記念金貨の価値の決まり方を知ろう

イベントや皇室での記念行事がある年に発行されるのが「記念金貨」です。金を素材として作られた金貨は、とても貴重で価値の高さが伺えます。この記事では、金貨の価値や他国でも発行される記念金貨について詳しく解説します。
金貨の価値をしっかりと理解し、買取をしてもらう時期について詳しく知ることにより、より高い価値を見出します。
あなたにとって記念金貨は、とても価値があるものだと知ることになるでしょう。
金貨とは?
金貨とは金を素材に作られた貨幣のことです。世界中に金は流通し、価値としても安定しています。
価値がある理由として、政府が品質や重量を保証しているからです。金貨が世界で取引の高さがあるのは
- 資産としての価値がある
- 日本では通貨型金貨と収集型金貨の2種類がある
の2つがあげられます。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
資産としての価値もある
金貨は資産としてとても価値があります。価値があるのは、上記でも記載した金貨は世界でも取引されているという理由もありますが、他にも
- 美しい光沢を放っている
- 希少性があり、偽造が難しい
- 柔らかく、加工がしやすい
という点があげられます。
金独自に放つ光沢は、他の物質では表現できない独特な雰囲気があります。また、金自体の産出量が少ないため、希少性が高いといえます。
金自体は、化学的にとても安定しており、腐食や色褪せることがないという理由から、とても価値があるものとして昔から重宝されています。
日本では通貨型金貨と収集型金貨の2種類がある
日本では、通貨型金貨と収集型金貨の2種類があり、天皇という独自の文化があり、天皇に関するイベントでは「10万円及び5万円の金貨」が発行され、これは通貨型金貨に該当します。通貨型金貨は、世界的に見てもほとんど例を見ません。
世界で見ると、オリンピックやイベントで発行されるのは「収集型金貨」に該当します。金の額面を超える固定価格で販売され、市場における取引価値は収集家や貨幣商の市場価格により決定します。
また国でのイベントでも発行され、例を見てみると
- オーストラリア:カンガルー金貨
- アメリカ:イーグル金貨
- 中国:パンダ金貨
- 英国:ブリタニア金貨
- 南アフリカ:クルーガーランド金貨
各国で沢山の金貨が発行されています。枚数も限定されており、枚数的にも希少性があるといえます。
記念金貨の価値
記念硬貨は、その年のイベントのみと限定的に生産されるため、枚数も限られています。枚数の限定もありますが、記念金貨の価値には
- 素材としての価値
- コレクターズアイテムとしての価値
この2つがあるからこそ価値が高いと言えます。
記念金貨は国をあげての喜ばしいときに発行されるため、他の貨幣と比べて値段が高いのも特徴です。
素材としての価値
金自体は、1gでの取引価格が決まっています。素材に含まれる金の含有量により、商品の価値も変わってきます。
2021年1月を例に見てみると、1gでの取引価格は6,909円/g。2021年8月では7,038円/gと半年で129円増の結果です。ちなみに過去の相場事情を見てみると、1973年に行われていた1gでの取引価格は770円/gと今と比べて6,268円の差があります。
約50年前と比べてここまでの価格変動があれば、金自体の価値の高さが伺えるのではないでしょうか。
コレクターズアイテムとしての価値
価値としてもう一つ見られるのが、「コレクターズアイテム」としての価値があることです。
イベントのみに発行される金貨の中でも、発行枚数が限られている場合、入手できる可能性はとても難しいと言えます。手に入りにくく、人気の高い金貨であればあるほど、買取価格も高騰します。
記念金貨は手に入れた場合、コレクターズアイテムとしての価値があるのかを調べる必要があります。
記念金貨は国家的なイベントに際して発行
記念金貨は、国家的なイベントで発行されることが多いです。中でも日本では、天皇が即位したときなど天皇に関するイベントのときに発行されます。
その中でも天皇陛下御即位記念10万円金貨はとても価値があるものだと言われています。どれだけの価値があるのかを
- 天皇御即位記念と昭和天皇の在位60年記念に発行された2枚の金貨
- 2枚の金貨の価値の違い
この2つに分けて解説します。
天皇御即位記念と昭和天皇の在位60年記念に発行された2枚の金貨
日本で初めて発行された金貨は昭和天皇の在位60年記念です。昭和天皇の次に即位した天皇陛下のために発行された天皇御即位記念は1990年に発行され、どちらも10万円で販売された金貨です。
店頭で金貨を提示すると、10万相当の商品を購入できますが、買取の面で見てみるとそういうわけにはいきません。
何が違うのかを以下で具体的に見てみましょう。
2枚の金貨の価値の違い
買取で見てみると、10万円以上の価値があります。より詳しく見てみると、2枚の貨幣は更に買取価格の違いがあるのをご存知でしょうか。
2枚に含まれる金の含有量について表にまとめました。
品目 | 金の含有量 |
天皇陛下御在位60年記念10万円金貨 | 20g |
天皇陛下御即位記念10万円金貨 | 30g |
2枚を比較してみると、天皇陛下御在位60年記念10万円金貨より天皇陛下御即位記念10万円金貨の方が10gも多いのです。
2021年8月時点での1gでの取引価格7,038円/gで見ると、70,380円の差が出てくるのです。
このように似たような名目の金貨でも、含有量の差により買取金額も大きな差が生まれます。
記念金貨は多くの国で発行されている
記念金貨は多くの国で発行されています。例えば、国王の即位、婚儀、長期在位などの王室の慶事、オリンピック、サッカーワールドカップ、万国博覧会で発行されています。
世界で最初の金貨は、ローマ時代までさかのぼります。当時は、戦争に勝利をする度に記念金貨を発行されたと言われています。
このようなことから、お祝い事など国民で祝う出来事があるときには、金貨を発行する習慣が生まれました。
ここでは、日本と外国の記念金貨について詳しく見てみましょう。
日本の記念金貨
日本で最初に発行された記念金貨は、上記でも述べた1986年に発行された「天皇陛下御在位60年記念10万円金貨」です。
世界と比較すると、記念金貨の歴史は浅いですが、1986年以降に発行された金貨は以下の通りです。
「皇室関係」
(昭和)
- 天皇陛下御在位60年10万円金貨
(平成)
- 天皇陛下御即位10万円金貨
- 皇太子殿下御成婚5万円金貨
- 天皇陛下御在位10年1万円金貨
- 天皇陛下御在位20年記念1万円金貨
- 天皇陛下御在位30年記念1万円金貨
(令和)
- 天皇陛下御即位記念1万円金貨(令和)
「オリンピック関連」
- 長野オリンピック冬季競技大会1万円金貨幣(フィギュア)
- 長野オリンピック冬季競技大会1万円金貨幣(ジャンプ)
- 長野オリンピック冬季競技大会1万円金貨幣(スピードスケート)
- 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念1万円金貨(流鏑馬)
- 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念1万円金貨(勝利と栄光)
「スポーツ関連」
- 2002FIFAワールドカップ1万円金貨幣
- ラグビーワールドカップ2019日本大会記念1万円金貨幣
「博覧会関連」
- 2005年日本国際博覧会1万円金貨
「震災復興関連」
- 東日本大震災復興事業記念1万円金貨(ハトと地図)
- 東日本大震災復興事業記念1万円金貨(学校と鯉のぼり)
- 東日本大震災復興事業記念1万円金貨(折り鶴と地図)
- 東日本大震災復興事業記念1万円金貨幣(自然と鳥)
外国の記念金貨
外国の記念金貨も日本と同様に、国家的なイベントのときに発行されます。金貨に使われている金の含有量は、額面よりも低く設定されているのが大半です。
海外の金貨はコレクションとしてプレミアの価値があるものや高値で取引されているのもが数多くあります。
例で見てみると「イタリア 50リラ金貨 王国50周年」「カナダ連邦100年記念 20ドル金貨」などの国の周年で発行されるものや、「英領ヴァージン諸島 ローランド・ヒル没後125年 75ドル」のように偉人の記念金貨があります。
他にもイギリスにあるテレビ番組の放送50周年を祝った「サンダーバード50周年記念コイン」やエリザベス2世が香港に訪れたのをお祝いして発行された金貨など、様々なシチュエーションで発行されています。
記念金貨の買取は信頼できる専門店へ
記念金貨は通常の買い物にも使用できますが、折角なら価値を付随して買い取ってもらいたいというのが本音です。
買取をしてもらうには、信頼ができる専門店にお願いするのがベストです。
信頼できる買取店を見つけるにあたり、以下のことに気をつけましょう。
- 記念金貨としての価値が高くない時
- 記念金貨としての価値が高い時
- 専門店へ依頼する時の注意点
記念金貨としての価値が高くない時
価値が低い記念金貨は、額面以下の金額で買取をされる可能性があります。折角額面で購入した金貨を売るには、額面と同等が最低ラインではないでしょうか。
銀行や郵便局では、両替を依頼することが可能です。全ての銀行や郵便局が両替ができるわけではないため、事前に電話を入れて、両替が可能か確認することをおすすめします。
また記念金貨の両替が可能の場合、両替を終えるまで時間を要します。余裕を持って行動を起こしましょう。
記念金貨としての価値が高い時
もし額面以上の価値がある場合は、是非買取を行いましょう。しかし、買取店舗により査定価格は異なります。
何店舗か周り、査定金額を比較しましょう。
買取金額の他にも注意をしなければいけないのが、税金です。両替とは異なり、金を売ったお金に税金が発生します。ただし、課税控除50万円と買取にかかった費用を差し引いた金額が課税されます。
大きな価値がある記念金貨であれば、気にする必要はないでしょう。
専門店へ依頼する時の注意点
専門店へ依頼するときの注意点として
- 迅速で丁寧な業者を選択
- 海外の記念金貨は額面よりも下回ることがある
- 本人確認書類を持参して正しい取引を行う
以上の3点に注意しましょう。
迅速で丁寧な業者を選択
金の価値は毎日変動し、やわらかい素材であることから傷もつきやすい代物です。常に金額変動を把握し、丁寧に扱う業者は、他の方も沢山利用しています。また口コミも数多くあるのも事実です。
良心的な専門店は、口コミにも著名に現れます。
不安な方は口コミを見て実際に店舗に訪れる。店員の様子を見て丁寧に扱っているかを見ることで安心して買取ができるかを見極めましょう。
海外の記念金貨は額面よりも下回ることがある
海外の記念金貨は、額面よりも下回る査定額が大半です。なぜなら、製造や流通でコストがかかるからです。
また金製品は人気が高いため、海外では偽造品が出回っている可能性があります。日本ではそのような金貨の流通はありませんが、海外では偽物をつかむリスクもあります。
海外の記念金貨は、額面よりも下回るという意識や偽造品か本物なのかを確認した上で専門店に依頼するように意識しましょう。
本人確認書類を持参して正しい取引を行う
金貨の売買は、課税の対象です。課税のために正式な書類を持参しなければいけません。
個人で買取を行うときに必要な書類は、以下の中から1点です。
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- パスポート
- 乗員手帳
- 住民基本台帳カード
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- マイナンバーカード
以下のものは2点以上必要になります。
- 国民健康保険証
- 健康保険証
- 後期高齢者医療被保険証
- 介護保険被保険証
- 共済組合員証
- 共済制度加入者証
- 国民年金手帳
- 児童扶養手当証書
- 母子健康手帳
以下の書類の場合は、本人確認書類が不十分と言われる可能性があります。
- 住民票
- 戸籍謄本
- 印鑑登録証明書
- 国税地方税の領収書
- 納税証明書
- 社会保険料の領収書
- 公共料金の領収書
法人の場合は、以下の書類が必要です。
- 登記簿謄本
- 印鑑登録証明書
まとめ
記念金貨の価値は、含まれる金のグラム数により異なります。
日本で発行された金貨は額面と同じ価値がありますが、海外金貨は額面以下が大半だと言われています。
金の含有量がどれくらいなのかを事前に調べ、納得が行く買取を目指しませんか?