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カラーダイヤモンドは、非常に希少な宝石であり、場合によっては数億円〜数十億円という驚くような価格が付くこともあります。
この特別なダイヤモンドは、通常のダイヤモンドとは異なる基準で評価されます。
また、ピンク、ブルー、シャンパンカラーなど、色合いによって価値に大きな差が生じる点もカラーダイヤモンドの特徴のひとつです。
この記事では、この希少で高額なカラーダイヤモンドについて詳しく解説し、種類や価値を判断する方法についてもわかりやすくご説明します。
カラーダイヤモンドの正しい評価基準を知りたい方にとって、役立つ情報をお届けしますので、是非最後までご覧ください。
カラーダイヤモンドとは?

カラーダイヤモンドとは、色が付いたダイヤモンドのことで、正式には「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれます。
カラーダイヤモンドの中で特によく知られているのはピンクですが、レッド、ブルー、グリーン、シャンパンカラーなど、多彩な色があります。
実際、ダイヤモンドにはほぼ全ての色が存在しますが、その多くは非常に希少で、産出されることはごく稀です。
一部には比較的入手しやすい色もありますが、通常のダイヤモンドとは異なる価値基準で評価されるため、その査定方法はやや複雑です。
この奥深いカラーダイヤモンドを正しく理解するために、まず基本的な知識から詳しく解説していきます。
カラーダイヤモンドの定義
一般的に、カラーダイヤモンドとは次のように定義されます。
「イエロー系、ブラウン系ダイヤモンドのうちZカラーより濃いもの」または「イエロー系、ブラウン系以外で、ダイヤモンドの正面(フェースアップ)から色彩が確認できるもの」が該当します。
さらに専門的に言えば、カラーダイヤモンドとは「カラー評価で色名が付けられているダイヤモンドのうち、カットグレードが設定されていないもの」とも定義されます。
カラーダイヤモンドは、非常に希少であるため、原石を無駄なく活用することが重視され、通常のダイヤモンドのように理想的な形状を優先するカットは行われません。
つまり、カットグレードがないことが、カラーダイヤモンドの定義とも言えるのです。
カラーダイヤモンドが生まれる理由
カラーダイヤモンドには、色ごとに異なる着色原因があります。
例えば、ピンクダイヤモンドは結晶構造の歪みによって色づきます。
一方、ブルーダイヤモンドは結晶内にホウ素という不純物が含まれることで青色になります。
その他にも、自然界で放射線照射を受けていたり、特別な元素配列になっていたりする場合に、ダイヤモンドは色づきます。
このように、カラーダイヤモンドが色づく理由は多岐にわたりますが、どのダイヤモンドも簡単に色がつくわけではありません。
特に、イエローやブラウン以外の色は、非常に稀にしか産出されません。
さらに、濃く鮮やかな色合いを持つものは、より一層希少で価値が高いとされています。
カラーダイヤモンドの歴史
カラーダイヤモンドは、人類の歴史上にも数多く登場しています。
特に有名なものは、濃い青色を持つ「ホープダイヤモンド」です。
45.52ctあるインド産のダイヤモンドで、カラーは「ファンシーダーク・グレイッシュ・ブルー」です。
何度も持ち主が変わったダイヤモンドであり、「呪いのダイヤモンド」という伝説もあります。
現在は、アメリカのスミソニアン博物館に展示されています。
また、「ドレスデングリーンダイヤモンド」も大きく美しい色合いのカラーダイヤモンドです。
このカラーダイヤモンドは、41ctのグリーンダイヤモンドで、同色のダイヤモンドの中では世界最大です。
他にも数多くの歴史的なカラーダイヤモンドが存在し、現在でも世界中の博物館などで展示されています。
カラーダイヤモンドの評価基準

カラーダイヤモンドの魅力は、鮮やかな色彩にあります。
通常のダイヤモンドにはない多種多様で個性的な色が、独自の価値を生み出しています。
その評価は通常のダイヤモンドとは異なり、特有の基準に基づいて行われます。
本パートでは、カラーダイヤモンドの評価基準について詳しく解説し、さらに通常のダイヤモンドとの違いや希少価値の高い色についても触れていきます。
カラーの濃度と鮮やかさが重要
通常のダイヤモンドとは異なり、カラーダイヤモンド特有の基準として、「色相」「明度」「彩度」の3つの要素でカラーダイヤモンドの色を判断します。
「色相」とは、ピンクや青といった色の名称のことです。
カラーダイヤモンドの色相は、中間色を含めて27色あります。
そして、各色相は「明度」と「彩度」によって細かく分類されています。
「明度」とは色の明るさを、「彩度」は色の鮮やかさを表します。
カラーダイヤモンドの色評価では、明度と彩度が特に重要であり、その評価は、色相名の前に以下の用語をつけて表します。
- Faint(単体で見たときには色がはっきりと認識できない)
- Very Light(ほんのり色がついている)
- Light(Very Lightより色づいているが、鮮やかさがない)
- Fancy Light(色づいているが、鮮やかさがない)
- Fancy(遠くからでも色が認識でき、鮮やかさがある)
- Fancy Intense(Fancyよりも色が強く出ている)
- Fancy Dark(色は強く出ていて、低い彩度と色調)
- Fancy Deep(Fancy Darkより彩度が高い)
- Fancy Vivid(鮮やかで濃い色)
以上の通り、カラーダイヤモンドの評価はとても複雑です。
上記の用語も単純に下に行くほど価値が高いというわけではありません。
最も評価が高い「Fancy Vivid」は、明度が中程度〜少し暗めであり、彩度の高い色です。
カット、カラット、クラリティの重要性は低い
通常のダイヤモンドは、カット、カラット、クラリティ、カラーの4つの要素(4C)で評価されますが、カラーダイヤモンドの評価で最も重要な要素はカラーです。
そのため、カット、カラット、クラリティは、カラーに比べると重視されません。
例えば、カットがExcellentでクラリティがIFであっても、カラー評価がfaintであればカラーダイヤモンドとしての評価は低いです。
逆に、カットがGoodでクラリティがSI2であっても、Fancy Vividの評価が付けば、カラーダイヤモンドとしては非常に高い評価になります。
もちろん、どの要素も評価が高い方が価値も高まります。
しかし、通常色の範囲のダイヤモンドが4C全体のバランスを見るのに対して、カラーダイヤモンドの場合は、カラーを特に重要視する傾向があります。
特に希少価値の高いカラー
カラーダイヤモンドの中でも、特に希少価値が高いのはレッドダイヤモンドです。
赤色のダイヤモンドは、ピンクダイヤモンドが非常に濃くなったものと考えられており、世界でも数えるほどしか見つかっていません。
さらに、主な産地であったオーストラリアのアーガイル鉱山は、2020年に閉山しているため、今後はさらにレッドダイヤモンドの産出が減ると予測されています。
そのため、現存するレッドダイヤモンドの価値も、今後はさらに高まるでしょう。
1987年にオークションで販売されたレッドダイヤモンド「Hancock Red(ハンコック・レッド)」は、0.95ctというサイズでありながら、当時の日本円で約1億円の値段が付きました。
現在の価値はさらに高まっていますが、当時の価格を見てもレッドダイヤモンドの価値の高さがよくわかります。
- おたからや査定員のコメント
カラーダイヤモンドの評価は、通常のダイヤモンドとは全く異なる基準で行われます。
その希少性は非常に高く、1万個に1個しか見つからないとも言われています。
しかし、カラーダイヤモンドの希少性は色相によっても大きく異なり、レッドとイエローではその価値も大きく異なります。
カラーの評価方法もとても複雑ですので、カラーダイヤモンドの査定は、ダイヤモンドのプロが在籍する「おたからや」へご相談ください。

カラーダイヤモンドの種類と特徴

カラーダイヤモンドには様々な色相がありますが、それらの色相すべてが同じ価値というわけではありません。
レッドのようにあまりにも希少で一般市場には出回らない色もあれば、イエローやブラウンのように数多く流通している色もあります。
ここでは、各色相ごとにカラーダイヤモンドの特徴を紹介していきます。
カラーダイヤモンドの購入や売却を考えている方は、是非以下の項目を参考にしてください。
ピンクダイヤモンド
ピンクダイヤモンドは、カラーダイヤモンドの中でも特に人気が高い色です。
ピンクの着色原因は、ダイヤモンドの結晶構造の歪みによるものと考えられていますが、実際のメカニズムは解明されていません。
ピンクダイヤモンドは、既に閉山したアーガイル鉱山が主要産地であったため、世界的にピンクダイヤモンドの採掘量は減ると考えられます
そのため、今後はますます価値が高まると言われています。
人気の高さと産出量の減少の影響もあり、現在では、様々な方法で人工的に着色されたピンクダイヤモンドも数多く流通しています。
レッドダイヤモンド
最も希少性の高いレッドダイヤモンドは、通常、一般の市場には出回りません。
そのため、博物館や美術展の展示品以外で、天然のレッドダイヤモンドを見る機会はほとんどありません。
もしも、一般向けに販売されているレッドダイヤモンドがあれば、おそらく人工的に着色されたダイヤモンドです。
しかし、例え人工的な色であったとしても、その色を気に入ってジュエリーとして楽しむ分には何の問題もありません。
ブルーダイヤモンド
ブルーダイヤモンドは、ブルーサファイアのような鮮やかな青色ではなく、彩度の低いグレー系の色になるのが一般的です。
濃い青色の代表格でもあるホープダイヤモンドも、彩度はあまり高くありません。
ブルーダイヤモンドの着色原因は、ホウ素が一般的ですが、ごく稀に水素や放射線の暴露によって青色になることもあります。
いずれの着色原因であっても、非常に希少であることには変わりありません。
天然のブルーダイヤモンドは、他のカラーダイヤモンドと同様に、市場ではほとんど流通しない極めて珍しい存在です。
グリーンダイヤモンド
グリーンダイヤモンドは、天然のものでも人工的に着色されたものでも、放射線に晒されることで色がつきます。
そのため、色の起源が天然なのか人工なのかを判断することは、難しい色でもあります。
中には、黄緑色のものや「カメレオンダイヤモンド」と呼ばれるものもあります。
カメレオンダイヤモンドは、常温では彩度の低いグリーンですが、加熱や光を遮断すると鮮やかなイエローに変化します。
この変化は一時的で、すぐに元の緑色に戻るため、カメレオンダイヤモンドと名付けられました。
パープルダイヤモンド
パープルダイヤモンドとは、赤紫色のダイヤモンドのことです。
しかし、純粋なパープルダイヤモンドは産出量が少なく、多くの場合は紫がかったピンクである「パープリッシュピンク」「パープルピンク」として流通しています。
純粋なパープルダイヤモンドとなるためには、色が濃い必要があります。
また、次に紹介するバイオレットダイヤモンドは、同じ紫ですが色相が異なるので、パープルダイヤモンドの範疇に入る石は非常に希少です。
バイオレットダイヤモンド
パープルダイヤモンドと同じ紫色でも、バイオレットダイヤモンドの場合は、青味の強い紫色をしています。
日本語訳すると、パープルもバイオレットも紫色ですが、実際の色を見ると、全く異なる色であることが分かります。
また、両者は着色原因も異なります。パープルが結晶構造の歪みによるものであるのに対して、バイオレットは水素が着色原因であるといわれています。
また、グレー味が強い色の場合は、グレーダイヤモンドとして評価されることもあります。
オレンジダイヤモンド
オレンジダイヤモンドは、まるで燃え盛る炎のような鮮やかな色が魅力のカラーダイヤモンドです。
オレンジダイヤモンドの中でも、純粋な色合いのものは大変希少です。
2013年にクリスティーズのオークションに登場した「ザ・オレンジ」は、15ct近いサイズがある大型のオレンジダイヤモンドでした。
「ファンシービビッドオレンジ」の評価が付いたこのオレンジダイヤモンドは、最終的に40億円以上という価格で落札されています。
イエローダイヤモンド
黄色は、ダイヤモンドとしてはごく一般的な色であるため、イエローダイヤモンドは、ほとんどの場合、通常のダイヤモンドの色味の範囲として判断されます。
しかし、Zカラーを超える非常に色の濃いものは、ファンシーカラーの分類となり高額で売買されます。
特に、上質なイエローダイヤモンドは、「カナリーイエロー」と呼ばれています。
イエローダイヤモンドは産出量が多いため、濃く鮮やかな色のものも一般市場に流通しています。
ブラウンダイヤモンド(シャンパンカラーダイヤモンド)
ブラウンダイヤモンドは、カラーダイヤモンドの中ではイエローに次いで一般的な色です。
その中でも、近年人気が高まったのが、シャンパンカラーと名付けられた薄いブラウンカラーのダイヤモンドです。
カラーダイヤモンドとしては非常に安価で流通しているので、購入しやすい色と言えます。
また、シャンパンカラーより色が濃く、深い色合いのものは、コニャックという名称で販売されています。
こちらも他の色よりは入手しやすいカラーダイヤモンドです。
ブラックダイヤモンド
ブラックダイヤモンドとは、ネックレスやパヴェセッティングに使用される漆黒のダイヤモンドです。
黒色インクルージョンが多数含まれているため、黒く見えるダイヤモンドで、1990年代後半までは需要は殆どありませんでした。
しかし、黒色でありながら、ダイヤモンドらしい輝きを持った石です。
ブラックダイヤモンドは、一般市場にもある程度の流通があるダイヤモンドですが、そのほとんどは人工的な処理による色であり、天然のブラックダイヤモンドはそれほど多くはありません。
グレーダイヤモンド
グレーダイヤモンドは、基本的には不純物として水素が含まれることで色が付いています。
ブラックダイヤモンド、ホワイトダイヤモンド、グレーダイヤモンドは、全て色相がない無彩色のダイヤモンドですが、グレーダイヤモンドの場合は、わずかに青味や紫味を帯びることがあります。
また、グレーダイヤモンドには、ブラックダイヤモンドに近いものやホワイトダイヤモンドに近いものもあり、無彩色のダイヤモンドの中では、最も色のバリエーションが多いです。
ホワイトダイヤモンド
ホワイトダイヤモンドとは、乳白色のダイヤモンドのことです。
全体的にシルキーな印象があり、透明というよりも半透明に近い色に見えます。
ホワイトダイヤモンドの着色原因は、内部の微小なインクルージョンによるものです。
多量に含まれたインクルージョンの影響で、ダイヤモンド内に入った光が乱反射を起こし、乳白色の色になっています。
まるでヴェールに包まれているかのような色であるため、ダイヤモンド特有の強い輝きは抑えられています。
- おたからや査定員のコメント
カラーダイヤモンドは、色によって希少性が異なります。
中には博物館に展示されるような希少なカラーダイヤモンドもあり、そういった色合いは一般市場では流通しません。
しかし、イエローや近年人気が高まっているシャンパンカラーは、比較的手に入れやすい価格帯でも売買されています。
カラーダイヤモンドは色の判断が難しいため、査定に出す場合はダイヤモンドのプロが在籍する「おたからや」にお任せください。

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人工的にダイヤモンドのカラーを変える方法

多くのカラーダイヤモンドは、非常に希少であり、通常は購入できないような価格帯で取引されています。
小さなサイズにも関わらず、何億円もの価格が付く場合も珍しくありません。
しかし、実際の店頭で販売されているカラーダイヤモンドも多くあります。
こういった一般に流通しているカラーダイヤモンドの多くは、人工的に色をつけているダイヤモンドです。
ここでは、人工的にダイヤモンドの色を変える方法を2つご紹介します。
HPHT処理(高温高圧処理)による色の改変
HPHTは、合成ダイヤモンド作成にも使用される技術であり、地球深部の高温高圧条件を再現する方法です。
HPHT処理(高温高圧処理)では、ブラウンのダイヤモンドを無色にしたり、イエロー、グリーン、オレンジ、ピンク、ブルーなどに改変することができます。
どの色になるかは、ダイヤモンドのタイプによっても異なりますが、変化後のダイヤモンドの色は安定しています。
HPHT処理をされた石は、どの色の場合も入念な検査をすれば看破することは可能です。
また、あらかじめ処理された色であることを公表して販売されていることも多いです。
そのような場合は、特別な名称を付けたり、ガードル部分に刻印を入れることで処理石であることを知らせているものもあります。
照射による色の改変
ダイヤモンドは、放射線を照射することで色の改変ができます。
その照射処理では、放射線照射後に熱処理(アニーリング)を合わせて行うこともあります。
熱処理を行う理由は、放射線照射でダメージを受けた原子を修復するためです。
現在では、直線加速装置や原子炉を利用したグリーンダイヤモンドの作成が行われています。
さらに、照射後のアニーリングによって、イエローやオレンジ、ブラウンといった色のダイヤモンドを生み出すことも可能です。
照射では放射線を使用するために、残留放射能というリスクがあると思われがちです。
しかし、通常ダイヤモンドの処理で使用する照射は、半減期が短く、流通する頃には放射性はなくなっているので安心して着用することができます。
- おたからや査定員のコメント
天然のカラーダイヤモンドは、非常に希少であり、多くの場合、数千万円~数十億円という途方もない値段が付きます。
しかし、ダイヤモンドは人工的に色を付けることが可能であり、そういった人工着色のカラーダイヤモンドは数多く流通しています。
ダイヤモンドの色の改変は恒久的であり、決して価値がなくなるわけではありません。
「おたからや」では、カラーダイヤモンドに精通した専門家が、価値を見極めるために厳密なチェックを行っております。
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