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人工ダイヤとは、人工的な環境下で育成された、天然ダイヤと同じ成分を持つ宝石です。「天然ダイヤとどう違うの?」「価値はあるの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、人工ダイヤと天然ダイヤの違いや、資産価値、買取事情まで詳しく解説します。この記事を読むことで、人工ダイヤの正しい知識を得たうえで、自分にとって最適な選択ができるようになります。後悔しないために、人工ダイヤと天然ダイヤの違いをしっかり押さえておきましょう。
Contents
人工ダイヤとは?|基礎知識と天然ダイヤとの違い
人工ダイヤは天然ダイヤと同じ成分を持つ宝石ですが、生成方法や希少性に違いがあります。本章では、人工ダイヤの定義や天然ダイヤとの特徴の違いについて詳しく解説します。
人工ダイヤの定義|ラボグロウンダイヤモンドとは
人工ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド)は、天然ダイヤと同じ炭素から成る宝石で、人の手によって実験室で作り出されたものです。英語では「Lab-grown diamond」と呼ばれ、物理的性質や外観は天然とほぼ変わりません。
高温高圧(HPHT)法や化学蒸着(CVD)法により、数週間から数か月で結晶化します。1950年代に工業用途として開発され、1980年代以降、宝石品質の製造が普及しました。現在では無色透明の高品質品も手頃に流通しています。
人工ダイヤと天然ダイヤの違い(成分・見た目・希少性)
人工ダイヤと天然ダイヤは、成分(炭素の結晶)も見た目(輝きや透明度)も同じで、肉眼では区別が難しいとされています。両者の最大の違いは生成プロセスと希少性です。天然ダイヤは地中深部で数億年かけて自然に形成される一方、人工ダイヤは実験室で数週間程度で作られます。
天然は採掘可能量が限られ、希少性が高いのに対し、人工ダイヤは無限に生産可能なため希少性がありません。この違いから、天然ダイヤには「唯一無二の価値」が生まれます。専門機関での検査では微細な構造の差も見抜けますが、一般的な目視では判別できません。
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人工ダイヤとキュービックジルコニア・モアッサナイトとの違い
人工ダイヤモンドは天然ダイヤと同じ成分・性質を持つ「本物のダイヤモンド」といえますが、キュービックジルコニア(CZ)やモアッサナイトは成分が異なる別の種類の宝石です。CZは酸化ジルコニウム、モアッサナイトは炭化ケイ素からできており、硬度や光の特性も違います。
ダイヤモンドはモース硬度10ですが、モアッサナイトは約9.25、CZは8程度です。モアッサナイトは光の分散が強く虹色の輝きが特徴で、CZはやや白っぽい輝きになります。
価格も人工ダイヤよりさらに安価で、見た目は似ていても価値は大きく異なります。人工ダイヤは天然と同等の本物であり、CZやモアッサナイトは模造石と位置付けられます。
人工ダイヤのメリット・デメリットとは
では、人工ダイヤモンドを選ぶことにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは価格や倫理面など、様々な観点から人工ダイヤの長所と短所を見てみます。
人工ダイヤのメリット(価格・倫理性・環境配慮)
人工ダイヤには、主に以下のようなメリットがあります。
- 価格が安い:
最大のメリットは価格面です。人工ダイヤは天然ダイヤに比べて格段に安く、同じカラット重量・品質ならば価格は数分の一程度になります。例えば1カラットの人工ダイヤは天然ダイヤの7分の1程度の相場価格だと報じられています。予算内でより大きなダイヤを手に入れたい場合、人工ダイヤは非常に魅力的です。 - 倫理的に安心:
人工ダイヤはラボで作られるため、紛争ダイヤ(いわゆる「血塗られたダイヤ」)の心配がありません。採掘現場での児童労働や劣悪な労働環境といった人権問題とも無縁です。消費者が宝石の倫理性を重視する昨今、トレーサビリティが明確な人工ダイヤは安心材料になります。 - 環境への配慮:
ダイヤ採掘には大規模な土砂の移動や森林破壊が伴いますが、人工ダイヤはそうした環境破壊を最小限に抑えることができます。実験室での製造過程でも電力を消費しますが、再生可能エネルギーの利用などにより環境負荷を下げる取り組みも進んでいる状況です。一般に、ラボ製造は採掘に比べて社会的・環境的に「より持続可能」としてアピールされています。
人工ダイヤのデメリット(資産価値・認知度・希少性)
一方、人工ダイヤには以下のようなデメリットや注意点もあります。
- 資産価値が低い
購入時に比べて中古での売却価格は大幅に下がる傾向があります。現時点では市場価格が安定せず、買取不可とされるケースも多く、投資的価値は期待しにくいでしょう。 - 認知度・ブランド力の不足
人工ダイヤは歴史が浅く、天然ダイヤほどの高級感やブランドイメージが浸透していません。特に高級ジュエリー市場では「やはり天然石が本物」という意識が根強く残っています。 - 希少性がない(供給過多のリスク)
人工ダイヤは実験室で無限に生産できるため、希少価値がありません。今後さらに普及が進めば、価格が下落しやすくなる可能性も指摘されています。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
価格 | 天然ダイヤに比べて格段に安く、同じカラット重量・品質でも数分の一程度。 | 中古での売却価格は大幅に下がりやすく、投資目的には不向き。 |
倫理性 | 紛争ダイヤの心配がなく、児童労働や劣悪な労働環境と無縁。 | 特になし。 |
環境配慮 | 森林破壊などの環境負荷が少なく、再生可能エネルギー活用も進んでいる。 | 製造過程で電力消費はあるが、採掘に比べると小さい。 |
認知度・ブランド力 | トレーサビリティが明確な点が新たな付加価値に。 | 高級ジュエリー市場では天然石のブランド力に劣る。 |
希少性 | 安定供給が可能なため、入手しやすい。 | 無限に生産できるため、希少価値がなく価格下落リスクがある。 |
- おたからや査定員のコメント
ダイヤモンドの査定においては、天然ダイヤならではの希少性と市場価値が大きなポイントとなります。当店ではGIA認定資格を持つ鑑定士が在籍しており、国際基準に基づいた精度の高い査定を実施。
人工ダイヤは美しさこそ天然と遜色ありませんが、資産価値という面では大きな差が出ます。天然ダイヤは中古市場でも安定した需要があり、高額査定が期待できます。鑑定書がなくても、お気軽にご相談ください。
人工ダイヤの価格相場と市場動向
次に、人工ダイヤモンドの現在の価格相場や今後の市場動向について見てみましょう。人工ダイヤの登場により、ダイヤモンド市場は大きな変化を迎えています。
人工ダイヤの現在の価格相場
人工ダイヤの価格は、カラット(重量)やカラー・クラリティ(透明度)など品質によって異なりますが、総じて天然ダイヤより大幅に安価です。現在の市場では1カラットの無色の人工ダイヤがだいたい数十万円台で購入できます。
例えば、約1カラットの人工ダイヤ付きネックレスが約23万1000円(税込)で販売されており、同等の天然ダイヤなら100万円以上すると報じられています。このように人工ダイヤは、同じサイズ・グレードの天然ダイヤと比べて数分の一の価格帯が一般的です。
GIA(米国宝石学会)の分析でも、人工ダイヤモンドは天然ダイヤの3分の1以下の価格設定になっていると指摘されています。近年、人工ダイヤの供給増加に伴い価格競争が進み、消費者にとっては以前にも増して手頃な値段で高品質のダイヤを入手できるようになりました。
天然ダイヤとの価格差はどれくらい?
では、人工ダイヤと天然ダイヤの価格差は具体的にどの程度あるのでしょうか。前述の通り、その差は非常に大きく、天然ダイヤの数分の一というのが大まかな目安です。
例えば1カラット・Dカラー・VSクラスのダイヤの場合、天然ダイヤが100万円前後とすると、同程度の人工ダイヤは20〜30万円ほどで購入できる計算になります。実際に「人工ダイヤの価格は天然の約7分の1」とも言われており、ケースによっては数百万円の天然ダイヤが人工石なら数十万円で済むこともあります。
大きなカラットの石ほどこの差は顕著で、天然ダイヤでは希少性ゆえに指数関数的に価格が跳ね上がりますが、人工ダイヤなら比較的リーズナブルな価格で入手可能です。なお、品質(カラーやカットのグレード)によって絶対額は上下しますが、基本的には天然より人工の方が圧倒的に安いでしょう。
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人工ダイヤ市場の今後の展望(将来性)
人工ダイヤモンド市場は、宝飾品用途に加え、工業、医療、テクノロジー分野での需要拡大が期待されています。特に、エレクトロニクスや半導体産業における利用が増加しており、市場全体の成長を牽引しています。市場調査によると、今後数年間で人工ダイヤモンド市場は年平均成長率5〜7%で拡大する見通しです。
ジュエリー分野では、倫理的かつ持続可能な選択肢として人工ダイヤの需要が高まっています。価格競争力もあり、消費者の選択肢として定着しつつあります。
一方で、供給過多による価格下落や、天然ダイヤとのブランド力の差などの課題も存在します。これらの課題に対処しつつ、技術革新と市場開拓が進めば、人工ダイヤ市場はさらに成長する可能性があります。
人工ダイヤは売れる?買取価格と査定ポイント
ここまで見てきたように、人工ダイヤは購入時には手頃で魅力的な選択肢ですが、では売却するとなった場合はどうでしょうか。お手持ちの人工ダイヤ付きジュエリーを中古で売りたいとき、買取は可能なのか、その査定価格はどの程度なのか、気になる方もいるでしょう。以下では、人工ダイヤの現在の買取事情と、売る際のチェックポイントについて解説します。
人工ダイヤの買取事情|買取できる?できない?
人工ダイヤの買取市場はまだ成熟しておらず、対応できる業者は限られています。多くの買取店では、人工ダイヤと判明した時点で買取を断るケースが少なくありません。理由は、人工ダイヤは市場価格が安定しておらず、再販時のリスクが高いためです。
また、天然ダイヤと比べて中古需要が少ないことも影響しています。加えて、人工ダイヤは専門機器による鑑定が必要であり、鑑定コストやリスクを嫌う業者もあります。このため、売却を前提とするなら天然ダイヤのほうが有利といえるでしょう。
人工ダイヤを売る際のチェックポイント
人工ダイヤをどうしても売却したい場合、以下のポイントに注意しましょう。
- 買取業者に事前確認:
買取業者が人工ダイヤの買取に対応しているか、事前に問い合わせましょう。事前に問い合わせましょう。対応していない店に持ち込んでも時間の無駄になってしまう可能性があります。 - 鑑定書や証明の準備:
購入時に鑑定書(グレーディングレポート)や、合成石であることの証明書を受け取っている場合は査定時に提示してください。第三者機関の証明があれば石の出所が明確になり、交渉がスムーズになります。 - 相場と期待値の把握:
事前に最新の人工ダイヤモンドの相場動向を調べ、自分の石のおおよその価値を把握しておきましょう。ただし、市場価格=買取価格ではない点に注意が必要です。前述の通り、買取価格は市場相場より大幅に低くなる傾向があるため、過度な期待は禁物です。 - 地金の価値も考慮:
ダイヤが指輪やネックレスにセットされている場合、プラチナや金など地金部分に価値があることがあります。人工ダイヤ自体に値段が付かなくても、枠の貴金属として買い取ってもらえるケースもあるので、査定の際は、宝石部分と地金部分の両方の評価を確認しましょう。
天然ダイヤのほうが高額買取される理由
天然ダイヤが中古市場で高く評価されるのは、希少性と市場での確立された地位にあります。限られた産出量に加え、国際的な価格指標が存在し、安定した需要があります。宝石としての歴史も長く、世界中で支持されているため、中古でも価値が落ちにくいのです。
一方、人工ダイヤは無限に生産でき、供給過多のリスクを抱えています。市場での指標も未確立で、需要層も限定的なため、買取価格が伸びにくい傾向にあります。このため、天然ダイヤは高額買取が期待でき、資産価値という点でも優位性があります。
人工ダイヤと天然ダイヤ、どちらを選ぶべきか?
ここまで人工ダイヤと天然ダイヤの違いを見てきましたが、結局どちらを選ぶべきなのでしょうか。それぞれにメリット・デメリットがあるため一概に「こちらが正解」とは言えませんが、自分の重視するポイントによって適した選択肢が変わってきます。
一般的に、初期費用を抑えて大きなダイヤを楽しみたい方や、倫理面を重視したい方には、人工ダイヤが適しています。一方、所有する宝石の資産価値やステータス性を重視するのであれば天然ダイヤに軍配が上がるでしょう。
あなたに合うのはどっち?人工ダイヤと天然ダイヤの選び方
人工ダイヤは、コストを抑えつつ大粒の美しいダイヤを楽しみたい方や、倫理性や環境負荷を重視する方におすすめです。ブライダルジュエリーでも、見た目にこだわりつつ価格を重視したいカップルに選ばれています。
一方、天然ダイヤは希少性や資産価値を重視する方に向いています。将来的な売却を視野に入れている方や、伝統的なジュエリーの価値を大切にしたい方には、天然ダイヤが適しているでしょう。自分の価値観や目的に合わせて、後悔のない選択を目指しましょう。
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資産価値重視なら天然ダイヤを高く売るチャンスも
資産価値を重視するなら、天然ダイヤを選ぶのが賢明です。天然ダイヤは中古市場でも需要があり、品質によっては高値で売却できる可能性があります。希少なピンクダイヤなどは年々価値が上昇している例もあり、資産性を高めたい人には適した選択肢です。
一方、人工ダイヤは供給量が多く、将来的な価値下落リスクが懸念されています。購入後に価値が大きく目減りする可能性が高く、資産運用目的には向きません。
資産性を重視する一方で、ジュエリーは本来楽しむためのものだという点も忘れてはいけません。人工・天然問わず、自分の価値観に合った石を選び、大切に使うことが何よりも重要です。いざという時のためにも、購入時は鑑定書の有無を必ず確認しておきましょう。
まとめ
人工ダイヤとは、天然ダイヤと同じ成分を持ちながら人工的に作られた宝石で、見た目や物理的性質はほぼ同一です。しかし、生成過程や希少性に違いがあり、天然ダイヤの方が資産価値で優位性を持っています。
人工ダイヤは価格や倫理面でメリットがある一方、リセールバリューには期待しにくい点に注意が必要です。資産価値を重視する方は、天然ダイヤの購入や売却を視野に入れるのがおすすめです。大切なジュエリー選びや売却の際は、信頼できる専門店に相談してみることをおすすめします。
「おたからや」でのダイヤモンドの参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「ダイヤモンド」の参考買取価格の一部を紹介します。
商品名 | 参考買取価格 |
---|---|
Pt・Pm900 ダイヤモンド リング 3.041 ct | 3,085,000円 |
Pt・Pm900 ダイヤモンド リング 2.038 ct | 2,722,000円 |
K18 ダイヤモンド ネックレス 50.554 ct | 3,448,000円 |
Pt・Pm900 ダイヤモンド ネックレス 1.57 ct | 1,655,000円 |
K18 ダイヤモンド ピアス | 819,000円 |
K18 ダイヤモンド イヤリング | 452,000円 |
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
ダイヤモンドの査定額は、市場での人気や需要に大きく左右されます。特にハイブランドのジュエリーや、大粒で希少性の高いダイヤは高額査定が期待できます。
最も重要なポイントは「4C」と呼ばれる品質基準で、カラット(重さ)、カラー(色味)、クラリティ(透明度)、カット(研磨技術)が査定額を大きく左右します。
次に影響するのは、鑑定書の有無や発行機関です。GIAなど権威ある機関の鑑定書付きであれば、査定額が上がる傾向にあります。さらに、ジュエリーとしてのデザイン性やブランド、付属品の有無(箱や保証書)も加点要素となります。総合的に高評価を得るためには、日頃の丁寧な保管も重要です。
- おたからや査定員のコメント
ダイヤモンドは、見た目の美しさだけでなく、希少性や資産価値が重要なポイントとなります。人工ダイヤも高品質な輝きを持っていますが、資産性の面では天然ダイヤに大きく劣ります。
当店「おたからや」では、GIA認定の鑑定士が天然・人工の違いを正確に見極め、適正な査定を行っています。
天然ダイヤは、中古市場でも高い需要があり、高額査定につながりやすい特徴があります。鑑定書をお持ちでない場合でも、専門知識をもとに丁寧に査定いたします。大切なダイヤモンドのご売却をお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。
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大切なダイヤモンドを手放すなら、確かな目利きが重要です。「おたからや」には、GIA認定のGG(Graduate Gemologist)資格を持つプロ鑑定士が在籍しており、国際基準に基づく正確な査定が可能です。
鑑定書がない場合でもご安心ください。豊富な経験と知識で、ダイヤの真価を正しく評価します。さらに最新の市場相場を把握し、高価買取を実現します。小さなキズや汚れがあるダイヤモンドでもしっかり査定します。
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岩松 査定員

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