なぜ金の市場価格と買取価格は違うのか?

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なぜ金の市場価格と買取価格は違うのか?

金には市場価格(相場)があり、この相場をもとにして買取価格が決められます。しかし実際には、買取価格が相場価格を下回ってしまうことがあるため、疑問に感じている方も少なくないでしょう。

金は、買取業者によっても買取価格が違っています。市場価格があるのに、どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。せっかく売るのなら、高く買取ってほしいと思う方も多いでしょう。この記事では、高く買取ってもらうために知っておきたい金の買取事情を解説していきます。

金の市場価格と買取価格が違う理由

金の市場価格は、需要と供給のバランス以外にも世界情勢など複数の要因によって、日々少しずつですが変化しています。「今日の金価格は1gあたり〇〇円」と書かれた価格表をネットやチラシで見たことのある人も多いでしょう。金は安定的に需要が高いため大幅に市場価格が上昇したり下落したりすることは少ないのですが、時期によって価格が違ってきます。

金の市場価格は、世界4大市場がそれぞれに影響しあって決められる世界共通の価格です。4市場のなかでもロンドン市場は金の市場価格において絶大な影響力をもつため、世界の金市場の大きな基準となっています。また、ニューヨークや東京の市場も、先物市場の重要な基準です。東京の市場価格は、直前に開いているニューヨーク市場の価格に特に影響を受けやすくなっています。

買取価格はこの金の市場価格を基準にして決められているため、時期によって買取価格も変化するのです。加えて買取価格には店側の利益も上乗せされることになるため、市場価格の値段よりも低い金額になってしまいます。買取店などの業者が介入している以上、市場価格=買取価格となることは考えにくいでしょう。

為替相場も市場価格・買取価格に影響する

海外の市場価格はドルで決められているため、日本で取引するためにはドルから円に替える必要があります。このとき為替の影響を受けることで、海外と国内では市場価格が変わってくるのです。つまり日本での金価格は、金の市場価格と為替によって決まることになります。

こうして決まった金の市場価格をもとに金の売買取引が行われるのですが、金は業者が買取ってもそのまま売りに出すとは限りません。品物によっては一度溶かして再加工してから販売される場合もあります。加工が必要な品物の場合に加工費用分が赤字とならないよう、買取業者は査定価格から「手数料」の名目で加工費用を差し引いて計算するのが普通です。そのため、買取価格は市場価格よりもさらに下がることとなります。

業者によって手数料は違いますので、買取価格もそれぞれ違ってくるのです。手数料を高く設定している業者では買取価格が低くなり、手数料が少ない業者は市場価格に近い金額で買取ってくれるという仕組みになっています。これが、買取業者によって買取価格が異なる理由です。

 

金を高く売るために押さえたい4つのポイント

金の買取価格が市場価格と異なってくるメカニズムについて、詳しく紹介してきました。それでは、金をより高く売却するためにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは4つのポイントをご紹介していきます。

売るなら円安のときに

まず大切なのは売却のタイミングです。金は、為替相場が円安となったタイミングが売り時となります。先でも触れていますが、国内の金の市場価格は、国際的な市場価格と為替の影響を大きく受けて決まってくるのです。

例えば為替が1ドル100円で金1gが10ドルだとすると、日本で1gの金を売る際の価格は1000円になります。

1ドル90円の円高のときであれば価格は900円と安くなり、反対に1ドル110円の円安時に売れば1100円となるわけです。

円安か否かによって買取価格が大きく違ってくることもあるため、金を売却する際には為替相場も把握しておきましょう

 

複数の業者で見積もりを取る

金の取引に慣れていない人は、査定結果が適正であるか判断がつきません。査定価格の判断に不安のある人は、少しでも高く売るために複数の買取業者に見積もりを出してもらいましょう。お店独自のシステムや手数料の違いで、査定額に大きな違いが出ることがあります。1つのお店だけで決めてしまわずに、2~3軒のお店で見積もりを出してもらうとよいでしょう。

ただし、金の相場は日々変動しているため、可能な限り同じ日に複数のお店から見積もりを取るのがおすすめです。見積もりを取ってから実際に売却するまでには、なるべく期間を空けないように注意しましょう。

また、見積もりを依頼するときは、金の買取実績が多い買取店を選ぶのもポイントです。同じ商品の査定を依頼しても、豊富な買取実績をもつ店舗の方が正当な評価をして高値をつけてくれる傾向にあります。

一般の人が買取実績の多さを一目で判断することは難しいでしょう。目安の1つとして、店舗のホームページに掲載されている過去の買取実績やネット上の口コミなどが挙げられます。多くの買取実績を公表している店舗は、ある程度査定能力があると思ってよいでしょう。

もちろんそれだけで判断するのは危険です。必ず複数の店舗から見積もりを取ることで、より高く買取ってくれる店舗を見つけられるでしょう。

 

品物によって買取店を使い分ける

金を高く売るためには、その品物が純金なのか、それとも宝飾品なのかによって、持ち込む業者を選ぶことも重要です。

例えば、純金のインゴットや金貨などは、大手の貴金属専門店で買取ってもらう方が高い査定額となりやすい傾向があります。一方で、加工されて宝石などがついている宝飾品の場合は、金の他に宝石やブランド品なども総合的に扱う業者の方が高く買取ってくれる場合が多いでしょう。

それはブランド品買取店の場合、買取った宝飾品を金にするために溶かして加工する以外に、そのまま宝飾品として販売するルートをもっているからです。加工費用がかからないので、その分買取価格を上げられます。

大手の貴金属店は、あくまでも金の重量で買取価格が決定されるため、宝石などの価値は買取価格に反映されません。しかし、ブランド品買取店では査定基準が違います。

ブランド品買取店では、金としての価値だけではなく、宝石やデザイン、ブランドとしての価値についても評価したうえで査定されているのです。その結果、金として持ち込んだ宝飾品を貴金属専門店よりも高い値段で買取ってもらえるようになります。

このような理由から、宝石がついていたり加工されていたりする金は、ブランド品買取店を選んだ方が高く買取ってもらえるのです。

 

箱などの付属品を一緒に査定してもらう

4つめのポイントは、金または金製品の購入時についてきた保証書や箱などの付属品を一緒に査定してもらうことです。箱や保証書などがついている場合、買取業者が中古品として販売する際にも売りやすくなるため、査定価格が上がりやすくなります。デザインやブランドネームで買取価格が上がることもあるので、特に純金でない場合には付属品を一緒に査定してもらうのがおすすめです。

ただし、保証書や鑑定書がなければ買取できないわけではありませんので、「失くしてしまった」という人もご安心ください。

まとめ

金を売る時期や場所、買取店の種類、売るときの状態などに気をつけることで、金を市場価格と同程度、あるいは市場価格よりも高く売れる状態にすることは十分に可能です。

買取査定自体は無料となっている業者も多いので、「大掃除などで見つかった金のアクセサリーを売りたいけれど、買取ってもらえるか心配」という方は、まず上記4つのポイントを押さえたうえで買取査定に出してみてもよいでしょう。

金を売却する際には相場をある程度把握しておくと、悪徳業者などに買い叩かれる心配も少なくなります。しっかりとした知識をもとに、納得いく値段で買取ってもらえるように工夫してみてください。

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