ロレックスの価格は過去10年で驚異的な上昇を続けており、かつては一般的な会社員でも手が届いた時計が、今では多くのモデルで100万円を大きく超える高級品となっています。

特に人気のスポーツモデルは定価でも入手困難な状況が続き、中古市場では定価を大幅に上回る価格で取引されることも珍しくありません。サブマリーナーやデイトナなど、10年前と比べて数倍の価格になったモデルも存在します。

本記事では、ロレックスが高騰している理由を詳しく分析し、今後の相場予測について解説します。

ロレックスが高騰している7つの理由

ロレックスの価格高騰の要因は1つではなく、複数の要素が複雑に絡み合って起きています。主要な7つの理由を詳しく解説します。

世界的な供給不足の実態

ロレックスの供給不足は、価格高騰の最大要因の1つです。スイスの工場では熟練職人による手作業が多く、大量生産が困難な状況が続いています。

コロナ禍による工場の一時閉鎖や、部品調達の遅延なども供給不足に拍車をかけました。現在も正規店では人気モデルの在庫がほとんどなく、入荷してもすぐに売り切れる状態が続いています。

「ロレックスマラソン」と呼ばれる現象も生まれ、購入希望者が複数の正規店を巡回して在庫を探す状況となっています。この極端な需給バランスの崩れが、価格高騰を加速させているのです。

定期的な定価改定の影響

ロレックスは近年、年に1〜2回のペースで定価改定を実施しています。2019年以降は特に頻繁で、2025年1月にも5〜20％の値上げが行われました。

定価改定の理由として、原材料費の高騰、人件費の上昇、品質向上への投資などが挙げられます。しかし、ブランド価値を維持するための戦略的な価格設定という側面も無視できません。

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為替相場の変動による価格への影響

スイスで製造されるロレックスはスイスフラン建てで金額が決まるため、為替相場の影響を強く受けます。特に日本では円安の進行により、輸入コストが大幅に上昇しています。

2020年代に入ってからの急激な円安は、ロレックスの国内価格を押し上げる大きな要因となりました。1ドル150円を超える円安水準では、同じモデルでも以前より数十万円高くなることもあります。

並行輸入品も同様に為替の影響を受けるため、正規品・並行品ともに価格が高騰する結果となっています。

原材料費の高騰（金・原油価格）

ロレックスの製造には、ステンレススチール、金、プラチナなどの貴金属が使用されます。特に金価格は2020年以降、歴史的な高値を更新し続けている状況です。

2025年10月14日では金1グラムあたり22,271円という高値をつけており、金無垢モデルの価格を大きく押し上げています。デイデイトやスカイドゥエラーなどの高級モデルは、材料費だけで数百万円になることもあります。

原油価格の高騰も輸送コストに影響し、間接的に価格上昇につながっているのです。

中国市場など新興国の需要拡大

中国を筆頭とするアジア新興国の富裕層増加により、ロレックスの需要が世界的に拡大しています。特に中国市場の購買力は凄まじく、世界のロレックス供給に大きな影響を与えています。

これにより、日本市場への供給が相対的に減少し、国内での品薄状態が深刻化しました。新興国の経済成長が続く限り、この需要拡大トレンドは継続すると予想されています。

投資対象としての価値上昇

ロレックスは投資対象としての側面が強まっています。株式や不動産と並ぶ実物資産として、富裕層の資産ポートフォリオに組み込まれるようになりました。

特に人気モデルは、購入後すぐに値上がりすることも多く、短期的な利益を狙う転売目的の購入も増加しています。この投機的な需要が、実需を超えた価格高騰を招いているのです

インフレヘッジとしての機能も注目され、貨幣価値の下落に対する防衛手段としても評価されています。

生産数の制限と品質管理

ロレックスは意図的に生産数を制限し、希少性を維持する戦略を取っています。年間生産数は約100万本と言われますが、世界的な需要に対しては明らかに不足しているのです。

厳格な品質管理により、一つひとつの時計に膨大な時間と手間をかけています。すべての部品を自社製造し、組み立てから検査まで妥協のない工程を経るため、大量生産は不可能です。

この希少性こそがブランド価値の源泉であり、価格高騰を支える根本的な要因となっています。

ロレックスの価値が一部では下落したと言われる背景とは

ロレックスは長期的に高い人気を維持し、中古市場でも高値で取引されてきました。しかし、近年は一部のモデルで価格が下落したと指摘されています。

その背景には、需給の変化や経済環境の影響など複数の要因が関係していると考えられます。

2022年ピークからの調整

2021年から2022年にかけて、多くのモデルは過去に例を見ない価格上昇を記録しました。背景には低金利環境や投資需要の高まりがあり、人気のスポーツモデルを中心に価格が急騰しました。

しかし、その反動として2022年後半から2023年にかけて相場は調整局面を迎えました。

需要が一巡したことや、世界的な金融引き締めの影響で投資マネーが流出したことが要因とされ、デイトナやサブマリーナーの一部モデルはピーク時から2〜3割下落した事例も報告されています。

ただし、2025年現在は価格が反転しているモデルも複数あります。

モデル・仕様・状態によるバラつき

ロレックスの価値は一律に推移しているわけではなく、モデルや仕様、保存状態によって価格の動きが大きく異なります。

スポーツモデルや限定仕様は需要が高いため価格が維持されやすい一方、デイトジャストやオイスターパーペチュアルの一部仕様は横ばい、またはやや下落傾向です。

また、付属品の有無やオーバーホール歴なども評価を大きく左右します。完品に近い状態の時計は市場で高く評価されやすく、同じモデルでも数十万円単位で差がつくこともあります。

このように、ロレックスの価格はモデル全体で動くのではなく、個別の条件に応じて変化しているのが実情です。

長期的に見るとロレックスの価値は上昇

短期的に価格が変動する局面はあるものの、長期的に見るとロレックスの価値は上昇傾向にあります。

2010年前後の中古市場価格と比べると、多くの人気モデルは約3倍近くにまで価格が上昇しています。供給を制御するブランド戦略や根強い人気が背景にあり、資産性が高い時計として認識されてきました。

特に廃盤モデルや希少な文字盤仕様は需要が集中しやすく、安定したリセールバリューを維持しています。短期の値動きに左右される場面はあっても、長期的には価値を保ちやすい特性があるといえるでしょう。

特に高騰しているロレックスの種類とは

数あるロレックスの中でも、特に価格高騰が著しいモデルがあります。その特徴と高騰の理由を詳しく解説します。

金無垢モデルの価格上昇

金価格の高騰により、金無垢モデルの価格上昇が顕著です。デイデイトやスカイドゥエラーの金無垢仕様は、材料費だけでも数百万円に達します。

特にエバーローズゴールドやホワイトゴールドなど、ロレックス独自の合金を使用したモデルは希少性が高く、プレミア価格で取引されています。

金相場が高騰しているため、金無垢モデルは資産価値としても評価され、富裕層の需要が集中しているのです。

廃盤モデルのプレミア化

生産終了したモデルは、時間の経過とともに希少価値が上昇します。特に人気モデルの旧型は、現行品以上の価格で取引されることも珍しくありません。

エクスプローラー I Ref.14270やエクスプローラー II Ref.16570など、シンプルなデザインの旧型モデルも高騰しています。オリジナルの状態を保った個体は特に評価が高く、コレクターズアイテムとなっているのです。

ヴィンテージロレックスの市場も活況で、1960〜70年代のモデルは数千万円で取引されることもあります。

限定モデルの希少価値

ロレックスの限定モデルや特別仕様は、発売当初から高値で取引されます。レインボーデイトナやメテオライト文字盤など、特殊な素材や装飾を施したモデルは、通常モデルの数倍の価格となります。

記念モデルや地域限定モデルも存在し、入手経路が限られるため希少性が極めて高くなっているのです。VIP顧客のみに販売される特別なモデルもあり、一般市場に出回ることはほとんどありません。

これらの限定モデルは、時間とともに価値が上昇する傾向があり、長期的な投資対象としても注目されています。

ロレックスの今後の相場予測

ロレックスの価格は今後どのように推移するのか、様々な要因を考慮しながら予測します。

価格上昇が続く理由と根拠

ロレックスの価格上昇は、今後も継続する可能性が高いと予想されます。世界的な需要拡大は衰える気配がなく、特にアジア新興国の富裕層増加により、需要はさらに拡大する見込みです。

インフレーションも価格上昇を後押しします。各国の金融緩和により通貨価値が下落する中、実物資産としてのロレックスの価値は相対的に上昇し続けるでしょう。

ロレックス社も品質向上への投資を続けており、それに伴う価格改定は避けられません。ブランド価値を維持するための戦略的な価格設定も継続されると考えられます。

価格が下落する可能性とタイミング

価格下落の可能性もゼロではありません。世界的な景気後退が深刻化すれば、高級品需要が減退し、価格調整が起きる可能性があります。

中国経済の失速は、すでに一部のモデルで価格下落を引き起こしています。2022年には一時的に相場が下落しましたが、その後は回復基調にあります。

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新工場建設の影響

ロレックスはスイスで新工場の建設を進めており、生産能力の拡大が期待されています。しかし、完成までには数年を要し、すぐに供給不足が解消されるわけではありません。

新工場が稼働しても、品質管理の水準は維持されるため、大幅な増産は期待できません。むしろ、新技術の導入により、さらに高品質な製品が生み出される可能性があります。

長期的には供給改善につながる可能性がありますが、需要の伸びが供給を上回れば、価格高騰は続くでしょう。

世界経済との関連性

ロレックスの価格は、世界経済の動向と密接に関連しています。株式市場の好調は富裕層の資産を増やし、高級時計への需要を押し上げます。

地政学リスクの高まりは、安全資産としてのロレックス需要を増加させます。戦争や紛争が続く限り、実物資産への逃避需要は継続するでしょう。

為替相場の変動も重要な要因です。円安が続けば日本での価格上昇は避けられませんが、円高に転じれば価格調整の可能性もあります。

ロレックスの価格高騰に関するよくある質問

ロレックスの価格高騰について、多くの方が抱く疑問をQ＆A形式でお答えします。

なぜロレックスだけこんなに高騰するのですか？

ロレックスは他の高級時計ブランドと比べても、特に高騰が顕著です。その理由は、圧倒的なブランド力と需要の大きさにあります。

世界中で認知されているブランドであり、資産価値が安定しています。また、生産数を意図的に制限することで、希少性を維持している点も大きな要因です。

いつまで価格高騰は続きますか？

2022年のピーク後に一部相場が調整されていますが、長期的に見ると資産性の高いモデルは値を戻すケースが多いです。高騰が永続的に続くと断言はできませんが、安定した需要と希少性から今後も価格が大幅に下落する可能性は低いと考えられています。

また、新工場の稼働や世界経済の変化により、数年後には価格が安定する可能性もあります。ただし、人気モデルについては、今後も高値が続く可能性が高いでしょう。

正規店で定価購入する方法はありますか？

正規店での購入は極めて困難ですが、不可能ではありません。購入履歴を作り、良好な関係を築くことが重要です。

特に人気モデルは入荷数が極めて少なく、希望するタイミングで手に入れるのは容易ではありません。定期的にロレックスを購入している顧客優先となることが多いため、根気強く通い続ける必要があります。

どのモデルが最も値上がりしていますか？

代表的なのはコスモグラフ デイトナで、スポーツモデルの中でも特に資産価値が高いと評価されています。

加えてサブマリーナー、GMTマスターII、デイデイトなども安定した需要があるモデルです。いずれも正規店で入手困難なことが相場上昇を後押ししています。

ロレックスは今買うべきか、待つべきですか？

投資目的なら慎重に判断すべきですが、実用目的なら早めの購入をおすすめします。

投資目的の場合、短期的には価格が上下する可能性がありますが、長期での資産性を重視するなら早めの購入も選択肢になります。

相場が完全に安定するのを待つと、希望モデルがさらに手に入りにくくなる可能性もあるため、自身の用途や予算を踏まえた判断が重要です。

中古と新品、どちらがお得ですか？

中古は現物をすぐ入手できる点が大きな利点で、場合によっては新品より高値になることもあります。新品は定価で購入できれば最も有利ですが入手困難な現状です。

中古市場でも状態の良い個体を適正価格で購入できる可能性があり、選択肢も豊富です。

偽物が増えているというのは本当ですか？

近年は技術が進み、本物と見分けがつきにくい偽物が増加しています。

特に人気のスポーツモデルは模造品の標的になりやすく、専門的な鑑定を経ないと判別が難しい場合もあります。信頼できる店舗や買取業者を利用することが、リスク回避の大切な手段です。

海外で買った方が安いですか？

為替レートや税制により、海外の方が安い場合もあります。 ただし、海外でロレックスを購入した場合、日本帰国時に税関で申告が必要です。

20万円を超える商品は課税対象となります。ロレックスの場合は関税は無税ですが、購入金額の60%に対して消費税10％が課税されます。 たとえば100万円のロレックスを海外で購入した場合、日本入国時に6万円の消費税を支払う必要があります。

他の高級時計ブランドも同様に高騰していますか？

パテック フィリップやオーデマ ピゲなども高騰していますが、ロレックスほどの規模ではありません。

しかし、ロレックスは流通量の多さと世界的な認知度で市場規模が大きく、資産価値の安定性では他ブランドを上回る傾向があります。

まとめ

ロレックスの価格高騰は、供給不足、定価改定、為替変動、原材料費の上昇など、複数の要因が複雑に絡み合って起きています。購入を検討している方は、為替相場や市場動向を注視しながら、適切なタイミングを見極めることが重要です。

ロレックスは単なる時計を超えた資産価値を持つ存在であり、その価値は今後も維持される可能性が高いと考えられます。

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「おたからや」での「ロレックス」の参考買取価格

「おたからや」での「ロレックス」の参考買取価格をご紹介します。

画像	商品名	参考買取価格
	ロレックス デイトナ 6239 ポールニューマン	ASK
	ロレックス デイトナ 126500LN ホワイト	5,101,900円
	ロレックス GMTマスターII SS 126710BLRO	3,513,400円
	ロレックス サブマリーナー デイト SS グリーン 126610LV	3,052,000円
	ロレックス エクスプローラー SS ブラック 14270	2,893,000円

※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。

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• おたからや査定員のコメント

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