な変動要因となります。
中央銀行の購入
各国中央銀行による金の購入(外貨準備への組み入れ)は、金市場における大口かつ持続的な需要要因です。近年、中央銀行は記録的なペースで金を買い増しており、2022年・2023年と2年連続で年間1,000トンを超える純購入を達成しました。
特に、中国やトルコなど新興国の中央銀行はドル資産の依存低下を図る戦略から積極的に金準備を増強しています。この中央銀行の構造的な買い需要が市場の底堅さを支え、民間の投資家にとっても金への信頼感を高める要因となっています。
投資需要
投資家による金融商品を通じた金需要も、価格変動に大きく影響します。代表的なのが金ETFへの資金流入で、ETFに買いが入ると裏付け資産として現物の金を購入する必要があるため、市場の需要が直接押し上げられます。
逆に、ETFから資金流出が起これば金の売却圧力となります。また、先物市場での投機的なポジションも短期的な価格のブレを増幅させます。こうした投資マネーの動向は、実需以上に短期間で価格に表れやすい点に注意が必要です。
金ETF:金の市場価格に連動するように運用され、証券取引所に上場している投資信託のこと
ポジション:株式やFXなどの金融商品において、購入(買い)または売却(売り)した後の、未決済の持ち高のこと
地政学・政策不確実性
戦争や紛争、外交問題などの地政学リスクが高まる局面では、安全資産である金への需要が急増し、価格が押し上げられます。実際にウクライナ情勢の悪化や中東地域の不安定化が金価格上昇の一因となりました。
また、各国の財政・金融政策に対する不透明感も金に資金が向かう理由です。例えばアメリカの財政赤字拡大や景気後退懸念でドルの信用が揺らぐと、代替資産として金が買われやすくなります。このように経済・政治の先行き不確実性が高いほど、金価格には上昇圧力がかかりやすくなります。
金銀比価
金銀比価は、金と銀のどちらが割高・割安かを測る1つの指標です。歴史的なレンジと比べて比価が極端に高い場合、金が相対的に割高で銀が割安と判断され、銀の買い増しや金の利益確定売りの材料になることがあります。
逆に、比価が異常に低い時は金の方が割安と考えられ金が買われやすくなります。このように、金銀比価の動きは投資家の資金配分に影響を与え、結果的に金や銀の価格変動要因となります。他にも金と他資産の比率を目安に、市場の過熱感や割安感を測る手法もあります。
金銀比価:ゴールド/シルバーの比率のこと
短期での金相場予測

直近数カ月の短期的な金相場について、状況次第で考えられるシナリオを整理します。
金価格が上昇基調になる場合と、下落・調整に向かう場合のそれぞれの見通し、そして短期トレードを行う際の留意点について解説します。
上昇する場合のシナリオ
短期的に金価格が上昇するシナリオとしては、世界経済の不安や金融緩和への期待が高まるケースが考えられます。例えば、景気減速が鮮明となり米FRBが利下げに転じるとの観測が強まれば、将来的な金利低下を見越した資金が金に流入しやすくなります。
また、紛争激化や新たな国際危機発生などの地政学リスクのエスカレートは、安全資産としての金需要を一気に押し上げ、短期間で価格が急騰する可能性があります。さらに、米ドルが急落(ドル安)するような局面では、ドル建ての金価格が割高感なく上昇できるため、結果的に金相場全体が上向きになるでしょう。
下落/調整の場合のシナリオ
一方、短期的に金価格が下落あるいは調整局面入りするシナリオでは、金融・地政学リスクの後退がポイントとなります。例えば、世界的なインフレが鈍化し主要中央銀行がタカ派姿勢(利上げ継続)を保てば、金利の付かない金から資金が流出しやすくなります。
また、紛争の終結や外交交渉の進展などの地政学的緊張の緩和により安全資産需要が和らげば、過熱感のあった金相場は一旦調整の方向に向かう可能性が高いです。さらに株式市場が好調で投資家のリスク志向が強い局面では、相対的に金への資金配分が減少し、価格が押し下げられる可能性があります。
短期トレードの注意点
短期的な金の売買を行う際は、その変動の激しさに備えたリスク管理が不可欠です。金相場は経済指標の発表や中央銀行の会合、予期せぬニュースによって日々大きく動き得るため、損失を限定する逆指値注文の設定やポジションサイズの管理を徹底すべきです。
また、テクニカル分析も活用しつつ主要イベント前後の値動きに注目する「イベントドリブン型」の戦略が有効ですが、予想と逆の値動きが起こるリスクを常に念頭に置き、柔軟に対応する姿勢が求められます。短期では欲張りすぎず、小まめな利確・損切り判断が結果的に重要となるでしょう。
ポジションサイズ:1回の取引でどれだけの金額の金融資産(通貨、株式など)を取引するかを決めること
逆指値注文:株価が指定した価格(トリガー価格)に到達した際に、自動的に買い注文または売り注文を発注する注文方法のこと
中期での金相場予測

今後1年前後の中期的な金相場の見通しについて、市場の予想の一例と、予想を覆す可能性のある分岐点(要注意事項)、さらに注目のイベントを整理します。
市場の予想の一例
2024年末時点では、多くのアナリストが2025年にかけても金価格は堅調を維持または上昇傾向と予想しています。例えば、英HSBC銀行は2025年の金の平均価格予想を1オンス=3,455ドルに上方修正しました。
一方で、市場予測には幅もあり、ブルームバーグ端末による2025年金価格予測は$1,700台〜$2,700台とレンジが広がっています。総じてコンセンサスは「大きく崩れず高値圏を維持」程度の見方が多いものの、その幅は広く、将来の不確実性を反映しています。
相場予測の分岐点
中期の見通しが外れる要素には、米金融政策の想定外の転換、地政学リスクの収束や再燃、中央銀行の買い越しペースの鈍化、急激なドル高やドル安などの為替変動があります。これらが同時に起きると、相場は市場コンセンサスとかい離しやすくなります。さらに、原油相場や株価指数の急変、大規模な経済対策も金需要を揺さぶるため注意が必要です。
投資家はFRB高官の発言、停戦交渉の行方、人民銀行の月次報告、ドル円の方向感をこまめに確認し、前提が崩れた場合にはポジションを縮小するなど機動的に対応することが求められます。特に、長期金利と実質金利の微妙な変化は短期に表れやすいため、月次ではなく週次ベースで指標をチェックすると安心です。
今後の注目イベント
今後1年で金相場を左右しやすいイベントは、FRBの金融政策決定会合や米雇用統計・CPIなど主要経済指標の発表、そして、各国中央銀行による金準備の公表です。これらは金利動向と市場心理を即座に変え、価格に直結します。
ウクライナ情勢の進展や中東・東アジアの緊張、米大統領選後の通商政策など地政学リスク関連ニュースも要注意です。日程が決まっているイベントは前もってポジション調整が可能ですが、突発ニュースに備えて逆指値を置くなどリスク管理が重要になります。
発表スケジュールは金融カレンダーで事前に確認し、想定外の値動きに備えた資金余力も確保しておくと安心です。
長期での金相場予測

3年以上先を見据えた長期的な金相場の展望を考えるにあたっては、金の希少性や採掘コスト、中央銀行の保有戦略、ポートフォリオ上の位置づけといった構造的な要因が鍵となります。
以下に、その主なポイントを解説します。
希少性・採掘コスト
金は地球上の埋蔵量が有限であり、新規の大規模鉱床発見が年々難しくなっています。現在確認されている可採埋蔵量は約5.7万トンとされ、現在の採掘ペースなら15〜20年で枯渇域に達するとの試算もあります。
また、品位の低下や資源埋蔵地の難採掘化により、生産コストも上昇傾向にあります。こうした供給制約があるため、金の供給量は急増しづらく、長期的に価格を下支えする要因となっています。採掘コストの上昇も、金価格が高めに維持されないと生産が追いつかない構造的な圧力となります。
公的需要(中央銀行)
中央銀行による金保有は長期的な金需要の柱の1つです。世界の中央銀行は近年、外貨準備として金の割合を高める動きを強めており、2023年の年間購入量は1,037トンと過去最高水準に達しました。
新興国中心に「脱ドル」の分散投資戦略として金準備が積み増されており、今後もその傾向は続くと見られます。各国中銀の継続的な金買いは、市場に安定した需要基盤を提供し、長期的にも金価格の底堅さを支える要因となるでしょう。
長期分散の位置づけ
金は長期運用においてポートフォリオの分散先として重要な役割を果たします。年金基金や保険会社、政府系ファンドなど大口投資家もポートフォリオの一部を金で保有する動きを強めており、個人にとってもインフレヘッジや通貨下落への保険として金を長期保有するメリットがあります。
金は他の資産と相関が低く、紙幣価値が下がる局面でも価値を維持しやすいため、ポートフォリオ全体のリスク分散効果が期待できます。こうした理由から、「有事の備え」として金をコア資産の1つに位置づけ、長期的に持ち続ける投資家も多いです。
円建て金価格の見方

ここでは、日本国内で表示される金価格(円建て)の算出方法とその見方について整理します。
また、国内指標価格として参照される田中貴金属の店頭価格の意味合いや、誤解されやすいポイントにも触れます。
円建て価格の計算方法
国内の金価格は基本的に「ドル建て金価格 × ドル円為替レート ÷ 31.1035」で1gあたりの円価格を算出し、そこに消費税(10%)を加えたものです。
例えば、金の国際価格が1オンス=2,000ドル、為替レートが1ドル=150円の場合、(2000×150÷31.1035) ≒ 9,650円/gとなり、さらに消費税を加えると約10,615円/gが国内小売価格の目安となります。
このように為替レートの変動によって同じドル建て価格でも円建て価格は増減するため、国内金価格を考える際は為替動向も考慮する必要があります。
国内指標の見方
日本国内では、田中貴金属工業が毎営業日の午前に公表する「店頭小売価格(税込)」が金価格の代表的な指標として参照されています。これは1gあたりの税込売却価格(地金を購入する際の価格)で、実際の小売現場での取引指標となるものです。
田中貴金属では同時に「店頭買取価格(税込)」も公表しており、こちらは業者が金を買い取る際の1gあたりの価格です。一般に買取価格は小売価格より数%程度安く設定されます。
ニュース等で「金価格が◯◯円に達した」と報じられる場合、この田中貴金属の店頭価格が引用されることが多く、国内金相場の目安として広く認知されています。
よくある誤解と注意点
円建て金価格に関してはいくつか誤解されやすい点があります。まず、「国際価格との差」ですが、国内表示価格は消費税込であるため、単純なドル換算値より約1割高く見えますが、これは税金分が含まれているためです。
次に、「売値と買値の差」で、表示される小売価格(売値)と業者の買取価格(買値)には差があり、売却時は売値より低い買値が適用されます。
最後に「消費税で損をする」という点について、購入時に消費税を払いますが、売却時には税込価格で買い取ってもらえるためその分損にはなりません。これらの点を踏まえ、国内金価格を正しく理解することが大切です。
保有期間ごとの戦略

金投資の戦略は、その保有期間によって適切なアプローチが異なります。ここでは、短期・中期・長期それぞれの視点から金の活用法を説明します。
短期:イベントドリブン戦略
短期的に金を売買する場合は、重要イベントに着目した機動的な戦略が求められます。例えば、米FRBの会合や米国の雇用統計など、市場に影響を与えやすいイベントの前後で集中的に取引する方法です。
利下げ期待が高まる局面では事前に金を買い持ちし、発表後に織り込み済みとなった段階で売却するといった形で、イベントに沿って売買タイミングを計ります。
また、急激な変動に備え、損切りラインを明確に決めておくことや、小まめにポジションを調整することが大切です。短期売買では、市場の急変に柔軟に対応できる判断力が求められます。
中期:押し目買い・リバランス
中期的な視点では、一時的な下落局面を活用した押し目買いと、資産配分の見直し(リバランス)が有効です。金相場が上昇基調でも、途中で調整局面が訪れることがあります。そうした押し目では、長期の上昇見通しが変わらない限り積極的に買い増しを検討しましょう。
逆に、大きく上昇して保有比率が高くなりすぎた場合には、一部を売却して他の資産に振り向けるリバランスでポートフォリオ全体のリスクを調整します。これにより、中期的な価格変動に対しても柔軟に対応し、平均取得コストの低減や利益確定の機会を得ることができます。
長期:コア資産としての保有
長期保有では、金をポートフォリオの「守り」の核として位置付け、腰を据えて持ち続ける戦略が基本となります。短期的な価格変動に左右されず、インフレヘッジや非常時の資産保全手段として金を一定の割合組み入れるイメージです。
また、長期にわたり少しずつ積立購入することで価格の平準化を図る方法もあります。金は法定通貨の価値下落局面でも価値を保ちやすいため、世代を越えた資産として保有を継続するケースも見られます。長期投資では、こうした金の特性を活かしながら安定的に運用していくことが肝要です。
よくある質問

最後に、金相場に関してよく寄せられる疑問についてQ&A形式でお答えします。
Q.今の金相場は高値掴みにならないですか?
A.現在の金価格は歴史的高値圏ですが、ただちに高値掴みになるとは限りません。短期的に調整で値下がりする可能性はあります。
しかし、長期ではインフレや中央銀行の需要など根強い支えがあり、大暴落のリスクは小さいと考えられます。購入時期を分散するなど工夫すれば、高値掴みのリスクを抑えることもできるでしょう。
高値掴み:相場がまだ上がると思って、価格が高いときに金融商品(株など)を買ってしまい、その直後に価格が下落して損失を抱えること
Q.2025年は買い時ですか、売り時ですか?
A.金価格が過去最高水準にある2025年は、すでに金を保有していて利益確定を検討しているなら1つの売り好機と言えます。
一方、資産分散のためこれから購入を検討している場合は、短期的な上下に振らされず長期目線で少しずつ買い増すのも一策です。要は、ご自身の投資目的と期間によって「買い時」か「売り時」かの判断が異なります。
Q.円建て価格は何で決まりますか?
A.国際的な金価格と為替レートが主な決定要因です。
世界市場では金はドル建てで取引されるため、その価格にドル円相場を掛け合わせて円換算し、さらに日本では消費税を加えたものが1gあたりの円建て価格となります。
Q.実質金利と金価格の関係はありますか?
A.一般に金価格は実質金利と逆の動きをします。実質金利が上昇してプラス幅が大きくなると、安全資産で利息を生まない金は魅力が相対的に低下し、価格は下がりやすくなります。
逆に、実質金利がマイナス圏に沈むと、金利資産で実質的な目減りが起きるため、価値保存手段として金が見直されて価格が上昇する傾向があります。
実質金利:名目金利から物価上昇率を差し引いた、物価変動の影響を考慮した実質的な金利のこと、実質金利 = 名目金利 – 期待インフレ率という式で計算される
Q.中央銀行の買い越しの影響はどのようになりますか?
A.各国中央銀行が金を純買い越ししている状況は、金価格の下支えになっています。中央銀行が継続的に大量の金を購入することで市場の底堅い需要となり、価格の押し上げ要因となります。
近年は中央銀行の金購入量が過去最高水準に達しており、その長期的な需要が金相場を支える構造要因の1つと見られています。
Q.ETFと現物どちらが向いていますか?
A.手軽さや流動性を重視するなら金ETFが適しています。証券口座で株式のように取引でき、保管の手間もかかりません。
一方、現物の金地金は実物資産を自分で保有する安心感が魅力で、インフレヘッジとして長期保有するのに向きます。
ただし、現物は保管コストや盗難リスクにも注意が必要です。ご自身の投資スタイルに応じて選ぶと良いでしょう。
Q.金銀比価は売買判断に使えますか?
A.金銀比価は1つの目安にはなります。金銀比価が歴史的水準と比べ極端に高ければ「銀が割安」と判断して銀を買い増す、低すぎれば「金が割安」と見て金を買う投資家もいます。
ただし、比価は常に変動するため、これだけで売買を決めるのではなく他の要因も総合して判断することが重要です。
Q.円高になると金の国内価格は下がりますか?
A.一般的に円高(ドル安)が進むと金の円建て価格は下がりやすくなります。金はドル建てで値決めされるので、同じドル建て価格でも円の価値が上がれば円換算では割安になるためです。
ただし、実際の相場では、円高局面では同時にドル建て金価格が上昇する場合もあり得るため、単純な逆相関にならないこともあります。
Q.長期でも下落リスクはありますか?
A.金は「安全資産」と言われますが、市場環境次第では長期にわたり下落する局面も存在します。例えば、1980年代以降しばらくは金価格が低迷しました。
今後も世界経済が安定し実質金利が高止まりする状況では、金需要が減って価格が下振れする可能性があります。ただし、金は供給に限りがあり通貨価値下落時の拠り所にもなるため、無価値になるような極端な暴落リスクは小さいと考えられます。
Q.銀やプラチナも一緒に持つ意味はありますか?
A.複数の貴金属を組み合わせて保有することで分散投資効果が高まります。銀やプラチナは工業用途の需要が大きく、景気動向によって金と異なる値動きを示す場合があります。
そのため、金だけでなく銀・プラチナも持っておけば、ある資産が不調でも他で補える可能性があり、資産全体の安定性向上につながります。
また、銀は価格が低めで少額から投資しやすく、プラチナは将来の新技術需要への期待もあり、金とは異なる魅力を持つ点もメリットです。
まとめ
金相場は今後も多様な要因によって変動し続けるでしょう。短期的には上下に振れる可能性があるものの、長期的にはインフレや通貨不安など構造的な背景から上昇傾向が続くとの見方が有力です。
したがって、短期の値動きに一喜一憂するのではなく、長期の視点で金の役割を捉えることが大切と言えます。
ただし、予測はあくまで予測に過ぎず、実際の市場では想定外の事態も起こり得ます。日頃から経済ニュースに目を配り、リスク許容度に応じて柔軟に戦略を調整していくことが、金投資で成功する鍵となるでしょう。
「おたからや」での金の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「金」の参考買取価格の一部を紹介します。
2025年12月15日09:30更新
今日の金1gあたりの買取価格相場表
| 金のレート(1gあたり) | ||
|---|---|---|
| インゴット(金)23,614円 +177円 |
24金(K24・純金)23,425円 +175円 |
23金(K23)22,528円 +169円 |
| 22金(K22)21,536円 +161円 |
21.6金(K21.6)21,016円 +157円 |
20金(K20)19,222円 +144円 |
| 18金(K18)17,687円 +133円 |
14金(K14)13,696円 +103円 |
12金(K12)10,626円 +79円 |
| 10金(K10)9,493円 +71円 |
9金(K9)8,525円 +64円 |
8金(K8)6,329円 +48円 |
| 5金(K5)3,070円 +23円 |
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※上記の買取価格はあくまで参考価格であり、市場の動向、
付属品の有無などによって実際の査定額が変動する場合があります。
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
金はインフレや有事に強みを発揮する実物資産で、ポートフォリオの分散先として有効です。現物は長期保有で価値保存の役割を果たしますが、為替変動や保管コスト、流動性の面で注意が必要です。
売却時は純度(刻印)と重量の確認が重要で、刻印や保証書が揃っていると査定が安定します。傷や変形は減額要因になるため、柔らかい布での乾拭きなど日頃の手入れを心がけ、信頼できる買取店で査定を受けることをおすすめします。
- おたからや査定員のコメント
金は純度と重量が価値を左右します。市場が最高値圏でも実質金利やドル円で日々変動するため、売却時は最新指標を参照し、付属品を整え微細な傷を避けて保管すると高評価につながります。
短期売却でも長期分散でも税制と保険を確認し、資金計画に沿った取引をおすすめします。

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査定員の紹介
伊東 査定員
-
趣味
ショッピング
-
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有言実行
-
好きなブランド
ハリーウィンストン
-
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おりん、インゴット
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