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「ターコイズは透明な宝石とは違うけれど、偽物も存在するの?」
こんな疑問を抱いたことはありませんか?
ターコイズは「トルコ石」とも呼ばれ、その鮮やかな青色で多くの人を魅了する人気の宝石です。
しかし、このターコイズには偽物も数多く出回っており、種類も多岐にわたります。
この記事では、混乱しがちなターコイズの偽物について、宝石の専門家が分かりやすく解説します。
ターコイズに興味がある方や、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
本物と偽物のターコイズの違いとは?偽物の種類を紹介

ターコイズは、非常に長い歴史を持つ宝石です。
驚くべきことに、その歴史は紀元前4000年頃にまでさかのぼり、当時は埋葬品として使用されていました。
このように、古代から人々の生活に密接に関わってきたターコイズですが、その長い歴史の中で、多種多様な偽物も作られてきました。
特に、ターコイズの偽物は種類が豊富で、その見分けが非常に難しいとされています。
ここでは、ターコイズの偽物を「ターコイズ以外の素材で作られた模造品」と「ターコイズを原料・素材とした模造品」の2つに分類し、それぞれを詳しく解説いたします。
ターコイズ以外の素材で作られた模造品
ターコイズ以外の素材で作られたものは、一般的に価格が安い傾向があります。
これらは本物のターコイズに似せて製造されているため、色や外観は非常によく似ていますが、素材が異なるため、明確に偽物と判断することができます。
一方で、意図的に偽物として販売されたものではなく、偶然ターコイズに似た見た目を持つ石が、誤ってターコイズと認識されるケースも存在します。
このような石は、「ターコイズ」という名称で販売されているわけではありませんが、外見の類似性から、混同されやすいのが実情です。
そのため、これらをすべて一概に「偽物」と呼ぶのは、適切ではない場合もあります。
1.ガラス、合成樹脂、セラミックスの模造品
市場に多く出回る安価な模造品には、ガラス、合成樹脂、セラミックスなどの素材で作られたものが挙げられます。
これらの素材は、柔軟性が高く、色や形状を自由に加工できるため、安価なアクセサリーによく使用されています。
このような模造品は、ターコイズを原料としていないため、明確に模造品として分類されます。
2.不透明な宝石を染色した模造品
ハウライトやマグネサイトなどの宝石を青色に染色した偽物も存在します。
染色には様々な宝石が用いられますが、現在主流となっているのは、白色マグネサイトを青色に染色したものです。
ただし、染色されるのは、石の表面に近いごく浅い部分のみであるため、取り扱いや保管環境によっては、色落ちする可能性があります。
3.青色の不透明な宝石
青色の不透明な宝石は、ターコイズの類似石として扱われることがあります。
ただし、これらの類似石は、意図的に偽物として作られたものではなく、見た目がターコイズに似ているため、誤認される場合も少なくありません。
そのため、このような宝石を「模造品」や「偽物」と呼ぶのは適切ではありません。
例えば、アマゾナイトやバリサイトといった青色の宝石は、その見た目からターコイズと間違えられることがありますが、いずれも独自の価値を持つ、別の宝石です。
ターコイズを原料・素材とした模造品
ターコイズの真贋判定において、特に複雑なのが、ターコイズを原料として作られた模造品の判別です。
これらの模造品は、確かに本物のターコイズを原料として使用していますが、天然ターコイズとは呼べません。
原材料がターコイズであるため、これを「本物」とみなすべきか、それとも「偽物」とみなすべきかについては、意見が分かれることがあります。
さらに、現在流通している天然ターコイズのほとんどは、安定化処理やワックス処理などの加工が施されています。
このため、加工処理された石と模造品の境界が曖昧になり、判断をより難しくしています。
こうした曖昧さが、ターコイズの真贋判定を非常に複雑で難解なものにしているのです。
1.練りターコイズ(再生ターコイズ)
練りターコイズは、ターコイズの粉末を合成樹脂で固めて作られたものです。
この製造方法から、「再生ターコイズ」と呼ばれることもあります。
ターコイズの粉末を使用しているため、見た目は本物のターコイズに非常に似ています。
さらに、一部の製品では、本物と誤認させる目的で、黒色や褐色の模様が意図的に加えられている場合があります。
これらの模様は、天然ターコイズ特有の条線模様(マトリックス)に似せて作られることが多いため、特に注意が必要です。
2.合成ターコイズ
合成ターコイズは、天然ターコイズと同じ化学組成を人工的に再現して作られたものです。
この技術は、1972年にフランスのギルソン社によって開発され、当時は画期的な技術として注目を集めました。
しかし、合成ターコイズの製造コストは模造品に比べて高いため、現在ではほとんど流通していません。
本物と偽物のターコイズを見分ける4つの特徴

ターコイズには多くの偽物が存在し、さらに加工が施されたものも多いため、本物と偽物を見分けるのは、非常に難しいと言われています。
ここでは、一般的に知られているターコイズの見分け方を4つご紹介します。
ただし、これらの方法だけで完全に真贋を判別するのは困難です。
誤った判断を避けるためにも、最終的な真贋の判定は、私たちのように専門的な知識を持つ査定士に依頼することをおすすめします。
色
ターコイズの真贋を色の違いで見分ける方法をよく耳にしますが、実際には、この方法だけで真贋を見極めるのは非常に困難です。
合成樹脂などの人工素材で作られた偽物は、自由に着色できるため、本物とほとんど見分けがつかない色合いで製造されています。
さらに、練りターコイズのように、ターコイズ自体を素材として利用している偽物も、本物に非常によく似た色を持っています。
また、天然のターコイズであっても、着色処理が施されているものが存在するため、色だけを基準に真贋を判断するのは、極めて難しいと言えるでしょう。
模様
ターコイズは、黒や褐色の条線模様(マトリックス)が入りやすい宝石として知られています。
このマトリックスは、白や赤に見えることもあり、線状ではなく塊状として現れる場合もあります。
一部では、このマトリックスが、天然の証拠と考えられることがあります。
しかし、マトリックスが見えるからといって、それが必ずしも天然石であるとは限りません。
例えば、人工的に線を描いてマトリックスのように見せかけたものや、小さなターコイズの破片を集めて接着し、その接着面をマトリックスに偽装したものも存在します。
そのため、マトリックスの有無だけで真贋を判断するのは、難しいと言えます。
表面の質感と温度
「天然ターコイズは表面がざらざらしているが、偽物はツルツルしている」という特徴を基にした見分け方は、加工が施されていない天然ターコイズに限れば有効である可能性があります。
天然のターコイズには、表面に小さな穴や隙間が多く、汚れや水分が染み込みやすいという性質があるためです。
このため、市場に出回る多くの天然ターコイズには、強度を高めたり色を安定させたりするために、含浸処理(がんしんしょり)という加工が施されています。
この加工によって、ターコイズの表面は滑らかになり、ガラスや人工のターコイズに似た質感を持つようになります。
しかし、含浸処理によって、天然石特有の触ったときの冷たさも失われるため、これらの特徴を頼りに見分ける方法の信頼性は低くなります。
重さ
合成樹脂で作られた偽物のターコイズには、「とても軽い」という特徴があります。
一方で、本物のターコイズはそれほど軽くないため、重さで判断する方法は、主に合成樹脂製の偽物に対しては有効です。
しかし、その他の模造品については、重さだけで真贋を見分けるのは難しい場合があります。
例えば、練りターコイズや染色された他の宝石などは、本物のターコイズと近い重さを持つことがあるため、重さだけでの判別は困難です。
さらに、一部の合成樹脂製の偽物では、内部に重い物質を仕込むことで、特有の軽さを隠しているケースもあります。
このような細工が施されている場合、重さを基準にした判断は、不正確になる可能性があります。
- おたからや査定員のコメント
宝石の真贋鑑定は、非常に難しい専門技術です。
特に、ターコイズのような不透明な宝石の真贋を見極めることは、専門的な経験と知識が必要とされます。
ご紹介したターコイズの見分け方は一般的な方法ですが、その方法のみで真贋を正確に判断することは非常に困難です。
もし、真贋を見極めたいターコイズをお持ちの場合は、宝石に精通した査定士が在籍する「おたからや」にぜひご相談ください。

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ターコイズとは?基本情報を解説

ターコイズは、最古の宝石の1つとして知られています。
その澄んだ空のような青色は、古代から多くの人々に愛されており、ヨーロッパのみならず、アメリカ先住民にとっても非常に重要な宝石でした。
長い歴史を持つターコイズですが、どのような宝石なのかを詳しく知っている人は、少ないかもしれません。
そこで、ここではターコイズの基本的な情報について、詳しくご紹介いたします。
ターコイズの特徴
ターコイズは、地下水に含まれる鉱物成分が結合し、結晶化して形成される宝石です。
この生成過程によって、ターコイズは微細な結晶が集まった構造を持ち、表面には細かい隙間や穴が多いという特徴があります。
そのため、水分や油分を吸収しやすく、汚れが染み込みやすい性質があります。
このような吸収しやすい特性のため、ターコイズは汚れに弱く、また自然のままでは脆いため、加工や使用に適さない場合が多いです。
そのため、耐久性を高めるために特別な処理が施されることが一般的です。
こうした性質から、ターコイズは取り扱いに細心の注意が必要な宝石とされています。
ターコイズの処理
天然ターコイズの多くは、その特性を補うために処理が施されていることが一般的です。
ターコイズに施される処理の種類は、大きく分けて以下の4つに分類されます。
1.ワックス処理
ワックス処理は、ターコイズの耐久性を向上させ、汚れを防ぐために古くから行われている処理方法です。
自然な外観を保ちながら、石を保護する役割を果たします。
2.透明剤の含浸(スタビライズ処理)
近年、一般的になっている方法で、透明な含浸剤を石の内部まで浸透させる処理です。
これにより、耐久性が向上し、汚れを防止できます。
3.有色剤の含浸
色を付けた含浸剤(有色剤)を使用することで、耐久性の向上だけでなく、石の外観を鮮やかにする処理です。
しかし、この処理が施されたターコイズは、外観が人工的とみなされ、偽物として扱われる場合もあります。
4.化学処理(ザッカリー処理)
特殊な液体にターコイズを浸し、化学反応によって光沢を向上させる処理です。
この方法は「ザッカリー処理」とも呼ばれ、石の見た目を美しく仕上げるために行われます。
ターコイズの代表的な種類
ターコイズは「トルコ石」とも呼ばれていますが、実際には、現在のトルコ共和国からは産出されていません。
この名前の由来は、かつてトルコの商人たちがターコイズをヨーロッパに持ち込んだことにあります。そのため、「トルコ人の石」を意味する名前として定着したと言われています。
このように、地域名がそのまま宝石名となったターコイズですが、種類やバリエーションが豊富であることでも知られています。
そして現在でも、多くのターコイズは産地名を冠して呼ばれることが一般的です。
1.スリーピングビューティーターコイズ
スリーピングビューティーターコイズは、アメリカ・アリゾナ州にあるスリーピングビューティー鉱山で産出されるターコイズです。
この鉱山では、鮮やかな空色で、網模様(マトリックス)のない高品質なターコイズが多数産出されていました。
その美しさから、スリーピングビューティーは「高品質なターコイズ」の代名詞として広く知られるようになりました。
ただし、スリーピングビューティー鉱山から産出されたすべての原石が高品質というわけではありません。品質にばらつきがあることもあるため、購入時には注意が必要です。
現在、この鉱山は閉山されており、スリーピングビューティーターコイズは希少性が高まり、価格も上昇しています。
2.ナンバーエイトターコイズ
アメリカ・ネバダ州は、国内最大のターコイズ産地として知られています。
その中でも、ナンバーエイト鉱山(「#8」とも表記)は、淡い青色と美しいマトリックス模様を特徴とするターコイズを産出していました。
しかし、この鉱山も現在は枯渇し、閉山しています。
ネバダ州は、現在でもアメリカ国内で最もターコイズ鉱山が多い地域ですが、かつて操業していた多くの鉱山がナンバーエイト鉱山と同様に枯渇しており、良質なターコイズの産出量は減少しています。
そのため、ネバダ州産のターコイズ全体の価値も年々上昇しています。
3.ペルシアンターコイズ
ペルシアンターコイズは、現在のイラン周辺の地域(かつてのペルシャ)で産出されるターコイズを指します。
ペルシャは、最古のターコイズ産地の1つとして知られ、何世紀にもわたってターコイズを産出してきた歴史があります。
この地域には歴史的に重要な鉱山が数多く存在しますが、鉱山名で呼ばれることは少なく、一般的に「ペルシアン」という大きな括りで呼ばれることが多いです。
ペルシャ地域には多くの鉱山が点在しているため、高品質から低品質まで、幅広い品質のターコイズが産出されます。
特に、この地域で採れるターコイズは硬度が高く、アメリカ産のものよりも強度に優れている石が多いことで知られています。
4.チベタンターコイズ
チベタンターコイズの「チベタン」は、鉱山名ではなく、「チベットの人々」を指します。
このターコイズは、緑がかった青色と独特のマトリックス模様が特徴で、多くはビーズ状に加工されることが一般的です。
チベット文化圏で産出されたこの石は、かつてチベット族の手によって様々な地域に運ばれてきた歴史があります。
現在、チベタンターコイズはアンティークとして高く評価されることが多く、新たに産出されたものよりも、何十年、何百年と愛用されてきたものに、特別な価値が与えられています。
このため、通常の品質評価基準とは異なり、歴史や風合いが重視されるのが特徴です。
- おたからや査定員のコメント
ターコイズは耐久性が低く、光沢を失いやすいという弱点があるため、それを補うために様々な処理が施されます。
一般的には、宝石に処理が施されると価値が下がると考えられがちですが、ターコイズの場合は処理が必須となることも多くあります。
そのため、「処理=価値が低い」と一概には言えません。
ターコイズを正しく評価するためにも、専門知識を持つ鑑定士が在籍する「おたからや」にぜひお任せください。

価値の高いターコイズの特徴とは?

ターコイズは、偽物が多く、本物と偽物の区別が曖昧な宝石です。
また、その価値判断の基準は人によって異なり、様々な視点から評価されます。
一般的には、「色」や「産地」、「模様」などが価値を見極める際の重要なポイントとされています。
ここでは、それらのポイントを詳しく解説いたします。
色
ターコイズは、銅を含むことで特有の青色を発色します。
その中でも、現在最も価値が高いとされるのは、均一で鮮やかなミディアムブルーのものです。
しかし、色の評価基準は時代によって変化してきたのです。
実は、かつて王侯貴族の間で最高品質とされていたのは、空を思わせる淡い青色でした。逆に、濃い青色は、価値が低いと見なされていたのです。
このように、現在の基準とは正反対の評価がなされていた時代がありました。
産地
ターコイズは、産地によって、その価値が大きく異なることがあります。
例えば、アメリカのスリーピングビューティー鉱山産のターコイズは、その美しい色合いと希少性から、高い評価を受けています。
特に、アメリカのスリーピングビューティー鉱山のように、現在では閉山した鉱山から産出されたターコイズは、その希少性から注目されることが多く、価格が上昇する傾向にあります。
さらに、その鉱山の特徴がよく表れているターコイズの場合は、特別な価値が付く可能性がさらに高まります。
模様(マトリックス)の有無
最高品質のターコイズは、マトリックスがなく、均一で濃い青色のものとされています。
そのため、一般的にはマトリックスがない方が価値が高いと考えられます。
しかし、マトリックスが美しい模様を形成している場合や、産地特有のマトリックスが含まれている場合には、その個性が評価され、特別な価値が付くこともあります。
つまり、マトリックスがあるからといって、無価値になるわけではありません。
ターコイズの魅力はその個性にあり、マトリックスの有無や美しさも、その一部として評価されることがあります。
- おたからや査定員のコメント
ターコイズの評価は、色や大きさだけでなく、産地や模様、彫刻の美しさも重要な要素です。
そのため、価値基準が分かりにくいと感じられることが多く、正確な査定には宝石の知識と豊富な経験が欠かせません。
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