金の価格が暴落するシナリオとその可能性

金製品の購入を検討したり、投資の対象にしたりしようとした際、「金は価値が下がらない」と勧められるケースは少なくありません。世間で金は比較的安全な投資対象としてよく語られ、親しまれています。取引の場でよく言われている、「金の価値は下がらない」というのは本当なのでしょうか。また、今はそうかもしれませんが将来的に金の価値が下がってしまうことはあるのか、ここでは金の価値が下がってしまう要因とその可能性について解説していきます。
Contents
金の価値が下がってしまう要因
最初に金の価値が下がってしまう要因を並べてみました。どのような条件の時に金の相場が下がってしまうのでしょうか。考えられる要因をまとめています。正しく理解して金の価値や金投資の基礎知識にしていきましょう。
金の供給量が増える
金だけに言えることではないのですが、市場に出回っている量が潤沢であり、人に求められていないものは価値が下がります。したがって金の供給量が増えれば、金の価値は下がります。世界中のどこかで巨大な金脈が見つかり金の採掘量が格段に増えてしまえば、金製品なんて珍しくもなくなってしまい、装飾品や紙幣としての価値も薄れていくでしょう。市場に出回る金が数十倍になればそのような状況になるかもしれませんが現段階では、日常に金製品が溢れるなんて想像もつきませんね。
世界情勢による影響
世界情勢による影響も、金の価値が下がってしまう要因としてあげられます。投資家等の間でも人気の金ですが、傾向として経済が安定している時期は金よりその他の投資対象を重視します。逆に経済が失速し、様々なリスクを抱えている時期は、金の保有率をアップさせる投資家が世界的に多いのです。経済が安定している時は価値が下がり、混乱している時には上がる。このように世界情勢と金の価値には密接な関わりがあり、金の価格は、常に世界情勢の影響を受けていると言えるでしょう。
金の価値が下がってしまう可能性
それでは金の持つ価値が下がる可能性についてみていきましょう。前述した「金の供給量が増える」可能性と「世界情勢による影響」で金の価値が下がってしまうことは実際に起こり得るのでしょうか。2つの視点からまとめてみました。
金の供給量が増える可能性
金の供給量が増え、金の需要が下がってしまう可能性ですが、ことさら低いでしょう。古くか採掘されてきた金ですが、人類はすでに地球上で金が埋蔵されている箇所は全て把握済みであるといわれています。そしてその大部分は採掘が困難なところにあるらしいのです。
この地球上にある全ての金の総量は23万トンといわれ、現在までに採掘された量は19万トン。そしてなお年間では約3000トン程のペースで採掘されています。この数字を見てもわかるように近い将来地上にある金を再利用する他に手段がなくなるとされており、金の需要はさらに高まっていくでしょう。金の供給量が増え、金製品が私たちの日常に溢れかえることはほぼないと考えられます。
世界情勢による影響で金の価値が下がる可能性
世界情勢により金の価値が下がる可能性についてですが、こちらも可能性は低いでしょう。世界中の経済が安定するほど、金の価格は下がっていきます。しかし経済とは、常に変動していくものです。確実に安定し続ける世界などはほぼあり得ません。新興国や発展途上国の発展の際なども金の需要は高まり、一方で安定した国が増えてくれば需要は下がります。世界で様々な国が様々な動きをみせているので、多少上下することはあっても急落することはなかなか考えられません。
まとめ
金の価値が急落するシナリオとその可能性について、まとめてみました。今後金の価値が急落する可能性はとても低いでしょう。地球上において金は、とても貴重な限りある資源です。その上確かな需要があります。しかしながら「絶対」はありません。もしものことを考えてリスク分散することが賢い金との付き合い方でしょう。