パテック フィリップの
オーバーホール
頻度・依頼先・流れ・
費用を解説
※下記の画像は全てイメージです
世界3大時計ブランドの一つであるパテック フィリップは、最高峰のメーカーとして知られています。その時計は数百ものパーツから作られており、品質を保つためにはメンテナンスが欠かせません。
パテック フィリップの時計を所有しているなら、オーバーホールの正確な知識が必要でしょう。
この記事では、パテック フィリップのオーバーホールの適切な頻度や依頼先、流れについて紹介します。
Contents
腕時計のオーバーホールとは?
オーバーホールとは、時計が正常に動き続けるよう、すべての部品を分解して点検・洗浄・注油・調整する作業のことです。作業後は元どおりに組み立て直す必要があるため、オーバーホールには専門的な知識が求められます。
オーバーホールの目的は、動作を正常に直す事と部品の摩耗を抑える事です。
ムーブメント内部の部品には潤滑油が塗られていますが、年月が経つと乾燥し摩耗してしまいます。オーバーホールで部品の摩耗や故障を防ぐ事は、長い目で見ると費用を安く抑える事につながります。
毎日のお手入れに加えて定期的なオーバーホールを実施すれば、お気に入りの腕時計を長く愛用できるでしょう。
パテック フィリップの
正規メンテナンスの種類
パテック フィリップの正規メンテナンスには、大きく分けて「クイックサービス」と「フル・メンテナンス」の2種類があります。
ここからは、それぞれの特徴について解説します。
オーバーホールを含まない「クイックサービス」
オーバーホールが含まれないクイックサービスは、パテック フィリップの正規販売店で行なわれます。比較的簡単なメンテナンス内容の場合、クイックサービスを利用する事になるでしょう。
クイックサービスのおもな内容としては、電池交換やムーブメントの検査、防水検査(防水モデルのみ)、ベルトの交換、ブレスレットのコマ調整、磁気帯びチェック、時刻調整などが挙げられます。
料金はサービス内容によって細かく異なります。例えば、クォーツモデルの総合的なメンテナンスである「バッテリーサービス」は、電池交換やムーブメントの検査、簡易クリーニングなどで、料金は2万4,1200円(税込)です。
また、ベルトの交換やブレスレットのコマ調整は4,400円(税込)で、磁気帯びチェックや精度チェックは無料で実施しています。
ちなみに、パテック フィリップの正規販売店は世界に約1,500店舗あり、そのなかでも格式が高い店舗は「パテック フィリップ ブティック」と呼ばれています。
オーバーホールを含む
「フル・メンテナンス」
オーバーホールを希望する場合は「フル・メンテナンス」を選択する必要があります。
クイックサービスは最長でも2週間程度ですが、フル・メンテナンスでは腕時計を6~12週間預けることになります。修理が必要になる場合は、さらに長い期間がかかるので注意が必要です。
フル・メンテナンスは、正規サービスセンターまたはスイス本社で行なわれます。ムーブメントだけではなくケースやシーリングもメンテナンスを行ない、希望があればポリッシングも対応してくれます。
パテック フィリップの
オーバーホールは5年が目安
オーバーホールの頻度について、パテック フィリップの公式サイトでは以下のように記載されています。
「クォーツと機械式タイムピース(手巻または自動巻)は5年毎にオーバーホールが必要です。」
このように、クォーツ式、機械式の手巻き・自動巻きを問わず、少なくとも5年に1回はオーバーホールをすることが推奨されています。
ただし、クォーツ式腕時計の電池の寿命は通常2~3年で電池交換が必要になるため、機械式に比べて頻繁にメンテナンスを受けることになるでしょう。
パテック フィリップの
オーバーホールの依頼先は
どこがおすすめ?
パテック フィリップのオーバーホールの依頼先としては、「正規サービスセンター」と「腕時計修理専門店」の2つが挙げられます。
ここからは、それぞれの違いについて解説します。
正規サービスセンター
パテック フィリップは、全製品の永久的なメンテナンスに対応している希少なメーカーです。古い工作機械や工具を保管しており、創業時からの時計全てに修理を受け付けています。
正規サービスセンターやスイス本社でオーバーホールを行なった場合、メンテナンスから2年以内のムーブメントの故障は保証の対象となります。確かな技術の職人が、厳格に定められた品質基準に基づいて作業する事もメリットの一つです。
メンテナンスのコストが気にならない方や安心して預けたい方は、正規サービスセンターに依頼するのが良いでしょう。
なお、日本では東京千代田区の「パテック フィリップジャパン・サービスセンター」が正規サービスセンターに該当します。
腕時計修理専門店
オーバーホールにかかる費用を極力抑えたい場合は、腕時計の修理専門店に依頼する方法もあります。
正規サービスセンターで機械式腕時計のオーバーホールを依頼すると、10万円以上の費用がかかります。
一方、修理専門店ではその半額以下の費用で済む事が多いです。そして納期はメーカーに依頼するより納品が早い傾向にあります。
ただし、店舗や技術者によってオーバーホールのスキルに差があるので、実績があり信頼できるところを探すと良いでしょう。
パテック フィリップの
オーバーホールの流れと
必要日数
腕時計には多くのパーツが使われており、オーバーホールに必要な期間もそれだけ長くなります。まずは基本的な流れを押さえて長い期間が必要になる理由を知っておくと良いでしょう。
ここからは、正規サービスセンターにおけるオーバーホールの流れについて、必要日数も含めて紹介します。
見積もり
オーバーホールを依頼すると、パテック フィリップの販売台帳と照らし合わし、見積もりが出されます。
販売台帳には、創業以来パテック フィリップが生み出してきたすべての時計の詳細なデータが収められています。ケースとムーブメント番号から、その個体がどのような歴史をたどってきたのか照会できるのです。
現行コレクションの場合、時計到着から5営業日以内に見積もりが作成されます。料金は構造や作業の複雑さによって変動します。
ムーブメントの分解・洗浄
腕時計を預かりムーブメントを分解し、不具合をチェックします。通常のモデルなら分解作業は1~2時間程度ですが、複雑機構を搭載している場合はより長く時間を要します。
次に洗浄します。分解した部品をすべて洗浄機にかけ、故障の原因となるゴミや汚れを取り除きます。
ケースとブレスレットの洗浄・
ポリッシング
ムーブメントだけでなく、ケースとブレスレットも洗浄し、希望に応じてポリッシングも行ないます。
ポリッシングとは、深く研磨する工程の事です。パテック フィリップでは、仕上げの種類によって使い分けています。
例えば、手作業でポリッシングを行なう際に用いるのは、経験や反射神経を要する「フリー・フローティング」という伝統的な技術です。そのほか、ダイヤモンド研磨やレーザー溶接で行なう場合もあります。
ちなみに、腕時計をポリッシングできる回数には限度があります。一般的に、1つの腕時計に対してポリッシングを行なえるのは4、5回までと言われています。
ポリッシングをやりすぎると、ケースやブレスレットが変形してしまうので注意が必要です。
組み立て
次に腕時計を組み立てていきます。防水モデルの場合は、この段階でケースの防水検査を行なう事になります。
ムーブメントの組み立ては、内部に埃などが入らないよう、クリーンルームで行なわれます。定められた順序に従って組み立てながら、注油や調整も並行して行われていきます。
ムーブメントに文字盤と指針を取り付け、内部の湿気を除去しケースバックを装着すると組み立てが完了します。
最終検査
最後に、パテック フィリップの規準を満たしているか検査します。これは精密機械も使いながら行なわれ、最大で2週間程度かかります。
パテック フィリップにおいて、オーバーホールの全工程にかかる期間は6~12週間が目安です。修理が必要だったり、スイス本社で作業を行なう場合には、さらに長い期間を要するでしょう。
パテック フィリップの
オーバーホールにかかる費用
パテック フィリップのオーバーホールを正規サービスセンターに依頼した場合の費用は、腕時計の種類によって異なります。構造が複雑なものほど料金も高くなるので注意が必要です。
各種類におけるオーバーホールの基本料金の目安は以下のとおりです。
<基本料金(税別)>
時計の種類 | 料金(スイスフラン) | 料金(円) |
---|---|---|
クォーツ | 600 | 10万1,856 |
手巻き | 900 | 15万2,784 |
自動巻き | 1,000 | 16万9,760 |
コンプリケーションⅠ | 1,300 | 22万688 |
コンプリケーションⅡ | 1,800 | 30万5,568 |
コンプリケーションⅢ | 2,300 | 39万448 |
※1スイスフラン=169.76円で換算(2024/9/5時点のレート)
高級ブランド時計は
正常に動くうちに売却するのも
選択肢の一つ
このように、パテック フィリップのオーバーホールを正規サービスセンターで依頼する場合、まとまった費用が必要になります。
そのため、オーバーホールのタイミング前に手放すのも一つの手です。
不具合があると査定額が下がる可能性もあるため、正常に動くうちに売却を検討する事をおすすめします。
パテック フィリップの
買い取りは「おたからや」を
ご利用ください
「おたからや」は、日本全国に1,500店舗以上展開する、ブランド時計の買取専門店です。パテック フィリップの高価買取実績も豊富にあり、相場を反映させた適正価格での買取が可能です。
なお、パテック フィリップをはじめとするブランド時計を売却する前に、オーバーホールや修理を依頼するのはおすすめできません。オーバーホールなどにかかった費用以上に査定額が上がるとは限らないためです。
また、アンティークモデルの場合、部品交換でかえって価値が下がるおそれもあります。
おたからやでは「オーバーホールや修理が必要かもしれない」という腕時計の査定も受け付けています。ブランド時計のオーバーホールをすべきか迷っている方は、まずおたからやにご相談ください。
まとめ
パテック フィリップのオーバーホールは、5年を目安に行なうのが良いとされています。
オーバーホールを含むフル・メンテナンスは正規サービスセンターで受けられますが、オーバーホール自体は腕時計修理専門店でも依頼可能です。ただし、正規店のように2年間の保証は付かない点に注意しましょう。
おたからやではパテック フィリップの腕時計を高価買取しています。オーバーホールをする前にぜひ、おたからやにご相談ください。
おたからやの時計買取
査定員の紹介
木村 査定員

-
趣味
ギター・音楽鑑賞
-
好きな言葉
有言実行
-
好きなブランド
ロレックス
-
過去の買取品例
高級時計全般
おたからやでは毎日数千点の時計の査定をしております。現在、おたからやは海外にも販路を持っており、世界基準での査定が可能になっています。現在は円安のため海外に販売することで従来よりも高値でお買取をすることができます。お客様に満足していただける自信がありますので是非おたからやをご利用ください。 おたからやでは、動かなくなった時計や、部品のみになってしまったものでも買取が可能です。実際壊れてしまった時計であっても100万円以上で買取できることは度々ございます。気になるものがございましたら一度ご相談ください。
その他の査定員紹介はこちら