エルメスの馬具の歴史と現在|馬具メーカーから世界的ブランドへなった背景とは

エルメスの馬具の歴史と現在|馬具メーカーから世界的ブランドへなった背景とは

※下記の画像は全てイメージです

エルメスといえば高級バッグやスカーフで知られる世界的ブランドです。「もともと馬具メーカーだったって本当?」「バーキンやケリーと馬具にはどんな関係があるの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。実は、エルメスの歴史を詳しく知らないまま製品を手にしている方も少なくありません。

エルメスは1837年、パリで馬具専門の工房として創業しました。王侯貴族に支持された職人技術はバッグや革小物の製造にも受け継がれ、現在も馬具製作の伝統は途絶えていません。

本記事では、馬具工房としての歩みからファッションブランドへの転換点、現在も販売されている馬具の種類と価格帯、馬術大会「ソー・エルメス」への取り組みまでを詳しく解説します。買取専門店「おたからや」の視点も交えてお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

エルメスの馬具の歴史と現在|馬具メーカーから世界的ブランドへなった背景とは

Contents

エルメス創業と馬具工房の時代

エルメス創業と馬具工房の時代

エルメスは1837年にフランス・パリで馬具専門の工房を創業しました。当時は馬車が主要な交通手段であり、馬具は富裕層にとって生活必需品であると同時にステータスの象徴でした。創業者ティエリ・エルメスは高品質な馬具を手掛け、創業当初から高い評判を得ていきます。

 

創業者ティエリ・エルメスによる高級馬具工房の創設(1837年)

ティエリ・エルメスはパリの職人街に小さな馬具工房を開き、高級馬車用のハーネスや乗馬用の鞍などを手掛け始めました。当時、ヨーロッパの貴族社会では「馬具といえばエルメス」と評されるほどの知名度があったとされ、素材選びから縫製に至るまでの品質の高さが際立っていました。

1850年代以降、エルメスの馬具は国際博覧会でも評価され、1867年のパリ万博の馬具部門で銀賞を受賞しています。この受賞をきっかけに、エルメスの名はヨーロッパの上流社会を超えて広く知られるようになりました。

参考:エルメス

 

王侯貴族に愛された高品質の馬具

優れた馬具を生み出すエルメスは、19世紀後半にはヨーロッパ各国の王侯貴族から厚い信頼を得ていました。フランス皇帝ナポレオン3世やロシア皇帝までもがエルメスの顧客に名を連ねており、宮廷御用達の馬具商としてその名声を確立します。

エルメス製の馬具は、厳選された革の質感や金具の精巧な仕上げ、使い勝手への配慮に至るまで隅々まで丁寧に作り込まれており、耐久性の高さと見た目の美しさが両立していました。19世紀の上流階級にとって、エルメス製馬具の所有は富と洗練を示すステータスシンボルでした。

馬車に主人が描かれていないデザインには、「最高の品は用意するが、それを使いこなすのはお客様ご自身」というエルメスの哲学が込められています。

現在エルメスのロゴマークに描かれている四輪馬車と従者(グルーム)のモチーフは、この馬具工房としてのルーツを象徴しています。

参考:エルメス

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自動車の時代とファッションブランドへの転換

自動車の時代とファッションブランドへの転換

19世紀末から20世紀初頭にかけて自動車が普及すると、馬車が担っていた移動手段としての役割は急速に縮小しました。この時代の転換にどう向き合うかが、エルメスの命運を分けることになります。

 

馬車文化の終わりと事業転機の到来

20世紀初頭、自動車という新しい交通手段の登場によって、人々の移動様式は劇的に変化しました。馬車に代わって自動車が街の主役になると、馬具の需要は減少の一途をたどります。高級馬具メーカーであったエルメスもこの潮流に直面し、事業の方向転換を迫られました。

時代の変化をいち早く読み取り、事業転換を決断したのが創業家三代目のエミール=モーリス・エルメスでした。エミール=モーリスは馬具需要の先細りを見据え、培ってきた革加工の技術を活かせる新たな製品分野への進出を決断しました。

 

皮革製品への挑戦とバッグ製作の開始

馬具職人として培った高度な革細工の技術を応用し、エミール=モーリスは1900年代初頭から鞄(バッグ)や財布といった皮革製品の製造に乗り出しました

馬具製作で培った革素材の目利きや縫製技術は、バッグや財布の製造にもそのまま応用されました。こうしてエルメスは、馬具メーカーからファッションブランドへの転換を進めていきます。この転換を象徴する製品が、1892年発表のエルメス初のバッグ「サック・オータクロア」です。

参考:エルメス

 

エルメス初のバッグ「サック・オータクロア」の誕生(1892年)

「サック・オータクロア(Haut à Courroies)」は、もともと乗馬用の鞍やブーツなどを収納して運ぶために作られた大型の革製バッグです。エルメスが初めて手掛けたバッグであり、馬具作りで培った頑丈な縫製や革加工のノウハウが余すところなく注ぎ込まれていました。

丈夫さと実用的な美しさが評判を呼び、エルメスが馬具以外の革製品に事業を広げる足がかりとなりました。縦長のシルエットと大容量を特徴とし、後にバーキンの原型となったモデルとしても知られています。

なお、エルメスはこの時期にさらなる革新も行っています。エミール=モーリスは当時最新だった留め具に注目し、アメリカで発明されたファスナーの特許使用権をフランス国内で取得しました。

そして世界で初めてファスナーをバッグに採用し、1920年代にはジッパー付きのバッグ「ボリード(当時の名称はブガッティ)」を発表しています。こうした技術導入によって生まれた近代的なバッグも成功を収め、エルメスは革新的な高級皮革ブランドとしての地位を確立していきました。

さらにその後も腕時計やシルクスカーフ、アクセサリー、プレタポルテ(衣服)など次々と事業領域を広げ、世界的ラグジュアリーブランドへと飛躍していったのです。

参考:エルメス
参考:エルメス

オータクロアやバーキン、ボリードの売却をお考えの方は、最新の買取価格をぜひご確認ください。

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土方

エミール=モーリスが馬具の技術を革製バッグに応用した判断は、単なる業態変更ではなく、優れた素材と手仕事を日常の道具に落とし込むという発想の転換でした。オータクロアは、馬具由来の頑丈な縫製をバッグに持ち込んだ最初の製品であり、ここにファスナーなどの新技術を加えたことで、エルメスは実用性と上質さを両立するブランドとしての方向性を確立しています。現在のバーキンやボリードの仕上がりの良さは、馬具工房時代の技術が脈々と受け継がれていることの表れです。

 

エルメスの現代バッグに息づく馬具デザインの痕跡

エルメスの現代バッグに息づく馬具デザインの痕跡

エルメスのバーキンやケリーには、馬具工房時代に由来するデザインの特徴が各所に残っています。バーキンの原型となった「オータクロア」は、1892年に馬の鞍を収納するために作られたバッグです。縦長のシルエットや大容量の収納力、頑丈なベルト留め具は、馬具を安全に持ち運ぶための機能的要求から生まれました。

ケリーバッグの台形フォルムや中央のベルト、ターンロック金具も馬具工房時代の意匠を継承しています。ケリーバッグは、オータクロアの構造をもとに、よりコンパクトに再設計されたバッグとされています。

縫製技術においても、馬具製作で培われた「サドルステッチ」がエルメスのバッグには採用されています。1本の糸の両端に針を付け、表と裏から交互に縫い合わせるサドルステッチは、仮に糸の一部が切れても縫い目がほどけにくい構造です。この技法によって得られる耐久性は、現代のバッグにもそのまま活かされています。

革の断面処理である「コバ仕上げ」も馬具製作由来の技術です。エルメスの職人は、革の切り口を何度も磨き、塗料を塗り重ねることで滑らかな仕上がりを実現します。馬具では馬体や騎手の肌を傷つけないために必須だったコバ処理が、バッグの見た目の美しさと耐久性を高める技術として活きています。

エルメスのバッグが「一生もの」と評されることが多いのは、190年近い馬具製作の歴史で蓄積された技術が、素材選びから縫製の仕上げまで一貫して反映されているためです。

 

エルメスの馬具製品の種類と特徴

エルメスの馬具製品の種類と特徴

馬具メーカーとして出発したエルメスは、創業以来さまざまな馬具製品を手掛けてきました。その製品の種類と特徴にはどのようなものがあるのか、歴史的な観点も交えながら見ていきましょう。

 

鞍(サドル)・頭絡(ブライドル)から馬車用ハーネスまで

創業当初のエルメスは、馬車一台分の馬具一式をトータルに製作する総合馬具メーカーとして機能していました。エルメスが創業当初から手掛けてきた主な馬具製品と用途は以下の通りです。

製品名 用途
鞍(サドル) 乗馬時に馬の背に据える座席部分
頭絡(ブライドル) 馬の頭部に装着し、手綱と連結する器具
ハーネス 馬車と馬を連結するための装具一式
サドルバッグ 鞍に取り付けて荷物を運ぶためのバッグ
腹帯 鞍を馬体に固定するためのベルト
手綱・轡(くつわ) 馬を操作するための革パーツ

エルメスはこれらの製品すべてにおいて、機能性と耐久性を両立させるための綿密な設計を行っていました。

革素材には厳選された最高級品のみが使用され、金具にも緻密な装飾や実用的な工夫が施されており、単なる道具を超えた仕上がりの良さがエルメスの馬具の大きな特徴でした。

エルメスの革製品と馬具の魅力について、展覧会を訪れた方がSNSでこのような感想を投稿しています。

上野の東京国立博物館・表慶館で開催中の「エルメス レザー・フォーエバー」へ。レザー+職人と職人仕事好きな私が惹かれたのは、バッグより馬具⁈ 乗馬体験やバッグへのプロジェクションもあったよ

出典:X

エルメスの展覧会では、バッグだけでなく馬具製品にも多くの注目が集まります。馬具作りで培われた革の選定眼や縫製技術が、現代のエルメスファンをも魅了し続けているのです。

金具にも緻密な装飾や実用的な工夫が施されており、単なる道具を超えた仕上がりの良さがエルメスの馬具の大きな特徴です。

 

馬具作りに息づく革職人の技と品質

馬と騎手を支える馬具には高い安全性と快適性が求められるため、エルメスは素材選びから仕立てに至るまで一切の妥協を許しませんでした。その伝統は現代に至るまで職人技として受け継がれ、エルメス製品の根幹を成しています。

例えば、革の手縫い技法であるサドルステッチは、もともと重い負荷に耐える馬具を丈夫に仕立てるために生み出された縫製法です。1本の糸の両端に針を付けて表裏から縫い合わせるこの手縫い技術は、ミシン縫いよりも手間と時間がかかりますが、その分頑丈で緻密な縫い目を実現できます。

仮に片方の糸が切れてももう片方が縫い目を保持するため、簡単にはほどけないという大きな利点があります。19世紀当時から馬具職人たちは、強度と見た目の美しさを両立するこの技法を重用してきました。

エルメスの職人たちは創業時から、サドルステッチを含む高度な革加工技術を磨き続けています。そうして培われた品質へのこだわりと熟練の技は、その後に生み出されたバッグや小物類にも色濃く反映されました。馬具製作を通じて磨かれた技術と品質への姿勢が、現在のエルメスのブランド力を支える基盤となっています。

エルメスの職人技を間近で見た方からは、SNSでも感嘆の声が上がりました。

「エルメスの手しごと」展にて「ふちかがり職人」の仕事振り。スカーフの最後の仕上げを施す重要な工程。どんな素材でも早く正確に、きちんと揃った縫い目に仕上げる事で型崩れしにくい丈夫な製品になるとの事。

出典:X

このように、エルメスの職人たちは馬具製作から受け継いだ精緻な手仕事を現在も守り続けており、その技術はスカーフの縫製にも遺憾なく発揮されています。こうした細部への妥協のない姿勢が、エルメス製品の品質を裏付けています。

参考:エルメス

エルメスの革素材の種類や特徴について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

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現代におけるエルメスと馬具

現代におけるエルメスと馬具

現在、エルメスは誰もが認めるトップファッションブランドとなりましたが、馬具作りの伝統は今なおメゾンの核として脈々と息づいています

創業以来の馬具部門は現在も存続しており、製品ラインナップや職人の手仕事という点で、ブランド内で独自の位置づけを保っています。ここでは現代のエルメスにおける馬具事業と、同社の馬術文化への取り組みについて見てみましょう。

 

オーダーメイドによる馬具製作の継続

エルメスでは21世紀の現在でも馬具の製作を続けており、創業当時と同様に一つひとつの鞍を一人の職人が最初から最後まで手掛ける一貫製作体制を守り抜いています。現在のエルメスの馬具は主に乗馬用ですが、鞍(サドル)や頭絡(ブライドル)などについては顧客の要望に応じた完全オーダーメイドが可能です。

専門スタッフが馬と騎手の細かな採寸を行い、それぞれの体格や騎乗スタイルに合わせて一品一品を仕立てます。革の種類や色調、ステッチの色や幅、金具の仕様に至るまで細部をカスタマイズできるため、完成した馬具は世界に一つだけの仕上がりとなります。

例えば、愛馬の頭部サイズに合わせて額革部分に伸縮性を持たせた特注の頭絡を製作したり、騎手の手に馴染む太さ・長さに調整した手綱をオーダーしたりと、細部にわたる対応が可能です。

1837年の創業から続く職人の技術は、現在の工房にもしっかりと引き継がれています。エルメスは伝統的な手仕事に現代の馬術研究の知見を取り入れながら、実用性の高い馬具を作り続けています。

参考:エルメス

 

現代のエルメスにおける馬具製品の展開

ファッションブランドとしての顔がクローズアップされがちなエルメスですが、公式カタログを覗くと多彩な馬具関連アイテムが並んでいます。現在のエルメスは、乗馬に必要なアイテムを幅広く展開しています。

主な製品カテゴリーは以下の通りです。

カテゴリー 主な製品例
主要馬具 鞍(馬場鞍・障害鞍)、頭絡、腹帯、鐙革、鐙
収納・保護用品 サドルボックス、ゼッケン、馬用イヤーフード
ケア用品 馬用ボディブラシ、グリセリン石鹸、ケア用品

公式サイトの馬具カテゴリーには50点以上の商品が掲載されており、馬に関わるあらゆるニーズに対応できる総合的なラインナップとなっています。

これらの製品は各国のエルメスブティックの一部店舗やオンラインストアで購入可能です。購入後のメンテナンスや調整についても、専門の職人によるサポート体制が整えられています。こうした充実した製品展開が示すように、馬具部門はエルメスのブランド戦略において重要な位置を占め続けています。

参考:エルメス

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馬術文化への貢献とブランドアイデンティティ

エルメスは馬具製造販売だけにとどまらず、馬術文化への積極的な支援も行っています。その象徴が、毎年フランス・パリで開催されている国際的な障害飛越競技大会「ソー・エルメス(Saut Hermès)」です。

馬具工房として創業したエルメスが2010年から主催しているこの大会は、グラン・パレを舞台に世界トップクラスの騎手と馬が集う華やかな馬の祭典として知られています。 「Saut(ソー)」はフランス語で「跳躍」を意味し、大会では華麗なジャンピング競技が繰り広げられます。

ソー・エルメスはパリの春を代表するイベントの1つとなっており、馬術に詳しくない来場者でも楽しめる演出が随所に取り入れられている点も大きな魅力です。

エルメスはソー・エルメスを、1837年創業の馬具メーカーとしての誇りを示し、現代の馬術文化の発展に貢献するためのイベントと位置付けています。こうした馬術支援を通じて、馬具工房として出発したブランドの原点を発信し続けています。

参考:ソー・エルメス
参考:エルメス

 

エルメスと馬具に関するよくある質問

エルメスと馬具に関するよくある質問

エルメスと馬具の関係について、読者の方からよく寄せられる疑問をまとめました。購入や売却を検討している方、エルメスの歴史をより深く知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

エルメスは今でも馬具を作っていますか?

エルメスは現在も馬具の製作を続けており、公式サイトや一部店舗で鞍・頭絡・腹帯・鐙革(あぶみがわ)などを購入できます。2023年にはフランス・ノルマンディー地方のルヴィエに新しい皮革製品工房を開設し、職人の育成にも力を入れています。

エルメスの馬具部門は創業以来一度も閉鎖されておらず、ブランドのアイデンティティを支える核として機能しています。乗馬競技者やコレクターからの需要も根強く、馬具製作はエルメスにとって欠かせない事業です。

エルメスの鞍はいくらで購入できますか?

エルメス公式サイトで販売されている鞍の価格帯は、約140万~150万円前後です。馬場鞍「エルメス・アルページュ」は約148万5,000円、障害鞍「エルメス・ヴィヴァーチェ」は約139万7,000円で販売されています(※2026年3月時点の情報)。

オーダーメイドで騎手と馬の体格に合わせた特注鞍を依頼する場合、価格はさらに上がる可能性があります。納期も数ヶ月から1年以上かかることがあるため、購入を検討している方は余裕を持った計画が必要です。

エルメスの馬具はどこで買えますか?

エルメスの馬具製品は、エルメス公式オンラインストアおよび一部のエルメスブティックで購入可能です。全店舗で取り扱っているわけではないため、来店前に在庫状況を確認することをおすすめします。

鞍のオーダーメイドを希望する場合は、事前にエルメスの店舗へ相談されるとよいでしょう。詳しい取り扱い状況やサポート内容については、公式サイトまたは最寄りの店舗に直接お問い合わせください。

エルメスのロゴに馬と馬車が描かれているのはなぜですか?

エルメスのロゴマークには四輪馬車と従者(グルーム)が描かれており、馬具工房として創業したルーツを象徴しています。ロゴに主人が描かれていない理由は、「最高の馬車(製品)を用意するのはエルメスだが、それを選び使いこなすのはお客様自身」というメッセージが込められているためです。

馬具製作から始まったエルメスの歴史と、顧客本位の姿勢を一つのマークで表現した秀逸なデザインです。

サドルステッチとは何ですか?

サドルステッチは、馬具製作で生まれた伝統的な手縫い技法です。1本の糸の両端にそれぞれ針を付け、革の表と裏から交互に縫い合わせる手法で、ミシン縫いより手間がかかるものの、仮に糸の一部が切れても縫い目全体がほどけにくい構造を実現できます。

エルメスでは馬具だけでなく、バーキンやケリーなどのバッグにもサドルステッチを採用しています。手間と時間がかかる技法ですが、耐久性と美しさを両立できるため、190年近く受け継がれてきました。

エルメスの馬具とバッグには関係がありますか?

エルメスのバッグには、馬具製作で培われた技術やデザインが数多く受け継がれています。バーキンの原型である「サック・オータクロア」は、鞍やブーツなど乗馬用具を収納するためのバッグでした。

サドルステッチや革の断面を滑らかに仕上げるコバ処理、厳選された革素材の選定眼など、馬具工房時代に確立されたノウハウは多岐にわたります。これらの技術が、現在のエルメスのバッグ製作の根幹を支えています。

エルメス初のバッグは何ですか?

エルメスが初めて製作したバッグは、1892年に発表された「サック・オータクロア(Haut à Courroies)」です。もともとは乗馬用の鞍やブーツなどを収納・運搬するために作られた大型の革製バッグでした。

オータクロアは縦長のシルエットと大容量が特徴で、馬具製作の技術がそのまま活かされた堅牢な作りになっています。後にバーキンの原型となったモデルとしても知られており、現在もエルメスのコレクションで販売されている歴史的なアイテムです。

バーキンとオータクロアの違いは何ですか?

バーキンとオータクロアはどちらも同じルーツを持つバッグですが、シルエットと用途に違いがあります。オータクロアは縦長のフォルムで、もともと鞍やブーツなど乗馬用具を収納するために設計されました。バーキンは横長のフォルムで、日常使いに適した実用的なサイズ感に調整されています。

バーキンは1984年に女優ジェーン・バーキンのために考案されたモデルで、オータクロアの機能性を継承しつつ、現代のライフスタイルに合わせたデザインに進化しました。

エルメスの創業者は誰ですか?

エルメスの創業者はティエリ・エルメス(Thierry Hermès)です。1837年、パリのバス・デュ・ランパール通りに馬具専門の工房を開きました。ティエリ・エルメスはノルマンディー地方のポン=オーデメールで鞍職人としての修業を積んだ後、パリで独立しました。

卓越した技術で作られたエルメスの馬具は、創業から30年後の1867年にパリ万博の馬具部門で銀賞を受賞しています。その後、ナポレオン3世やロシア皇帝の御用達馬具商となり、王侯貴族にも広く愛用されています。

エルメスはなぜ馬具からファッションブランドに転換したのですか?

20世紀初頭に自動車が普及し始めると、馬車の需要は急速に減少しました。馬具メーカーだったエルメスも事業の転換を迫られ、三代目のエミール=モーリス・エルメスが馬具製作の技術を活かしてバッグや皮革製品の製造に乗り出しました。

エミール=モーリスは時代の変化をいち早く察知し、馬具職人が持つ革加工や縫製の技術が他の製品にも応用できると判断したのです。1920年代にはファスナー付きバッグ「ボリード」を発表するなど、革新的な製品開発でファッションブランドとしての地位を確立していきました。

ソー・エルメスとは何ですか?

ソー・エルメス(Saut Hermès)は、エルメスが2010年から主催している国際的な障害飛越競技大会です。例年3月にフランス・パリのグラン・パレで開催され、世界トップクラスの騎手と馬が集結します。

「Saut」はフランス語で「跳躍」を意味し、華麗なジャンピング競技が繰り広げられる大会です。馬具工房として創業したエルメスが、馬術文化の発展に貢献する取り組みとして位置付けており、ブランドのアイデンティティを体現するイベントとなっています。

2026年のソー・エルメスはいつ開催されますか?

2026年のソー・エルメスは、3月20日(金)から22日(日)までパリのグラン・パレで開催されます。世界中の障害飛越競技のトップ選手が参加する大会です。

ソー・エルメスは馬術愛好者だけでなく、エルメスファンやパリを訪れる観光客にも人気のイベントです。チケットは公式サイトで販売されますが、人気公演は早期に完売することもあるため、観覧を希望する方は早めの確認をおすすめします。

エルメスの馬具工房はどこにありますか?

エルメスの馬具工房は、パリ・フォーブル・サントノーレ通り24番地の本店に長年置かれてきました。2023年にはフランス・ノルマンディー地方に新しい革製品工房が開設され、職人の育成と生産体制の強化が進められています。

ノルマンディー地方は、創業者ティエリ・エルメスが鞍職人としての修業を積んだ土地でもあります。フランス随一の馬の産地であるノルマンディーに新工房を設けたことは、エルメスの馬具製作への姿勢を示す象徴的な出来事です。

エルメスの馬具にはどんな種類がありますか?

エルメスは、乗馬に必要なさまざまな馬具を製作・販売しています。主な製品には、馬の背に据える鞍(サドル)、馬の頭部に装着する頭絡(ブライドル)、鞍を固定する腹帯、騎手の足を支える鐙(あぶみ)と鐙革などです。

さらに、鞍を保管・運搬するためのサドルボックス、馬の背に敷くゼッケン、馬用ボディブラシ、革手入れ用のグリセリン石鹸といったケア用品も展開しています。公式サイトの馬具カテゴリーには50点以上の商品が掲載されており、馬に関わる幅広いニーズに対応しています。

エルメスの鞍はオーダーメイドできますか?

エルメスでは、顧客の要望に応じた完全オーダーメイドの鞍を製作しています。馬具テクニカルアドバイザーが騎手と馬の細かな採寸を行い、体格や騎乗スタイルに合わせて一品一品を仕立てる流れです。

革の種類や色調、ステッチの色や幅、金具の仕様まで細部をカスタマイズできるため、完成した鞍は世界に一つだけの特別な逸品となります。オーダーから納品までは数ヶ月から1年以上かかることもあるため、購入を検討している方は早めの相談をおすすめします。

エルメスの馬具はプロの競技者も使っていますか?

エルメスの馬具は、世界トップレベルの障害飛越競技者にも愛用されています。ソー・エルメスに出場する選手の中にも、エルメス製の鞍を使用している競技者が見られます。

エルメスの鞍は馬との一体感を重視した設計で、競技中の微細な動きを馬に伝えやすいと評価されています。実用性と品質を両立した馬具は、趣味の乗馬愛好家からトップレベルの競技者まで幅広い層に支持されています。

エルメスの馬具は日本でも購入できますか?

エルメスの馬具製品は、日本国内のエルメスブティックおよび公式オンラインストアで購入可能です。ただし、全店舗で馬具の在庫を取り扱っているわけではないため、来店前に問い合わせることをおすすめします。

鞍のオーダーメイドを希望する場合は、馬具の専門知識を持つスタッフが在籍する店舗への相談が必要です。日本国内でも一部の主要店舗で馬具に関するサービスを受けられます。

エルメスのバッグにある馬具由来のパーツはどこですか?

エルメスのバッグには、馬具から着想を得たパーツが複数使われています。代表的なのは「カデナ」と呼ばれる南京錠で、バーキンやケリーなどのフラップを固定する装飾的・機能的アイテムです。

また、バッグの持ち手部分は、鞍の持ち運びに使われた革帯の構造を受け継いでいます。

 

まとめ

エルメスの馬具の歴史を紐解いてみると、19世紀の創業当時から培われた馬具作りの精神がいかにブランドの基盤となり、そして現在まで受け継がれているかが見えてきます。馬具工房としてスタートし、時代の変化に合わせて革新的な製品開発に踏み切ったことで、エルメスは世界的ファッションブランドへと成長しました。

しかしその根底には、創業者が貴族の馬車のために極上の馬具を作り上げたクラフツマンシップが脈々と息づいています。現代のエルメスの製品にも馬具由来の技術や意匠が散りばめられ、また馬術競技の支援を通じてブランドの原点である馬への敬意を示し続けています。

エルメスと馬具の歴史的な関係を知ることは、製品の背景にある技術や思想を理解するうえで大いに役立ちます。馬具工房としての伝統を守りながら新しい挑戦を続けるエルメスの今後にも、ぜひ注目してみてください。

エルメスのバッグやアイテムの売却をお考えの方は、「おたからや」の参考買取価格をご覧ください。

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「おたからや」での「エルメス」の参考買取価格

「おたからや」での「エルメス」の参考買取価格は下記の通りです。

画像 商品名 参考買取価格
エルメス ケリー25 ニロティカス ゴールド金具 Y刻印 エルメス ケリー25 ニロティカス ゴールド金具 Y刻印 8,004,000円
エルメス バーキン25 リザード ゴールド金具 U刻印 エルメス バーキン25 リザード ゴールド金具 U刻印 7,729,000円
エルメス ケリー25 ハンドバッグ アリゲーター W刻印 シルバー金具 エルメス ケリー25 ハンドバッグ アリゲーター W刻印 シルバー金具 6,798,000円
エルメス バーキン25 ニロティカス シルバー金具 A刻印 エルメス バーキン25 ニロティカス シルバー金具 A刻印 5,417,000円
エルメス ボリード27 クロコダイルポロサス エルメス ボリード27 クロコダイルポロサス 1,372,000円

※こちらの金額は2026年3月時点のものとなります。状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。

エルメス製品は刻印年・素材・カラーの希少性によって相場が大きく変動し、資産性の高さでも注目を集めています。「おたからや」では、バーキンやケリーなどのバッグはもちろん、ピコタンや小物類まで幅広く取り扱い中です。世界51ヵ国との取引実績を活かしたグローバルな視点で、適正な査定額を算出いたします。

「おたからや」の鑑定士がステッチや金具の状態、付属品の完備状況を細部まで丁寧に確認し、適正かつ高水準の買取価格をご提示いたします。ご売却を検討されている方は、まずは無料査定だけでもお気軽にご相談ください。

 

  • おたからや査定員のコメント
土方

エルメスが世界随一のメゾンへ昇華できた理由は、単なる「ブランド拡大」ではなく、馬具に宿るクラフツマンシップと機能美を現代のプロダクトにまで緻密に溶け込ませてきた点にあります。19世紀の馬具で磨かれた縫製技術は、現代のバーキンにおけるコバの仕上げやトリヨンレザーの滑らかな質感にも表れています。こうした馬具時代からの職人技の蓄積が、エルメスの製品に資産としての価値を与えている要因の1つです。

 

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エルメスの買取なら「おたからや」

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「おたからや」では、バーキン・ケリー・コンスタンスといった人気バッグから、ピコタン・ボリード・エヴリンなどの定番モデル、さらにはスカーフ・時計・アクセサリーまで幅広いエルメス製品を査定対象としています。刻印年・素材・カラー・付属品の有無を熟練の鑑定士が一点ずつ丁寧に確認し、世界51ヵ国との取引実績に基づいたグローバルな相場観で公正かつ高水準の査定額をご提示いたします。

エルメスの馬具製品についても、鞍やブライドル、馬具由来のチャームやアクセサリーなど専門知識を持った鑑定士が対応可能です。「他では断られた」「値段がつかないと言われた」といったお品でも、「おたからや」なら価値を正確に見極めます。

全国各地の店舗でスピーディーな店頭査定を実施しており、ご承諾いただければ即日現金化も可能です。限定色・ヴィンテージ・使用感のあるお品でも、まずはお気軽に無料査定をご利用ください。大切なエルメス製品の売却は、安心と実績の「おたからや」にお任せください。

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※本記事は、おたからや広報部の認可を受けて公開しております。

おたからやのブランド買取
査定員の紹介

土方 査定員

おたからやのブランド買取 土方査定員
  • 趣味

    ゴルフ

  • 好きな言葉

    理路整然

  • 好きなブランド

    カルティエ

  • 過去の買取品例

    バーキン マトラッセ

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