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キンバリープロセス(Kimberley Process)は、紛争ダイヤモンドの流通を防ぐために制定された国際的な制度です。紛争ダイヤモンド(コンフリクトダイヤモンド)とは、内戦や紛争の資金源として違法に取引されるダイヤモンドを指し、その撲滅は国際社会の課題となってきました。
こうした背景を受けてキンバリープロセスが2003年から導入され、各国が協力して紛争ダイヤモンドの排除に取り組んでいます。日本も制度発足時からこの取り組みに参加しています。本記事では、キンバリープロセスの概要と仕組み、日本でダイヤモンドを購入・売却する際の注意点について解説します。
Contents
- キンバリープロセスとは?
- 制度の基本構造
- キンバリープロセスの対象外になりやすいケース
- 消費者が誤解しやすいポイント
- ラボグロウンがキンバリープロセスの対象外である理由
- 日本でダイヤモンドを購入するときのポイント
- キンバリープロセスに関するよくある質問
- Q. キンバリープロセスは研磨済み(カット済み)ダイヤにも適用されますか?
- Q. 鑑定書(GIA、中央宝石研究所など)とKPCは何が違いますか?
- Q. 中古で購入したダイヤの出自は後から証明できますか?
- Q. ラボグロウンダイヤはキンバリープロセスの対象ですか?
- Q. 参加国からのダイヤでもコンフリクト品が混入する可能性はありますか?
- Q. 「コンフリクトフリー」表示の法的根拠や基準はありますか?
- Q. 個人輸入・持ち込みの際、KPCは必要になりますか?
- Q. メレダイヤやルースの小粒石にもKPCは付くのでしょうか?
- Q. RJC(Responsible Jewellery Council)認証とKPCSはどう違いますか?
- Q. 査定にKPCがなくても買取は可能ですか?
- まとめ
- 「おたからや」での「ダイヤモンド」の参考買取価格
- ダイヤモンドの買取なら「おたからや」
キンバリープロセスとは?

まず、キンバリープロセスがどのような制度で、何のために導入されたのかを押さえておきましょう。
キンバリープロセス(Kimberley Process)とは
キンバリープロセスとは、紛争ダイヤモンドを市場から締め出すための国際的な認証制度です。参加国がダイヤモンド原石を輸出入する際に、原産地証明書(キンバリー・プロセス証明書)の添付を義務づける仕組みで、ダイヤモンドが内戦の資金に使われないようにする目的で2003年に開始されました。
この制度は国連の支持のもとに策定され、日本を含む主要なダイヤモンド生産国・消費国が幅広く参加しています。現在では約85か国・地域が参加し、世界のダイヤモンド生産の99%以上がこの制度の管理下にあります。
ダイヤモンドの非合法な取引が紛争地の採掘現場で行われている
紛争ダイヤモンド(「血塗られたダイヤモンド」「ブラッドダイヤモンド」とも呼ばれます)の問題は1990年代に深刻化し、国際社会で大きな懸念となりました。シエラレオネやアンゴラ、コンゴ民主共和国などでは反政府武装勢力がダイヤモンド鉱山を違法に掌握し、その輸出益を武器購入に充てて紛争を長期化・泥沼化させたのです。
ダイヤ採掘には少年兵を含む子どもや住民が強制労働させられ、虐待や暴力といった深刻な人権侵害も生じました。実際、1990年代末には世界に流通するダイヤモンドの約4%が紛争ダイヤだったとのデータもあります。
ルールの遵守で非合法取引を排除
キンバリープロセスでは、各参加国が厳格なルールを遵守することで紛争ダイヤモンドの流通を断ち切りました。たとえば、輸出国はダイヤモンド原石が紛争に関与しないものであることを示す政府証明書(KPC)を発行して輸出に添付し、貨物は他の原石が混入できないよう密封容器で輸送されます。
さらに輸出先も参加国に限られ、非参加国との取引は禁止されました。この徹底により紛争ダイヤの市場流入は大幅に抑え込まれ、現在流通するダイヤモンドのほぼ全てがコンフリクトフリーと言える状況が実現しています。
- おたからや査定員のコメント
キンバリープロセスは原産地証明書と密封輸送を義務づけ、85超の参加国が相互監視で紛争ダイヤを締め出しています。ただし対象は原石段階のみで、研磨後の再輸出や小売流通は各国ガイドライン頼みという課題もあります。
証明書番号の一貫性、封印容器の破損有無、税関印の整合性をチェックすると信頼度を高められるでしょう。制度補完のための技術連携が今後の鍵です。

制度の基本構造

ここでは、キンバリープロセス認証制度の基本構造として押さえておきたい4つのポイントを順に解説します。
ダイヤモンド原石の取引時に発行・添付される政府証明書(KPC)の役割、輸送時に施されるタンパーエビデント(改ざん防止)梱包、参加国同士の輸出入フロー、そしてトレーサビリティ(追跡)記録と監査の体制です。これらを理解することで、制度の全体像が明確になるでしょう。
政府証明(KPC)の役割と必須項目
キンバリープロセス証明書(KPC、原産地証明書)は、ダイヤモンド原石が紛争に関与しないことを政府が証明する公式書類です。輸出国の当局が発行し、原石輸出時に必ず添付されます。
証明書にはダイヤモンドの原産国(採掘国)、採掘業者または輸出業者の情報、重量(カラット数)、発行日と発行機関などが記載されています。また偽造防止のため、シリアルナンバーや透かし、ホログラムなどの技術が施され、特殊な用紙が使われるなどセキュリティ対策は厳重です。
タンパーエビデント梱包の運用
輸出されるダイヤモンド原石は、証明書を添付するだけでなく、輸送中に他の原石が紛れ込まないようタンパーエビデント(改ざん防止)仕様の密封容器で厳重に梱包されます。容器には封印が施され、途中で開封や差し替えが行われれば一目で分かる仕組みです。
輸入側の税関でも容器の封印が無傷であることが確認され、初めて通関が許可されます。この梱包方式もキンバリープロセスの義務の1つであり、封印確認により内容物の信頼性が担保されます。こうした対策により、輸送途中でのすり替えや紛争ダイヤモンドの混入が強力に防止されているのです。
参加国間の輸出入フロー
キンバリープロセスではダイヤモンド原石の取引相手も参加国に限定されています。非参加国との間では原石の輸出入は認められず、非参加国で産出されたダイヤモンドは参加国では輸入が禁止されます。参加各国はこうした取り決めを国内法に組み込み、税関で証明書と密封梱包の確認を行ったうえで通関を許可するのです。日本でも証明書の無い原石は輸入できません。
このように取引相手を参加国間に限定することで、紛争ダイヤモンドが国際市場に流入することを防いでいます。
トレーサビリティ記録と監査の基本
参加各国は輸出入したダイヤモンド原石のデータを詳細に記録し、定期的に統計を報告しています。これらの統計データは全参加国間で共有され、世界の生産量と取引量が透明化されています。取引ごとの証明書番号や原石の重量などが管理され、輸出側と輸入側の記録を突き合わせることで不整合がないか検証が可能です。
またキンバリープロセスでは、各参加国による年次報告や相互のレビュー(監査)が実施され、制度の運用状況がチェックされています。このようなトレーサビリティ(追跡可能性)と監査の仕組みにより、紛争ダイヤモンドの混入がないか国際的に監視し続けているのです。
キンバリープロセスの対象外になりやすいケース

ここからは、キンバリープロセスの対象外となりやすいケースについて説明します。
一度正規に輸入され国内で流通しているダイヤモンドや、中古市場での個人間売買、製品にあしらわれる小粒なメレダイヤなどは、キンバリープロセスの直接の対象とはならない場合があります。そうしたケースで何が起こるのか、注意すべき点を確認しましょう。
一度正規に輸入され国内で流通している
ダイヤモンドが一度証明書付きで正規に輸入され国内に出回った後は、国内流通段階ではキンバリープロセスの枠外となります。輸入時に紛争ダイヤではないことは保証されていますが、その後の国内取引ではKPC(証明書)の提示義務もなく、キンバリープロセスによる追跡や証明書の付与は行われません。
このため、消費者が国内でダイヤを購入する際にKPCを見ることはなく、紛争ダイヤではないことの証明は輸入時点で担保されています。
中古市場で個人間売買されている
中古市場で個人間売買されているダイヤモンドも、キンバリープロセスの対象外です。たとえば、個人が所有していたダイヤをリサイクルショップやネット経由で別の個人に売却する場合、当然ながらKPCが付いてくることはありません。
一度市場に出たダイヤは、後から紛争ダイヤでないことを証明する公式な手段はなく、キンバリープロセスで遡って証明書を発行することもできません。キンバリープロセス証明書は、原石取引段階のみで発行されるからです。そのため、中古で流通するダイヤモンドの出所や履歴は、信頼できる業者の鑑定や販売者の申告に頼るほかありません。
メインの宝石の周りに多数あしらわれている
指輪やネックレスなどで大きなメイン石の周囲に多数の小粒(メレ)ダイヤモンドがあしらわれている場合、それらに対して個別にキンバリープロセス証明書が付与されることはありません。
メレダイヤは原石段階では他のダイヤとまとめて輸入され、一括の証明書で扱われるケースも多く、研磨・加工された後は単体ではトレーサビリティが及びません。完成した製品として市場に出る時点では、こうした小粒石に対するコンフリクトフリーの証明書は存在せず、消費者に提供される情報も主に品質(カラーやクラリティなど)のみとなります。
消費者が誤解しやすいポイント

次に、キンバリープロセスに関して消費者が誤解しやすいポイントを見てみましょう。
キンバリープロセスはあくまで「紛争に関わらないこと」を証明する制度であり、決して「ダイヤモンドの品質」や「具体的な産地」を保証するものではありません。製品に表示される「コンフリクトフリー」という言葉の意味と、その限界について、解説します。
コンフリクト対策であって品質保証ではない
キンバリープロセスは紛争に関与しないことを証明する制度であり、ダイヤモンドそのものの品質(カラー、クラリティ、カットなど)を保証するものではありません。混同しがちですが、KPC自体に鑑定書のような役割はなく、あくまで倫理的な出自の証明です。
極端な話、品質の低いダイヤであっても紛争と無関係ならKPCは発行されますし、逆に最高品質でも紛争ダイヤであればKPCは付きません。したがって、KPCが付いているからといってダイヤのグレードや価値が保証されているわけではありません。品質評価は別途、GIAや中央宝石研究所などの鑑定書によって行われます。
適用は原石段階に限定される
キンバリー・プロセス証明制度はダイヤモンド原石の取引時にのみ発行されるもので、カット・研磨済みのダイヤモンドには適用されません。そのため、小売店で販売される研磨済みのダイヤモンド(製品)にキンバリープロセスの証明書が付属することはなく、消費者が購入時に目にすることはありません。
また、原石から研磨されたダイヤモンドが取引所や市場に流通した段階では、それが紛争ダイヤかどうかキンバリープロセスでは確認できなくなります。このように、制度の適用範囲は原石段階に限定され、製品段階には及ばない点に注意が必要です。
産地表示の限界
キンバリープロセス証明書には原産国が記載されますが、それ以上の詳細な産地(どの鉱山で採れたか等)までは保証されません。多くのダイヤモンドは研磨・流通の過程で複数の業者を経て混合されるため、特定の鉱山や地域を突き止めることは困難です。
そのため、店頭で「○○産のダイヤモンド」と表示されていても、それは国レベルの産地やブランド独自の保証によるものであり、キンバリープロセス自体がそこまでの追跡情報を提供するわけではありません。産地表示には限界があり、コンフリクトフリーであっても採掘場所の細部までは保証されない点に留意しましょう。
コンフリクトフリー表示の意味と注意点
製品に「コンフリクトフリー」と表示されている場合、そのダイヤモンドがキンバリープロセス等を通じて紛争に関与しない経路で調達されたことを示しています。しかし、これはダイヤモンドの品質やその他の倫理的側面(児童労働の有無や環境への配慮など)を保証するものではありません。
「コンフリクトフリー」という表現自体に公的な基準はなく、各販売者が独自に使用している用語です。そのため、コンフリクトフリーと書かれていても、それ以上の人権や環境面の配慮が保証されているとは限らず、消費者はその点を理解しておく必要があります。
ラボグロウンがキンバリープロセスの対象外である理由

近年注目を集める、ラボグロウンダイヤモンドは研究所で人工的に生成され、天然と同じ物理特性を持つラボグロウンダイヤは、なぜキンバリープロセスの対象外となっているのか説明します。
ラボグロウンダイヤモンドは紛争地域での採掘を伴わず出自が明確である点が特徴です。それは、キンバリープロセスの規制対象である「天然ダイヤモンド原石」に該当しないためです。
紛争地域の「採掘」を伴わずに出自が明確なため
ラボグロウンダイヤモンドは、研究所の装置内で人工的に生成されたダイヤモンドで、紛争地域での採掘行為を伴いません。そのため出自が最初から明確であり、それが紛争にまったく関係していないことは自明です。
実際、こうした人工ダイヤモンドは人権侵害や環境破壊とも無縁な「エシカルなダイヤモンド」として評価されており、紛争リスクがゼロである点で極めて出自がクリーンだと言えます。採掘によって生じる武装勢力への資金流用の心配が皆無であるため、キンバリープロセスの本来の目的(紛争ダイヤの排除)を天然ダイヤと比べて容易に満たしているのです。
規制対象である「天然ダイヤモンド原石」に該当しない
キンバリープロセス証明制度は法律上「天然のダイヤモンド原石」(採掘された未研磨ダイヤ)を対象としています。ラボグロウンダイヤモンドは人工的に作られたもので天然の原石ではないため、この制度の規制対象そのものに含まれません。
たとえば日本の外為法でも、キンバリープロセス証明書を要するのは天然原石のみで、ラボグロウンなど人工宝石は対象外とされています。制度策定当初より、人工ダイヤモンドは紛争に関与しないと見なされ、制度の範囲外となっています。要するに、ラボグロウンダイヤは制度が想定する紛争ダイヤの範囲外であり、キンバリープロセスの証明書も必要ないのです。
研究所という出自が明確で、紛争と無関係であることが証明できるため
ラボグロウンダイヤモンドは、どの研究所で人工生成されたかという出自がはっきりしています。製造元から発行される証明書などでその由来を示すことも容易であり、紛争とは無関係であることを証明できます。採掘を伴わないため、武装勢力への資金流用リスクが皆無なダイヤモンドと言えます。
実際、ラボグロウンダイヤには人工石であることを示す鑑定レポートやレーザー刻印が付される場合もあり、消費者も出所を把握しやすいです。このように生産履歴が明確なため、ラボグロウンダイヤモンドは初めから「コンフリクトフリー」であると見なされ、キンバリープロセスによる追加の認証を必要としません。
日本でダイヤモンドを購入するときのポイント

ダイヤモンドは高価な買い物ですから、購入前にいくつかの点を確認しておくことが大切です。ここでは、日本国内でダイヤモンドを購入する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
信頼できる販売店かどうか、「コンフリクトフリー」である旨の表記やポリシーの有無、鑑定書の付属、購入後の保証・アフターサービスなど、安心して購入するためのチェックポイントを見ていきましょう。
信頼できる販売店であることを確認する
まず、購入しようとしている販売店が信頼できるかを確認しましょう。長年の実績がある専門店や、ダイヤモンドの知識が豊富なスタッフがいる店舗なら安心感が高まります。公式サイトの会社情報や利用者の口コミも参考になります。
業界団体への加盟状況や、宝石鑑定士(GIAのG.G.資格の保有など)の在籍も信頼性の指標です。また、会社の所在地や連絡先が明確であること、返品・交換やアフターサービスに関するポリシーがきちんと示されていることも重要なチェックポイントです。信頼できる販売店であれば、コンフリクトフリーへの取り組みや品質保証についてもしっかり説明してくれるでしょう。
「コンフリクトフリー」であることの言及やポリシーの有無
購入時には、その販売店がダイヤモンドの「コンフリクトフリー」について言及し、ポリシーを公表しているかを確認しましょう。公式サイトや商品説明に「当店のダイヤモンドは紛争ダイヤモンドではありません」等の記載や、キンバリープロセス証明制度への言及があれば安心材料となります。
逆にそうした記載がまったく無い場合、気になる方は販売員に確認してみると良いでしょう。現在、多くのジュエリーブランドがコンフリクトフリー方針を打ち出しています。特に高額な買い物では、倫理面の表明がある店を選ぶことをおすすめします。
GIAなどの信頼性が高い鑑定書が付属しているか
購入予定のダイヤモンドに信頼性の高い鑑定書が付属しているかも重要なポイントです。鑑定書とは、そのダイヤモンドの品質(カラー、クラリティ、カット、カラットの4Cなど)を専門機関が評価した報告書のことです。国際的に権威あるGIA(米国宝石学会)や、日本の中央宝石研究所などが発行する鑑定書であれば信頼度が高いでしょう。
鑑定書が付いていればダイヤモンドの品質や本物であることが保証され、購入後の資産価値の裏付けにもなります。逆に、高額にもかかわらず鑑定書が無い場合は、事前に発行の可否を確認することをおすすめします。
購入後の保証やアフターサービスのチェック
最後に、購入後の保証内容やアフターサービスも確認しましょう。購入したダイヤモンドやリングに対して、サイズ直しやクリーニング、石の緩みの点検・修理などのメンテナンスサービスが付いているか、保証期間が設けられているかは重要なポイントです。
店舗によってはクリーニングを無料で行う永久保証やリフォーム割引などの特典を設けている場合もあります。特に高価なダイヤほど購入後も定期的なケアが必要になるため、そうしたサポートがしっかりしている店を選ぶと安心です。また、万一鑑定書に記載された品質と実物に相違があった場合の対応や、下取り・買い替えサポートの有無についても確認しておくと良いでしょう。
キンバリープロセスに関するよくある質問

最後に、キンバリープロセスに関してよく寄せられる質問とその回答を紹介します。
研磨済みダイヤモンドへの適用範囲から、鑑定書との違い、中古品の出自証明、ラボグロウンダイヤの扱い、「コンフリクトフリー」表示の基準、個人輸入時の手続きや小粒ダイヤへの証明書の有無、RJC認証との違い、買取時にKPCが無い場合の対応など、Q &A形式で確認しましょう。
Q. キンバリープロセスは研磨済み(カット済み)ダイヤにも適用されますか?
いいえ、適用されません。キンバリープロセス証明書はあくまでダイヤモンドの原石取引に発行されるもので、カット・研磨済みのダイヤモンドには適用されない制度です。
製品段階では証明書は付かず、紛争フリーかどうかは原石段階で担保されています。
Q. 鑑定書(GIA、中央宝石研究所など)とKPCは何が違いますか?
鑑定書はダイヤモンドの品質(カラー、クラリティ、カット、カラットなど)を評価・証明する書類です。
一方、KPC(キンバリープロセス証明書)はそのダイヤが紛争に関与しない経路で取引されたことを証明するもので、品質評価の情報は含まれません。目的が全く異なる別物です。
Q. 中古で購入したダイヤの出自は後から証明できますか?
基本的に証明できません。一度市場に出た研磨済みダイヤについて、後からキンバリープロセスのような公式な証明書を発行することはできません。
紛争ダイヤでない証明は輸入時に完了しており、中古で流通した段階では出自を遡る公的手段が無いのが現状です。
Q. ラボグロウンダイヤはキンバリープロセスの対象ですか?
いいえ、対象外です。
キンバリープロセスは天然のダイヤモンド原石を想定した制度です。ラボグロウンダイヤのように人工的に作られたダイヤモンドは、初めから紛争と無関係なため、制度上も証明書の発行対象になっていません。
Q. 参加国からのダイヤでもコンフリクト品が混入する可能性はありますか?
完全にゼロとは断言できません。制度の抜け穴や汚職により、稀に紛争ダイヤが紛れ込む可能性も指摘されています。
しかし、現在ではその可能性は極めて低く、参加国からのダイヤであれば基本的にコンフリクトフリーと見なされています。
Q. 「コンフリクトフリー」表示の法的根拠や基準はありますか?
明確な法的基準はありません。「コンフリクトフリー」は各販売者が任意に使用している用語で、公的な認証制度ではないため、法律上の定義や統一基準は存在しません。
一般的にはキンバリープロセス等に則って調達されたダイヤであることを指しますが、表示自体は企業の自己宣言であり、どこまで保証されているかは販売者の信頼性に依存します。
Q. 個人輸入・持ち込みの際、KPCは必要になりますか?
ダイヤモンド原石を海外から個人で輸入する場合にはKPCが必要です。証明書の無い原石は輸入できません。
一方、既に研磨済みのダイヤモンド製品を個人で購入して持ち込む場合にはKPCは不要です。キンバリープロセスは原石のみを対象とするため、海外で購入した指輪などを持ち帰る際に証明書を提示する必要はありません。
Q. メレダイヤやルースの小粒石にもKPCは付くのでしょうか?
小粒のメレダイヤや裸石(ルース)一つひとつにキンバリープロセス証明書が発行されることはありません。
原石輸入時にまとめて証明書の対象になっていても、研磨・流通の段階で個別の証明書は付与されないため、これら小さなダイヤにKPCが付くことは基本的にありません。
Q. RJC(Responsible Jewellery Council)認証とKPCSはどう違いますか?
RJC認証はジュエリー企業向けの倫理的行動規範の国際認証で、サプライチェーン全体の人権や環境配慮などCSRを対象とします。
KPCS(キンバリープロセス証明制度)は国家間で紛争ダイヤモンドを排除するための制度で、対象範囲も目的も異なります。
Q. 査定にKPCがなくても買取は可能ですか?
通常、流通している研磨済みダイヤモンドにはKPC(紛争フリー証明書)は付属していないため、査定や買取の際にKPCの提示を求められることはありません。
買取業者はダイヤモンドの品質や価値を鑑定して価格をつけます。KPCは原石取引時のものなので、手元のダイヤに証明書が無くても問題なく買取は行われます。
まとめ
キンバリープロセスは紛争ダイヤモンドの排除に不可欠な国際制度で、そのおかげで現在市場に出回るダイヤモンドのほとんどはコンフリクトフリーとなっています。ただし、この制度は原石段階のみを対象としており、品質保証や詳細な産地証明までカバーするものではありません。
今後も制度の改善と国際的な協力により、より透明で倫理的なダイヤモンド市場が維持されていくことが期待されます。消費者としてはコンフリクトフリーへの理解を深めつつ、信頼できる店舗で鑑定書付きのダイヤモンドを選ぶことで、安心して美しい宝石を手に入れることができるでしょう。
「おたからや」での「ダイヤモンド」の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「ダイヤモンド」の参考買取価格の一部を紹介します。
| 画像 | モデル名 | 参考買取価格 |
|---|---|---|
![]() |
K18 ダイヤモンド ネックレス 50.554 ct | 3,448,000円 |
![]() |
Pt・Pm900 ダイヤモンド ネックレス 2.016 ct | 2,101,000円 |
![]() |
K18 ダイヤモンド リング 2.636 ct | 1,490,000円 |
![]() |
K18 ダイヤモンド ピアス | 819,000円 |
![]() |
Pt・Pm900 ダイヤモンド ブレスレット/バングル 7.35ct | 689,000円 |
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
ダイヤモンドは4Cのグレードに加え蛍光性・レーザー刻印の有無、枠素材の重量によって数十万円規模で増減します。石そのものに欠けがなく、ブリリアンスを保っていればリフォーム前でも高評価が期待できます。査定前に超音波洗浄で油膜を除去し、輝きを最大化して臨むと提示額が向上しやすいので試してみてください。
- おたからや査定員のコメント
キンバリープロセスで流通ダイヤの大半がコンフリクトフリーとなった一方、研磨後やリサイクル品は制度外にあり抜け道が残ります。
購入時はGIAなど第三者鑑定書と店の仕入れ経路を確認し、CSR方針を尋ねることが安心への近道です。ブロックチェーン管理やAI鑑別が普及すれば、産地情報の透明性はさらに高まり倫理的調達が定着するでしょう。

ダイヤモンドの買取なら「おたからや」
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査定員の紹介
岩松 査定員
-
趣味
旅行、読書
-
好きな言葉
日々是好日
-
好きなブランド
ダイヤモンド・宝石
-
過去の買取品例
10カラットダイヤモンド
-
資格
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