高級腕時計の購入を検討する際、多くの方が直面するのが「正規品か並行輸入品か」という選択です。同じブランドの同じモデルでありながら、価格差が生じることがある両者の違いは、単純に価格だけの問題ではありません。

並行輸入品とは、メーカーの正規代理店を通さず、海外の正規店や販売店から独自のルートで輸入された商品のことです。偽物ではなく本物でありながら、正規品とは異なる流通経路をたどるため、保証やアフターサービスの面で違いが生じます。

本記事では、腕時計の並行輸入品について、その仕組みやメリット・デメリット、正規品との違いを詳しく解説します。

さらに、購入後の修理やメンテナンス、売却時の注意点まで、腕時計購入に関わるすべての情報を網羅。腕時計の購入時に最適な選択ができるよう、専門的な視点から徹底的にガイドしていきます。

腕時計の並行輸入品とは

腕時計の並行輸入品は、日本の高級時計市場において重要な役割を果たしています。その仕組みと実態を正しく理解することで、賢い時計選びが可能になります。

並行輸入品の定義と仕組み

並行輸入品とは、メーカーが指定する正規代理店ルートとは別の経路で輸入された商品を指します。海外の正規店や免税店、現地の販売店から仕入れた本物の商品を、独自のルートで日本に輸入し販売するビジネスモデルです。

この仕組みは完全に合法であり、関税法や商標法上も問題ありません。並行輸入業者は、為替レートの差や各国の価格差を利用して商品を仕入れ、正規価格よりも安く提供することで利益を得ています。特にスイスやドイツ、香港などの時計大国から輸入されることが多いです。

• おたからや査定員のコメント

主要ブランドの並行輸入事情

ロレックスは、並行輸入市場で最も取引量の多いブランドです。正規店での品薄状態が続いているため、並行輸入店が重要な供給源です。

ただし、人気モデルは並行輸入品でもプレミア価格になることが多く、定価を大きく上回る場合もあります。

オメガやタグ・ホイヤー、ブライトリングなどのスイスブランドは、並行輸入品の価格メリットが大きく、正規店での価格よりも安く購入できることもあります。これらのブランドは在庫も豊富で、モデル選択の幅が広いのが特徴です。

一方、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲなどの超高級ブランドは、並行輸入品でも価格差が小さく、むしろ入手困難なモデルはプレミアがつくことが一般的です。

これらのブランドは、正規ルートでの購入が推奨される傾向にあります。

並行輸入品の特徴

並行輸入品は、海外の正規店や販売店から仕入れた本物の商品ですが、日本の正規代理店を経由していない点が最大の特徴です。

商品自体は正規品と同じ工場で製造された同一品質のものですが、流通経路の違いにより、いくつかの相違点が生じます。

保証面では、メーカーの日本法人による保証は受けられず、販売店独自の保証です。多くの並行輸入店では1〜3年の独自保証を提供していますが、対応できる修理内容や保証範囲は正規保証より限定的な場合があります。

国際保証書が付属する場合もありますが、日本での適用には制限があることが一般的です。また、日本未発売モデルや海外限定モデルも入手可能で、選択肢の幅が広いのも特徴です。

正規店で腕時計を購入するメリット

正規店での購入には、価格以外の面で多くのメリットがあります。長期的な視点で見ると、これらのメリットが大きな価値となることも少なくありません。

メーカー保証が充実している

正規品とは、メーカーが認定した正規代理店や直営店を通じて販売される商品です。日本では、各ブランドの日本法人や総代理店が輸入・販売を管理しており、厳格な品質管理と流通管理のもとで提供されています。

正規品の最大の特徴は、メーカー保証の充実度です。数年間の国際保証または国内保証が付帯し、保証期間中は無償修理や正規メーカーでのメンテナンスを受けることが可能です。

保証期間はブランドにより異なりますが、一般的に2〜5年、高級ブランドでは10年前後の保証を提供するケースもあります。

この期間中、製造上の不具合や自然故障は無償で修理され、部品交換も純正パーツで対応されます。また、保証期間終了後も、正規購入の履歴があることで、修理受付や部品供給で優遇されることが多いです。

高額な時計ほど、こうした長期保証の価値は大きくなります。

確実な正規品である

正規店では偽物や粗悪品を扱うリスクがゼロです。ブランドが認めた正規ルートで輸入された確実な本物を購入できるため、高額な時計でも安心して投資できます。

近年、精巧な偽物が増加しており、プロでも見分けが困難なケースがあります。正規店での購入は、こうしたリスクを完全に排除できる唯一の方法といえるでしょう。

また、正規店では商品の履歴が明確です。いつ、どこから入荷した商品なのか、保管状況はどうだったのかなど、トレーサビリティが確保されています。

中古市場での売却時も、正規購入の証明があることで査定額が上がる傾向にあります。

充実したアフターサービス

購入後のサイズ調整、定期メンテナンスの案内、修理の相談など、手厚いサポートを受けられます。長く愛用するための体制が整っているのが大きな魅力です。

正規店では、購入時のブレスレット調整を無料で行い、その後の微調整も多くの場合無料で対応してくれます。

また、電池交換や簡単なメンテナンスも、正規店経由であれば適正価格で安心して依頼が可能です。オーバーホールの際も、メーカー基準の作業が保証され、純正部品での修理が約束されています。

正規店で腕時計を購入するデメリット

正規店での購入には、避けられないデメリットも存在します。これらを理解した上で、購入判断をすることが重要です。

価格が高い

正規店の1つ目のデメリットは価格です。メーカー希望小売価格での販売が基本となるため、並行輸入品と比べても高くなることが一般的です。

例えば、100万円の時計の場合、並行輸入品なら70〜80万円で購入できる可能性があります。

また、為替レートの影響を直接受けるため、円安時には価格がさらに上昇します。近年の円安傾向により、輸入時計の価格は軒並み上昇しており、以前と比べて購入のハードルが高いです。

各ブランドによる価格改定も頻繁に行われ、検討中に値上がりしてしまうこともあります。

値引きがほとんどない

ブランドイメージ維持のため、正規店では基本的に値引き販売を行いません。セールやキャンペーンも限定的で、価格交渉の余地がほとんどありません。

ロレックスやパテック・フィリップなどは、定価販売が徹底されており、1円の値引きも期待できません。

決算期やモデルチェンジ時期でも、在庫処分セールはほとんど行われません。これは、ブランド価値を守るための方針ですが、消費者にとっては購入タイミングを計りづらいという問題があります。

並行輸入店のような価格競争がないため、お得に感じにくいのも事実です。

人気ブランドの購入が困難

人気モデルは入荷待ちになることが多く、すぐに購入できない場合があります。特に限定モデルや高級ラインは、予約しても数カ月から数年待つこともザラにある現状です。

例えば、ロレックスのスポーツモデルは、正規店でもほとんど在庫がない状態が続いています。購入希望を伝えても、いつ入荷するか分からないという回答がほとんどです。

購入履歴のある顧客が優先される傾向もあり、新規客にとってはさらにハードルが高くなっています。また、購入制限があるケースも増えています。

1人1本までという制限や、同一モデルの複数購入禁止など、転売対策として厳しい規制が設けられているのです。純粋に欲しいモデルを手に入れたい消費者にとっても、これらの制限は不便な面があります。

並行輸入品の腕時計を購入するメリット

並行輸入品には、正規品にはない独自のメリットがあります。これらの利点を活かすことで、お得な腕時計の購入が可能になります。

価格が安い

並行輸入品の最大の魅力は価格の安さです。海外の正規店や販売店から直接仕入れることで、正規価格よりも安く購入できることが多く、高額モデルほど価格差が大きくなります。

人気モデルでも定価の20％〜30％程度安く手に入れることも可能です。

また、並行輸入店同士の競争により、価格がさらに下がることもあります。複数の店舗で価格を比較し、交渉することで、表示価格からさらに値引きできる可能性もあります。

豊富な在庫と選択肢

並行輸入店では日本の正規店では売り切れているモデルや、国内未発売のモデルも手に入る可能性があります。並行輸入店は、複数の国から商品を仕入れているため、在庫の回転が速く、常に新しい商品が入荷します。

日本では人気のないモデルでも、海外では在庫があることが多く、マニアックなモデルを探している方にはおすすめです。

海外限定モデルや、地域限定モデルも並行輸入なら入手可能です。例えば、中東限定のアラビア文字盤や、アメリカ限定の特別仕様など、コレクター向きのモデルも見つかることがあります。

すぐに購入できる

正規店で入荷待ちのモデルでも、並行輸入店では在庫がある場合が多く、欲しいときにすぐ手に入れられるのは大きなメリットです。

人気のロレックス・サブマリーナーやGMTマスターIIなど、正規店では何年も待つようなモデルでも、並行輸入店なら在庫があれば即日購入可能です。プレゼントや記念日など、タイミングが重要な購入には特におすすめです。

オンラインでの在庫確認も容易で、全国の並行輸入店の在庫を一度に検索できるサービスもあります。

実店舗に足を運ばなくても、希望のモデルを見つけられる可能性が高く、時間の節約にもなります。取り置きや通販対応も充実しており、購入の利便性は正規店を上回ることが多いです。

並行輸入品の腕時計を購入するデメリット

並行輸入品には、価格メリットと引き換えにいくつかのリスクとデメリットが存在します。購入前にこれらを十分理解することが重要です。

メーカー保証が受けられない

並行輸入品には原則としてメーカーの国内保証が適用されません。多くの並行輸入店が独自の保証を提供していますが、正規保証と比べると内容や期間が限定的な場合があります。

メーカー保証では通常数年間の保証期間がありますが、並行輸入店の独自保証は1〜2年などが一般的です。

また、保証内容も機械の自然故障に限定され、外装の傷や防水不良などは対象外となることが多いです。保証を受けるにも、購入店舗経由での対応となるため、手続きが煩雑になる傾向があります。

国際保証書が付属する場合もありますが、日本のサービスセンターでは対応を断られるリスクが考えられます。

アフターサービスの不安

修理が必要になった際、正規サービスセンターで断られたり、高額な料金を請求されることがあります。並行輸入店経由での修理対応になるなど、時間がかかることが予想されます。

正規サービスセンターでは、並行輸入品の修理を受け付けない、または正規品より高額な料金を設定する可能性があることもデメリットです。オーバーホールの場合、正規購入品なら10万円のところ、並行輸入品は15万円以上請求されるケースも珍しくありません。

また、部品供給でも差別化されることがあります。限定モデルや旧型モデルの部品は、正規購入者優先で供給され、並行輸入品は後回しにされる可能性があります。修理期間も長期化しやすく、3カ月以上かかることも珍しくありません。

偽物のリスク

信頼できる店舗を選ばないと、偽物や中古品を新品として販売されるリスクがあります。特にインターネット通販では、店舗の信頼性を慎重に見極めることが大切です。

近年の偽物は非常に精巧で、外見だけでは判別が困難なケースが増えています。特に人気の高いロレックスやオメガは、スーパーコピーと呼ばれる高精度の偽物が出回っており、専門家でも見分けが難しいことがあります。

信頼できる並行輸入店を見分けるポイントは、実店舗の有無、営業年数、口コミや評判、業界団体への加盟状況などです。

あまりに安い価格や、保証書のない商品、個人間取引などは特に注意が必要です。購入後に偽物と判明しても、返金や交換に応じない悪質な業者も存在します。

付属品や仕様の違い

海外向けモデルの場合、説明書が日本語でなかったり、電池や部品の規格が異なる場合があります。また、保証書の記載が外国語のみということもあります。

取扱説明書が英語やドイツ語のみで、操作方法が分からないというトラブルは意外に多いです。

特に複雑な機能を持つクロノグラフモデルやGMT機能付きモデルでは、正しい操作方法を理解することが重要ですが、言語の壁が問題となることがあります。

また、海外仕様と日本仕様で微妙に異なることもあります。例えば、ブレスレットのコマ数が少ない、付属品の内容が異なる、保証書の形式が違うなどです。

これらは使用上問題ないことが多いですが、完璧を求める方にとってはストレスになる可能性があります。

腕時計を売る際に抑えるべき4つのポイント

お手持ちの腕時計を売却したいと考える場合、いくつかの重要なポイントがあります。これらを押さえることで、より高い買取価格を実現できます。

付属品をそろえる

腕時計の買取価格は、時計自体の状態はもちろんのこととして、付属品の有無でも変わります。箱や保証書、説明書、余りコマなどがそろっていれば、完品として高い評価を受けられるでしょう。

また、保証書（ギャランティカード）があれば、正規品の証明となり査定がスムーズに進みます。箱や冊子類なども使用しないからと処分せず、湿気の少ない場所で大切に保管することをおすすめします。

もちろん時計の状態が買取価格には最も影響するため、保証書や箱などの付属品がない状態でも、買取は可能です。

並行輸入品の腕時計は買取価格が下がる場合がある

並行輸入品の腕時計は、買取価格が下がる場合があります。

主な理由は、正規代理店を通していないため国内メーカー保証が受けられず、正規の保証書がないことが多いためです。買取店側もリスクを考慮し、また再販時に正規品より売りにくいため、査定額を下げます。

ただし、人気モデルで需要が高い場合や、時計の状態が良好な場合は、正規品と変わらない金額で買取してもらえることも多いです。

売却する際は、店舗によって並行輸入品への評価が異なるため、複数の買取店で査定を受けることをおすすめします。

売却タイミングの見極め方

腕時計の買取価格は、市場の需要と供給、為替レート、ブランドの動向などにより変動します。最適な売却タイミングを見極めることで、より高い価格での売却が可能です。

一般的に、新モデル発表前や価格改定前は、旧モデルの需要が高まり買取価格が上昇する傾向があります。また、円安時は輸入コストが上がるため、中古市場の価格も連動して上昇します。こうした市場動向を把握することが重要です。

さらに、生産終了が発表されたモデルは、希少価値が高まり買取価格が上昇する傾向にあります。

複数の査定先を活用する

1つの店舗だけでなく、複数の買取店で査定を受けることが重要です。店舗により得意分野や在庫状況が異なるため、買取価格に大きな差が出ることがあります。

最低でも3店舗以上での査定をおすすめします。実店舗だけでなく、オンライン査定や出張買取なども検討しましょう。写真を送るだけで概算査定が受けられるサービスも増えており、効率的に比較検討できます。

査定時は、他店の査定額を伝えることで、価格交渉の材料にすることも可能です。ただし、虚偽の申告は信頼を損なうため避けましょう。また、査定は無料でも、キャンセル時に手数料がかかる場合があるため、事前に確認することが大切です。

信頼できる腕時計買取サービスの選び方

高級腕時計を適正価格で売却するには、信頼できる買取サービスの選択が不可欠です。選び方のポイントを詳しく解説します。

買取実績と専門性を確認

買取店を選ぶ際は、まず買取実績と専門性を確認することが重要です。高級時計の買取実績が豊富で、専門の鑑定士が在籍している店舗を選びましょう。

買取実績は、ホームページや店頭で確認できます。具体的なブランドやモデル、買取価格が公開されているか確認しましょう。特に、自分が売却したいブランドの買取実績が豊富な店舗は、適正な評価が期待できます。

査定の透明性と説明の丁寧さ

査定プロセスが透明で、価格の根拠を丁寧に説明してくれる買取店を選ぶことが大切です。なぜその価格になるのか、明確な説明がない店舗は避けるべきです。

良い買取店は、査定の各項目を詳しく説明します。例えば、「ケースに小傷があるため−5万円」「付属品完備のため＋3万円」など、具体的な評価基準を示してくれます。また、市場相場データを提示し、買取価格の妥当性を説明できる店舗は信頼できます。

軽視されがちですが査定時間も大切なポイントです。数分で査定を終える店舗より、30分以上かけて丁寧に査定する店舗の方が、適正な評価をしている可能性が高いです。ルーペでの細部確認や、機能チェックを省略しない店舗を選びましょう。

複数の査定方法を実施している店舗を活用する

腕時計の売却をする際の査定方法には、複数の選択肢があります。自分のライフスタイルなどに合わせて、最適な方法を選びましょう。

店頭買取は、店舗に直接持参する方式です。査定士と直接話せるため質問しやすく、納得できればその場で現金を受け取れます。急いでいる方や、対面での説明を希望する方に向いています。

出張買取は、自宅などに査定士が来てくれるサービスで、高価な時計を外に持ち出す心配がなく、複数本をまとめて見てもらうことができるメリットがあります。予約は必要ですが、忙しい方でも自宅で完結できる点が魅力です。

オンライン査定は、LINEなどを活用し、写真を送って概算額を確認する方法です。時間を問わず申し込めて、手軽に複数の買取サービスに依頼できるため相場把握に役立ちます。ただし、実物確認ではないため正式な買取時に金額が変わる可能性があります。

「おたからや」の腕時計買取サービスがおすすめ

全国1,630店舗を展開する「おたからや」は、腕時計の買取において業界トップクラスの実績を誇ります。豊富な買取実績と専門性の高いスタッフにより、適正価格での買取を実現しています。

「おたからや」の強みは、独自の海外販売ネットワークです。国内だけでなく海外市場の相場も反映した査定が可能です。世界51カ国との取引実績を活かし、最新の需要と相場を加味した高価買取いたします。

特にロレックスやオメガなどの人気ブランドは、海外需要も考慮した高額買取が可能です。

• おたからや査定員のコメント

腕時計の並行輸入品に関するよくある質問

並行輸入品について、多くの方が抱く疑問や不安について、専門的な視点から詳しく回答していきます。

Q.並行輸入は偽物ですか？

A.並行輸入品は偽物ではありません。海外の正規店や販売店から仕入れた本物の商品を、正規代理店とは別のルートで輸入したものです。製品自体は正規品と同じ工場で作られた同一品質のものです。

ただし、並行輸入品を扱う店舗の中には、偽物を混入させる悪質な業者も存在するため注意が必要です。

信頼できる並行輸入店を選ぶことが重要で、日本流通自主管理協会（AACD）加盟店や、長年の営業実績がある店舗を選ぶことをおすすめします。

偽物と並行輸入品を混同する方が多いのは、価格が安いことや保証内容が異なることが原因です。しかし、これらは流通経路の違いによるもので、商品の真贋とは関係ありません。

Q.並行輸入の時計はなぜ安いのですか？

A.並行輸入品が安い理由は、主に3つあります。第1に、海外との価格差を利用した仕入れです。各国で異なる定価設定や、為替レートの差を活用することで、安く仕入れることができます。

第2に、中間マージンの削減です。正規ルートでは、メーカー→総代理店→販売店という流通経路を経るため、各段階でマージンが発生します。並行輸入では、この中間マージンをカットできるため、価格を抑えることができます。

第3に、店舗間の価格競争です。並行輸入店は多数存在し、互いに価格競争をしています。正規店のような価格統制がないため、市場原理により価格が下がる傾向があります。また、在庫回転を重視し、利益率を下げてでも販売数を増やす戦略を取る店舗も多いです。

Q.並行輸入品はなぜだめなのでしょうか？

A.並行輸入品が「だめ」というわけではありませんが、いくつかの注意点があることは事実です。最大の問題は、メーカーの正規保証が受けられないことです。高額な時計の場合、この保証の有無は大きな差となります。

また、修理やメンテナンスの際に、正規サービスセンターで対応を断られたり、割高な料金を請求されることがあります。特に保証期間中の無償修理が受けられないのは、大きなデメリットといえるでしょう。

しかし、これらのデメリットを理解した上で、価格メリットを重視する方には良い選択肢となります。信頼できる並行輸入店を選び、独自保証の内容を確認すれば、リスクを最小限に抑えることができます。「だめ」かどうかは、個人の価値観と優先順位により異なります。

Q.高級時計で買ってはいけないブランドは？

A.一概に「買ってはいけない」ブランドはありませんが、投資価値や実用性の観点から注意すべきブランドはあります。

ファッションブランドの時計は、機能性や耐久性、将来的な価値の面で劣ることが多いです。また、修理やメンテナンスの体制が不十分なブランドの場合、購入を避けた方が無難です。

Q.Amazonの並行輸入品は偽物ですか？

A.Amazonで販売されている並行輸入品がすべて偽物というわけではありませんが、偽物が混入するリスクは実店舗より高いといえます。特に個人出品者やマーケットプレイスの商品には注意が必要です。

Amazonには出品者の審査基準がありますが、完全に偽物を排除することは困難です。特に人気ブランドの時計は、精巧な偽物が出回りやすく、写真だけでは判別が難しいケースが多いです。レビューが高評価でも、偽物の可能性は否定できません。

高級時計を購入する際は、Amazon公式が販売・発送する商品か、信頼できる時計専門店が出品している商品を選ぶことをおすすめします。また、あまりに安い価格の商品は避け、購入後は必ず真贋鑑定を受けることが重要です。

Q.並行輸入品でも買取してもらえますか？

A.並行輸入品でも買取は可能です。

ほとんどの買取店では、正規品か並行輸入品かを問わず、本物であれば買取対応しています。ただし、買取価格には差が出ることがあります。

一般的に、正規購入品の方が5〜10％程度高く査定される傾向があります。これは、正規保証書の有無や、将来的な修理対応の違いを反映したものです。特に高額モデルほど、この差は大きくなります。

しかし、人気モデルや希少モデルの場合、並行輸入品でも高額買取が期待できます。高額買取のポイントは、腕時計の状態をきれいに保ち、定期的にメンテナンスし新品に近い状態を維持することです。

Q.価値が下がらない時計ブランドは？

A.価値が下がりにくい時計ブランドの共通点は、歴史と伝統、独自性、希少性を持つことです。逆に、大量生産されるファッションブランドの時計は、価値が下がりやすい傾向にあります。

例えば、ロレックスの特にスポーツモデルは、購入後も価値を維持し、モデルによっては値上がりすることもあります。デイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIは、資産価値の高いモデルとして市場でも人気です。

パテック・フィリップも、価値の維持・上昇が期待できるブランドです。ノーチラスやアクアノートなどのスポーツモデルは、定価を大きく上回る価格で取引されています。限定モデルや複雑時計は、特に高い資産価値を持ちます。

オーデマ・ピゲやヴァシュロン・コンスタンタンなどのブランドも価値が安定しているモデルです。

まとめ

腕時計の並行輸入品は、正規品と比べて比較的安く購入できる場合もあることや、豊富な在庫と選択肢から選ぶことが可能です。一方、メーカー保証やアフターサービスの面でデメリットも存在します。

重要なのは、それぞれの特徴を正しく理解し、自分の優先順位に合わせて選択することです。

価格を最優先し、ある程度のリスクを許容できる方には並行輸入品が適しています。一方、長期的な安心感と確実なサポートを求める方には、正規品の購入をおすすめします。

どちらを選ぶにせよ、信頼できる販売店を選び、購入後のメンテナンス計画も含めて検討することが、満足度の高い時計購入につながるでしょう。

• 関連記事はこちら

・高級時計の寿命はどれくらい？一生モノにするためのメンテナンスや素材ごとの違いをご紹介

「おたからや」での「高級時計」の参考買取価格

ここでは、「おたからや」での高級時計の参考買取価格の一部を紹介します。（2025年11月時点）

画像	商品名	参考買取価格
	ロレックス デイトナ 126500LN ホワイト	4,983,000円
	パテック フィリップ ノーチラス SS ブラックブルー 5711/1A-010	18,914,000円
	オメガ　スピードマスター　アポロ11号記念モデル　BA145.022　ゴールド	6,655,000円
	オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 15503BC.OO.1220BC.01　ブルー	17,611,000円
	ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー 3032004	8,028,000円

※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので、詳細はお問い合わせください。

高級時計の買取価格は、ブランドやモデルによって大きく異なります。ロレックスのスポーツモデルやパテック・フィリップのコンプリケーションモデルは、定価を上回る買取価格となることも多いです。

特にデイトナやサブマリーナー、GMTマスターⅡなどロレックスの人気モデルは、安定した高値で推移しています。

限定モデルや生産終了品は、希少価値により高額査定の対象となります。一方で、文字盤の変色や針の腐食、ブレスレットの伸びなどがある場合は減額要因です。ヴィンテージモデルについては、オリジナルパーツが維持されていることが重要です。

• おたからや査定員のコメント

「高級時計」の買取なら「おたからや」

大切な高級時計を手放す際には、時計の価値を正しく評価できる買取専門店に相談することが大切です。「おたからや」ではロレックスやオメガ、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲなど、幅広いブランドの買取を行っています。

全国1,630店舗のネットワークと世界51カ国との取引実績により、国内外の市場動向を踏まえた適正な査定が可能です。

専門知識を持つ査定員が、お客様の時計を丁寧に査定。人気モデルはもちろん、アンティークウォッチや限定モデルなど、あらゆる高級時計の価値を正確に評価します。

店頭買取に加えて、出張買取やオンライン査定にも対応しているため、ご自宅から気軽にご依頼いただけます。査定料や出張料、キャンセル料はすべて無料です。

ご自宅で眠っている高級時計が、思わぬ資産に変わるかもしれません。まずは無料査定から、お気軽に「おたからや」までご相談ください。

ブランド腕時計買取ページはこちら