世界トップクラスの金を保有するアメリカは、金をどこで保管している?

※下記の画像は全てイメージです
アメリカ合衆国は世界でも有数の金保有国であり、その金保有量は2024年時点で約8,133トンと群を抜いています。2位のドイツの2倍以上という圧倒的な量の金を持つアメリカですが、これほどの金はどこに保管されているのでしょうか。
また、なぜ多く保有しているのでしょう。本記事では、アメリカの金保有の実態や金価格への影響、さらには金の投資方法などを初心者向けに解説します。さらに、アメリカの金市場における役割や金投資の基礎知識についても基礎から解説します。

Contents
- 金の保有量が多い国・機関とは
- アメリカの金の保有量が多いのはなぜ?
- アメリカは金をどこで保管している?
- アメリカでも金は産出されるのか
- アメリカの金価格を左右する主な要因
- 金を購入・投資する方法
- 高額で取引される金製品の種類
- 金を売る際に確認しておきたいポイント
- アメリカと金に関するよくある質問
- Q. アメリカの金価格はどこで確認できますか?
- Q. NY金先物と現物(スポット)は何が違いますか?
- Q. 金価格と米ドル指数(DXY)はなぜ逆相関になりやすいのですか?
- Q. 日本から米国の金ETF(GLD/IAU)を買うにはどうすればよいですか?
- Q. アメリカン・ゴールド・イーグルとバッファローは、どちらの金貨の方が価値がありますか?
- Q. 1トロイオンスは何グラムですか?
- Q. 米国で買った金貨を日本で売ると税金はかかりますか?
- Q. 個人輸入で金貨を取り寄せる場合、関税・消費税はかかりますか?
- Q. 初心者におすすめなのは現物・ETF・積立のどれですか?
- Q. 高く売るベストタイミングはどう見極めますか?
- まとめ
- 「おたからや」での金の参考買取価格
- 金の買取なら「おたからや」
金の保有量が多い国・機関とは

世界で最も金の保有量が多い国は、アメリカ合衆国です。その保有量は2024年時点で約8,133トンにのぼり、2位のドイツ(約3,351トン)の2倍以上にもなります。
2位以降は、IMF(国際通貨基金)が約2,814トン(3位)、イタリアが約2,451トン(4位)、フランスが約2,437トン(5位)と続きますが、それらを合計してもアメリカの保有量には及びません。
その他、上位にはロシア(6位)、中国(7位)などが名を連ねており、日本は約846トンで10位に位置している状況です。
アメリカの金の保有量が多いのはなぜ?

アメリカが他国を圧倒する量の金を保有する背景には、歴史的な通貨制度と、経済的な理由があります。戦後のブレトンウッズ体制下で、基軸通貨ドルを支えるため大量の金を保有した名残や、ドルと金の逆相関関係から通貨価値下落時の備えとして金を蓄えてきたことが挙げられます。
つまり、基軸通貨ドルの信用を支えるためと、自国通貨の価値下落に備えるためという二重の理由で、アメリカは莫大な金を保有しているのです。
アメリカが金を保有する事情
では、なぜアメリカはこれほど金を蓄えているのでしょうか。その一因は、戦後のブレトンウッズ体制にあります。
米ドルと金の価値を固定する金ドル本位制の下で、基軸通貨国アメリカは金を大量に保有しなければなりませんでした。その名残で、現在も大量の金準備を維持しているとされています。
また、米ドルと金価格は逆相関の関係を持つことが多く、ドル安時には金価格が上昇してドル資産の目減りを補えるため、通貨価値の下支えとして金を保有する目的もあります。
つまり、基軸通貨ドルの価値下落時の損失補填策としての役割と、戦後に築いた金本位体制の名残という背景から、アメリカは大量の金を保有しているのです。
アメリカは金をどこで保管している?

米財務省の金約8,133トンは、ケンタッキー州フォートノックスが最大の保管先で、地下金庫に約半分を収めます。残りはニューヨーク連邦準備銀行地下、ウェストポイントおよびデンバー造幣局の金庫に分散され、厳重な三重警備で守られています。
近年は、保有量の真偽を確かめる動きがSNSで再燃し、2025年6月に議員団が「Gold Reserve Transparency Act of 2025」を提出しました。
全面監査が実現すれば1950年代以来となり、米国の金庫の信頼性やドルの信用度を世界に示す試金石として注目されています。監査結果の公開時期や内容を巡り議論が熱を帯びています。
アメリカでも金は産出されるのか

アメリカは金準備が突出しているだけでなく、生産国としても世界上位に入ります。2024年の年間産出量は、約170トンで世界5位前後でした。ネバダ州だけで全体の8割超を掘り出し、カーレントレンドやコルテズ鉱床など巨大露天鉱が集中し、アラスカやコロラドも産金州です。
近年は、環境規制の強化と鉱石品位の低下でピーク時1998年の366トンから減少傾向ですが、依然として国内需要を支える重要な供給源です。
採掘後は精錬されニューヨーク市場へ流入し、米国の先物価格形成に影響を与える供給サイド要因となっています。投資家はこの生産動向にも注目するとよいでしょう。
先物取引の国際市場において重要
金の価格形成において、ニューヨークの金先物市場(COMEX)の果たす役割は非常に大きいです。COMEXは世界最大の金先物取引所であり、日々取引される金の量は数千万オンスにも及び、ここでの価格が国際的な金価格の基準となっています。
COMEXの金取引量はアジア各市場の合計をも上回る規模とされ、世界の金取引においてアメリカが果たす役割は極めて大きいのです。
日本の金相場の変動にも関係がある
日本国内の金価格も、アメリカ市場の影響を強く受けています。日本の金相場(円建て)は国際的なドル建て金価格を円換算して決まるため、ニューヨーク金先物価格の変動や米ドル円相場の動きがそのまま反映されます。
米国で金価格が急騰したりドルが大きく動いたりすれば、ほぼ同時に日本の金の買取価格や先物相場にも波及するため、アメリカの市況は日本の金相場の変動要因となっています。
例えば、ニューヨーク市場で金先物価格が急騰すれば日本の金相場も直ちに上昇し、逆にドル高・利上げ基調になれば日本円建て金価格にも下押し圧力がかかるなど、アメリカ市場と為替の動向が日々日本の金相場を動かしています。
アメリカの金価格を左右する主な要因

アメリカにおける金価格(ドル建て金相場)は、金融政策や経済指標、市場の需給バランスなど複数の要因によって動きます。
特に重要な要因として、FRBの金融政策、インフレ率や雇用統計などのマクロ指標、米ドル指数(DXY)・米国金利の動向、地政学リスク発生時の安全資産需要(有事の金買い)、金ETFへの資金流入・流出、そして金の供給・需要(鉱山生産量や各国中央銀行の金購入)を挙げ、それぞれ解説します。
FRBの金融政策
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は、金価格に大きな影響を与えます。一般に、政策金利の引き上げや量的引き締め(QT)は金価格に下押し圧力となります。
金は利息を生まない資産のため、金利が上昇すると相対的な魅力が低下し、また利上げはドル高を招きやすく金にマイナスに働きます。
一方、政策金利の引き下げや量的緩和(QE)の拡大といった緩和策は、インフレ期待の高まりやドル安を通じて金の需要を促し、価格を押し上げる要因となります。実際、2025年にはFRBの利下げ期待が高まったことが金価格急騰の一因となりました。
インフレ率・雇用統計などマクロ指標
インフレ率や雇用統計などのアメリカのマクロ経済指標も、金価格の方向性に影響します。一般に、インフレ率が高まる局面では、貨幣価値の目減りに対するヘッジとして金の需要が増え、金価格が上昇しやすくなります。
逆にインフレが落ち着き雇用が堅調な状況では、FRBの利上げ継続観測につながり、金は下押し圧力となる傾向があります。
市場はこれらの経済指標を注視し、先行きの金融政策を織り込む形で金価格が反応します。例えば、消費者物価指数(CPI)が予想を上回る高インフレを示せば金は買われやすく、雇用統計が好調で景気過熱の兆しが見えると利上げ思惑から金が売られる、といった市場の反応が見られます。
米ドル指数(DXY)・米長期金利
金価格は米ドルの価値や米国の長期金利動向と逆相関の関係になる場合が多いです。米ドル指数(DXY)が上昇(ドル高)すると、ドル建て金価格は割高となって需要が減少し、価格は下落しやすくなります。一方、ドル安時には金が割安感から買われて価格が上昇する傾向があります。
また、米国債の長期金利が上昇すると利息を生まない金の魅力が相対的に低下して売り圧力となり、金利低下時には金利負担がない金に資金が向かいやすく価格の追い風となります。
2022年にドル指数が急騰した際には金価格が調整し、その後ドル高が一服すると金が史上最高値圏に達するなど、実際に逆相関の動きが確認できます。
地政学リスク
戦争や大規模テロなど地政学的リスクが高まる局面では、安全資産である金が買われやすくなります。これを「有事の金買い」と呼び、社会・政治の不安定要因が強まった際に投資家が純金を積極的に購入する現象です。
実際、国際紛争や経済危機時にはリスク回避の資金が金に集まり、価格が急騰することがあります。最近では、ウクライナ情勢の緊迫や中東の不安定化に際して金相場が上昇しており、地政学リスクは金価格を押し上げる主要因の1つです。
金ETFの動向
金ETFへの資金流入・流出も金価格に影響します。
SPDRゴールド・シェア(GLD)やiシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)などのETFに投資資金が大量に流入すると、その裏付けとしてETF運用会社が現物の金を買い付けるため、金需給が引き締まり価格は上昇しやすくなります。
実際、2025年には米国の金ETFに年間約640億ドルもの資金が流入し、金価格を過去最高値水準に押し上げたとの報道がありました。逆にETFから資金が流出する局面では、運用会社による金の売却が発生し、金相場の下落要因となり得ます。
鉱山生産・リサイクル・中央銀行の行動
金市場の根底には現物の需給バランスがあります。毎年世界全体で約3,500トン前後の金が鉱山から産出され、さらに1,000トン以上の金がスクラップリサイクルから供給されます。
一方で、宝飾品需要や投資需要に加え、各国中央銀行による金準備の買い増しが需要面にあります。近年は特に中央銀行の金購入が活発で、2022年には各国中央銀行の純買いが約1,100トンと過去最高を記録するなど、需給を引き締める要因となりました。
供給(生産量)が需要に追いつかない状況では、金価格は上昇基調となり、逆に供給過剰や需要減少局面では価格は下押し圧力を受けます。
- おたからや査定員のコメント
純度99.99%Auの金地金は、FRBの政策金利とドル指数、米長期金利の振幅で査定額が即座に動きます。高インフレや利下げ観測は追い風ですが、利上げ局面では逆風です。鉱山供給は年約3,500トンで伸び悩み、25年は中央銀行純買い1,100トン、米ETFへ640億ドル流入が需給を逼迫しました。
ドル安局面では割安感が生じ買いが優勢になりやすく、有事の安全資産需要も上値を支えます。CPIや雇用統計直後の相場を注視し、売却の好機を判断してください。

金を購入・投資する方法

金への投資には様々な方法があります。代表的なものとして、金の現物を直接購入する方法(インゴットや金貨を買って保有)、毎月少額ずつ積み立てていく純金積立、証券口座で取引する金ETF(上場投資信託)の購入、そして商品先物市場を利用した金先物取引が挙げられます。
それぞれ初期資金やリスク・手間の面で特徴が異なるため、自身の目的に合った手段を選ぶことが大切です。
現物取引
金の現物取引とは、インゴット(金地金)や金貨といった実物の金を購入して保有する方法です。貴金属店や金融機関から金の延べ棒やコインを購入し、自宅や貸金庫などで保管します。
現物を保有するメリットは、手元に実物資産が残る安心感と、極端な金融危機時にも価値を保持しやすい点です。
一方で、盗難や紛失のリスクや、保管管理の手間がかかること、売買時にはスプレッド(買値と売値の差)や手数料が発生することには注意が必要です。盗難・火災対策として、自宅で保管する場合は耐火金庫を用い、銀行の貸金庫を利用するケースも多く見られます。
純金積立
純金積立は、毎月一定額の資金で金を少しずつ購入して積み立てていく投資方法です。田中貴金属などの貴金属販売会社や証券会社のサービスを利用し、例えば毎月1万円ずつ自動で金を買い付ける形で進めます。
定期的に購入することでドルコスト平均法が働き、購入価格が平準化されるため金価格変動のリスクを抑えやすいメリットがあります。
少額から無理なく始められるため、初心者にも適した方法と言えます。積み立てた金は業者の口座上でグラム数として管理され、必要に応じて現物の金地金に引き出したり、売却して現金化することも可能です。
金ETF(上場投資信託)
金ETFは金価格に連動する上場投資信託を売買する方法です。証券会社の口座を通じて株式と同様に取引でき、代表的なものに米国上場のSPDRゴールド・シェア(GLD)やiシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)があります。
ETF運用会社は、投資家から集めた資金で実物の金を保有するため、ETFへの資金流入は金の需給タイト化につながります。金ETFを利用するメリットは、現物保有の手間なく、少額から金の値動きに投資できる点と流動性が高い点です。
ただし、信託報酬(年率数%程度の運用管理費用)が差し引かれる点や、証券口座の開設が必要な点は留意しましょう。
金先物取引
金先物取引は、将来の指定時期に定められた価格で金を受け渡す契約(先物)を売買する方法です。ニューヨーク(COMEX)や大阪取引所などの市場で証拠金を差し入れてレバレッジをかけた取引が可能で、少額の資金で大きな金額の金に投資できます。
その反面、価格変動による損益も倍率的に大きくなるため、ハイリスク・ハイリターンの投資です。通常、先物は決められた期日までに反対売買で清算し、現物の受渡しを行わない差金決済となります。
短期売買やヘッジに適した手法ですが、初心者が利用するには高度な知識と注意が必要です。
高額で取引される金製品の種類

金は投資対象としての地金だけでなく、製品としても高額で取引されます。特に純度の高い金から作られたインゴット(延べ棒)や地金型金貨、さらに高純度の金を用いたジュエリー(宝飾品)などが代表例です。
これらの製品は含まれる金の量と純度が高いため、一点あたりの取引価格が非常に高額になります。特に、これらは1点あたり数十万円から数百万円以上の値が付くこともあり、取り扱いには慎重さが求められます。
インゴット
インゴットとは、純度99.99%(24金)の金属を塊状に成型した金地金のことです。金の延べ棒とも呼ばれ、1kgや500g、100gといった様々な重量のものがあります。インゴットには品位(純度)や重量、製造者の刻印が打たれており、その品質と価値が保証されています。
インゴットは金そのものの価値で取引され、流動性が高く換金しやすい資産ですが、その分まとまった資金が必要で、1塊あたり数百万〜数千万円単位の高額取引となります。
また、インゴットは世界共通の価値を持ち、市場で純金として通用するため、投資家や中央銀行にとっても重要な資産形態です。
金貨
金貨とは、金を素材に鋳造された貨幣で、投資用に発行される地金型金貨を指します。各国が発行しており、米国のイーグル金貨(22金)・バッファロー金貨(24金)、カナダのメイプルリーフ金貨(24金)、南アフリカ共和国のクルーガーランド金貨(22金)などが代表例です。
金貨は通常、1トロイオンス(約31.1g)や1/2オンスなど規格化された重量で作られ、含有する金の純度と量が保証されています。その市場価格は概ね含有する純金量の価値に連動しますが、発行国の信頼度や希少性によってはプレミアムが付くこともあります。
ジュエリー
ジュエリーに用いられる金は合金であることが多く、日本では耐久性を高めた18金(純度75%)が主流ですが、中東やアジアでは純金(24金)のジュエリーも流通しています。
高級ブランドの金製ジュエリーやアンティークの装飾品は、素材の金の価値に加えてデザインやブランド価値が評価され、市場で高額に取引されることがあります。
一方、一般的な金製ジュエリーの買取では、重量×純度換算の地金価格が基準となり、宝石部分は別途評価される点に留意が必要です。
金を売る際に確認しておきたいポイント

金製品を売却する際には、事前にいくつかのポイントを確認しておくことが大切です。現在の金相場や、売却予定品の純度・重量を把握し、買取時にかかる手数料や売却益に対する税金などもチェックしましょう。
さらに、信頼できる買取業者を選ぶことで、適正な価格で安全に取引できます。以下に、金を売る前に確認すべき主な事項を挙げます。
現在の金相場がいくらか
金を売却する前に、直近の金相場(1グラムあたりの価格)を確認しておきましょう。金の価格は、世界情勢や為替変動により日々変動しています。買取店から提示された金額が適正か判断するには、市場の基準となる価格を知っていることが重要です。
貴金属買取業者やインターネットで「今日の金価格」を調べ、売却時点での相場を把握してから交渉に臨むことで、不当に安い価格で手放してしまうリスクを減らせます。
なお、近年は金相場が歴史的高値圏にあり、相場を把握して売り時を見極めることが一層重要になっています。
純度はどれくらいか
売却予定の金製品の純度(何金か)も確認しておきましょう。純度によって含まれる純金量が異なり、買取価格も変わります。例えば、同じ重さでも、24金(K24)は純金含有率100%なのに対し、18金(K18)は75%なので評価額は約4分の3になります。
製品には通常、「K24」「K18」「750」など純度を示す刻印が打たれており、そこで純度を確認できます。純度が高いほど1gあたりの価格も高くなるため、自分の持つ金製品の純度を事前に把握しておきましょう。
重量はどれくらいか
金を売る際は、その製品に含まれる正味の金の重量も重要です。買取価格は純金の重さに比例しますので、何グラムの金を持っているか把握しておきましょう。
インゴットや金貨であれば刻印や証書に重量が明記されていますし、ジュエリーでも買取店で重量を計測して査定額が算出されます。
目安として、自宅のキッチンスケールなどで重さを測っておくと安心です(ただし、宝石付きジュエリーの場合、石の重さは含まれません)。重量が1g違えば受け取れる金額も変わるため、グラム単位まで正確に把握しておくとよいでしょう。
買取に発生する手数料はいくらか
買取業者によっては、金の売却時に手数料が差し引かれる場合があります。例えば、鑑定料や溶解費用、事務手数料などの名目で買取金額から一定額が引かれるケースです。一見高額の買取単価を提示する業者でも、手数料が高いと実際の手取り額が減ってしまいます。
複数の業者で査定を取る際には、提示金額だけでなく「手数料差引後の金額」を比較しましょう。手数料無料を謳う信頼できる業者を選ぶことも、高く売るコツの1つです。契約前に手数料の有無と金額を確認し、不明瞭な費用を差し引く業者は避けるのが賢明です。
売却時にいくら税金がかかるか
金を売却して利益(譲渡益)が出た場合、その利益に対して税金がかかることに留意しましょう。個人が金地金や金貨を売って譲渡益を得た場合、基本的には給与など他の所得と合算して総合課税されます。
ただし、年間の譲渡益合計から50万円の特別控除が認められているため、譲渡益が50万円以下なら税金はかかりません。
逆に大きな利益が出て特別控除を超える場合は、その超過部分に所得税・住民税が課税され、確定申告が必要です。また、売却額が1点30万円以下なら「生活用動産」とみなされ非課税となる特例もあります。金を売る際にはこうした税制も踏まえて計画しましょう。
買取業者は信頼できるか
最後に、取引する買取業者が信頼できるかどうかを見極めることも重要です。店舗を構え古物商許可を持つ実績ある業者を選びましょう。悪質な業者の中には、訪問買取で強引に安値で買い叩こうとしたり、重さを偽って少なく申告する例も報告されています。
特に、突然自宅に来て貴金属を買い取る「押し買い」には要注意です。複数店で査定額を比較し、スタッフの説明が明瞭で信頼できる業者を選ぶことで、安心して金を売却することができます。
査定時には目の前で重量を測ってもらい、価格算定の根拠を丁寧に説明してくれる業者を選ぶと安心です。
アメリカと金に関するよくある質問

最後に、アメリカと金にまつわる素朴な疑問にQ&A形式でお答えします。金価格の確認方法や市場の違い、ドルとの関係、米国ETFの購入方法、人気金貨の比較、単位の換算、税金や輸入時の注意点、初心者に適した投資法など、気になるポイントを整理しました。
以下では9つの質問に回答していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. アメリカの金価格はどこで確認できますか?
アメリカの金価格(ニューヨーク金相場)は、商品取引所や金融情報サイトで確認できます。代表的なのはニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物価格で、これは世界の金価格指標となっています。
具体的には、インターネットの金融情報サイトやCME公式ページでリアルタイムのNY金先物価格を閲覧できます。
Q. NY金先物と現物(スポット)は何が違いますか?
NY金先物は、ニューヨーク商品取引所で取引される将来の金の受渡し契約(先物)です。一方、現物取引(スポット)は現時点で金地金を受け渡す取引を指します。
先物では決められた期日に金を受け渡す約束を売買しますが、通常は期限前に反対売買で差額決済し、現物の受渡しは行いません。現物取引ではその場で金を買い、現物の金が移動します。
Q. 金価格と米ドル指数(DXY)はなぜ逆相関になりやすいのですか?
金価格と米ドル指数(DXY)は、逆相関になりやすい傾向があります。金の国際価格が米ドル建てで決まるため、ドル高になると金が割高になって需要が減り価格は下がり、ドル安になると割安感から買われて価格は上がるからです。
さらに、ドル高局面では米金利の上昇を伴い無利息資産の金に不利に働く点も、逆相関の一因です。
Q. 日本から米国の金ETF(GLD/IAU)を買うにはどうすればよいですか?
日本から米国市場の金ETF(GLDやIAU)を購入するには、国内証券会社で米国株取引に対応した証券口座を開設し、そこでGLDやIAUをドル建てで買い付けます。
取引画面でティッカーを指定して株式と同様に注文可能です。購入資金は米ドルですが、円からの自動両替サービスを提供する証券会社もあります。主要なネット証券は米国ETFの取り扱いに対応しています。
Q. アメリカン・ゴールド・イーグルとバッファローは、どちらの金貨の方が価値がありますか?
アメリカン・ゴールド・イーグル金貨とバッファロー金貨は、どちらも1トロイオンス(約31.1g)の純金を含むため資産価値はほぼ同等です。
違いは金の純度で、イーグル金貨は22金(91.67%)の合金、バッファロー金貨は99.99%の純金です。どちらも金相場に連動するため大きな価値差はありませんが、純度が高いバッファロー金貨の方がわずかに高値で取引される傾向があります。
Q. 1トロイオンスは何グラムですか?
1トロイオンス(troy ounce)は金など貴金属の計量によく使われる単位で、1トロイオンス=約31.1035グラムに相当します。一般的には、約31.1グラムと覚えておけば問題ありません。
金現物や金貨の重量はこのトロイオンスを基準に表記されることが多く、国際相場でも金価格は「米ドル/トロイオンス」で示され、日本国内ではこれをグラム当たりの円価格に換算して取引されています。
Q. 米国で買った金貨を日本で売ると税金はかかりますか?
米国で買った金貨を日本に持ち込んで売却する場合、まず入国時に金貨の輸入品として消費税(10%)の納税義務が生じます(免税枠を超える場合)。
さらに、売却によって利益が出れば、日本の税法上は譲渡所得として所得税・住民税の課税対象となり、利益額に応じて確定申告が必要になる場合があります。
Q. 個人輸入で金貨を取り寄せる場合、関税・消費税はかかりますか?
個人輸入で金貨を取り寄せる場合、関税はかかりませんが、輸入時に消費税(10%)が課税されます。
少額であれば免税枠内(申告のみ)ですが、20万円超など高額になると税関で消費税を納める必要があります。
Q. 初心者におすすめなのは現物・ETF・積立のどれですか?
初心者には、少額から始めやすくリスク分散効果もある純金積立や、金ETFによる投資がおすすめです。純金積立は毎月コツコツ購入でき、価格変動リスクを抑えやすいメリットがあります。
金ETFは証券口座が必要ですが、売買が手軽で保管の手間もありません。一方、現物(金地金・金貨)は実物資産の安心感がありますが、ある程度まとまった資金や保管場所が必要になります。
Q. 高く売るベストタイミングはどう見極めますか?
金を高値で売却したいなら、ニューヨーク金先物の上昇局面と円安進行が重なるタイミングを狙うことが肝心です。米ドル指数やFRBの利下げ観測が強まるとドル安・金高になりやすく、円建ての価格上昇に直結します。
さらに、国内買取店の相場連動が反映される午後以降に査定を受けると、市場価格のラグを防ぎ高額での成約を期待できます。
まとめ
アメリカは約8,133トンもの金準備を保有し、その圧倒的な規模とニューヨーク市場の存在によって国際的な金価格形成を主導しています。金価格はFRBの金融政策や米ドル指数、インフレ率、地政学リスクなど複合要因で変動し、日本の相場にも即座に波及します。
投資手段は現物、積立、ETF、先物と多様で、資金量やリスク許容度に応じた組み合わせが鍵です。売却時は相場、純度、重量、手数料、税制を総合的に確認し、複数社査定で最良条件を見極めましょう。
アメリカ発の市況を的確に捉えれば、金取引で得られるリターンを最大化できます。長期視点も忘れないでください。
「おたからや」での金の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「金」の参考買取価格の一部を紹介します。
2025年11月05日14:00更新
今日の金1gあたりの買取価格相場表
| 金のレート(1gあたり) | ||
|---|---|---|
| インゴット(金)21,449円
-259円 |
K2421,195円
-256円 |
K2320,122円
-244円 |
| K2219,479円
-235円 |
K21.619,050円
-230円 |
K2017,548円
-213円 |
| K1816,087円
-194円 |
K1412,186円
-148円 |
K1210,256円
-124円 |
| K108,540円
-103円 |
K97,682円
-93円 |
K86,395円
-77円 |
| K53,177円
-39円 |
||
※上記の買取価格はあくまで参考価格であり、市場の動向、付属品の有無などによって実際の査定額が変動する場合があります。
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
金製品の査定では、まず刻印で確認できる純度(K24・K22・K18など)と、正味重量が評価の軸になります。ブランドロゴや限定デザインは加点要素となりますが、表面の擦り傷やサイズ直し痕、変形が見られると減額につながりやすいです。
また、宝石が付いている場合は、石の種類とセッティングの状態も総合評価に反映されますので、売却前に石留めの緩みや欠けをチェックしておくと安心です。
付属品を揃えておくと真贋確認が迅速になり、査定額も安定します。保管中は個別にポーチに入れ、湿気や衝撃を避けて変色や傷を防いでください。売却の際は相場動向と手数料・税制を確認しつつ、複数店舗で比較すると納得のいく条件を得やすくなります。
- おたからや査定員のコメント
米国の金準備8,133トンは世界標準を左右する規模で、ニューヨーク市場の流動性と相まって価格指標の役割を果たしています。FRB政策やドル指数、地政学リスクを監視しつつ、現物とETFを組み合わせることでヘッジと収益機会を両立しやすくなるでしょう。
税制の確認を徹底すると、手取り額が想定より減る事態を避けられます。長期資産保全の観点からも有効です。

金の買取なら「おたからや」
「おたからや」では、インゴットや純金コイン、K24・K18・K14ジュエリーから、歪んだリングや片方だけのピアス、刻印が薄れたスクラップまで幅広く査定可能です。専門鑑定士が、ロンドン金価格や東京商品取引所の最新相場を即時反映した、高水準の査定額をご提示いたします。
付属品がなくても公正に評価し、手数料や目減り控除は一切ありません。査定は完全無料・予約不要、ご成約後は最短即日で現金化いたします。大切な金製品を納得の価格で売却したい方は、豊富な実績を誇る「おたからや」へぜひご相談ください。
おたからやの金買取
査定員の紹介
伊東 査定員
-
趣味
ショッピング
-
好きな言葉
有言実行
-
好きなブランド
ハリーウィンストン
-
過去の買取品例
おりん、インゴット
初めまして。査定員の伊東と申します。 おたからやでは金の買取をする際に、今日の金の1gの買取相場を基に、デザイン性などをプラスで評価して高価買取を行っております。過去に1万点以上の査定をさせていただきましたが、とても多くのお客様に想像以上の金額になったと喜んでいただきました。また、おたからやでは、すべての店舗に比重計を完備しているため、金の含有量を正確に測定することができます。 金額はもちろんのこと、接客も最高のおもてなしができるように心がけております。私共はお品物だけではなくお客様一人ひとりの思いに寄り添い満足して帰っていただけるように丁寧な説明を致します。誠心誠意対応させていただきますので、是非おたからやのご利用をお待ちしております。
その他の査定員紹介はこちら金を高く売るためのコツは、「金の価格が高いときに売ること」と「高値で買い取ってくれる専門店に売ること」です。金の価格は現在非常に高騰しているため、売却にはベストなタイミングといえます。
金の高価買取はおたからやにお任せください。
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