ラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドの代表的なカットの名称です。
流通量が多いため、ジュエリーとして目にする機会が多い一方で、その価値や輝きの理由を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、ラウンドブリリアントカットの定義や特徴、まばゆい輝きの理由や評価基準、そしてダイヤモンドのカットグレード別の価格などをご紹介いたします。
ラウンドブリリアントカットについて詳しく知りたい方や、ダイヤモンド選びの参考にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
ダイヤモンドのラウンドブリリアントカットとは?輝きの理由と特徴
ラウンドブリリアントカットは、数あるダイヤモンドのカット形状の中で、最も広く流通している形状です。
ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドは、その美しいきらめきから、婚約指輪をはじめとする様々なジュエリーで広く使用されています。
ここでは、ラウンドブリリアントカットがどのように定義され、どのような特徴を持つのか、詳しくご紹介いたします。
ラウンドブリリアントカットの定義
ラウンドブリリアントカットとは、円形の外形にブリリアントカットを施したものを指します。
このカットは57面または58面のファセット(切り面)を持ち、それぞれの大きさや角度はダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すために精密に設計されています。
現在流通しているラウンドブリリアントカットの基礎は、「アメリカン・アイディアルカット」とも呼ばれ、1919年にマルセル・トルコフスキーが発表しました。
ダイヤモンドが最も輝くカットと言われる理由
トルコフスキーは、ラウンドブリリアントカットの設計にダイヤモンドの光を最大限に反射させる仕組みを取り入れました。
ダイヤモンドの内部で光が何度も反射するためには、ファセットの形状・大きさ・角度をしっかりと計算して設計することが大切です。
ほかのカットに比べて、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドの輝きが際立つ理由は、この精密な設計にあります。
ほかのカットスタイルとの違い
ラウンドブリリアントカットの最大の特徴は、各ファセットが明確に数値化されている点です。
一定の基準に基づいてカットの評価が行えるラウンドブリリアントカットは、品質が一貫しています。
一方、オーバルやマーキースといったほかのカットスタイルにはこのような基準がないため、評価が難しい場合があります。
- おたからや査定員のコメント
トルコフスキーの発表以降、ラウンドブリリアントカットの研究は進化を遂げてきました。
その結果、現在のダイヤモンドはさらに美しく輝きを増しています。
なお、現在ではトルコフスキーが提唱した基準に完全に従ってカットされることはほとんどありません。
それでも、私たちが手にするダイヤモンドの輝きの基礎を築いたのは、トルコフスキーによるラウンドブリリアントカットの設計であることに間違いありません。
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・ダイヤモンドカットの種類とグレード特徴別に見る最適な選び方
ラウンドブリリアントカットの部位の名称
ラウンドブリリアントカットには、57面または58面のファセットがあります。
ここでは、ラウンドブリリアントカットの各ファセットについて詳しくご紹介いたします。
クラウン
クラウンとは、ダイヤモンドを真上から観察した際に見える上部を指します。
各ファセットの名称と面数は、以下の通りです。
ファセット名 | 面数 | 形状 |
---|---|---|
テーブルファセット | 1面 | クラウンの中央にある八角形の大きなファセット |
スターファセット | 8面 | テーブルファセットの各辺に接している三角形のファセット |
ベゼルファセット | 8面 | テーブルファセットの各頂点に接している四角形のファセット |
アッパーガードルファセット | 16面 | ベゼルファセットと外周部分の間にあるファセット |
このように、クラウン側には4種類のファセットがあり、合計33面で構成されています。
ガードル
ガードルとは、ダイヤモンドのクラウン(上部)とパビリオン(下部)の接合部分、つまりダイヤモンドの外周部分を指します。
ダイヤモンドの構造において重要な要素ですが、ガードルが研磨されない場合があるため、通常はファセットの1つとして数えられません。
しかし、ガードルの厚さはダイヤモンドのカット評価に直接影響を与えるため、ダイヤモンドのグレーディングではガードルの厚さを以下の8段階で評価します。
- Extremely thin(極端に薄い)
- Very thin(非常に薄い)
- Thin(薄い)
- Medium(中程度)
- Slightly thick(やや厚い)
- Thick(厚い)
- Very thick(非常に厚い)
- Extremely thick(極端に厚い)
ガードルの厚さはダイヤモンドの耐久性や見た目にも影響するため、適切な厚さを持つことが重要とされています。
パビリオン
パビリオンとは、ダイヤモンドの下部を指します。
ガードルよりも下に位置しているため、ダイヤモンドを上から見ると隠れている部分にあたります。
パビリオンの各ファセットの名称と面数は、以下の通りです。
ファセット名 | 面数 | 形状 |
---|---|---|
ローワーガードルファセット | 16面 | アッパーガードルファセットの下にあるファセット |
パビリオンメインファセット | 8面 | 放射状に配置された四角形のファセット |
キューレット | 1面 またはなし | パビリオン中央にある八角形のファセット |
パビリオン側のファセットは、24面または25面で構成されています。
この1面の差は、先端部分の欠けを防ぐために設けられるキューレットの有無によるものです。
しかし、必ずしも必要なファセットではないため、キューレットのないダイヤモンドも存在します。
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・ダイヤモンドの研磨方法・カットグレードを解説!種類や歴史も紹介
ラウンドブリリアントカットの評価基準「4C」
ダイヤモンドは、4C(カラー・クラリティ・カット・カラット)の各項目に基づいて評価が行われます。
ここでは、ラウンドブリリアントカットの特徴も踏まえながら、それぞれの項目について詳しくご紹介いたします。
カラー
カラー評価のランクは、DからZまでの23段階です。
Dカラーが最も無色に近く、Zに近づくにつれて色が濃くなります。
さらに、DからZまでのカラーグレードとは異なる基準で評価される、希少性が非常に高い「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれる特別な色合いを持つダイヤモンドも存在します。
クラリティ
クラリティとはダイヤモンドの透明度に関する評価基準で、F(フローレス)からI3までの11段階に分かれます。
クラリティ評価では、ダイヤモンド内部の特徴(インクルージョン)と表面の特徴(ブレミッシュ)の両方を確認します。
クラリティグレードが極端に低く、ダイヤモンドが曇って見えたり、黒っぽく見えたりする場合は、カラー評価が下がる可能性があるため注意が必要です。
カット
カット評価は、各ファセットのサイズや角度が明確に数値化されているラウンドブリリアントカットの場合のみ行われます。
ダイヤモンドの輝きや見た目に直接関係するカット評価は、次の2つの観点を総合的に判断して決まります。
- プロポーション: 機械による測定で、各部分のサイズ・角度・比率が理想的な基準に基づいているかを評価
- フィニッシュ: 研磨状態(ポリッシュ)やカットの正確さ(シンメトリー)を人間の目で確認
ただし、ラウンドブリリアントカットに関する研究が現在も続いていることから、カットの評価は今後変わる可能性があります。
カラット
カラット(ct)はダイヤモンドの重さを表す単位です。
1カラットは0.2gに相当し、重量は小数点以下第3位まで正確に計測されます。
ダイヤモンドは重量が増えるほど価値が上がりますが、他の評価(カラー・クラリティ・カット)が低い場合、価値が下がることもあります。
ダイヤモンドの価値を正確に判断するためには、カラットだけでなく他の要素も総合的に考慮することが重要です。
- おたからや査定員のコメント
ダイヤモンドの価格は、4Cの各要素に大きく影響されるだけでなく、需給バランスや景気動向によって日々変動しています。
おたからやでは、ダイヤモンドの価格を毎日更新しており、価格を簡単に検索できるシミュレーターもご用意しております。
お手元のダイヤモンドの価格を簡単に調べることができますので、ぜひコメントの下にございます「ダイヤモンドの買取情報をチェックする」よりご確認ください。
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