10気圧防水の腕時計は水洗いできる?洗浄時の注意点やメンテナンス方法についてもご紹介
※下記の画像は全てイメージです
10気圧防水=水深100mまでOKと解釈されますが、表示は静止水圧の試験値であり、実使用では流速や温度差、衝撃圧、操作ミスが重なると浸水リスクが跳ね上がります。
そのため、今回は10気圧の正しい意味と水洗いの可否、安全なお手入れ・点検の手順をご紹介します。長く使うための注意点をはじめとして、売却時に価値を下げない扱い方まで確認していきましょう。
Contents
10気圧防水とは
10気圧防水は静止状態で水深100m相当の圧力に耐える設計を示しますが、流速や温度差、操作時の瞬間圧は想定外です。数字だけに頼らず規格の意味を理解することが大切です。
購入前の選定から日常の扱い、定期点検までを一連の判断として結び、余裕を持った使い方を徹底してください。安全な使用方法を確認できれば、故障や浸水の確率は大きく下がるでしょう。
防水性能の定義と基準
防水性能はJISの静水圧試験に基づき、所定の水圧下で一定時間静置し漏れの有無を確認します。10気圧は水深100m相当の防水性能があることを示しますが、水流の強さや温度差、衝撃圧は想定されていない数値です。試験値はあくまで目安なので、リスクを避けるためにも実際に使用する際は記載してある数値ギリギリの環境下で使用しないようにしましょう。
蛇口からの流水や、泳ぐ際の腕の水かきは瞬間的に規格値を超える圧力がかかるため、パッキンの変形や曇りを招きます。用途と環境に応じてダイバーズモデルを選んで着用してください。定期的な気密検査を受けると変化に早く気づけます。夏冬の寒暖差も劣化要因となるので、気温にも注意しましょう。
JIS規格と表記の見方
文字盤や裏蓋のWATER RESIST表示はJIS等級に基づき、「10bar」は気圧表示、「100m」は水深相当の静止圧表示です。どちらも動的試験ではなく、衝撃圧や温度差は対象外となります。
海外品で“WR”のみなど曖昧な刻印は解釈が分かれるため、必ずメーカーの公式スペックで気密要件を確認してください。ねじ込み式リューズやパッキン材質、耐磁や耐震の仕様まで確認すると、より適切な扱いを知ることができるでしょう。
適用範囲と限界
10気圧防水は日常生活防水の上位に位置し、雨天や手洗い、プールでの泳法程度には対応しますが、高い圧力がかかるシャワー、飛び込み、洗剤や温水、超音波洗浄は想定されていません。
そのため、日常生活ではなくスポーツを行う際に着用していたり、温泉施設などで着用していたりすると思わぬトラブルが発生する恐れがあります。
気づいたら故障していたということにならないように、事前に防水性能を確認した上で適切な使用方法を確認するようにしておきましょう。
- おたからや査定員のコメント
「10気圧防水」は水深100m相当のことを示していますが、シャワーの瞬圧やサウナの膨張差には耐えられない恐れがあります。使用後は真水洗浄と乾拭きを徹底し、リューズを確実に締めてください。流水の衝撃はとても強いため、プールの飛び込みや蛇口洗浄は避けると安心です。また、温度差はガラスを曇らせ、パッキンを硬化させるので注意しましょう。
10気圧防水のモデルは水洗いをしても大丈夫なのか
10気圧防水でも流水や温水による洗浄や、洗剤の使用は製品を傷めることにつながります。表記の意味と劣化の経路を理解し、必要な場面に限って短時間・低負荷で行うのが基本です。取り扱いに迷った場合は外して拭き取りのみに切り替えましょう。
洗う場合は常温の静水とやわらかな拭き上げを徹底し、操作は完全乾燥後に限ります。性能に表記されている数字を過信することは避け、環境要因と経年を前提に慎重に扱うと安全です。
10気圧防水でも完全に水を防げるわけではない
10気圧防水の「100m」は静かに沈めた状態の耐圧を示し、泳動や噴流水、温度差、ボタン操作を含みません。蛇口の細い流水は一点に集中し、瞬間的な衝撃圧でパッキンを傷めます。石鹸やシャンプーの界面活性剤はゴムを膨潤させ、気密を長期的に低下させます。
数字だけで「洗える」と判断せず、環境要因と経年劣化を確認した上で洗浄をしてください。必要であれば専門店での気密点検を選び、過信を避けます。
水洗いの際もパッキン損傷のリスクがある
最も多いのはリューズの締め忘れと、流水衝撃によるパッキンの損傷です。ごくわずかな緩みから水が侵入し、短時間で文字盤の曇りや針の錆が進行します。温水を使用すると、シールの歪みを招く恐れがあるので注意してください。
洗う必要がある場合は常温の水を用いて、直接流水が当たることを避けて軽くすすぐ程度にとどめた上で、洗浄後は完全乾燥まで操作は控えてください。異変を覚えたら専門店で点検を行いましょう。
安全な水洗いの手順
洗う前にリューズのねじ込みを確認し、プッシュボタン式は操作をしないようにしてください。革ベルトは外して、常温の水を用いて柔らかな布で汚れを浮かせて拭き取ります。ベゼルや裏蓋の隙間に流水を直接当てず、洗浄は短時間で切り上げてください。
仕上げは真水で軽くすすいだ後、水滴を押さえるように拭き取り、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。完全に乾燥するまでは時間合わせや計測機能の起動は控えて、思わぬトラブルを予防しましょう。
塩水使用後は真水で洗浄を行い、異常があれば専門店でのクリーニングを行うとその後も安心して使用できます。乾燥中は高温や直射日光、ドライヤーでの乾燥を避け、磁気源からも離して保管してください。
腕時計を長持ちさせるための日常ケア方法
防水性能を長く保つ鍵は、日々の汗や水分を拭き取り、温度差や薬剤を避け、乾いた状態で操作する基本を徹底することです。ゴム製パッキンは経年で硬化するため、点検と交換の計画も欠かせません。
保管環境とメンテナンスの整え方を押さえ、使い方と点検の記録を結びましょう。ベルト選びや拭き上げの習慣まで整えると、負荷の波を吸収でき、思わぬ浸水の予防につながります。
日常使用での注意点
入浴やサウナ、洗剤を含む水滴は防水部品に負荷を与えるため避けます。使用後は柔らかな布で汗や水分を拭き取り、リューズや裏蓋周辺に塩分や汚れを溜めないようにしてください。操作は必ず乾いた状態で行い、ねじ込み式なら最後まで確実に締め込みます。
革ベルトは水濡れに弱いため、必要に応じて着脱をすることで劣化を防ぐようにしましょう。磁力のあるスマートフォンやスピーカーの近くに長く置かず、保護ケースと拭き上げの習慣を日常に組み込みましょう。リューズは砂や水滴が付着していないかを確認した上で操作をしましょう。
定期メンテナンスの必要性
パッキンはゴム材のため経年劣化を避けられず、定期交換が必要なパーツなので、3〜5年ほどで交換を行いましょう。また、ムーブメントの洗浄と注油を同時に行うと、摩耗や油切れによる不具合の発生を防ぐことが可能です。防水ボタンやリューズのOリングは消耗品であり、見た目の異常がなくても劣化は進行するので注意しましょう。
設備の整った正規サービスや専門修理店で記録を受け取り、作業票と検査結果を保管してください。費用と周期はモデルや使用環境で差があるので、事前に見積もりを取るなど確認しておきましょう。
適切な保管環境
保管は湿度50%前後、室温20℃程度が目安です。長期保管でも月に1度は軽く動かし、機械油の固着や偏りを防ぎます。クォーツは電池漏れを避けるため、期限を過ぎた電池は早めに交換してください。磁気や強い衝撃を避け、直射日光や高温多湿を遠ざけます。
ケースやクロスを併用し、汗や塩分を残さない管理を徹底すると、パッキン劣化と気密低下の進行を緩やかにできます。乾燥剤を入れた上で保管を行い、定期的に入れ替えると安心です。時計用防湿ボックスやシリカゲルの色変化を目安に、環境の変化をさせないように保管を行うと良い状態を維持しやすくなります。
水中で使用をする際のポイント
プールや海での使用は、静かな水圧中心の範囲なら10気圧防水でも運用可能です。ただし、飛び込みや波の衝撃は瞬間的に規格値を超えるため、着用は控えるのが良いでしょう。
塩分や砂の残留は気密低下を早めます。洗うなら常温の静水とやわらかな拭き上げを徹底し、操作は完全乾燥後に限ってください。
水中で使用する際は操作や衝撃に注意する
緩やかな泳法なら強い圧力はかかりませんが、飛び込みやターン、波打ち際の打撃は瞬間的に規格値を超える恐れがあります。時計は袖や器具に当たりにくい位置で装着し、水中でのボタン操作やリューズ操作は行わないでください。
壁面に近づく際は反対の手で保護するなど対策を行い、強い流れがある場所や水が噴出する箇所には近づかない方が安全です。
海水などの塩分が含まれた水で使用する場合は素早く洗浄する
海水は塩分が金属を腐食させ、ガスケットに残ると劣化を促します。使用後はできるだけ早く真水に浸して薄め、やわらかな布で水分を押さえるように除去してください。ベゼルや裏蓋の継ぎ目は汚れが残りやすいため、静水でやさしくすすぎます。
乾燥は直射日光や高温を避け、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。完全乾燥後にリューズの締まりを再確認し、違和感があれば専門店へ点検を依頼してください。
衝撃圧を避けて取り扱う
プールや海などでは、跳び込みやレジャー器具の接触が破損につながる可能性を高めます。時計は外すか袖の中にしまうなど工夫した上で装着すると良いでしょう。
競泳やダイビングなど過負荷が予想される場面で使用する方は、ダイバーズモデルへの切り替えを検討してください。状況に応じて使用するモデルを変えれば、安全に使用することも可能です。
無理を避ける判断を習慣化し、迷う場合は外して保管をするように切り替えると故障の予防につながります。
お風呂場で使用する際の注意点
シャワーは細い流水と温度差が重なり、温泉は高温と成分が金属やパッキンに影響します。こうした環境では外す判断を徹底し、基本の拭き上げに切り替えることが大切です。
さらに、使用後の乾燥と点検をセットにし、丁寧な取り扱いを心がけましょう。
シャワーは衝撃が強いので注意が必要
シャワーは細い水流が一点に集中し、短時間でも高い圧力がかかります。温水が当たることによって、ガスケットを歪ませる恐れもあるので注意しましょう。石鹸やシャンプーの界面活性剤はゴムを膨潤させ、劣化を促進する恐れがあるので接触しないように気をつけてください。
本来であれば、入浴時は外すという判断が最も適切です。もし、お風呂場で時計の洗浄を行う際は常温の水を使用して、無理なクリーニングは行わずに拭き上げのみを行い、乾燥を徹底しましょう。リューズは締め込みを確認した上で洗浄し、砂や水滴を除去してから操作するようにしましょう。
温泉では成分によって腐食の恐れがある
温泉は高温に加え、硫黄や塩類などのイオンが金属を腐食させる恐れがあります。成分の気泡や粒子がガスケットの隙間に入り込むと、短時間でも気密低下を招くこともあるので注意しましょう。蒸気と温度差は結露を誘発し、内部の湿気を増やすことにもつながります。
そのため、温泉施設では装着を避け、入浴後に扱う際は水滴の有無やリューズの締まりを点検してください。もし、必要なら真水で軽く洗い、柔らかい布で拭き上げます。操作を行うのは完全に乾燥させた後にして、異音や曇りを見つけたら速やかに点検を依頼しましょう。
まとめ
10気圧防水は日常や軽い水上活動には十分ですが、あくまで目安に過ぎません。流水の衝撃や温度差、薬剤の付着は気密を損なう恐れがあります。水場での使用後は乾拭きとリューズ確認を習慣化してください。
万が一に備えた点検はシーズン前に計画し、故障を未然に防ぐ動きを心がけましょう。また、シャワーや温泉施設では外しての入浴を徹底することで思わぬトラブルを防ぐようにしてください。
「おたからや」での腕時計の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「腕時計」の参考買取価格の一部を紹介します。
画像 | 商品名 | 参考買取価格 |
---|---|---|
![]() |
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 14790ST.O.0789ST.09 | 2,700,700円 |
![]() |
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 14100ST.OO.0477ST.01 | 2,666,800円 |
![]() |
ロレックス デイデイト 19019A | 3,395,600円 |
![]() |
ロレックス サブマリーナー 14060 ブラック | 1,435,500円 |
![]() |
オメガ シーマスターダイバー300M 210.30.44.51.03.001 | 757,000円 |
![]() |
オメガ スピードマスター ブロードアロー ラトラパンテ 3582.31 | 514,000円 |
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
高級腕時計の査定は、ケース面取りのシャープさやベゼル・ブレスの傷の少なさが第一の評価軸です。ロイヤルオークは八角ベゼルのエッジとタペストリーダイヤルの立体感、デイデイトはラグの鏡面仕上げと夜光の均一性、サブマリーナーは回転ベゼルのクリック感と防水テスト結果が加点要素になります。
クロノグラフ搭載機はプッシャーの作動精度もチェックされ、オメガのダイバーズはヘリウムバルブや回転計時リングの摩耗具合が印象を左右します。付属品がなくても査定可能ですので、保管時のポリッシュは控えめにし、現状のコンディションを整えて店頭でご相談ください。
- おたからや査定員のコメント
10気圧防水は通勤時の雨やプールサイド程度なら十分ですが、シャワーや温泉の急激な温度差、蛇口の直流水は想定外の圧力となりパッキン劣化を早めます。使用後は真水洗いと乾拭き、リューズ締付の再確認を習慣化し、年1回の点検をすることで気密を維持しましょう。特に夏場の海水は塩分がガスケットを膨潤させる恐れがあるため、塩抜きと風通しの良い日陰乾燥が有効です。
腕時計の買取なら「おたからや」
「おたからや」では、ロレックスやパテック フィリップ、オーデマ ピゲ、オメガなどの高級機械式から、タグ・ホイヤーやグランドセイコーなど幅広く査定いたします。
専門鑑定士がムーブメントの歩度・振幅、防水性能、ブレスの伸び、ケース研磨歴を徹底検証し、国内外オークションの最新落札相場を反映した高水準の査定額をご提示します。
付属品がなくても真贋と価値を正確に評価できる体制が整っているため安心です。査定は完全無料・予約不要、ご成約後は最短即日で現金化いたします。大切な腕時計を納得の価格で売却したい方は、豊富な実績を誇る「おたからや」へぜひご相談ください。
おたからやの時計買取
査定員の紹介
木村 査定員

-
趣味
ギター・音楽鑑賞
-
好きな言葉
有言実行
-
好きなブランド
ロレックス
-
過去の買取品例
高級時計全般
おたからやでは毎日数千点の時計の査定をしております。現在、おたからやは海外にも販路を持っており、世界基準での査定が可能になっています。現在は円安のため海外に販売することで従来よりも高値でお買取をすることができます。お客様に満足していただける自信がありますので是非おたからやをご利用ください。 おたからやでは、動かなくなった時計や、部品のみになってしまったものでも買取が可能です。実際壊れてしまった時計であっても100万円以上で買取できることは度々ございます。気になるものがございましたら一度ご相談ください。
その他の査定員紹介はこちら