輝く魔性のジュエリー・ダイアモンドが紡ぐイギリス王室の逸話

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輝く魔性のジュエリー・ダイアモンドが紡ぐイギリス王室の逸話

光の山とも呼ばれている「コイヌール」は、さまざまな伝説のあるダイヤモンドです。「呪いの宝石」とも呼ばれていますが、現在はイギリス王室が所有しており、一般の人も見学ができます。ここでは、伝説のダイヤモンドとイギリス王室の逸話を紹介しましょう。

光の山「コイヌール」ダイヤモンドはインドで発見されたもの

「コイヌール」は、世界で最も古い宝石でもあるダイヤモンドです。かつては、世界で最も大きなダイヤモンドであると考えられていたこともありました。現在はロンドン塔で展示されており、大きさは105カラット、重量は21.6グラムです。この宝石は、ダイヤモンドの産地の1つとして有名なインドで発見されました。「コイヌール」という呼び名は、ペルシア語の「光の山」を意味する「クーヘヌール」という言葉が由来になっています。このダイヤモンドが一体いつ発見されたのかは、現在でも具体的なことはわかっていません。「コイヌール」については数々の伝説があり、魔性のジュエリーとも呼ばれており、いわくつきの宝石です。

数々の伝説を抱くダイヤモンド「コイヌール」は呪いの宝石

美しい輝きを放つ大粒のダイヤモンドである「コイヌール」は、別名「呪いの宝石」と呼ばれることもあります。その由来となっている伝説によると、このダイヤモンドはもともとカーカティーヤ朝の王の所有物でした。カーカティーヤ朝とは、11世紀初頭から14世紀の初頭にかけて、インド南東部に存在していたヒンドウ王朝のことです。ダイヤモンドは王により、寺院に寄贈されました。寺院では、このダイヤモンドを仏像の目にはめ込んで飾っていましたが、盗難に遭い紛失してしまうのです。その後、盗まれた「コイヌール」は、インド各地の何人もの王たちの手に渡ることになります。しかし、どの王侯のところにも、長くとどまることはなかったのです。

ヴィクトリア女王が愛したダイヤモンド「コイヌール」はどう使われた?

インド各地の王侯たちの元を転々としていた伝説のダイヤモンドの「コイヌール」は、1849年にイギリスの東インド会社の所有物となりました。これをきっかけに、当時インド帝国の女帝であったヴィクトリア女王に、献上されることになりました。そして、ヴィクトリア女王は、1851年にロンドンのハイドパークで開催された万国博覧会で、この珍しい大きなダイヤモンドを展示することにしたのです。しかし、ダイヤモンドの大きさを重視してカットされため、非対称で規則性の乏しい形状になってしまい、決して美しい仕上がりとはなりませんでした。その後、「コイヌール」はダイヤモンドの理想的な形である、ブリリアンカットに直されました。

男性に冷酷なダイヤモンド「コイヌール」は現在もイギリスに

インドで見つかった数々の伝説を持つダイヤモンドである「コイヌール」には、大昔から男性が所有すると不幸になるという逸話があります。かつてインドの寺院から盗まれたとされる「コイヌール」ですが、その後ハルジー朝やトゥグルク朝、サイイド朝などの数多くの王侯たちが所有してきました。しかしどの王侯も「コイヌール」を長く所有することはできませんでした。転々とするのみで、長く同じところにとどまることはなかったのです。しかし、寺院から盗難された話が真実であるかは、はっきりとはわかっていません。最終的にイギリス王室のヴィクトリア女王の所有物となった「コイヌール」は、現在もイギリス王室の女性へと引き継がれているのです。

イギリス自然史博物館で見られるダイヤモンドカットの技術

イギリス自然史博物館は、ロンドンにある自然史を扱う有名な博物館です。この施設は、観光名所としても知られており、イギリス国内で最大規模であるだけではなく、世界の中でも最大級の規模を誇っています。ここには、自然に関するさまざまなジャンルの展示がありますが、特に岩石や鉱物の標本に関しては50万点以上あり、非常に見ごたえのある施設なのです。イギリス自然史博物館に収蔵されている数多くの鉱物のなかには、もちろんダイヤモンドも含まれています。世界各地で採掘されてきた宝石の展示を見ることができるほか、ダイヤモンドをカットする際の手順についても詳しく展示や説明されているところも、イギリス自然史博物館の大きな特徴でしょう。

イギリス王室のダイヤモンド「コイヌール」の現在

インド各地のたくさんの王侯たちの手元を通りすぎ、最終的にはインド帝国の女帝でもあったイギリスのヴィクトリア女王のもとにたどり着いた「コイヌール」は、現在もイギリスにあります。しかもロンドンの観光名所としても有名な、テムズ川岸にある中世の城塞であるロンドン塔にて展示されており、見学をすることが可能です。1851年にロンドンで開催された万国博覧会で展示されていたときには、ムガルカットでした。しかし、その後オランダのアムステルダムから呼び寄せられた職人の手により、ブリリアンカットが施されました。ロンドン塔の展示では、イギリスのエリザベス女王の所有となり王冠に取り付けられた「コイヌール」を見ることができます。

まとめ

ペルシア語で「光の山」の意味を持つ「コイヌール」は、世界で最も古い宝石です。さまざまな伝説を持ち、数々の王たちのもとを転々としながらも、長く所有されることがありませんでした。そのため、「呪いの宝石」と呼ばれてきたのです。最終的にヴィクトリア女王に献上され、イギリス王室の所有となりました。男性に冷酷なこのダイヤモンドは、現在はブリリアントカットが施され、イギリスの名所であるロンドン塔の展示室で美しく輝いていることでしょう。また、イギリスの自然史博物館では、ダイヤモンドカットの技術を知ることができます。

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