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金の産出国トップ10はここ!需要と供給に影響を与える各国の事情とは?

金相場最高値

2020年度版金の産出国トップ10

まずは世界の金の生産量についてです。2020年の金産出量トップ10の国を見てみましょう。

1位 中国 380トン
2位 オーストラリア 320トン
3位 ロシア 300トン
4位 アメリカ 190トン
5位 カナダ 170トン
6位 ガーナ 140トン
7位 インドネシア 170トン
8位 ペルー 120トン
9位 カザフスタン 100トン
10位 メキシコ 100トン

以上が金の生産量トップ10の国です。やはり国土が広い国では金の生産量が多い印象ですね。ペルー、カザフスタン、メキシコなどがランキングされていることに「意外!」という感想を持った方も多いのではないでしょうか。

これまで長らく金の生産量世界1位の座を守ってきたのは南アフリカ共和国です。ところが南アフリカで金の採掘が開始されてから1世紀を経た1990年代には、地表近くにある金の大部分が採掘されてしまいました。今も地下深くには金があることがわかっています。しかし採掘にかかるコストが大きくなり採算が採れないため、2007年にはトップの座を中国にゆずることになりました。その後も南アフリカの生産量は減少していき、2020年には100トン以下に。国別世界のトップ10からも脱落してしまいました。

現在金の生産量世界第1位の中国は広大な国土を持つ国。その中にはまだ未開発の地域がたくさん残っています。新疆ウイグル自治区で超大型金鉱の存在が確認されるなど、中国にとって明るいニュースも報告されています。21世紀に入ると中国の富裕層の割合が急増しました。それに伴って特に宝飾品としての金の価値が高まり、多くの需要が見込まれるようになりました。中国政府は外貨獲得のための有力な手段ともなる金の価値に注目。積極的な採掘を推進した結果、生産量世界第1位に躍り出るようになりました。今後もしばらくは中国の独壇場が続きそうですね。

 

金の生産量の推移とトレンド

金の産出国としての南アフリカが衰退し、中国やロシアが台頭してきたように、金の生産量は年々変化しています。古代エジプトの遺跡から発見されたツタンカーメン王の黄金マスクに象徴されるように、人間は太古の時代から金を採掘してきました。長い歴史の中で、国別金の生産量ランキングはとどまることなく変化しています。

例えば2005年から2020年までの16年を取り上げてみましょう。2005年の金生産量がトップの国は南アフリカ。その生産量は295トンで世界の総量の12%を占めていました。その後南アフリカの金生産量は年を追うごとに減少。2007年には世界一の座を中国に譲りました。2019年には12位にまで後退し、生産量は2005年の3分の1以下にまで減少しています。

2007年に金産出国として世界のトップに躍り出た中国は、その後も右肩上がりの増産を続けます。2005年時点で生産量225トンだったのが、2014年には倍増しました。ただしその後環境規制強化が世界のトレンドとなったため、その影響で2017年を境に生産量を減少させています。

2005年時点で2位のオーストラリアは、2009年まで少しずつ生産量を減らしました。その後緩やかな増加に転じ、2020年には330トンを産出しています。この間に他国の順位が激しく入れ替わりましたが、緩やかな増産を続けるオーストラリアは2009年以降2020年までほぼ2位の座をキープしています。

中国が1位の座を獲得した2007年は、金の産出に関してエポックメイキングな年といえるでしょう。2017年以降生産量を急激に伸ばしているロシアは2位のオーストラリアを猛追。2005年には3位だったアメリカは、2013年にはロシアに逆転を許しその後4位が続いています。増産するロシアと減産するアメリカの差は年々広がっています。カナダは2011年から緩やかな増産傾向にあり、アメリカを追い上げているといえるでしょう。

世界全体の金の年間生産量は、2009年までは2400トン前後で推移していました。2010年に2500トンを超えると、その後も増加傾向を続けます。これは中国の急激な増産の影響によるものです。2015年には3000トンを超過、2017年には3200トンを超え、2018年の3300トンでいったん落ち着きを見せました。新型コロナの影響もあり、2020年には前年に比べて100トンの減産となっています。

 

各国の金採掘の歴史

ここまで見てきたように、各国の金の生産量は常に変動しています。大幅に生産量を増やしている国もあれば激減している国も。世界中で高い人気を誇る金の生産量を減らす国にはどんな事情があるのか、疑問や興味がわきますね。

金の生産量は生産国のさまざまな事情により変動します。ここでは5つの生産国の事例を各国の歴史と照らし合わせながら紹介します。

アメリカ

アメリカのカリフォルニア州では1848年に金鉱脈が発見され、多くの人々が一攫千金を夢見てこの地に押し寄せました。ゴールドラッシュです。きっかけはジェームズ・ウィルソン・マーシャルという人物が、この地を流れる川で砂金を見つけたことでした。

砂金とは金鉱脈の金が水の流れによって削られ、川を下って運ばれたもの。砂金が見つかったことは、川の上流に金鉱脈が存在する可能性を示唆します。砂金を手に入れたい人々がカリフォルニアに押し寄せ、1年で10万人も人口が増加しました。

当時の一攫千金を夢見る移住者のことは、その年号から「フォーティナイナーズ(49ers)」(1949年の人々の意味)と呼ばれていて、アメリカのプロフットボールチーム「サンフランシスコ・フォーティナイナーズ」の由来でもあります。ゴールドラッシュでは産出された金は、アメリカは元より世界の貨幣供給量にも影響を与えました。歴史の教科書にも載るほどの大きな出来事です。

中国

採掘量世界1位の中国を抜きに現代の金採掘事情を語ることはできません。中国政府の主導により金の採掘が本格的に始められたのは1980年代。それまで社会主義体制を敷いていた中国ですが、この頃には鄧小平の主導により市場経済への移行が始まっていました。それにともない外貨獲得の有力な手段になる金の採掘も盛んになります。それからおよそ20年後の2007年には、中国は金の産出国として世界No.1にランクされるようになりました。

国内の需要の高まりも手伝って、中国は積極的に金鉱山だけでなくレアメタルの採掘を進めています。この先もしばらくの間は、南アフリカなどのかつての大産出国を抑えて中国産の金が世界の市場に存在感を示し続けるでしょう。

中国は世界有数の広い国土を持つ国ですが、多くの金が産出される土地は限られています。現在金の採掘が行われている主な地域は内モンゴル自治区、山東省、福建省や湖南省です。これらの地域で産出される金によって、中国全土での金生産量のおよそ半分が占められています。

中国で最も重要な金採掘地区は、新疆(しんきょう)ウイグル自治区にあります。薩瓦亜尓頓金鉱です。1993年に巨大な金鉱脈が発見されて以来注目を集め、大規模な調査により100トンクラスの大規模金鉱であることが明らかになりました。その後「金の埋蔵量が127トン」というデータが公表されています。

薩瓦亜尓頓金鉱は「天山山脈中央アジア黄金ベルト」に位置しています。これは世界的に見ても最大級の金埋蔵量を持つ地帯。ウズベキスタンやカザフスタンなど複数の国に渡って広がっていますが、薩瓦亜尓頓金鉱の発見によりこの黄金ベルトが中国国内にも伸びていることが証明されました。

オーストラリア

イギリスの探検家キャプテン・クックが1770年に現在のシドニーに到着。これをきっかけとしてオーストラリアへの白人による入植が始まります。その当時イギリス政府はオーストラリアに監獄を建設し、イギリスの犯罪者の流刑地として使用していました。ところがこの地で巨大な金鉱が発見されたため、流刑地ではなく財宝が埋蔵されている大陸として注目されるようになったのです。現地ではイギリス政府に対して自治権を要求し、独立へ向けての気運が高まりました。そして1901年、オーストラリアの入植者たちは連邦政府を樹立。イギリスからの独立を勝ち取りました。今のオーストラリアがあるのは金が発見されたため、と言っても過言ではありません。

オーストラリアでの金発見のニュースはまたたく間に世界に広がり、イギリス人のみならずアメリカやアジアからも多くの人が押し寄せました。中でも中国人の数は約4万人と突出しています。カリフォルニアでは地表近くにあった金はすぐに採掘しつくされ、民族間紛争に発展する事態も見られました。しかしオーストラリアでは金の埋蔵量が豊富で多くの人に配分されたため、金をめぐるトラブルや争いは少なかったといわれています。

初期のゴールドラッシュの後も大規模な金鉱が発見されました。ビクトリア州のバララットやベンディゴなどがその代表で、これらの地域は大きな経済発展を遂げました。さらにビクトリア州政府は「金鉱を発見した人には奨励金を支払う」という声明を発表。多くの人がビクトリア州に押し寄せ、人口は10年間で約5倍にも達しました。現在ではこれらの金鉱は掘りつくされ閉山しました。中には金鉱をモチーフとしたテーマパークに作り替えられ、観光スポットとして現在も愛されている場所もあります。

オーストラリアの歴史は金採掘の歴史を抜きに語れないことがおわかりいただけると思います。

ロシア

ロシアでの本格的な金採掘事業の始まりは20世紀初頭にさかのぼります。旧ソ連が成立する以前から、ロシア東部のコルイマ川中流域で砂金が採れることが知られていました。しかし年間の半分以上の気温が氷点下という非常に厳しい土地のため、事業としての金採掘に進展は見られませんでした。

転機が訪れたのは1917年のロシア革命。ソビエト共産党の方針に異議を唱える者は政治犯との烙印を押され、次々と極寒の地シベリアへ送られたのです。その厳しい環境の中、彼らは重労働を強いられることになりました。その強制労働の場所の1つが、砂金が採れるコルイマ川上流に位置するコルィマ鉱山でした。1928年にはオホーツク海に面したナガエフに港が建設され、物資や労働者の受け入れ体勢が確立。その後鉱山への街道も整備され、コルイマ金山の開発が本格的にスタートしました。

採掘や生活に必要なこれらのインフラの建設に従事したのはほとんどが政治犯である流刑者。彼らは自分たちが収容されるための強制収容所の建設にも従事しました。永久凍土が広がる極寒の地にもかかわらず、流刑者たちは十分な防寒具を与えられませんでした。それどころか満足な食料も与えられず酷使されたのです。

金採掘事業が最盛期を迎えた時期には、労働者が船で港に着いてから死亡するまでの平均期間が約1ヶ月ともいわれています。労働者を監督する看守たちも採掘のノルマを達成できなければ粛清されるシステムのため、自分の命を守るためには労働者により過酷な労働を強制しなければなりませんでした。

労働者の使い捨ては政治犯の粛清という側面を持っており、彼らの命がソビエト共産党によって顧みられることはありませんでした。シベリアの強制収容所はナチスドイツのアウシュヴィッツと双璧をなす史上最悪の施設といわれています。ロシアの金採掘の歴史は、その原点に人類の負の遺産の側面を持つといえるでしょう。

コルィマ鉱山は地表近くに大量の金を有しており、露天掘りで採掘できるのが特徴の1つです。当時の強制労働によって生み出された生産力はすさまじく、第二次世界大戦の戦中戦後のソ連経済を支える大きな要因となりました。1953年、シベリアでの強制労働を主導していたスターリンが死去。恐怖政治が終焉を迎え、その後の数年間で政治犯との烙印を押された人たちの名誉が回復されてゆきました。コルイマ金山では以後も採掘が続けられていますが、強制労働システムが崩壊してからは採掘事情の担い手は一般労働者が請け負うようになりました。

ソ連崩壊後のロシアでは製造業がふるわず、ロシア経済全体が低迷期を迎えることになります。この時期も規模を縮小しながらも金採掘は続けられ、外貨を獲得するための主要な柱であり続けました。2000年代以降も採掘は継続しており、特に2007年以降は右肩上がりの伸びを見せています。2013年以降は生産量1位の中国、2位のオーストラリアに続き3位の座をキープしています。

日本

14世紀にマルコポーロによって書かれた「東方見聞録」の中で、日本は「黄金の国ジパング」と紹介されました。実際に日本で多くの金が産出された時期があります。特に戦国時代に入ると金鉱山の開発が急激な進展を見せました。覇権を競う武将たちが資金を獲得するため、自国領内の金山を次々と採掘したのです。その中でも最大の産出量を誇ったのは佐渡金山。17世紀に採掘が始まった佐渡金山からは、その後400年間にわたって大量の金が産出されました。かつて日本は実際に「黄金の国」だったのです。

現代ではこの事実を知る日本人は少ないかもしれませんね。前述の金産出国世界ランキングにも、日本の国名は見られません。明治以降になると日本のほとんどの鉱山から金が堀りつくされ、かつての隆盛は見られなくなりました。

とは言え、現在でも日本の金生産量はゼロというわけではありません。今も鹿児島県の菱刈鉱山で金の採掘が行われています。この鉱山は他の一般的な鉱山に比べて金含有率が高く、鉱山1トンあたり40グラムの金を含んでいます。世界でも金の産出効率がとても高い、言わば優秀な鉱山なのです。

世界と比較すると金生産量がとても少ない日本ですが、別の側面に目を向けると意外な事実が見えてきます。「金鉱山」ではなく「都市鉱山」にスポットを当ててみましょう。

日本国内に大量に存在している多くの電子デバイスや精密機器の内部では、金が素材として使われています。1度流通し使用されたあと廃棄された電子機器類の内部から金を取り出せば、日本国内で大量の金を獲得できるのです。

回収した携帯電話1トンあたりには150グラムの金が含まれていると言われています。これは自然界に存在する鉱山とは比較にならないくらいの含有量。一般的な鉱石1トン当たりに含有される金は3グラムから5グラムです。鉱石に比べ携帯電話にはなんと30倍から50倍もの金が含まれていることになります。使い捨てられた携帯電話はまさに宝の山といえるでしょう。

東京オリンピック・パラリンピックでは、この都市鉱山から発掘された金銀銅を材料としてメダルを製作するというプロジェクトが進められました。日本中の自治体や公共機関などが回収に協力。集められた携帯電話約は約620万台、家電やガジェット類は8万トン近くにもなりました。そこから金32キログラム、銀3500キログラム、銅2200キログラムを取り出すことに成功。東京大会のメダル約5000個に使用された金銀銅は、なんと100パーセントが都市鉱山から回収されたものなのです。

2008年の調査によると、日本の都市鉱山には総量6,800トンもの金が眠っているとのこと。すでにそのリサイクルのためのシステム開発が進んでいることが、東京オリンピック・パラリンピックで証明されました。現代の日本は電子廃材を鉱脈とする「黄金の国」と言えるでしょう。

 

生産される金とリサイクルされる金

「金の価格が高騰中」というニュースを耳にする機会が多い昨今、金の供給量が減少しているのでしょうか? 実は逆で世界の金取引額は年を追うごとに増えているのです。

鉱山から採掘される金、すなわち新たに生産される金の量は「鉱山生産量」で表されます。一方製品として流通し使用されたあとで回収・再販売される金は「中古金スクラップ」と呼ばれます。

2000年代半ばから2010年代半ばの金の生産量を示すデータで特徴的に示されているのは、鉱山生産量の大幅な増加です。一方中古金スクラップは2009年に向けて増加。その後は下降という流れをたどっています。全体から見てみると、金の総生産量は年々増加していることがわかります。

 

金の価格高騰の理由とは?

生産量が増えていれば価格は下がるはずなのに、実際には高騰しているのはなぜ? そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか? 理由は簡単。「生産量の増加以上に、金に対する需要が高まっているから」です。「いくら採掘しても足りないくらい、みんなが金を欲しがっている」この状況が相場に影響し、金の高騰という結果をもたらしています。

金の生産量が年々増えているのは「高まる需要に追いつくため」です。特に金を産出する発展途上国にとっては、需要の高まりは国を発展させるためのチャンスといえるでしょう。装飾・資産投資・精密機器の製造など、さまざまな用途を持つ金は、輸出により外貨を獲得するために非常に役立つ素材と言えるでしょう。

2000年代半ばから2010年代半ばのデータによれば、宝飾品の需要が断トツに多いことがわかります。工業・エレクトロニクス用途に使用される金の絶対数は少ないものの、年々増加傾向になっていきました。

2009年には宝飾品としての金の需要が前年に比べて落ち込んでいます。これは2008年のリーマンショックによる影響と考えられるでしょう。工業・エレクトロニクス用途に使用される金の量もやはり減っていて、世界経済が悪化したことが見て取れます。その後金の需要が少しずつ回復したことから、リーマンショックの影響を跳ね返しながら世界経済が力強く回復していることがわかります。

 

より多くの人々が金を購入する時代へ

ーマンショックを機に実体経済における金の需要は減少しました。にもかかわらず「金の価格が下がっている」という報道を耳にすることはありません。宝飾品や工業素材としてだけでなく、資産運用のための「金投資」の人気が高まってきていることが理由です。

「有事の金」という言葉があるように、世界中の投資家たちから金は安全資産と認識されています。リーマンショックでは信頼性の高かった証券類が一夜にしてその価値を半減させるという「有事」か発生しました。この事態を受け、あらためて安全資産としての金の価値に着目する人が急増したのです。

金が安全資産である理由は、経済状況に「有事」が発生したとしても壊滅的なダメージを受ける可能性が低いからです。株券などは最悪の場合は紙切れ同然にまで価値を下げる危険性がありますが、金の場合そうではありません。紙である証券類は、国や会社の信用という価値を上乗せしているからこそ価値が生まれるのです。それに対し金の場合は、金そのものに価値があると考えられています。

リーマンショックが発生した2008年を機に、小口投資と金地金の需要が大きく増加しました。コインの変遷は比較的穏やかですが、やはり年を追うごとに少しずつ増加しているのが見て取れます。

好景気の時には装飾品としての売買が増えるなど実体経済における需要が高まり、不景気になると投資需要が高まります。これが金が持つ特徴の一つです。どちらにしても金の需要は高まるので、今後もさらに金生産量は増えていくと予想できるでしょう。

 

日本人の金に対する意識の変化

世界的な金の需要の現状に対して日本の場合はどうでしょうか? 世界に比べて日本における金の需要の状況は少し異なります。まずは日本国内の供給量の変化を見てみましょう。

供給合計量
2009 128トン
2010 122トン
2011 131トン
2012 138トン
2013 127トン
2014 101トン
2015 188トン

2015年に金の供給量が急増していることがわかります。一方需要の変化はどうでしょうか?消費者需要(機械部品など)と準消費退蔵(宝飾品など)で確認してみましょう。

消費者需要 準消費退蔵
2009 88トン 21トン
2010 97トン 23トン
2011 77トン 32トン
2012 70トン 22トン
2013 48トン 18トン
2014 45トン 13トン
2015 45トン 9トン

このデータから日本で金の需要が伸び悩んでいることがわかります。バブル崩壊以来長期にわたる景気低迷の影響もあり、実体経済における日本での金の需要は高くないのが現状です。

実体経済における金の需要が低迷する一方で、注目すべきは資産として取引きされた金の量の推移です。

現物購入 現物売却
2009 47トン 75トン
2010 44トン 81トン
2011 50トン 103トン
2012 38トン 46トン
2013 57トン 55トン
2014 36トン 42トン
2015 41トン 29トン

現物購入量はほぼ横ばい。その一方で現物売却量は明らかに減少しているのが見て取れます。長引く不況やリーマンショックや東日本大震災などの経済危機の経験から「金は売買するものではなく資産として保有するもの」という意識が日本人の間で高まっているといえるでしょう。

日本経済を論評する人の中には「今後インフレにより日本経済が破綻する」と予測する人もいます。現実にそうなるかどうかは別にしても、資産としての金を保有することはインフレ対策としても非常に有効です。インフレになれば、モノやサービスに比べて貨幣の価値が下がります。つまりインフレになれば、現在所有しているお金の価値が下がってしまいます。

ところが金の価値はインフレになったとしても大きな影響を受けません。実体としての紙に「信用」を上乗せした証券類と異なり、金そのものに希少価値があるからです。今のうちに現金を金に換えておけば資産の目減りを防げる、というわけです。このような考えに基づき「金を売り買いするのでなく保有し続けるべきだ」と考える人が増えています。

 

日本にとって明るいニュースとは?

14世紀にはマルコポーロによって「黄金の国」と紹介された日本。その後実際に世界有数の金産出国として400年間に渡り金を世界に供給し続けました。多くの労働者で日本各地の金鉱が賑わい、「日本のゴールド・ラッシュ」の様相を呈していました現在日本でまとまった量の金を産出しているのは、鹿児島県の菱刈鉱山だけです。ここ以外の日本で金を入手するためには、リサイクルしかないと考えられてきました。

しかし、近年状況に変化が見られるようになりました。伊豆諸島の青ケ島沖で発見された海底熱水鉱床に、多くの金が含まれていることがわかったのです。この鉱床での金の含有率は世界標準と比べても非常に高く、鉱石1トンあたり多いケースで275グラムの金が含まれているとのこと。資源に乏しい日本にとってとても明るいニュースといえるでしょう。

 

近い将来、金はなくなる?

今後の金の生産量はどうなっていくのでしょうか? 需要と供給にどんな影響を及ぼすのかを考える時、現在残されている埋蔵量に関する情報を避けて通ることはできません。地球の深部で金が生まれ、その一部が地表近くに押し出される。そうして私たち人間が採掘できるようになるまでには、気の遠くなるような長い時間がかかります。つまり今ある金を採掘しつくしてしまえば枯渇してしまうのです。

「人間が過去に採掘した金の総量は18万トン。残っているのは6~7万トン」という地質学者もいます。現在世界中で年あたり3,000トン程度の金が採掘されています。このペースで金の採掘を続けると、およそ20年で金を堀りつくしてしまう可能性も。金が枯渇する日は案外近いかもしれませんね。

何万トンと言われてもピンと来ない人も多いでしょう。オリンピック水泳競技で使用されるプールを容器として考えてみましょう。過去に採掘された金の量18万トンは、プール4杯分。地中に残されている6~7万トンは、わずか1杯分です。

地球の深部にはまだ多くの金が眠っていることでしょう。しかし地球奥深くの金を採掘するためには、相当な技術が必要。また地表近くを採掘するよりも格段にコストがかかります。採算が合わないために、現実的には不可能なケースがほとんどでしょう。この先錬金術のように「人工金」が作られる可能性はあるのでしょうか?もしできれば工業製品用の金は確保できるかもしれませんね。逆に金が枯渇することによって金の価値が急上昇する可能性も考えられます。

 

まとめ

装飾品としての価値以外にもさまざまな用途がある金。その魅力を掘り下げてみると、いろんな事実が垣間見えてきます。金に関するさまざまな情報を取り入れ、金との付き合い方を検討するのもおすすめです。

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