ロレックスはラグジュアリーブランドだけではなく、数々のスポーツや冒険をサポートすることで積極的に製品開発を行いました。
極限的な状況でこそ時計の真価が発揮するからです。自動巻きとはそうした経緯で開発設計されて、現在では主流の製品機構になります。
ロレックスの自動巻きとは
ロレックスは世界で最も有名な高級ウォッチブランドです。
メンズウォッチだけではなくレディースにも力を入れており、ペアウォッチとして利用出来ることでカップルでお揃いの時計を装着することも人気です。
ロレックスの魅力はデザイン性だけではなく、さまざまな機構開発に積極的であった技術力が高く評価されております。ロレックスが開発した独自の自動巻き機構は永遠を意味する、パーペチュアルという名前で呼ばれているのが特徴です。
自動巻きとは腕の力を使ってゼンマイを巻き上げるシステムのことで、開発されたのは1770年代のスイスの時計士アブラアン・ルイ・ペルレの功績によるもとのするのが、現在の時計業界の定説になっております。時系列では鍵巻き式の次に開発されたシステムであり、手巻き機構よりも古いと言われているのが特徴です。
自動巻きとは内部に半円形上の錘を配置して、遠心力を駆動の元にします。
ロレックスのパーペチュアルは1931年から始まり、1933年には特許を取得して商標をロレックス・パーペチュアルと登録しました。
以前の自動巻きに比べて360度の片側のみ回転するローター機構が安定的で、腕の動きに対してスムーズな回転をすることが優れていたのです。ゼンマイの巻き上げもスムーズであり、防水性の高いケースと併用することでスポーツウォッチの機能を飛躍的に高めました。
1926年に開発された完全防水のオイスターケースを100%活用する機構は、タフで頑丈で手巻きの必要がないメンテナンスフリーであり、過酷な冒険のお供にはこれ以上ないぐらい最適な一本になったのです。
ロレックスの防水性への
取り組み
ロレックスが誇るオイスターの名前は、世界初の防水腕時計型のケースを現す誇り高きネーミングになります。1926年に誕生したこの防水機構は、貝殻のように密閉力の高いケースでムーブメントを保護することにより、気密性を高めて内部を保護する仕組みでした。
当時2ピースであったオイスターケースは、部品を挟み込んでケースの中に収納するデザインがされていたのです。その部品は文字盤や機械式ムーブメントに、外側から竜頭をダイヤルにして巻き芯を刺し込んで使う機構になっておりました。竜頭からの水圧に弱いので、竜頭はねじ込み式にして防水性を高めましたが、ユーザーが手巻きした時に締め込みを忘れてしまい、内部へ浸水するトラブルが続出したのです。
ロレックスは手巻きではなく新しい動力を考え、過去の文献などを参考にして自社開発でパーペチュアルを開発しました。
この時に開発されたロレックスの自動巻きとは、パーペチュアルのことです。世界初の全回転式ローターにより、少ない力で効率的にゼンマイを巻くことが出来る画期的なモデルでした。竜頭を引っ張り手で巻かなくても、腕に装着しているだけでゼンマイが巻き上げられるので自動巻きと呼ばれたのです。
全回転式ローターパーペチュアルには他にも利点があり、全回転ローターが回転することで衝撃分散力に優れ、時計を保護する効果もありました。少ない動力で大きなトルクを生み出してくれるために、巻き上げ効率が良好なこともメリットになります。
手巻きに比べて故障リスクを軽減することと、腕に装着していれば巻き忘れもなくなるために、時計が安定的に運転することで精度も上昇することになりました。このような手巻きの弱点を克服するだけではなく、副次的なメリットが数多くあったのがパーペチュアル機構の優れた点なのです。
ロレックスのバブルバック
画期的な発明であったパーペチュアル自動巻きとは、手巻きムーブメントを元に開発されたモデルであったために構造的に厚みを持ってしまうことが特徴的でした。全回転式ローターが機械式ムーブメントと、ケースに干渉しないように裏側のケースを膨らませて内部ユニットを収納していたのです。
初期からCal.1030まではこのケースが主に使われており、バブルバック時代と呼ばれ現代でもこの頃のロレックスは人気になっております。約20年間バブルバック時代は試行錯誤しながら続くことになり、1950年代からはケース系を大きくすることで、動力をトレードオフしてケースの厚みを減らすことに成功しました。1950年代のパーペチュアルはセミバブルと呼ばれており、セミバブルケース時代は1960年まで続くことになります。
このバブルバックという名前は、裏蓋が泡の気泡のような盛り上がりを持つことから名付けられました。一目で防水性の高さが分かるので、当時は最先端の見た目だと人気があったのです。この頃のケースはレディースモデルは約19ミリであり、メンズサイズは約30ミリと現在に比べると一回りから二回り小さなサイズだったことが分かります。
コンパクトで小ぶりなサイズ感はお洒落で可愛いと、現在アンティーク市場で高い評価を受けているのが特徴です。約20年続いた人気シリーズなので、生産数も多くさまざまなバリエーションが作られました。
緩急針のスロットが設けられているファーストモデルや、緩急針のスロットとマニュアルの刻印が消えたセカンドモデルはとくに人気があります。サードモデルからは工作精度が飛躍的に高まり、クロノメーターの認定機も発売されました。
両方向巻き上げ式の
自動巻きとは
1950年代の半ばからは、内部の機械式ムーブメントがさらなる進化を遂げることになります。Cal.1030の発表と共に始まったロレックスの新時代は、両方向巻き上げ式により新たなステージへと進んだのです。
今までは片方向のローターで駆動力を確保していましたが、どちらの方向の回転でも等しく駆動力を得ることが出来るのが両方向巻き上げ式のメリットになります。これにより効率が改善しました。
1958年には新しいムーブメントのキャリバーCal.1530へと進化します。大径リバーシング・ホイール機構の搭載により、トルクが上がりケースの設計自由度も上がりました。1960年代には各金属部品への硬質アルマイト加工や、軽量化などを実現して耐久性と強度の上昇を実現したのです。数々の改善結果により、装着感が良くなり信頼性も飛躍的に上昇してゆきました。
進化は現在でもアップデートを続けており、新世代のキャリバーはより効率化や巻き上げ駆動時間の上昇など、機械式ムーブメントの限界に挑戦するような内容になっております。
自動巻き機構の仕組みはゼンマイ仕掛けの金属機械です。ゼンマイを巻いてゆくことで、反発的に元に戻ろうとする力を時計の動力に応用しております。ヒゲゼンマイと呼ばれる特殊な形状をしており、伸縮させることでテンプという時計の心臓部を動かすのです。
手巻き機構は竜頭ダイヤルを回すことでゼンマイにエネルギーをチャージしますし、自動巻き機構は腕を動かす力を使ってローターを回転させることで、ゼンマイを巻くようになっております。ロレックスが開発したパーペチュアルはその後、数々の腕時計メーカーに強い影響を与えました。優れた機構や安定性は完成度が高く、機械式時計の一つの到達点であると評価を受けております。
まとめ
自動巻きとはさまざまな時計のデメリットを克服した機構です。独自のパーペチュアル方式をユニット化することで、安定的な駆動と耐衝撃能力を上昇させる効果もありました。
また外部からのアクセスが減るので、防水に寄与する影響も大きなメリットといえます。
高級ブランド時計の多くは価格改定がされており、新品・中古問わず需要が高まり買取価格も上昇傾向にありますので、売却にはベストなタイミングといえます。
ブランド時計の高価買取はおたからやにお任せください。
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