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ダイヤモンドにはさまざまな「カット」の種類が存在します。同じ大きさやカラー、クラリティであっても、カットが異なるだけで華やかな印象を与えたり、落ち着いた雰囲気をただよわせたりなど、輝きや雰囲気が大きく変化します。
カットの種類は「ラウンドブリリアント」「エメラルド」「プリンセス」など専門的な名前が多くあります。そこで、ジュエリーを初めて選ぶ方にとっては違いが分かりにくく感じるでしょう。
また、どのカットが自分の好みに合うのか、市場価値や資産性にどのような差が出るのか、疑問を持っている方も多いと思われます。
本記事では、ダイヤモンドカットの代表的な種類とそれぞれの特徴を分かりやすく解説します。さらに、カットによる価値の違いや評価基準についてもふれながら、理想のダイヤモンドを選ぶ際に役立つポイントをプロの視点からご紹介していきましょう。
Contents
ダイヤモンドのカットとは?輝きを左右する重要な要素
そもそもダイヤモンドの「カット」とは、大きく分けて2つの意味を持っています。
1つ目は、形(スタイル)としてのカット。ラウンドブリリアントやエメラルド、プリンセスなど、どのような形に「カット」され、仕上げられているかを示します。見た目の印象を大きく左右するため、選ぶ楽しさにもつながります。
2つ目は、研磨技術(仕上がり)としてのカット。この「カット」は、ダイヤモンドの各面(ファセット)の角度や比率、表面の磨き具合などを指し、国際的な基準で「Excellent」から「Poor」までのグレードで評価されます。
つまり、カットとは「どんな形をしているのか」と「どこまで美しく磨かれているのか」という2つの意味を持ち合わせているのです。
ダイヤモンドのカットが輝きに与える影響
ダイヤモンドは最初から輝いている鉱物だと思われがちですが、実はそうではありません。ダイヤモンドは透明な鉱物であり「カット」することによって、光の反射や屈折が生まれ、美しい輝きを放ちます。
カットが適切であれば、光が効率よく取り込まれ、内部で反射し、美しい輝きとなって目に映ります。同じダイヤモンドであっても、カット次第でダイヤモンドの「輝き」が大きく変わることを知識として知っておきましょう。
カットすることでダイヤモンドが輝く仕組み
なぜ「カット」することで輝きが出るのでしょうか。 その仕組みをわかりやすく解説していきましょう。ダイヤモンドには白い輝き(ブリリアンス)、虹色のきらめき(ファイア)の2つの輝きがあります。
強い白い輝き(ブリリアンス)は、ダイヤモンドのカットされたテーブル面から入った光が内部で屈折しながら反射を繰り返し、上方向に戻る輝きのこと。虹色のきらめき(ファイア)は、光が波長ごとに分散して出ていく際に出現する輝きです。
ダイヤモンドの輝きはカットする職人の技術によって大きく左右されるということも知っておくと良いでしょう。
また、ダイヤモンドについて、さらに詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も非常におすすめです。
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4Cにおける「カット」の評価基準とは
ダイヤモンドの価値を表す指標として有名なのが「4C」。
4Cとは Carat(カラット/重さ)、Color(カラー/色)、Clarity(クラリティ/透明度)、Cut(カット/輝きの仕上がり) の4つを意味し、それぞれが評価基準となっています。
この中で唯一「人の技術」が大きく影響するのが「カット」であり、その評価は「Excellent」から「Poor」までの5段階に分かれ、以下のポイントで判断されます。
また、ダイヤモンドの4Cについては以下の記事で詳しく解説しています。
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プロポーション(Proportion:形のバランス)
ダイヤモンドの各部位(テーブル、クラウン、パビリオンなど)の角度や比率が正しく整っているかが評価ポイント。
バランスが最適であれば、光は石の内部で反射を繰り返し、上方向へと放たれ、目にしたときに強く美しい輝きを感じられます。一方で浅すぎたり深すぎたりすると光が外へ逃げてしまい、暗く見えてしまいます。
シンメトリー(Symmetry:対称性)
ファセット(切子面)の配置が左右対称で整っているかが評価ポイント。
シンメトリーが高ければ、光は均等に広がり、ダイヤモンド全体が均一に輝きます。反対に対称性が崩れていると、光が偏ってしまい、石の一部が鈍く見えることがあります。
ポリッシュ(Polish:表面の研磨状態)
ダイヤモンド表面の滑らかさが評価ポイント。
研磨が丁寧であれば光はスムーズに通過し、透明感のある美しい輝きが得られます。小さな傷や磨き残しがあると、光が乱れてしまい、輝きが減ります。
これら3つすべてで「Excellent」の評価を獲得したダイヤモンドは「トリプルエクセレント(3EX)」と呼ばれ、最上級の輝きを放つ特別な存在として高く評価されます。
3EX(トリプルエクセレント)の価値
3EX(トリプルエクセレント)とは、カットの評価項目である、「プロポーション」「シンメトリー」「ポリッシュ」の3つすべてで「Excellent」を獲得したものを指し、ダイヤモンドのカット評価で最高ランクとされています。
他の同等条件(カラット・カラー・クラリティ)のものと比較しても、輝きが一段と際立つため、市場価値も高く、婚約指輪や記念ジュエリーとして特に人気があります。
- おたからや査定員のコメント
3EXのダイヤモンドは、同じ4Cの条件を持つ他の石と比べても、肉眼での輝きに明確な違いが見られます。
光の反射効率が極めて高いため、実際の大きさ以上に存在感を感じることも多いです。
その希少性から市場価格も安定しており、長期的に見ても高い価値を維持できるのが魅力です。
ダイヤモンドの代表的なカット種類一覧
ダイヤモンドのカットには数多くの種類がありますが、大きく分けると「ブリリアントカット系」「ステップカット系」「ミックスカット系」「モディファイドカット系」に分類されます。
それぞれに独自の特徴があり、輝き方や雰囲気が大きく異なるので、1つずつわかりやすく解説していきます。
ブリリアントカット系
ブリリアントカット系は、ダイヤモンドの「輝き」を最も重視して設計されたスタイル。
光を効率よく取り込み、内部で反射させることで強いブリリアンス(白い輝き)とファイア(虹色の輝き)を生み出し、華やかで存在感があるため、婚約指輪や記念ジュエリーの定番として長年人気を集めています。
ラウンドブリリアントをはじめ、さまざまなバリエーションが存在します。
ラウンドブリリアントカット
58面体のファセットを持つ円形のスタイルで、世界で最もポピュラーなカット。
ブリリアンス・ファイア・シンチレーション(きらめき)のバランスが最も優れており、「ダイヤモンド」といえばこの形を指すことが多いです。婚約指輪の約7割に選ばれている定番カットです。
オーバルカット
楕円形に仕上げたカットで、ラウンドに近い輝きを持ちながら縦長のフォルムが特徴。指を細く長く見せる効果があるため、エレガントさを求める方に非常におすすめです。
ペアシェイプ
洋梨のような形で、先端がシャープになったデザイン。縦向きにセットすると指を美しく見せ、横向きに配置すれば個性的な印象になります。クラシカルな雰囲気を好む方に人気です。
マーキースカット
船のように両端が尖った形。
見た目の大きさを強調できるため、同じカラット数でも存在感が増します。ゴージャスな雰囲気を求める人におすすめです。
ハートシェイプ
愛の象徴であるハート型のデザイン。
ロマンティックな意味合いから、特別なプレゼントやペンダントトップとして選ばれることが多いです。カットの精度によって印象が大きく変わるため、選ぶ際にはバランスの良いもの選ぶことが大切です。
ステップカット系
ステップカット系は、ファセット(切子面)が階段状に並んでいるのが特徴。
ブリリアントカットのような強いきらめきはありませんが、ダイヤモンドの透明感やクラリティ(内包物の少なさ)を美しく見せるカットで、気品や落ち着きを感じさせるデザインが多く、クラシカルで知的な印象を好む方から人気です。
エメラルドカット
長方形に近い形で角がカットされているのが特徴。
内部の透明感が強調されるため、インクルージョン(内包物)が少ない高品質の石に用いられることが多く、洗練された雰囲気があり、セレブリティの婚約指輪でも人気があります。
スクエアカット
正方形に近い形のカット。
落ち着いた印象で、シンプルながら端正な美しさがあり、男性のジュエリーやシックなデザインのリングに用いられることもあります。
バゲットカット
細長い長方形のカット。
主石として使われることは少なく、サイドストーンとしてメインのダイヤを引き立てる役割を担うことが多く、モダンな印象を与えます。
アッシャーカット
スクエアに似ていますが、角が大きくカットされ、階段状のステップが強調されるデザインのカット。
アンティーク調の魅力があり、深い奥行きを感じさせ、ヨーロッパで特に人気の高いカットです。
テーパーカット
片側が細くすぼまった形で、ペア状に配置すると美しい放射状のデザインになるカット。
脇石としてセットされることが多く、メインストーンを際立たせる役割を果たします。
ミックスカット系
ミックスカット系は、ブリリアントカットの輝きとステップカットの透明感を組み合わせた、ハイブリッドなスタイル。強い光の反射と奥行きのある見え方を同時に楽しめるのが魅力で、モダンな印象を持ちながらも幅広いデザインに応用されています。
プリンセスカットやラディアントカットが代表例で、現代的な婚約指輪でも人気の高いカテゴリーです。
プリンセスカット
四角形をベースにしており、ブリリアントに近い強い輝きを持ち、シャープでスタイリッシュな印象から、現代的な婚約指輪によく用いられています。若い世代を中心に人気が高いカットです。
ラディアントカット
長方形またはスクエア形に、多数のファセットを組み合わせたカット。
強い輝きと華やかさを持ちながら、クラシカルな雰囲気もあります。ボリューム感が出やすく、存在感のあるデザインが特徴的です。
モディファイドカット系
モディファイドカット系は、既存のカットスタイルをベースにしながら、新しいアレンジを加えたカットの総称。
輝きを重視した変形ブリリアントや、アンティーク風の柔らかい印象を持つカットなど、デザイン性に富んでいるのが特徴です。ブランドごとの独自性が反映されることも多く、特別感やオリジナリティを求める方に人気を集めています。
クッションカット
四角形に丸みを持たせた形で、柔らかくクラシカルな印象を与えるカット。アンティークジュエリーやヴィンテージデザインに好まれることが多く、近年再び人気が高まっています。
ファンシーカット(変形ブリリアント)
伝統的な形をベースに、デザイナーやブランドが独自にアレンジしたカット。
個性的なシルエットや特別な意味を持つデザインもあり、「他の人と違うダイヤモンドが欲しい」という方に選ばれています。
カットの種類と価値・価格の関係
ダイヤモンドは「永遠の輝き」と称される宝石ですが、その美しさと市場での評価はカットによって大きく変わることを知っておきましょう。
カラット(重さ)やカラー(色)、クラリティ(透明度)が同じであっても、カットの種類や仕上がりが異なれば、輝きの質や石が放つ存在感はまったく別物となり、価値も大きく変化します。
例えば、もっともスタンダードなラウンドブリリアントカットは、強い輝きと普遍的な人気から市場価値が高いです。一方で、エメラルドやアッシャーなどのステップカットは、輝きが控えめな分、需要が限定される傾向があり、価格の差が大きく開くことも。
つまり、カットは「見た目の好み」を左右するだけでなく、売却時の資産価値を判断するうえでも欠かせない指標となっています。
- おたからや査定員のコメント
ダイヤモンドの価格はカラットやカラーに注目が集まりがちですが、実際にはカットの仕上がりが輝きと価値を大きく左右します。
同じ条件でも、プロポーションや対称性が優れた石は、肉眼で見たときの印象がまったく異なり、市場でも高い評価を受けます。
特に3EX評価を得たラウンドブリリアントは、投資性も兼ね備えた希少な存在といえるでしょう。
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また、こちらの記事では、ダイヤモンドの見分け方について詳しく解説しています。ダイヤモンドの見分け方が気になる方は、ぜひご覧ください。
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・本物のダイヤモンドの見分け方とは?偽物のダイヤモンドの違いや種類を徹底解説
まとめ
本記事では、代表的なダイヤモンドカットの種類から、カットの違いにおける市場価値まで徹底解説しました。
ダイヤモンドのカットは、単なるデザインの違いではなく、輝きや美しさ、さらには市場での価値にも直結する重要な要素です。
ラウンドブリリアントのように強い輝きを放つものから、エメラルドカットのように透明感を楽しむものまで、カットの種類によって印象は大きく変わります。
また、カットの仕上がりを評価するグレードや3EX(トリプルエクセレント)といった基準は、ダイヤモンドの資産価値を見極めるうえで欠かせない重要なポイントです。購入の際には自分の好みだけでなく、将来的な価値も意識して選ぶと満足度が高まるでしょう。
手元にあるダイヤモンドを売却する際には、カットやグレードを正しく理解し、価値をしっかりと評価できる専門家に相談することが大切です。信頼できる鑑定士に査定を依頼すれば、納得感のある取引につながるでしょう。
おたからやの宝石買取
査定員の紹介
岩松 査定員

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趣味
旅行、読書
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好きな言葉
日々是好日
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好きなブランド
ダイヤモンド・宝石
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過去の買取品例
10カラットダイヤモンド
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資格
GIA G.G.取得
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