金地金は、「インゴット」や「金の延べ棒」とも呼ばれ、資産形成の手段として注目を集めています。しかし、いざ興味を持っても「金貨とは具体的に何が違うの？」「どこで、どうやって購入すればいいの？」といった疑問があるかもしれません。

本記事では、金地金の基礎知識から、価値が下がりにくい理由、表面に刻まれた刻印の読み解き方まで、一つひとつ丁寧に解説します。

加えて、具体的な購入・売却方法や注意点についても紹介します。金地金への投資を始める第一歩として、ぜひ参考にしてください。

金地金とは

「金地金（きんじがね）」は、金を精製して固めた塊です。一般的に「インゴット」（英語で「鋳塊」の意味）や「金の延べ棒」とも呼ばれ、資産として保有する目的でつくられました。

株式や不動産だけでなく、金地金も昔からある代表的な投資対象の1つです。また、世界中で価値が認められているため、金地金は安定した資産として扱われています。社会情勢が不安定なときでも価値が下がりにくく、「安全資産」として人気です。

金地金と地金型金貨の違い

金地金と地金型金貨のどちらを選んだら良いか迷われる方も多いのではないでしょうか。金地金と地金型金貨は同じ「金」を資産として保有する方法ですが、形状や購入にかかるコストに違いがあります。

この章では金地金と地金型金貨の具体的な違いを解説します。

金地金：延べ棒状の純金

金地金は純度99.99%の金（純金）で作られた延べ棒状の塊です。純度は「K24」や「フォーナイン」と表現され、高い品質を誇ります。

品質を保証するため、ブランドロゴや重量・品位（純度）が刻印されています。特に、LBMA（ロンドン貴金属市場協会）に認定された「グッド・デリバリー・バー」は、世界中で信頼される規格です。サイズは5gの小さなものから1kgを超える大きなものまで用意されています。

ただし、500g未満の金の延べ棒を購入・売却する際には注意が必要です。バーチャージ（加工費や輸送費などに相当する手数料）が別途かかる場合があります。

地金型金貨：金を加工した投資用コイン

地金型金貨は投資目的のコインです。各国の造幣局が鋳造を行ない、金の含有量や品位を保証していることから、投資資産として人気があります。

地金型金貨の価格には、鋳造や流通にかかるコストが上乗せされています。この上乗せ部分こそが、プレミアムと呼ばれるものです。そのため、金地金よりも重量あたりの価格が高くなる傾向が見られます。

金地金の価値が高い理由

金地金はなぜ高い価値を持つのでしょうか。理由は金が持つ2つの特徴にあります。

具体的な理由は以下になります。

金は埋蔵量が限られており希少性が高いから

金の価値が高い大きな理由は、地球上に存在する量に限りがあるからです。人類がこれまでに採掘した金の総量は約18～19万トンといわれます。オリンピックの公式プール（長さ：50m×幅：25m×深さ：2m）に換算すると約3.5～4杯分です。

現在、採掘可能とされる金の埋蔵量は残り約5万トン（推測量）。新しい金鉱が発見される可能性はありますが、金が希少な資源である事実は揺るぎません。供給量が限られているからこそ、金は時代を越えて価値を保ち続けています。

価値がゼロになるリスクが低いから

金地金は、「安全資産」とも呼ばれます。理由は、価値がゼロになる可能性が極めて低いためです。株式投資の場合、投資先の企業が倒産すると株の価値はほぼ無価値になります。

一方、金は企業や国といった発行元に依存しない「実物資産」。「モノ」自体に価値があるため、価値が完全に失われることはありません。

また、新型コロナウイルスの流行時には、世界経済は大きな不安に包まれました。その際、投資家が真っ先に購入したのが、安全資産である金でした。

社会が不安定なときほど、世界共通の価値が信頼され、輝きを増すのが金地金の大きな特徴です。

金地金の刻印の意味

金地金を手に取ると、表面にいくつかの文字やマークが刻まれています。一つひとつの刻印が、金地金の品質や信頼性を証明する「身分証明書」のような役割を果たします。

本章では、6つの刻印について解説します。

金塊番号

金塊番号は、金地金それぞれに割り当てられた固有のシリアルナンバーです。世界に同じ番号は存在しません。番号のおかげで、製造元はいつ、どこで、どのようにつくられた金地金かを管理できます。

万が一の盗難や偽造といったトラブルを防ぐ上でも、金塊番号は役立ちます。個別に識別できるため、追跡が可能になるのです。ただ、すべての金地金に刻印されているわけではありません。しかし、信頼性の高いブランドの品には、ほとんどの場合この番号が記されています。

商標

商標は、金地金を製造した会社のブランドマークやロゴを指します。日本のブランドでは「三菱マテリアル」や「田中貴金属工業」、海外のブランドでは、スイスの「PAMP SUISSE」などが有名です。

商標はいわば製造元の顔であり、品質に対する責任の証でもあります。国際的に認められた、権威あるブランドの商標が入った金地金は、世界中どこへ行っても高い信頼を得られます。

売買する際にも、信用のある商標が刻印されていると取引がスムーズに進むでしょう。

重量

重量の刻印は、金地金がどれくらいの重さであるかを示しています。表記はグラム（g）やキログラム（kg）が一般的。金地金の価格は、日々の金相場に重量を掛けて算出されるため、重量表記は価値を決める基本の要素です。

たとえば「100g」と刻印されていれば、100gの金地金であると証明されます。小さなものでは5gから、大きなものでは1kgまで、さまざまなサイズの金地金が流通しています。

素材

素材の刻印は、塊が何でできているかを示すものです。金地金の場合、「GOLD」や金の元素記号である「Au」といった文字が刻まれます。

見た目が似ている他の金属と区別し、間違いなく金であると証明するための表記です。誰が見ても一目で金であるとわかるようにするための、大切な刻印といえます。

製錬・分析者マーク

製錬・分析者マークは「MELTER（メルター）」と「ASSAYER（アッセイヤー）」で構成される刻印です。MELTERは金を溶かして延べ棒をつくる「製錬業者」を、ASSAYERは品質を分析して保証する「検定分析業者」を示します。

多くの場合、製錬と分析は同一の業者が行うため、1つの商標マークとして刻印されます。刻印された商標マークがLBMAの認定を受けている場合、国際的な品質基準を満たしている証です。そのため、その金地金は世界中で高い信頼性が保証されます。

品位

品位の刻印は、金地金の純度を示す最も大事な情報です。金の純度は1000分率で表され、「999.9」のように刻印されます。数字の「999.9」は、製品の99.99%が純金であると意味し、「フォーナイン」とも呼ばれます。

宝飾品で使われるK24（24金）と同じ、最高純度の金です。品位の刻印があることで金地金は純粋な金の価値を持つ資産として世界中で取引されています。

地金型金貨の種類

地金型金貨は世界中の国々で発行されており、それぞれに独自のデザインや特徴があります。投資だけでなく、コレクションとして集める楽しみも金貨の魅力です。

本章では、世界的に有名で人気のある代表的な5つの金貨を紹介します。

メイプルリーフ金貨

メイプルリーフ金貨は、カナダ王室造幣局が発行する世界で最も有名な金貨の1つです。表面にはイギリスのエリザベス2世の肖像（2024年4月よりチャールズ3世）、裏面にはカナダの象徴であるカエデの葉が描かれています。

金貨の純度は99.99%（フォーナイン）。純金（K24）としての価値を持っています。メイプルリーフ金貨は1979年の初発行以来、高い信頼性と品質から世界中の投資家に愛されてきました。

サイズ展開も1オンス（約31.1g）から1／20オンスまでと豊富で、予算に合わせて選びやすい点も人気の理由です。国際的な知名度が高く、初めて金貨を購入する方にも向いています。

ウィーン金貨

ウィーン金貨は「音楽の都」として知られるオーストリアの造幣局が発行しています。世界的に有名なウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がモチーフです。

表面には、演奏会場であるウィーン楽友協会の黄金の間に設置されているパイプオルガンが描かれています。裏面には、ビオラやバイオリン、ハープといった美しい管弦楽器がレリーフとして刻まれています。

純度は、メイプルリーフ金貨と同じ99.99%（フォーナイン）の純金（K24）です。芸術性の高いデザインは、世界中の音楽ファンやコレクターからも支持され、宝飾品の素材としても使われます。

カンガルー金貨

カンガルー金貨は、オーストラリアのパース造幣局が発行する金貨です。表面はエリザベスⅡ世の肖像、裏面にはオーストラリアを象徴する動物カンガルーが描かれています。

金貨の特徴は、裏面のカンガルーのデザインが毎年変わる点です。発行年によって異なるデザインを楽しめるため、コレクターからの人気が高い金貨となっています。

純度も99.99%（フォーナイン）の純金（K24）です。資産価値とコレクション性の両方を兼ね備えているのが魅力といえます。毎年新しいデザインが登場するので、集める楽しみもあります。

バッファロー金貨

バッファロー金貨は、アメリカ合衆国造幣局が発行するアメリカ初の純金（K24）の地金型金貨です。2006年に発行が始まり、純度は99.99%（フォーナイン）を誇ります。

金貨の表面にはアメリカ先住民の横顔が、裏面にはアメリカを代表する動物のバッファロー（アメリカバイソン）が描かれています。

デザインは1913年から1938年まで製造された「インディアンヘッド・ニッケル」（5セントニッケル硬貨）の復刻版。アメリカの歴史と文化を感じさせる重厚な雰囲気が人気を呼んでいます。力強いデザインは、多くの投資家やコレクターを魅了します。

パンダ金貨

パンダ金貨は、中国造幣公司が発行する金貨です。名前の通りジャイアントパンダがデザインの主役です。

金貨の表面には世界遺産でもある北京天壇、裏面にはかわいらしいパンダの姿が描かれています。カンガルー金貨と同様、裏面のパンダのデザインが毎年変わるのが特徴です。そのため、世界中にコレクターが存在します。

純度は99.9%（スリーナイン）以上とされています。他の主要な金貨（99.99%）と比べると純度はわずかに異なりますが、価値に大きな差はありません。

金地金の購入場所や購入方法

ここからは、具体的な購入場所など3つのポイントについてご紹介します。

銀行・貴金属店・ネットショップなどで購入できる

金地金は、主に貴金属店やネットショップで購入できます。一部の銀行でも取り扱いがありますが、現在はごく限られているのが現状です。銀行での購入は、信頼性が高く安心感がありますが、取扱機関が少ないため購入先は限られます。

次にあげられるのは、田中貴金属工業や石福金属興業といった、貴金属の専門店です。専門店では、専門知識が豊富なスタッフから詳しい説明を受けながら、さまざまな種類の金地金を選べるのが魅力です。

近年は、オンラインショップでの購入も増えています。自宅にいながら、24時間いつでも注文できる手軽さが特徴です。しかし、運営会社が信頼できるか、慎重に見極める必要があります。

ご自身の投資目的や予算、投資スタイルを考慮して、最適な購入先を選ぶのがポイントです。

購入時は刻印・手数料・信頼性を確認する

金地金を購入する際には、確認すべき3つのポイントがあります。

1つ目は「刻印」です。LBMAに認定された「グッド・デリバリー・バー」の証である刻印があるかを確認しましょう。刻印がある金地金は国際的な品質基準を満たしているため、将来売却する際にもスムーズな取引が期待できます。

2つ目は手数料です。500g未満の小さな金地金を購入する場合、「バーチャージ」と呼ばれる手数料がかかる場合があります。加工費や輸送費に相当するもので、購入代金とは別に支払う費用です。

3つ目は、販売元の信頼性です。日本金地金流通協会（JGMA）の正会員であるかなどを確認し、長年の実績がある信頼できる会社から購入するのがおすすめです。

初心者は少額から始めるのがおすすめ

初めて金地金投資に挑戦する場合は、まず少額から始めるのがおすすめです。

いきなり大きな金額を投じるのではなく、5gや10gといった小さなサイズの金地金から始めてみましょう。

少額で1度購入プロセスを経験すると、金の価格変動に対する感覚もつかみやすくなります。また、「純金積立」も初心者の方に向いています。毎月3,000円や5,000円といった、決まった金額で、少しずつ金を購入していくサービスです。

毎月コツコツと買い続けることで、購入価格を平均化できます。これにより、価格が高い時に買いすぎてしまうリスクを抑えられます（ドルコスト平均法）。まとまった資金がなくても始められるので、気軽に金投資を体験できます。

金地金に投資をするメリット・デメリット

金地金への投資は、資産を守り育てるための有力な方法ですが、メリットとデメリットがあります。

両方を正しく理解すれば、ご自身の資産状況や目的に合った、後悔のない投資判断ができるでしょう。

金地金に投資をするメリット

金地金は資産価値が高く、投資対象として注目を集めています。

実物資産としての金地金には、株式などとは異なる特徴が備わっているため、金投資の際はその特性を理解しておくことが重要です。

金地金は、地金商や商社、金属メーカーなどで購入可能です。ここでは、金地金を購入するメリットを2つ紹介します。

世界共通で価値が担保されている

世界に流通している金地金の品質は、「LBMA」が保証しています。LBMAの厳格な審査に合格した企業のみが、自社のマークを刻印した金地金を市場に流通させられるのです。

企業の信用力が価値である株式と異なり、金はそれ自体に価値があるため、世界中どこでも換金できます。万が一の際も、資産価値が保たれやすいのは、金の大きな魅力といえます。

投資金額が大きくなると手数料は安くなる

金地金の購入には、基本的に手数料（バーチャージ）が発生します。製造にかかったコストを、手数料に上乗せするためです。

ただし、500g以上の金地金には手数料がかからないため、500g未満のものより重量当たりの価格が安くなります。

資金に余裕があるのなら、大きな金額を投じて余計なコストを省くのがおすすめです。

金地金に投資をするデメリット

ここでは、金投資における金地金購入のデメリットを2つ紹介します。

手数料を抑えるには高額投資が必要となる

500g未満の金地金を購入する際は、製造費分の手数料がかかります。500g以上であれば手数料はかかりませんが、それなりの投資金額が必要です。

投資を行なう際は、なくなっても生活に影響を与えない余剰資金で始めるのが基本です。

そのため、少額投資を考えている人には、金地金の購入はハードルが高いと感じられる場合もあるでしょう。

サイズ次第で保管に場所が取られる

現物資産である金地金は、サイズが大きくなるほど保管が大変です。防犯のために耐火金庫などを用意しても、盗難のリスクをゼロにすることはできません。

銀行などへ預けることもできますが、保管費用が発生し、出費が増えることになります。金地金を購入するときは、どのように保管するのかを事前に決めておく必要があるでしょう。

地金型金貨に投資をするメリット・デメリット

金地金と並ぶもう1つの金投資の方法が、地金型金貨です。コインという手軽さから人気がありますが、金地金とは異なるメリットとデメリットがあります。

本章では、地金型金貨に投資をするメリットとデメリットを紹介します。

地金型金貨に投資をするメリット

実物資産としての地金型金貨には、金地金とは異なる特性があります。ここでは、地金型金貨のメリットを2つ紹介します。

少量の購入でも手数料がかからない

地金型金貨は、少量の購入でも手数料はかかりません。つまり、500g未満の購入では手数料のかかる金地金より、同じ予算でも金自体により多くの金額をかけられるのです。

ただし、地金型金貨の価格には、加工やデザイン、輸送などにかかった諸経費が上乗せされています。この上乗せ分がプレミアムと呼ばれるものです。

保管が容易

地金型金貨はサイズが小さく、自宅で保管する際にも場所を取りません。

盗難リスクを考慮して金庫に入れることをおすすめします。コイン型のため金地金と比較して金庫内でも場所をとらず、保管しやすいでしょう。

また、持ち運びしやすく、大量に持っていても分散して保管できる点も地金型金貨のメリットです。

地金型金貨に投資をするデメリット

次に、金投資における地金型金貨のデメリットを2つ紹介します。

付加価値がなくなってしまうこともある

金地金は純粋に金そのものの価値で価格が決まりますが、地金型金貨にはプレミアムという付加価値がついています。

ただし、プレミアムが付くかどうかは金貨の保存状態によります。そのため、表面に傷などが付いていると、付加価値がなくなってしまうこともあるでしょう。

プレミアムが付くのを期待して地金型金貨を購入したにもかかわらず、保存状態が悪いせいで買取金額が大きく下がってしまうこともあるので注意が必要です。

盗難に遭うリスクがある

地金型金貨は実物資産であるため、盗難リスクは常に考慮しなくてはなりません。

盗難に遭ったり、紛失したりすると投資したお金が無駄になってしまいます。厳重に保管するよう心がけましょう。

金地金を売却する際の注意点

大切に保有してきた金地金を売却する際、いくつか知っておくべき注意点があります。本章では、売却時に失敗しないための3つの注意点を解説します。

売却時は身分証の提示が必要

金地金を売却する際には、必ず本人確認のための身分証明書が必要です。「古物営業法」という法律で定められたルールで、買取業者は取引相手の本人確認を行う義務があります。

古物営業法は、盗品などの不正な品物が、市場に流通するのを防ぐために作られました。1万円未満の取引は、本人確認が免除されます。ただし、金地金の売却は1万円を超える場合が多いため、身分証明書の提示が必要です。

本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカード・健康保険証などが利用できます。ただ、パスポートや在留カードは、業者によって対応が異なるため、事前に確認しましょう。

売却金額が200万円を超える場合は、買取業者は税務署に支払調書を提出する義務があります。支払調書にはお客様のマイナンバー（個人番号）の記載が必要なため、マイナンバーが確認できる書類の提示が必要になります。売却手続きをスムーズに進めるためにも、事前に準備しておきましょう。

金額次第で税金がかかる

金地金を売却して利益が出た場合、その利益は「譲渡所得（じょうとしょとく）」として所得税の対象になります。

ただし、すべての取引に課税されるわけではありません。控除や保有期間によって税額が変わります。

課税の目安

控除や計算方法は個人の状況によって異なるため、不明点がある場合は税務署や税理士に相談すると安心です。

信頼できる業者に依頼する

金地金の売却で最も大事なのが、信頼できる買取業者を選ぶことです。金の価格は世界共通ですが、買取業者によって手数料や査定基準が異なります。そのため、最終的に手元に入る金額には差が出ます。

悪質な業者の場合、不当に安い価格を提示したり、重さを誤魔化したりする恐れもゼロではありません。信頼できる業者を見極めるには、まずホームページなどでその日の買取価格を明確に公表しているかを確認します。

また査定の際には、お客様の目の前で計量し、査定額の根拠を丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。また、日本金地金流通協会の正会員であるかも、信頼性を判断する1つの目安です。

複数の業者に査定を依頼して、対応や買取価格を比較検討するのも、納得のいく取引をするための良い方法です。

金地金に関するよくある質問

ここからは、金地金に関する質問にお答えします。

Q.金地金は何gがおすすめですか？

A.お客様の目的によって、おすすめのg数は異なります。金投資をまず体験してみたい初心者の方であれば、5gや10gの小さなサイズから始めるのがよいでしょう。「純金積立」で、コツコツ購入するのも1つの手です。

一方で、手数料を抑えて効率的に投資したいとお考えなら、手数料（バーチャージ）のかからない500g以上のサイズをおすすめします。ご自身の予算や投資スタイルに合わせて、最適な重さを選んでください。

Q.少額でも金地金を購入する方法はありますか？

A.はい、あります。まとまった資金がなくても、金地金を手に入れる方法は、主に2つあります。1つ目は、5gや10gの小さいサイズの金地金を購入する方法です。ただし、方法によっては「バーチャージ」という手数料がかかり、少し割高になる可能性があります。

2つ目は、「純金積立」サービスの利用です。毎月3,000円や5,000円といった決まった金額で金を購入していくため、無理なく資産を形成できます。

Q.金地金の価格は1日でどれくらい変動しますか？

A.金地金の価格が1日でどれくらい動くかは、その時々の世界情勢によって大きく変わります。これは、世界の経済ニュースやアメリカの金融政策、円やドルの為替レートの動きなど、さまざまな要因が影響するためです。

通常、穏やかな日には、1gあたり数十円ほどの小さな値動きにとどまることもあります。しかし、大きな金融危機や紛争が起きた日には、1gあたり数百円以上動くケースも見受けられます。

価格の短期的な変動に左右されず、長い目で資産として保有するのがおすすめです。

Q.金貨と金地金ではどっちがおすすめですか？

A.どちらが良いかは、投資目的やスタイルによって異なります。金地金は、金の価値そのものに投資したい方や、500g以上のまとまった量を購入して手数料を抑えたい方に向いています。また、金そのものを資産として長期的に保有したい方にもおすすめです。

一方の金貨は、数万円程度の少額から投資を始めたい方に向いています。また、美しいデザインを楽しみたいコレクター気質の方にもおすすめです。

保管のしやすさや、必要に応じて1枚ずつ売却できる手軽さも金貨の魅力といえます。

Q.中古の金地金を買っても問題ありませんか？

A.金の価値は、新品か中古かでは変わりません。しかし、初心者の方が、中古の金地金を購入するのはおすすめできません。なぜなら、中古市場では、コピー品や品質の劣るものが紛れ込んでいるリスクが新品に比べて高まるからです。

安心して本物の金地金を手に入れるためにも、最初は信頼できる貴金属店や地金商、銀行など、正規のルートで購入するのをおすすめします。

Q.インゴットと金地金の違いは何ですか？

A.インゴットと金地金は、基本的に同じものを指す言葉です。「金地金（きんじがね）」が日本語で、「インゴット」は英語表現にあたります。

どちらも「金を精製して固めた塊」を意味します。貴金属業界ではどちらの言葉も一般的に使われますので、同じものだと覚えておけば問題ありません。

Q.金地金を相続すると税金はかかりますか？

A.はい、金地金は、現金や不動産と同じように資産として扱われるため、相続税の対象となります。相続が発生した時点での時価で、金地金の価値が評価され、他の相続財産と合算されます。

合算した遺産総額が、相続税の基礎控除額を超える場合に、超えた部分に対して相続税がかかります。相続に関する税金の仕組みは複雑なため、専門家である税理士に相談すると安心でしょう。

Q.金地金はどれくらいの期間持ち続けるのが理想ですか？

A.金地金は、短期的な価格の変動で利益を狙うものではなく、長期的に価値を保存するための資産です。そのため、最低でも5年以上の長期で保有することが1つの目安となります。

売却して利益が出た場合、5年を超えて保有していると税金（譲渡所得税）の計算で優遇措置を受けられます。そのため、税金の面でも長期保有にメリットがあります。

インフレや経済危機に備える「守りの資産」として、長く持ち続けると安心です。

Q.金地金を分割して売ることはできますか？

A.いいえ、1本の金地金を物理的に割ったり、削ったりして一部分だけを売ることはできません。1kgの金地金は、1kgの塊として売却する必要があります。

将来的に少しずつ売却する可能性がある場合は、あらかじめ小さな単位で複数に分けて購入しておくのがおすすめです。

たとえば、100gの金地金を10本に分けて持っておくと、必要に応じて一部だけを手放せます。

Q.金地金を安全に保管するおすすめの方法はありますか？

A.安全な保管方法は、主に2つあります。1つ目は、銀行の「貸金庫」の利用です。高いセキュリティで守られており、盗難や災害のリスクを最小限に抑えられます。デメリットは年間の利用料がかかる点です。

2つ目は、自宅の「金庫」での保管。費用はかかりませんが、金庫の設置や、盗難・災害のリスクは自己責任となります。高額な金地金を保有する場合は、安心と安全のためにも銀行の貸金庫を利用するといいでしょう。

まとめ

金地金は、金を精製して固めた実物資産で、世界共通の価値を持つことから「安全資産」として高い信頼を得ています。価値は企業や国家に依存しないため、経済が不安定なときでも価値がゼロになるリスクは極めて低いのが魅力です。

金地金への投資では、手数料や税金、保管方法を理解したうえで、ご自身の目的に合った重量を選ぶのがよいでしょう。近年、金の価格は歴史的な高値圏で推移しており、資産としての注目度は増すばかりです。

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金地金の査定は、その日の金相場と、刻印されている「重量」に基づいて価値を算出します。そのため、査定において重要なのは刻印されたブランドの信頼性になります。LBMA認定の「グッド・デリバリー・バー」であれば、国際的な基準を満たしているため、スムーズに最高水準の価格でのお取引が可能です。

次に確認するのが「状態」です。金地金は宝飾品とは異なり、表面の細かな傷や経年によるわずかな変色で価値が大きく下がることはありません。

しかし、意図的に削られた跡や深い打痕など、重量に影響を及ぼす可能性のある損傷がある場合は、精密な検査が必要となる場合があります。

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