※下記の画像は全てイメージです
「7月の誕生石といえばルビー」と、長らく知られてきました。しかし、2021年12月20日、全国宝石卸商協同組合により63年ぶりに誕生石の改定が行われ、7月の誕生石として新たにスフェーンが加わりました。
スフェーンは、ダイヤモンドを超える分散率を持つ宝石として、その虹のような輝きで注目を集めています。
希少性が高く日本ではまだ認知度が低い宝石ですが、その美しさと特別な輝きから、7月の新たな誕生石として選ばれました。
本記事では、スフェーンがなぜ7月の誕生石になったのかの背景や特徴、ジュエリーとしての選び方まで、詳しく解説していきます。
Contents
スフェーンが7月の誕生石になった経緯
2021年の誕生石改定は、日本のジュエリー業界にとって大きな転換点となりました。なぜスフェーンが新たに7月の誕生石として選ばれたのか、その背景を詳しく見ていきましょう。
2021年の誕生石改定とは
2021年12月20日、全国宝石卸商協同組合は1958年以来、実に63年ぶりとなる誕生石の改定を発表しました。
この改定では、従来の誕生石はそのまま残しつつ、新たに10種類の宝石が追加されることになったのです。
改定の目的は、消費者の選択肢を増やし、より多様な価値観に対応することでした。また、日本独自の文化や美意識を反映させることも重要な要素となっています。7月にはスフェーンが、他の月にもアイオライト、タンザナイト、スピネルなどが新たに加わりました。
この改定により、誕生石を選ぶ楽しみが増え、自分の好みや予算に合わせて宝石を選べるようになったといえるでしょう。
なぜスフェーンが選ばれたのか
スフェーンが7月の誕生石として選ばれた理由には、いくつかの要因があります。まず、その類まれな光学的特性があげられます。スフェーンは分散率が0.051と、ダイヤモンド(0.044)を上回る数値を持っています。
分散率が高いと、光が色ごとに大きく分かれ、ファイア(虹色の輝き)が強く現れるという現象が起こります。
7月の強い日差しの下で、きらめく宝石としてふさわしい輝きを持っているといえるでしょう。また、緑や黄色、オレンジなど多彩な色合いを持つことも、選定の理由の1つです。
さらに、希少性の高さも選定理由として考えられます。宝石質のスフェーンは産出量が限られており、コレクターズアイテムとしても人気があります。新しい誕生石として、特別感のある宝石を選んだという側面もあるでしょう。
日本と海外の誕生石の違い
誕生石は国によって異なることをご存知でしょうか。アメリカでは1912年に制定され、その後、各国で独自の誕生石リストが作られてきました。7月の誕生石を例にとると、日本ではルビーとスフェーンですが、アメリカではルビーのみが正式な誕生石です。
イギリスではルビーとカーネリアンが7月の誕生石とされ、フランスではカーネリアンが選ばれています。
また、一部の国ではアレキサンドライトも7月の誕生石とされることがありますが、日本では6月の誕生石として認定されています。
このような違いは、各国の文化や宝石の入手可能性、歴史的な背景などが影響しています。日本独自の選定として、スフェーンを加えたことは、日本のジュエリー文化の独自性を示すものといえるでしょう。
スフェーンとはどんな宝石?
スフェーンという名前を初めて聞く方も多いかもしれません。この希少な宝石について、その特徴や魅力を詳しく解説していきます。
スフェーンの基本的な特徴
スフェーンは、正式にはチタナイトという鉱物名を持つ宝石です。名前の由来は、ギリシャ語で「くさび」を意味する「sphenos」から来ており、結晶の形がくさび状であることに由来します。
硬度は5から5.5と比較的柔らかく、取り扱いには注意が必要です。比重は3.4から3.6で、屈折率は1.885から2.050と非常に高い値を示します。
スフェーンは複屈折性を持つため、カットされた石を見ると、ファセット(カット面)が二重に見える現象が観察されることがあります。この特性も、スフェーンの魅力の1つといえるでしょう。
産地と希少性
スフェーンの主な産地は、マダガスカルやブラジル、パキスタンにロシア、メキシコなどです。特にマダガスカル産のスフェーンは、鮮やかな緑色と高い透明度で知られており、市場で最も高く評価されています。
宝石として活用できるスフェーンは産出量が非常に限られており、大きなサイズの石は特に希少です。1カラットを超える高品質なスフェーンは、コレクターズアイテムとして高値で取引されることもあります。産出量の少なさから、一般的なジュエリーショップではあまり見かけることがありません。
日本国内では、岐阜県や福島県などでスフェーンの結晶が発見されたことがありますが、宝石質のものはほとんど産出されていません。
そのため、市場に出回るスフェーンのほとんどは海外からの輸入品となっています。
スフェーンの色と輝き
スフェーンの最大の魅力は、その多彩な色合いと強烈な輝きにあります。色は緑と黄緑、黄色にオレンジ、褐色など幅広く、なかでも鮮やかな緑色や黄緑色のものが最も人気があります。
特徴的なのは、ダイヤモンドを超える分散率による虹色のファイアです。適切にカットされたスフェーンに光が当たると、虹のような輝きが現れます。この現象は、特に無色や淡い色の石で顕著です。
- おたからや査定員のコメント
また、多色性という性質も持っており、見る角度によって色が変化して見えることがあります。緑色のスフェーンでも、角度を変えると黄色みを帯びたり、褐色がかって見えたりすることがあるのです。
7月の誕生石スフェーンの意味や効果とは
宝石には古来より様々な意味や効果が語り継がれてきました。スフェーンにはどのような意味があるとされているのか、詳しく見ていきましょう。
スフェーンが持つ意味
スフェーンは「成功」「才能開花」「希望」の象徴とされています。その強い輝きから、持ち主の内なる才能を引き出し、成功へと導く石として信じられてきました。また、虹のような多彩な輝きは、人生の可能性の広がりを表すともいわれています。
7月の誕生石として、夏の太陽のような明るさと活力を象徴する宝石ともされています。緑色のスフェーンは成長と繁栄を、黄色のスフェーンは知性と創造性を表すと解釈されることもあります。
このようにスフェーンは、新しいことに挑戦する後押しや、目標に向かう前向きな力を与えてくれる石として、多くの人に親しまれているのです。
また、スフェーンは「永遠の愛」の象徴ともされ、パートナーとの絆を深める宝石としても知られています。
スフェーンの効果や言い伝え
スフェーンには様々な効果があると言い伝えられています。精神面では、ポジティブな思考を促し、自信を高める効果があるとされています。創造力や直感力を高め、新しいアイデアを生み出す手助けをしてくれるともいわれています。
また、コミュニケーション能力を向上させ、人間関係を円滑にする効果があるという言い伝えもあります。ビジネスシーンでは、交渉力を高め、成功へと導く守護石として身に着ける人もいるようです。感情面では、心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があるとも信じられています。
ただし、これらの効果については科学的な根拠は確認されていません。宝石の持つ効果は、あくまでも伝統的な言い伝えや個人の信念に基づくものであり、科学的に証明されたものではないことを理解しておくことが大切です。
スフェーンの美しさを楽しみながら、お守りのような気持ちで身に着けるのがよいでしょう。
スフェーンジュエリーの種類と選び方
スフェーンを使用したジュエリーには様々な種類があります。それぞれの特徴と選び方のポイントを詳しく解説します。
スフェーンの指輪
スフェーンの指輪は、その輝きを最も楽しめるジュエリーの1つです。エンゲージリングとして選ぶ方も増えており、個性的で特別感のある婚約指輪として注目されています。ただし、硬度が5から5.5と比較的柔らかいため、日常使いには注意が必要です。
デザインとしては、石を保護するベゼルセッティング(覆輪留め)がおすすめです。爪留めの場合は、石をしっかりと保護できる6本爪や8本爪のデザインを選ぶとよいでしょう。また、スフェーンの周りにダイヤモンドを配置したヘイロータイプも人気があります。
サイズ選びでは、0.5カラットから1カラット程度が一般的です。大きすぎると破損のリスクが高まるため、日常使いを考えるなら1カラット以下がおすすめです。
スフェーンのネックレス
ネックレスは、スフェーンを安全に身に着けられるジュエリーとして人気があります。胸元で揺れるたびに輝き、美しい虹色の光を放ちます。ペンダントトップのデザインは、シンプルな一粒タイプから、装飾的なデザインまで様々です。
チェーンの長さは、40cmから45cmが一般的で、服装や体型に合わせて選ぶことが大切です。
スフェーンの色を引き立てるため、地金はホワイトゴールドやプラチナがおすすめですが、温かみのある黄緑色のスフェーンにはイエローゴールドも良く似合います。
7月の誕生石ネックレスとして、スフェーンとルビーを組み合わせたデザインも人気があります。2つの誕生石が調和したデザインは、7月生まれの方への特別なプレゼントとして喜ばれるでしょう。
スフェーンのピアス・イヤリング
ピアスやイヤリングは、顔周りを華やかに彩るアイテムとして人気があります。スフェーンの輝きが顔の近くできらめき、表情を明るく見せてくれる効果があります。デザインは、シンプルなスタッドタイプから、揺れるドロップタイプまで幅広く展開されています。
スタッドピアスは、0.3カラットから0.5カラット程度の小粒なスフェーンが使われることが多く、日常使いしやすいデザインです。ドロップタイプやフープタイプは、動きに合わせてファイアが輝くため、パーティーシーンなどで注目を集めるアイテムとなります。
イヤリングの場合は、クリップ式やネジ式など、耳に優しい金具を選ぶことが大切です。スフェーンは比較的軽い宝石なので、長い時間身に着けていても負担が少ないのも魅力です。
スフェーンの品質と価値の見分け方
スフェーンを購入する際には、品質を見極めることが重要です。価値を決める要素や選び方のポイントを詳しく解説します。
品質を決める要素
スフェーンの品質は、色や透明度、カット、サイズの4つの要素で決まります。最も重要なのは色で、鮮やかな緑色や黄緑色のものが最高級とされています。
鮮やかな緑色でクロムを含むスフェーンは「クロムスフェーン」と呼ばれ、一般的なスフェーンよりも希少性と価値が高いと評価されています。このタイプは深みのある美しいグリーンが特徴で、コレクターや宝石専門家の間でも高く評価されています。
透明度も重要な要素です。インクルージョン(内包物)が少なく、透明度の高いものほど価値が上がります。ただし、スフェーンは性質上、無傷のものは非常に稀で、わずかなインクルージョンは許容範囲とされることが多いです。
カットの良し悪しは、スフェーンの輝きを最大限に引き出すために重要です。適切な角度でカットされたスフェーンは、強いファイアを放ちます。一般的にはブリリアントカット、オーバルカット、クッションカットなどが採用されています。
購入時の注意点
スフェーンを購入する際は、信頼できる宝石店を選ぶことが最も重要です。希少な宝石であるため、偽物や処理石が出回ることもあります。
鑑別書の有無を確認し、できれば第三者機関の鑑別書が付いているものを選びましょう。
硬度が低いことを理解した上で購入することも大切です。日常的に身に着ける場合は、ぶつけたり落としたりしないよう注意が必要です。
特にリングとして購入する場合は、保護的なセッティングのものを選ぶことをおすすめします。
価格については、品質やサイズによって大きく異なります。1カラットの高品質なスフェーンで5万円から15万円程度が相場ですが、特に品質の高いものは20万円を超えることもあるでしょう。
予算と品質のバランスを考えて選ぶことが大切です。
7月の誕生石スフェーンのギフトとしての魅力とは
7月生まれの方へのプレゼントとして、スフェーンは特別な意味を持つギフトとなります。贈り物としての選び方やおすすめアイテムをご紹介します。
7月生まれへのプレゼント選び
7月生まれの方へスフェーンを贈る際は、相手の好みやライフスタイルを考慮することが大切です。
アクティブな方には、安全性の高いネックレスやピアスがおすすめです。一方、ジュエリーを大切に扱える方なら、指輪も素敵な選択肢となるでしょう。
誕生日プレゼントとしては、誕生石であることを強調したデザインがおすすめです。
例えば、7月を表す「7」のモチーフと組み合わせたデザインや、誕生花のユリと組み合わせたデザインなど、特別感のあるジュエリーが喜ばれます。
カラー選びでは、相手の普段のファッションを参考にしましょう。
グリーン系のスフェーンは、ナチュラルな雰囲気の方に、イエロー系は明るく活発な印象の方によく似合います。
誕生石の意味を添えたメッセージカードを付けると、より心のこもったプレゼントになるでしょう。
記念日や特別な日の贈り物
結婚記念日や付き合った記念日など、特別な日の贈り物としてもスフェーンは人気があります。「永遠の愛」の象徴とされるスフェーンは、パートナーへの愛情を表現するのにふさわしい宝石です。
結婚7周年の記念日には、「7」にちなんで7月の誕生石であるスフェーンを贈るのも素敵なアイデアです。ペアで身に着けられるデザインや、お揃いのモチーフを選ぶことで、二人の絆をより深めることができるでしょう。
成人式や就職祝い、昇進祝いなど、人生の節目の贈り物としても適しています。「成功」や「才能開花」の意味を持つスフェーンは、新しいスタートを切る方へ応援の気持ちを込めたギフトとなることでしょう。
予算別おすすめアイテム
予算3万円以下なら、小粒のスフェーンを使用したピアスやペンダントがおすすめです。0.3カラット程度のスフェーンでも、十分な輝きを楽しむことができます。シルバーやK10ゴールドの地金を選ぶことで、予算内で素敵なジュエリーが見つかるでしょう。
5万円から10万円の予算では、より大きなスフェーンや、品質の高いものを選ぶことができます。0.5カラットから1カラットのペンダントや、K18ゴールドの地金を使用したピアスなど、長く愛用できる品質のジュエリーが購入可能です。
10万円以上の予算があれば、高品質なスフェーンリングや、複数の石を使用した豪華なデザインも選択肢に入ります。1カラット以上の大粒スフェーンや、ダイヤモンドとの組み合わせなど、特別感のあるジュエリーを選ぶことができるでしょう。
まとめ
スフェーンは、2021年に新たに7月の誕生石として認定された、希少で美しい宝石です。ダイヤモンドを超える分散率による虹のような輝きは、他の宝石にはない特別な魅力を持っています。
7月生まれの方にとって、情熱的なルビーとは異なる、爽やかで神秘的な選択肢として注目されています。
「成功」「才能開花」「希望」の象徴とされるスフェーンは、人生の節目や特別な記念日の贈り物としてもおすすめです。ただし、これらの効果については科学的根拠はなく、あくまでも伝統的な言い伝えとして楽しむものであることを理解しておくことが大切です。
硬度が低いという特性を持つため、取り扱いには注意が必要ですが、適切にケアすることで長く美しさを保つことができます。
7月生まれの方はもちろん、特別な輝きを持つジュエリーを探している方にとって、スフェーンは魅力的な選択肢となるでしょう。
- 関連記事はこちら
・7月の誕生石ルビーの意味や石言葉とは?贈り物に選ばれる理由とジュエリーの魅力を解説
「おたからや」での「スフェーン」の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「スフェーン」の参考買取価格の一部をご紹介します。
画像 | モデル名 | 参考買取価格 |
---|---|---|
![]() |
スフェーン ダイヤ リング 14.5ct | 287,100円 |
![]() |
スフェーン ダイヤ リング 7.2ct | 174,900円 |
![]() |
スフェーン ダイヤ ネックレス 6.1ct | 160,600円 |
![]() |
スフェーン ダイヤ リング 5.1ct | 144,100円 |
![]() |
スフェーン ダイヤ リング 3.5ct | 127,600円 |
スフェーンの買取価格は、色合いや透明度、テリ(輝き)に加え、サイズやカットの精度によっても大きく変わります。特に、1カラット以上で鮮やかなグリーンやゴールド系の色味を持つスフェーンは、評価が安定しやすい傾向にあります。
「おたからや」では、GIA(米国宝石学会)の認定資格を持つ査定士が在籍しており、ディスパーション(虹色の輝き)やインクルージョンの状態、カットの仕上がりまで丁寧に確認しています。
肉眼では見落とされやすい細かな特徴も、専門的な視点から正確に評価いたします。希少石の価値をしっかりと見極めますので、安心してご相談ください。
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格は変動しますので、詳細はお問い合わせください。
- おたからや査定員のコメント
「おたからや」では、スフェーンのリングやネックレス、イヤリング、ルースなど幅広いアイテムを対象に査定を行っております。スフェーン特有の強いファイア(虹色の輝き)や色合い、透明度、カットの美しさ、さらに保存状態や市場相場まで丁寧に見極め、適正な価格をご提示いたします。
ご不要になったスフェーンジュエリーやルースも、新たな価値へとつなげられるよう、誠意をもってご対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。
スフェーンの買取なら「おたからや」
スフェーンは、色の鮮やかさや光の分散の強さによって評価が大きく変わる宝石です。
「おたからや」では、豊富な宝石買取の実績を持つ鑑定士が在籍しており、市場相場と国際的な評価基準をふまえた適正な査定を行っています。鑑別書がないルース(裸石)や、小さなサイズのジュエリーでも問題ありません。確かな目で大切なお品物の価値を見極め、しっかりと評価いたします。スフェーンの状態を問わず、ぜひお気軽にご相談ください。
おたからやの宝石買取
査定員の紹介
岩松 査定員

-
趣味
旅行、読書
-
好きな言葉
日々是好日
-
好きなブランド
ダイヤモンド・宝石
-
過去の買取品例
10カラットダイヤモンド
-
資格
GIA G.G.取得
おたからやでは毎日大小合わせて約数百点の宝石を査定しております。宝石はダイヤモンドの4Cをはじめとして色や形、重さ蛍光性など様々な要素で評価額が大きく変わります。おたからやは自社でオークションを行っており、日々の宝石の需要に敏感に対応することができます。 査定に関してもプロのスタッフやダイヤモンドテスターなどの専門の査定具を完備しているため、全国の店舗ですぐに正確な査定が可能です。 気になるお品物がございましたら是非おたからやをご利用ください。
その他の査定員紹介はこちら