時計修理の完全ガイド!よくある症状や修理の種類・費用から依頼方法まで徹底解説
長年愛用している高級腕時計が急に動かなくなったり、時間が狂ったりすると不安になるでしょう。時計修理は専門的な分野ですが、ポイントを押さえれば適切な対処が可能です。
本記事では、時計修理が必要になる主な症状や修理内容の種類、費用相場や期間、修理を依頼する方法と注意点まで解説します。大切な腕時計を長く愛用するために、知っておきたい情報をまとめたのでぜひご覧ください。
Contents
時計修理が必要になる故障の症状
腕時計にはさまざまな故障のサインがあります。なかでも動作停止や時間のズレ、ガラスの曇りなどはよくあるトラブルです。こうした症状が現れた場合は、なるべく早く時計修理店やメーカーに相談するのが賢明です。
放置すれば不具合が進行し、より大掛かりな修理が必要になるおそれもあります。以下では、代表的な故障症状を具体的に解説します。
時計が動かない・止まる
腕時計がまったく動かない場合、まず疑うべきは電池切れです。クォーツ式なら電池交換で直ることもありますが、それでも動作しない場合は内部の電子回路や歯車が故障している可能性があります。
機械式の場合はゼンマイの巻き忘れのほか、オイル切れや部品の摩耗などが原因です。無理に動かそうとすると破損の危険があるため、異常を感じた時点で修理の相談を検討しましょう。
時間がズレる・狂う
時間の進みや遅れが目立つ場合も、内部に異常があるサインです。特に毎日のように数分〜数十分ズレるようであれば、オイルが乾いて歯車の動きが悪くなっていたり、耐磁性能が落ちて磁気帯びしている可能性があります。
高級機械式時計では日差が多少出るのは正常範囲内ですが、大幅なズレは明らかな異常です。精度が著しく乱れてきたら、オーバーホールを視野に入れた点検が必要です。
カレンダー機能の不具合
日付表示や曜日表示が正しく切り替わらない場合も、修理を検討すべき症状です。多くの時計では深夜0時前後にカレンダーが自動で切り替わりますが、午前中まで変わらない、日付が飛んでしまう、まったく動かないといった場合はカレンダー機構の不良が考えられます。
原因は歯車の欠損や潤滑不良が多く、放置すると他の機構にも影響を及ぼすことがあるため、早めの対処が求められます。
ガラスの曇りやヒビ割れ
風防ガラスの内側に曇りが見られたり、水滴のようなものが付着している場合は、防水性能の低下による水入りの可能性があります。これはパッキンの劣化などによって内部に湿気が侵入したサインで、放置するとサビや腐食が進み、ムーブメント全体にダメージを与えることがあります。
また、風防自体のヒビ割れや欠けも同様に注意が必要です。軽微な傷でも、その隙間から水やホコリが入る恐れがあるため、速やかに修理を検討しましょう。
衝撃による不具合
うっかり時計を落としたり、ぶつけたりした後に不具合が出ることはよくあります。内部の歯車が外れる、針が外れる、文字盤がずれるといった症状は、見た目には分かりにくいものもありますが、確実に動作に支障をきたします。
特に衝撃後に動かなくなった場合は、複数箇所が同時に損傷している可能性もあり、自己判断せず専門家の診断を仰ぐことが重要です。
- おたからや査定員のコメント
査定の現場で最も多いご相談は「動かない」「遅れる」の二大症状です。電池交換で動くケースもありますが、内部の油切れや磁気帯びが潜んでいると再発率が高く、結果的にオーバーホールが不可欠になります。早期点検を行えば歯車や電子回路の摩耗が進まず、修理費を抑えながら資産価値を維持できます。また、風防の曇りは防水不良の赤信号。湿気が侵入するとムーブメント全体が錆び、大幅減額につながるため要注意です。わずかな異変でも専門店にご相談いただくことが、愛機を長くお使いいただく近道です。
時計修理の主な種類
高級腕時計の修理内容は多岐にわたります。簡単な電池交換から、分解掃除するオーバーホール、ガラスやリューズ(つまみ)など部品交換までケースごとに異なります。ここでは代表的な修理の種類と内容について解説します。
電池交換(クォーツ式時計)
クォーツ式の腕時計は定期的に電池交換が必要です。一般的な電池寿命は2~3年程度ですが、モデルによっては5~10年もつこともあります。多くの時計には電池切れを知らせる秒針ジャンプ機能が搭載されており、秒針が2~4秒おきに飛ぶようになったら交換サインです。
電池が切れたまま放置すると液漏れして基板やムーブメントを腐食させ、深刻な故障につながるため注意しましょう。電池交換自体の費用はそれほど高額ではなく、一般的に1,000~3,000円台が目安です。例えば、街の時計店や量販店では1,000円前後から対応可能ですが、ブランド公式サービスに依頼すると数千円かかることもあります。電池交換と同時にパッキン(防水用シール)の交換や防水テストを行ってもらうと安心です。
オーバーホール(分解掃除)
オーバーホールとは時計を分解して各部品を洗浄・注油し、劣化部品があれば交換して組み直す総合的なメンテナンスです。機械式時計の場合、精密な歯車機構は数年ごとに油が切れて摩耗しやすくなるため、3~5年に一度の定期オーバーホールが推奨されています。オーバーホールを行えば内部の状態をリフレッシュでき、愛用の時計を何十年も使い続けることが可能です。
費用相場は修理箇所や時計の種類によって幅がありますが、一般的にクォーツ時計で13,000円台から、機械式時計で16,000円台からが目安です。ただし高級ブランド時計では正規サービスに出すと5万円以上になる例も珍しくなく、例えばロレックスのオーバーホールは45,000~110,000円以上かかるとされています。
オーバーホールの期間は依頼先によりますが、メーカー正規店では数週間~数ヶ月と長めになる傾向があるため、余裕を持って依頼しましょう。
ベルト(バンド)の修理・交換
腕時計のベルト部分に関する修理もよく依頼されます。金属ブレスレットの場合、長さ調整(コマ詰め)は比較的簡単な作業で、料金相場は1コマあたり数百円~1,000円程です。革ベルトでは新たに穴を開ける加工も可能で、その場合は1穴あたり4,000円前後が目安となります。
長年使用しているとベルトの留め具(バックルや中留)がゆるんだり壊れたりすることもあります。その場合、部品が残っていれば溶接修理で対応できることもありますが、完全に破損した時は留め具ごと交換が必要です。交換用パーツの取り付け工賃はおよそ1,500~3,000円程度になります。
ただしロレックス等の高級時計で純正ベルトに交換する場合、素材によって価格が大きく異なり、数万円~10万円以上の費用になるケースもあります。自分でベルト交換やコマ調整を行うことも不可能ではありませんが、時計本体を傷つけるリスクもあるため、できれば専門店に任せる方が安心です。
風防ガラスの修理・交換
腕時計の風防ガラスにヒビ割れが生じた場合は、早めに修理または交換する必要があります。ガラスが割れたまま使用すると、微細な破片が時計内部に入り込み機械部分を傷つける恐れがあるため大変危険です。また強い衝撃でガラスが割れた場合、その衝撃で内部の部品まで破損している可能性もあるため、単なるガラス交換だけでなくオーバーホールによる全体点検が推奨されます。
風防ガラスの交換費用は素材によって異なり、一般的なアクリル製なら6,000円台~、強化ミネラルガラスで1万円前後~、高級時計に多いサファイアガラスだと1万6,000円~が目安です。小さな擦り傷程度であれば、アクリル風防の場合は研磨(ポリッシュ)で傷を消せることもあります。その場合の費用は2,000円程度~と安価なことが多いです。
リューズ(巻き芯)の修理・交換
時計の側面にあるつまみ部分をリューズ(巻き芯)と呼びます。リューズは時刻合わせや手巻きの操作に欠かせない部品ですが、経年劣化や損傷で不具合が起こることがあります。例えばねじ込み式のリューズが最後まで締まらず空回りする、引っ張っても外れてしまう、あるいは固着して回らないといった症状です。
原因としては内部のねじ山の摩耗、ゴミの詰まり、錆び付き、油切れなどが考えられます。無理に力を入れて回すとさらに破損する恐れがあるため、違和感を覚えたら早めに専門店に相談しましょう。リューズやその受け側のチューブが劣化している場合、リューズ交換で対応します。
費用相場は一般的なブランドで5,500円~、有名高級ブランドだと8,800円以上かかることもあります。リューズは防水性能にも関わる部品なので、不具合を放置するとそこから水分が侵入し故障が広がる危険があります。少しでも異常を感じたら交換を検討しましょう。
針や文字盤のトラブル修理
腕時計の時針・分針・秒針といった針や、文字盤上のインデックス(数字や目盛り)は繊細なパーツです。落下などで強い衝撃が加わると、針が軸から外れて取れてしまったり、曲がって他の針と干渉して動かなくなることがあります。またインデックスが外れて文字盤上で動いてしまうケースもあります。
このような場合、外れた針や部品を正しい位置に再取り付けする修理が必要です。針のゆるみが原因であれば、取り付け部の穴をカシメ直し(締め直し)して対応します。修理料金の相場は針の付け直しで4,000円台~です。
衝撃で針が外れるほどのトラブルでは、他の内部部品にも影響が出ている可能性が高いため、単に針だけ直すのではなくオーバーホールで内部点検することが望ましいでしょう。修理後に再発しそうな場合は、該当部品を新品交換する方が安心です。
防水パッキンの交換
腕時計のケースや裏ブタ、リューズ部分には「パッキン」と呼ばれるゴム製の密封リングが使われています。これは時計内部に水分やホコリが入り込むのを防ぐ重要な部品で、防水性能を維持する要です。しかしパッキンは年月とともに劣化・硬化して弾力を失い、次第にシール効果が弱まってしまいます。
パッキンの状態が悪くなると、ガラスの内側が曇ったり秒針軸に水滴が付くなどの症状で現れます。また放置すると内部パーツがサビて時計が正常に動かなくなる原因にもなるため、早めの対応が必要です。パッキン交換自体の費用は非常に安価で、相場は数百円程度です。
電池交換のタイミングなどで一緒に交換してもらうと良いでしょう。わずかなコストで時計を長持ちさせられる重要ポイントですので、防水時計でも油断せず定期的にチェックしましょう。
時計修理を依頼できる主な先と特徴
時計を修理に出す場合、どこに依頼するかによって費用や仕上がり、所要時間が変わってきます。主な依頼先には「メーカーの正規サービス」「時計修理専門店」「家電量販店など一般の店舗」の3つがあります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、自分の時計やニーズに合った修理先を選びましょう。
家電量販店・一般店に修理を依頼する場合
家電量販店・一般店に修理を依頼する場合のメリットやデメリットは下記のとおりです。
メリット
- 比較的気軽に相談しやすく、即日対応してもらえるケースが多い
- 電池交換やベルト調整などの軽作業はその場で完結することもある
- メーカー修理より費用が抑えられる傾向がある(例:電池交換1,000〜2,000円ほど)
- 一部の量販店では修理料金にポイントが付くなど、お得感がある
デメリット
- 高度な修理は対応できず、外注またはメーカー送りになることがある
- 中継手数料が発生し、結果的に割高な見積もりになる場合がある
- 純正部品が用意できず、社外部品で代用されるケースがある
- メーカー保証が無効になる可能性がある(特に購入店舗以外で修理した場合)
- 修理職人と直接やりとりできず、細かな希望が伝わりにくい
家電量販店での修理は、軽微なトラブルに対しては手軽で便利な選択肢ですが、ロレックスやオメガなどの高級時計や複雑機構を持つ時計の修理には向かないケースがあります。症状が重い場合や純正対応を求める場合は、最初からメーカーや専門修理店を検討する方が安心です。
時計修理専門店に修理を依頼する場合
時計修理専門店に修理を依頼する場合のメリットやデメリットは下記のとおりです。
メリット
- メーカー修理より費用を抑えやすい(例:オーバーホールが25,000〜70,000円程度)
- 必要最低限の部品交換で済ませてくれる柔軟な対応が可能
- メーカーより納期が早い場合がある(部品在庫や職人の手配による)
- 修理職人と直接相談できるため、要望が伝わりやすい
- 宅配対応の店舗も多く、遠方からでも依頼できる
デメリット
- 特定ブランドの純正部品が入手できないことがある
- 高度な機構(例:トゥールビヨン等)は対応不可の場合がある
- 技術力に店舗ごとの差があり、選定に注意が必要
- 修理後にメーカー保証が適用されない
- 独自の修理保証は内容にばらつきがあるため事前確認が必要
多くの専門店には国家資格である「一級時計修理技能士」を持つ職人や、時計メーカーで長年技術者を務めたスタッフが在籍しており、豊富な知識と経験で安心して任せられます。部品の再利用や必要最低限の交換で対応してくれるケースも多く、費用を抑えたい場合に向いています。修理費用は故障内容や店舗によりますが、例えばオーバーホールなら25,000~70,000円程度で収まることが多いです。
一方、対応できる範囲に限りがあり、特定ブランドの純正部品が入手困難な場合や、高度すぎる機構の時計では修理を断られることがあります。店舗によって技術力に差があるため、実績や評判を調べて信頼できる修理店を選ぶことが大切です。またメーカー公式ではないため修理後のメーカー保証は受けられなくなる場合がほとんどなので注意しましょう。
メーカー正規サービスに修理を依頼する場合
メーカー正規サービスに修理を依頼する場合のメリットやデメリットは下記のとおりです。
メリット
- 純正部品のみを使用するため、時計本来の性能が維持される
- 不具合箇所だけでなく、予防的な部品交換も実施される
- 修理後に正規のメーカー保証が付くため、アフターサポートも万全
- メンテナンス記録がメーカーに残ることで、将来的な資産価値の証明になる
- 外装仕上げや防水検査など、全体的に高品質な作業が期待できる
デメリット
- 修理費用が比較的高額(例:ロレックスのオーバーホールで5万〜11万円以上)
- 納期が長くなる傾向があり、特に海外メーカーでは数ヶ月かかることもある
- 製造終了から年数が経過したモデルは修理対象外となる可能性がある
- 並行輸入品は修理を断られる場合がある
- 見積もりまでに時間がかかり、キャンセル時の返送料も自己負担になることがある
メーカー修理の最大のメリットは、純正部品のみを使用した高品質なメンテナンスを受けられる点です。現在発生している不具合箇所だけでなく、潜在的に問題になりそうな部品まで含めて交換・調整してくれるため、修理後も時計本来の性能と信頼性が保たれます。
デメリットとして、費用は比較的高額になる傾向があります。メーカーは時計の新品販売価格に準じて修理料金を設定するため、高級モデルほど修理代も高くなりがちです。実際、ロレックスのオーバーホールは約5万円~11万円以上かかると想定しておいた方がよいでしょう。パテックフィリップやヴァシュロン・コンスタンタンなど世界三大時計と称されるトップブランドでは、それ以上の費用が見積もられるケースもあります。
また、納期は国内メーカーでも通常2~4週間程度、海外メーカーの場合は本国工房での修理となるため数ヶ月(最長で半年ほど)かかる可能性があります。愛用の時計を長期間手放す必要があるため、時間に余裕をもって依頼しましょう。
時計修理の費用相場
時計修理の費用は、故障の内容や時計の種類、依頼先によって大きく異なります。ここでは、代表的な修理内容ごとに目安となる料金を解説します。
電池交換の費用相場
クォーツ時計の電池交換は最も依頼の多い修理の一つで、費用は1,000~6,000円程度が相場です。一般的な国産モデルなら数千円以下で済みますが、ロレックスやオメガなどの高級ブランドでは、正規メーカー修理に出すと数千円〜1万円近くかかるケースもあります。
オーバーホールの費用相場
オーバーホール(分解清掃)の料金は、時計の機構や依頼先によって幅があります。一般的には15,000~50,000円前後が目安ですが、高級時計ではさらに高額です。
たとえば、ロレックスの場合、メーカー修理で4~11万円程度、複雑機構付きモデルでは20万円以上になることも。一方で、街の修理専門店なら2~7万円程度で対応できる場合もあります。
部品交換の費用相場
故障の箇所によっては、部品交換が必要となり、その分費用も追加されます。主な部品交換の目安は以下の通りです。
- ガラス交換:素材によって6,000~16,000円以上
- リューズ交換:5,000~8,000円以上
- 針の取り付け直し:4,000円前後~
- パッキン交換:500円程度~
修理費用は時計のブランドや症状によって大きく変動します。正確な費用は実物を見たうえでないと判断できないため、まずは信頼できる修理業者に見積もりを依頼しましょう。納得のいく説明と価格提示を受けたうえで、正式に依頼することが大切です。
時計修理にかかる期間
時計修理に要する期間は、修理内容の種類や依頼先の違いによって大きく変わります。急ぎの対応が必要な場合や大切な時計を長く預けたくない場合には、あらかじめ納期を確認しておくことが大切です。
ここからは具体的なケース別に修理期間の目安を解説します。
修理内容による期間の違い
修理の種類によって所要時間は大きく異なります。電池交換やベルト調整などの軽作業であれば、その場で対応してもらえることが多く、数分〜数十分で完了するケースが一般的です。
一方、オーバーホールや部品交換を伴う修理は、数週間〜数ヶ月かかることがあります。特に水入りなど原因特定が難しい場合や複数の不具合がある場合は、さらに長期になることもあります。
依頼先による期間の違い
修理を依頼する場所によっても納期は変わります。家電量販店や街の時計店での簡単な作業は即日対応が可能な場合が多いです。時計修理専門店では、オーバーホールで2~3週間程度で完了する店舗もあります。
これに対して、メーカー正規サービスでは国内ブランドでも2~4週間程度、海外ブランドの場合は本国への送付が必要となり3〜6ヶ月かかるケースも珍しくありません。
時計を修理に出す際の注意点
大切な腕時計を安全に修理に出すためには、いくつかのポイントに注意が必要です。特に高級時計の場合、依頼先の選定や事前準備の丁寧さが仕上がりやトラブル回避に大きく影響します。ここでは修理依頼時に押さえておきたい具体的な注意点を解説します。
信頼できる修理店・サービスを選ぶ
修理の品質は依頼先によって大きく異なります。依頼する前に、その店が国家資格保有者を擁しているか、ブランド時計の修理実績があるかなどを確認しましょう。
特にロレックスやオメガなど高級モデルは専門性が高いため、メーカー修理のほか、経験豊富な専門店を選ぶと安心です。口コミや評判も参考になりますが、実店舗の有無や対応範囲も事前にチェックしておきましょう。
依頼前の相談と見積もりを忘れずに行う
時計をいきなり送るのではなく、まずは電話やメールで症状を伝えて相談するとスムーズです。症状に応じた概算見積もりを出してもらえば、費用感や修理方針が事前に把握できます。
できれば店頭で実物を見せたうえで見積もりを取得すると、より正確な判断が可能です。見積額が想定以上だった場合、その場でキャンセルもできるため、正式な依頼は納得してから行いましょう。
梱包と発送は慎重に行う
遠方の修理業者へ郵送する際は、輸送中の破損を防ぐための丁寧な梱包が不可欠です。時計本体はプチプチや緩衝材でしっかり巻き、動かないようテープで固定します。
段ボールには隙間なく緩衝材を詰め、外部からの衝撃を吸収できるようにしてください。発送時は宅急便など補償付きのサービスを選び、「精密機器」「取扱注意」といった注意書きを明記するのも忘れないようにしましょう。
時計修理を断られるケース
残念ながら、時計店やメーカーから「修理不可」と言われるケースも少なくありません。特に古いモデルや特殊な構造の時計では、部品の入手困難や技術的な理由で断られることがあります。
ここでは、主な断られる理由についてご紹介いたします。
部品の入手が困難である
古いモデルや限定品などでは、必要な純正パーツがすでに製造終了しており、在庫もないため修理が不可能とされることがあります。
メーカー修理では原則として純正部品の使用が求められるため、代替パーツによる修理対応は行われません。そのため、在庫がなければ受付そのものを断られてしまうケースがあります。
修理技術の限界がきている
複雑な機構を持つトゥールビヨンや永久カレンダーなどの高級モデル、あるいは特殊構造の時計は、修理に高度な技術と専用設備が求められます。
一般的な修理店や技術者では対応が難しく、「技術的に不可能」と判断されて断られることがあります。置時計や古い掛時計なども、専門外として断られるケースがあります。
製品仕様上の制約がある
一部の時計は、そもそも修理を前提に設計されていないことがあります。たとえば、非常に安価なクォーツ時計やカプセル構造の時計は、分解修理が想定されていません。
また、電子制御部分のモジュールや基板が既に製造中止の場合、代替部品が存在せず修理が困難となることがあります。
コピー品や改造品である
偽物や改造された時計は、ほとんどの修理業者やメーカーでは受付不可です。他社製のパーツが使われていたり、シリアルが削られているような製品は正規品と判断できず、倫理的・法的な観点から修理が断られます。
過去に非純正パーツで修理された形跡がある場合も、同様に断られる可能性があります。
ユーザーによる分解・改造が見受けられる
時計を自分で分解しようとした結果、部品が破損・欠落した状態では、修理店でも手が出せないことがあります。誤った組み立てにより内部が複雑に損傷していると、プロの技術者でも正常な状態に戻すのが困難です。
そのため「自己分解歴のある時計」は、修理対象外とされるリスクが高くなります。
腕時計を長持ちさせるためのケア・メンテナンス
日頃からの正しいケアと意識が、腕時計の寿命を大きく左右します。高級時計であればあるほど、ちょっとした習慣の差が数年後のコンディションに影響を与えます。
以下では、腕時計を長持ちさせるために実践したい5つの基本ポイントをご紹介します。
水に濡らさないよう注意する
防水仕様の腕時計でも、経年劣化によって防水パッキンの性能が低下するため、水濡れは極力避けるべきです。特にシャワーや入浴、プールなどでの使用はリスクが高く、なるべく外して行動するようにしましょう。
万が一濡れてしまった際は、すぐに柔らかい布で拭き取り、ガラスの曇りや異常が見られる場合は早めに点検を受けるようにしましょう。
磁気を発するものに近づけない
スマートフォン、イヤホン、バッグの留め金など、日常には強い磁気を発するアイテムが多く存在します。これらの近くに腕時計を置くと、機械式ムーブメントが磁気帯びして精度に悪影響を及ぼします。
一度磁気を帯びた時計は、専用の消磁器による処置が必要となるため、普段から磁気を避ける位置に保管することが重要です。
衝撃を与えないよう心がける
時計は外装以上に内部が非常に繊細に作られています。ちょっとした落下や、家具・壁への接触などの衝撃がムーブメントにダメージを与える原因になります。
特にスポーツや力仕事を行う場面では、腕時計を外しておくのが無難です。扱いは常に丁寧に、無意識の動作でもぶつけないよう注意しましょう。
定期的に汚れを清掃する
汗や皮脂、埃が時計の表面やベルトの隙間に蓄積すると、サビや腐食の原因になります。週に一度は柔らかい布で全体を拭き取り、金属ベルトの間は綿棒や歯ブラシで優しく汚れを落とすと清潔な状態を保てます。
防水性の高い時計なら薄めた中性洗剤で洗浄も可能ですが、その後の水気の除去と乾燥は必須です。革ベルトの場合は水に弱いため、湿気がついたらすぐに乾かし、専用の保革剤でケアしましょう。
数年に一度のオーバーホールを行う
機械式時計は数年に一度のオーバーホール(分解掃除)が推奨されています。内部の潤滑油は時間とともに劣化し、放置すると部品の摩耗や故障を招く恐れがあります。
定期的なメンテナンスにより、ムーブメントの寿命を延ばし、時計全体のパフォーマンスを維持することができます。高級時計であればなおさら、世代を超えて使える資産としての価値を保つためにも、継続的なオーバーホールは欠かせません。
まとめ
腕時計の故障症状から修理の種類、依頼先の選び方や注意点まで幅広く解説してきました。時計修理は専門性が高い分野ですが、ポイントを押さえて適切に対応すれば大切な愛用時計の寿命を延ばすことができます。「故障かな?」と思ったら放置せず、まずは信頼できるプロに相談しましょう。
早めの修理対応は故障の悪化を防ぎ、結果的に修理費用も抑えられるメリットがあります。そして日頃から丁寧に扱い、定期的なメンテナンスを行うことで、あなたの時計は何十年にもわたり時を刻んでくれるでしょう。大切な一本と長く付き合っていくために、しっかりとお手入れをするようにしてください。
「おたからや」での「腕時計」の参考買取価格
「おたからや」での「腕時計」の参考買取価格をご紹介します。
画像 | 商品名 | 参考買取価格 |
---|---|---|
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ロレックス デイトナ 126500LN ホワイト | 4,983,000円 |
![]() |
パテック フィリップ ノーチラス SS ブラックブルー 5711/1A-010 | 18,914,000円 |
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オメガ スピードマスター アポロ11号記念モデル BA145.022 ゴールド | 6,655,000円 |
![]() |
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 15503BC.OO.1220BC.01 ブルー | 17,611,000円 |
![]() |
ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー 3032004 | 8,028,000円 |
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