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現代社会において昔よりも遙かに違う部分は多々ありますが、その中で時計に大きな影響を与えている違いがあります。
それが身近にある磁気の存在です。今回は高級腕時計筆頭のロレックスにおいて対帯磁性はどうしているのか、時計と磁気の関係について今一度確認しつつ、磁気帯びになってしまったロレックスをどうしたらいいのかもチェックします。
Contents
ロレックスの一般的な耐磁性は
どうなっているの?
現代社会は腕時計に対して優しくない社会といった声が出てしまう最大の理由は日常生活を過ごす上でもあちこちから磁気が発生するものが存在しているからです。そんな現代社会においてこういった磁気に対応する耐磁性は必須なのです。
ロレックスも一般的な機能としてある程度の耐磁性を持っている腕時計が売られているのである程度は安心できるでしょう。多くの磁気の中で日々を過ごさないといけない環境にある人向けのモデル『ミルガウス』も存在しているので、磁気帯びをどうしてもケアしないといけない人はそちらを選ぶのが正解となっています。
現代社会では磁気が発生するものが非常に多いため、国際標準化機構であるISOにおいて新しい腕時計は20ガウスの耐磁性が最低限求められるようになっているのです。
さらに日本工業規格であるJISにおいて20ガウスを遙かに超えた60ガウスに耐えられる時計が標準とされています。この60ガウスは磁力源に5㎝未満ならば接近できる状態であり一つの基準となり、これを日本では1種の耐磁性となっているのです。2種はさらに強力な耐磁性を求められており、200ガウスの耐磁性義務が発生します。
通常のロレックスは1種でミルガウスは2種と考えるといいでしょう。ただし、ミルガウスはものすごい耐磁性を持っているので厳密には2種を遙かに超える耐磁性を持っていると考えてください。
そもそもなんで腕時計は
磁気に弱いの?
そもそも、腕時計はなぜそこまで磁気に弱いのでしょうか。理由はシンプルで『腕時計の心臓部になっているムーブメントが強磁性体である金属で構成されているため、磁気帯びで狂う可能性が高いから』となります。
強磁性体の物を一定時間時期がある物に近づけていると磁気を帯びてしまうようになり、これが腕時計のような精密機械においては非常に悪さをします。磁気を帯びると磁石のようにくっつきそして離れるようになり、精密なパーツであればあるほど正常動作する確率が一気に低下してしまうのです。
腕時計で磁気帯が発生すると時計として正常動作をしなくなるので、時間が正確に刻めなくなり、デイト機能があるのなら日付がまともに表示されなくなるでしょう。特に、多くの精密部品を搭載している機械式の腕時計ほど磁気帯の影響を多く受けてしまいます。
ちなみに、磁気を帯びているかどうかの判別はとってもシンプルで、方位磁石を近づけるだけで判明します。磁力を発している状態ならば方位磁石を近づけるだけで振れるので磁気帯びを意識しないといけません。
多少の振れ幅ならばそこまで意識する必要はありませんが、ガンガン方位磁石が動いている状態になってしまったのならその腕時計の磁気抜きは必須となるでしょう。
クォーツ式は
磁気帯びしないの?
結論を記載するとクォーツ式時計でも帯磁する可能性はあります。機械式の腕時計はクォーツ式とは異なり動力源はゼンマイでパーツ点数もクォーツ式よりも多いのは事実です。機械式はクォーツ式とは異なりこれでもかと正確に数多くの部品が詰め込められており、激しい衝撃や磁気帯びは天敵なのも事実でしょう。
そういった欠点を少なくしているクォーツ式腕時計ですが、実はクォーツ式時計も部品数や機構は違えど精密機械であることにはかわりありませんので帯磁してしまう可能性はやはり存在します。帯磁してしまったクォーツ式腕時計は機械式の腕時計と一緒で、精度の狂いが発生するようになり正確に時間を刻むことができなくなるのです。
機械式の高級腕時計のイメージが圧倒的に強いロレックスですが、実はセイコーがクォーツ式腕時計を発表した翌年にクォーツ式腕時計である『ベータクォーツ』を発表しています。
量産されたモデルではないためかなりレアなロレックスとなっており、入手するのも困難なレアモデルとなっています。他にも1977年に発売され2000年代初頭まで生産されていた『オイスタークォーツ』は生産された数も多いため、これがロレックスにおけるクォーツ式腕時計の代表格となっているのです。
圧倒的耐磁性を誇るミルガウス
国際標準化機構でも耐磁性を腕時計に搭載されることが義務となりましたが、各種メーカーはこういった基準を遙かに上回る時計を色々と開発しています。ロレックスではそれが『ミルガウス』になるのです。
このミルガウスはフランス語で1000を意味する『ミル』と磁束密度の単位である『ガウス』をくっつけて生まれた言葉であり、誕生は何と1956年となります。戦後すぐにこのレベルの時計が耐磁性を意識して作られたというのはものすごい先見の明と言えるでしょう。
1950年代や60年代は家電もそこまで一般家庭には広まっていなかった時代なので、かなりニッチな層狙いだったのです。この時計は欧州原子核研究機構である『CERN』と共同開発したという誕生秘話があり、性能も折り紙付きだったのです。
元々と特殊な素材を使った特化型の機械式腕時計を作ることに関しては世界トップクラスだったのがロレックスだったので、耐磁性のあるムーブメントを用意することもできたのでしょう。狙っていた層である科学者やレントゲン技師といった方々には用いられていたのですが、民政市場ではまだまだ磁気帯びの驚異は広まっておらず、2代目の『Ref.1019』をもって1988年に生産終了となりミルガウスの歴史は一度ストップします。
その後はパソコンを含めて一般家庭に磁気を発する物が次々と増えることになり、2007年に約20年の沈黙を破って新ミルガウスが誕生したのです。2015年には『Ref.116400』のブラックダイヤルが、2016年には『Ref.116400』のホワイトダイヤルが生産中止となり、ミルガウスの現行モデルはグリーンサファイア風防の『Ref.116400GV』のみとなっているので、ミルガウスが欲しいという方は注意してください。
ミルガウスの価格は
どうなっているの?
ロレックスは動かせる資産、『動産』としての資産価値があるためロレックス投資といった言葉が誕生するぐらい投資家の目に留まる高級腕時計なのです。ミルガウスももちろん投資の対象となっているので、価格が上がることもあれば下がることもあります。2024年5月現在では新品のミルガウスは150万円から250万円程度で取引されているのです。この価格を高いと判断するか、安いと判断するのかはその人次第ですが最も安かった時代を知っている人からすると今はだいぶ高くなってしまっていると感じることでしょう。2007年における発売当初のミルガウスは116400の定価が68万円程度だったという事実を知れば今は3倍近い価格になっているのです。
ミルガウス以外にもロレックスは特にスポーツモデルタイプがスゴイ勢いで価格上昇しており実勢相場は買い取り相場を上回るといったケースが多発しています。そのため、正規店で購入した後に買い取ってもらうだけで利益が出るというケースすらあるのです。
ミルガウスが安く購入できる
時期は来るのか
ミルガウスを安く買うタイミングは来るのかどうかといった疑問に対する答えとしては、『可能性はあるがいつなのか正確に読むことは難しいためなんとも言えない』となってしまうでしょう。出来る限り安いタイミングでミルガウスを入手したい方にとって、昔の価格を知っていると今のミルガウスはなかなか買えないと考えてしまうのもわかります。
投資家達にとって資産価値がある高級腕時計といった考え方が強く根付いているロレックスは、何かあったときに売ることができる流動性も高い投資商材としても、損をしない安全性の高い投資商材としても人気があるためずっと右肩上がりで資産価値は上昇し続けています。
しかし、投資商材になっているということは世界的に経済が冷え込む何かが発生し、冷え込むための予兆と言える何かが発見されることで一気に冷え込むこともあるのも事実なのです。過去事例として2007年に再登場して大注目となったミルガウスはわずか1年で価格が高騰し2008年6月時点の5社平均新品実勢価格が約160万円だったのに、半年後の2008年12月には5社平均新品実勢価格が約65万円に急落しました。
このような驚きの価格暴落が発生した理由は同年9月に発生したリーマンショックによるものです。連鎖爆発的に発生した世界規模の金融危機により投資商材すべてに強い影響をもたらしました。こういった動きが発生することで、ミルガウスもまた価格が一気に下がることが考えられます。
現代社会における身の回りで
磁気を発する物について
現代社会はとにかく磁気を発する物に囲まれていると言われていますが、実際にどれだけあるのかカウントしたことが無い人にはちょっと違和感があるかもしれません。ここでは身近にある磁気を発生する物を箇条書きでまとめていきましょう。
- パソコン
- タブレット端末
- スマートフォン
- 携帯電話
- 磁石の留め金があるバッグ
- ラジオ
- スピーカー
- ドライヤー
- 電気毛布
- 電気カミソリ
- 電動鉛筆削り
- 磁気ネックレス
- 肩こり磁気製品
- テレビ
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- ヘッドフォン
- 電磁調理器
- ACアダプター
- マグネットがある家具のドア
これでもまだ一部なのだから驚きでしょう。現代社会では日常生活を過ごすだけでこれだけ多くの磁気を発する家電に取り囲まれて生活しないといけないのです。特に注意しなければいけないのが磁気ネックレスや肩こり磁気製品やバッグの留め金でしょう。
これらは密着するとかなりの磁気を発するので時計は高確率で磁気の影響を受けます。また、5cm離れている状態での磁気となると、スマートフォンや携帯電話などのスピーカー部分の磁気が届き家具のドアにあるマグネットもまだ届くので注意が必要となってきます。
こういった現状を見ても時計における対耐磁性がどれだけ重要なのかが見えてくるでしょう。特に、会社で大量のパソコンに囲まれているという人は時計の磁気帯びにも気をつけなければいけません。
磁気帯びを防ぐために
腕時計の磁気帯びを防ぐ方法はやはり磁気を発する物に腕時計を近づけないことです。これが最も効果的な方法であり、時計の故障を防ぐために覚えておくべき必須テクニックでもあるのです。
現代社会はとにかく磁気を発する物が多すぎるので、ロレックスといった高級腕時計を身につけている方、身につける予定がある方はより強く意識してください。
特に強力なのが磁気ネックレスや肩こり磁気製品やバッグの留め金といった物なので、それらには絶対に近づけないようにしましょう。某磁気付き絆創膏(ばんそうこう)もかなりの磁気を発するのでそういった物にも近づけさせないように注意してください。
磁気帯びが発生してしまった
時計の対処法
磁気帯びが発生してしまった時計の対処法は、市販されている磁気抜きを購入して自力で磁気を抜くというやり方と、時計修理店に持っていくか依頼して脱磁をしてもらうという方法があります。
市販されている磁気抜きも色々とありますので、使う時は必ず説明書をよく読んでから実行してください。誤った使い方をすると反対に磁気を強めてしまうケースがあるので要注意なのです。
業者に依頼する時は時計修理技能士といった国家資格を持っている時計修理店に依頼することが重要になってきます。彼らは業務用の磁気抜き器を使って対応しているので安心して依頼することが出来るでしょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。今回はロレックスの対耐磁性はどうなっているのかを解説しつつ、磁気について色々と情報をまとめてきました。とにかく磁気が集中する場所にいる時間が長いという方は、ロレックスのミルガウスを身につけることを推奨します。
磁気は目に見えないのが本当に厄介で、いつの間にか時計がおかしくなっているといったケースが多々あるのです。磁気が大量の環境にいる方は耐磁性能が高いミルガウスを身につければこういった問題を気にせずに使うことが出来ます。
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