パール(真珠)には、本物と偽物が存在し、どちらも多くの種類があります。
そのため、どれが本物でどれが偽物なのかを見分けるのは、非常に難しい場合があります。
特に、近年ではパールの価格が急激に上昇していることから、購入の際には真贋をしっかりと確認することが重要です。
この記事では、パールの本物と偽物の見分け方や、本物のパールの種類、価値について詳しくご紹介いたします。
Contents
偽物のパールの種類
偽物のパールの多くは、芯材となる素材に特殊な塗装を施すことで、本物のパールのような輝きを再現しています。
これらの偽物は、「芯材の素材名+パール」という名称で呼ばれることが一般的です。
ここでは、それぞれの偽物が持つ特徴について、詳しくご紹介いたします。
貝パール
貝パールは、古くから作られている偽物の1つで、芯材に貝殻を使用しているのが特徴です。
貝パールの芯材には、本物の養殖真珠に用いられる「真珠核」が使用されており、その上に塗料を何層も重ねて精巧に作られているため、本物に最も近い輝きを持っています。
国内では、大阪府南部が主要な生産地として知られており、海外では、スペインのマジョルカ島産の貝パールが特に有名です。
プラスチックパール
プラスチックパールは、プラスチック製の芯材に塗料を塗って作られる偽物の1つです。
芯材がプラスチックであるため、本物のパールのような重みはありません。
また、塗膜の厚みが薄い場合や、塗料とプラスチックの密着が不十分な場合は、塗料が剥がれてしまうこともあります。
ガラスパール
ガラスパールは、ガラス製の芯材を使用して作られる偽物のパールです。
芯材にガラスを使用しているため、プラスチックパールと比べて重みがあり、本物に近い重量感があります。
しかし、プラスチックパールと同様に、塗料が剥がれる可能性があります。
コットンパール
コットンパールは、圧縮した綿を芯材に使用し、その上に塗装を施して作られる偽物のパールです。
芯材が綿でできているため、ほかの偽物パールと比較して、非常に軽いという特徴があります。
また、表面には滑らかさがなく、特有のざらつきがあるため、見た目から比較的簡単に見分けることができます。
レジンパール
レジンパールは、紫外線ライトで硬化する特性を持つレジン素材を使用して作られる偽物のパールです。
透明なレジン液にパールカラーの着色料を混ぜ、硬化させることで製造されます。
ほかの偽物パールが芯材に塗料を塗る方法で作られるのに対し、レジンパールは、素材そのものに色を付けている点が特徴です。
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本物のパールと偽物を見分ける5つの方法
パールは、ほかの宝石と比べて、比較的本物と偽物を見分けやすい傾向があります。
最も効果的な方法は「見た目」による判断で、見た目の違いを正しく理解しておくことで、本物と偽物を見分けることが可能になります。
ただし、「見た目」に頼る方法は、経験や感覚に依存する部分もあるため、必ずしも誰にでも簡単に実践できるとは限りません。
それでも、基本的な違いを知っておくだけで、偽物を見つけるための大きな手助けとなります。
表面の質感
本物のパールは、芯材となる核の表面に「真珠層」が巻かれることで完成します。
この真珠層は、ミクロのレベルで見ると、レンガを積み重ねたような構造をしており、表面には微細な凹凸が存在します。
そのため、触れたときにほんのわずかなザラつきや質感の違いを感じることができます。
一方で、多くの偽物のパールは、芯材に塗料を塗り重ねて作られるため、表面に凹凸が生じることはありません。
そのため、偽物のパールは、表面が非常にツルツルとしており、滑らかすぎるという特徴があります。
触れた際の温度
本物のパールは、触れた直後に金属のような冷たさを感じ、その後、手のひらの温もりが伝わることで、徐々に温かくなるという特性があります。
一方、多くの偽物のパールは、触れた瞬間からわずかに温かみを感じるのが一般的です。
これは、芯材として使用されるプラスチックやガラスなどの素材の特性によるものです。
ただし、温度の感じ方は、保管状況や季節、周囲の温度の影響を受けるため、これだけで完全に真贋を見分けることは難しい場合もあります。
それでも、触れた際に冷たさを感じる場合は、本物である可能性が高まる重要な判断基準の1つです。
穴口の綺麗さ
ネックレスで使用されているような、穴が空いているパールの場合、穴口を見ることで真贋を判断することができます。
本物のパールは、穴の縁が鋭利で、断面が直線的で綺麗であることが一般的です。
一方、偽物のパールは、穴口にインク溜まりのような塗料の盛り上がりや、塗料の剥がれが見られることが多いという特徴があります。
重さ
本物のパール(養殖真珠)の核には、淡水二枚貝の貝殻を球状に加工したものが使用されているため、ずっしりとした重みがあります。
一方、プラスチックやコットンなどの軽い素材を使用した偽物パールは、明らかに軽く感じるため、重さで見分けることが可能です。
ただし、ガラスパールや貝パールなどの一部の偽物は、本物のパールと重さが近いため、この方法だけでの判別は難しいこともあります。
ブラックライトを当てて光るか
ブラックライトを使用して真贋を確認する方法も有効です。
本物のパールは、ブラックライトを当てると、青色や緑がかった蛍光を発する特徴がありますが、多くの偽物のパールは蛍光を発しません。
ただし、偽物でも塗料に蛍光剤が含まれている場合があり、その場合は蛍光を発することがあります。
そのため、この方法だけでの判断には注意が必要です。
より確実に見分けるためには、本物のパールと並べてブラックライトを当て、発光の違いを比較することが効果的です。
- おたからや査定員のコメント
パールの真贋は、経験豊富な専門家であれば、肉眼のみで見分けることが可能です。
そのため、ネット上では「簡単に見分けられる」と紹介されることもありますが、感覚に頼った見分け方を気軽に行うことは、リスクを伴います。
特に、リセール時のような確実性が求められる場面では、専門家の鑑定を受けることが推奨されます。
本物のパールの種類
パールは、大きく分けて「海水産」と「淡水産」の2種類に分類されます。
特に、海水産のパールは、使用される貝の種類によって更に細かく分類され、それぞれに独自の特徴があります。
ここでは、パールの種類とそれぞれの特徴を詳しくご紹介いたします。
アコヤ真珠
アコヤ真珠は、アコヤガイを母貝(パールの元となる貝)として作られるパールです。
手のひらサイズほどの小型のアコヤガイを使用するため、アコヤ真珠のサイズも比較的小さく、通常は5mm~8mmが一般的です。
ほかの海水産パールと比べてサイズは控えめですが、七色に輝く美しいテリ(光沢)が特徴で、その上品な輝きが多くの人々に愛されています。
色は、ホワイトやクリーム、ブルーグレーなどがあります。
白蝶真珠
白蝶真珠は、大きさが20cm~30cmほどあるシロチョウガイを母貝として作られるパールです。
養殖では、11mm~16mmサイズの大粒のものが生産されるのが一般的で、ボリューム感のある豪華なジュエリーとして高い人気を集めています。
シロチョウガイは、その貝殻の縁の色によって「シルバーリップ」と「ゴールドリップ」に分かれており、それぞれが異なる色合いのパールを生み出します。
1.シルバーリップ(ホワイト系)
シルバーリップは、主にオーストラリア近海に生息するシロチョウガイで、ホワイト系の白蝶真珠を生み出します。
青みがかった白が多く見られるのが特徴で、アコヤ真珠よりも白さが際立っています。
ただし、一部の地域では、アコヤ真珠に近い色合いの白蝶真珠も存在します。
2.ゴールドリップ(ゴールド系)
ゴールドリップは、東南アジアや日本の奄美大島近海などに生息するシロチョウガイです。
ゴールドリップから生み出されるゴールド系の白蝶真珠は「ゴールデンパール」とも呼ばれ、純金のような深みのある金色が特徴で、白蝶真珠の中でも最高級品とされています。
黒蝶真珠
黒蝶真珠は、クロチョウガイを母貝として作られるパールです。
クロチョウガイは、主に太平洋の島々の周辺に生息しており、現在の主要な養殖地はタヒチです。
黒蝶真珠の実体色(パールそのものの色)は、灰色か黒色が一般的ですが、テリや巻きによって生まれる干渉色(パール表面の光の反射による色)は、緑系や赤系など様々な色合いがあります。
この実体色と干渉色が組み合わさることで、黒蝶真珠ならではの複雑で魅力的な色彩が生まれています。
マベ真珠
マベ真珠は、マベガイを母貝として作られるパールです。
この貝種は、真円パールの養殖には適していないため、主に半円パールの養殖が行われています。
半円パールは、貝殻の内面に半円形の核を貼り付け、その周囲に真珠層を形成させることで生成されます。
また、半円パールの平らな面を美しく仕上げるために、ほかの種類の貝殻を貼り付けて加工することが一般的です。
淡水パール
淡水産のパールには、特定の貝種による呼び名はありませんが、現在は主にヒレイケチョウガイやカラスガイが使用されています。
淡水貝は、約30cm程度まで大きく成長し、さらに養殖時に核を必要としないため、1つの貝から複数のパールを養殖できる点が特徴です。
コンクパール
コンクパールは、コンク貝というピンク色の巻貝が作る天然のパールです。
通常のパールとは異なり、真珠層を持たないものの、貝から生み出されるため、パールの1つとして分類されています。
しかし、コンク貝は、主に食用として捕獲されることが多く、現在では絶滅の危機に瀕していると言われています。
- おたからや査定員のコメント
地球上には10万~20万種類もの貝が存在すると言われていますが、その中でパールを生み出す貝はごくわずかです。
さらに、養殖に成功し、世界的に流通している真珠は、アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠、マベ真珠、淡水パールの5種類のみと言っても過言ではありません。
このことから、パールがいかに希少で貴重な存在であるかがよく分かります。
パールの価値を決める要素
パールの価値は、以下の6つの要素が複雑に関わり合うことで決まります。
- テリ
- 巻き
- 傷
- 色
- 形
- サイズ
そして、これらの要素は、大きく2つに分けることができます。
それは、客観的な評価がしやすい「テリ」「巻き」「傷」と、個人の好みや価値観に左右される「色」「形」「サイズ」です。
テリ(光沢)
「テリ」とは、パールの輝きを指します。
テリの美しいパールは、まるで鏡のように周囲を鮮明に映しますが、テリが悪いパールは、ぼんやりとした曇った光沢を持ちます。
テリの美しさは、真珠層の「巻き」の質に大きく影響されるため、高品質な巻きを持つパールほど、美しい輝きを放つのが特徴です。
巻き(真珠層の厚さ)
「巻き」とは、真珠層の厚さを指します。しかし、単純に厚みだけを測ることには意味がありません。
真珠層は、レンガを積み重ねたような構造をしており、それぞれの「レンガ」の大きさが均一で、整然と積み重なっていることが最も重要です。
巻きの質が良いパールほど、テリ(光沢)がより美しくなります。
傷(エクボ)
パールは、貝の生育状況によって、エクボ(凹みや穴)や突起などの天然の傷が生じることがあります。
これらの天然の傷は、パールの個性の一部とされ、目立たない位置にある場合には大きな問題とはなりません。
一方で、加工傷と呼ばれる人為的な傷も存在します。
これは、パールの加工過程で生じるもので、パールの価値を下げる要因となります。
色
パールには、使用される貝の種類によって様々な色が存在し、同じ貝種であっても、個体差によって微妙に異なる色味が生じることもあります。
色の評価は、個人の好みや時代の流行によって左右されるため、「どの色が最も価値が高いか」という明確な基準や順位は存在しません。
ただし、需要が非常に高く、希少性が高い色のものは、価格が高騰する場合もあります。
形
核を使用して養殖されたパールは、真円や球形に近い形状に成長することが多いですが、無核の淡水パールは、それぞれ異なる形に成長するのが特徴です。
また、真珠層の巻きが厚くなるほど真円を形成しにくくなるため、形状だけでパールの価値を決めることはできません。
特に、真円に近い「ラウンド」は、最も形成が困難な形状であり、その希少性から高い価値を持ちます。
ただし、例外として、美しいペアシェイプ(洋梨型)、オーバル、バロック(不規則な形状)など、個性的な形状のパールにも高い需要があり、高値で取引されることがあります。
サイズ
パールのサイズは、珠(たま)の大きさで評価されます。
一般的には、同じ産地・同じ品質条件であれば、サイズが大きいほど希少性が高まり、それに伴って価格も上昇します。
ただし、養殖の場合、パールのサイズは核の大きさに左右されるため、サイズだけで一概に価値を判断することは難しい場合があります。
また、アコヤ真珠のような小粒のパールは、養殖に手間がかかるため、小さくても品質の良い珠であれば、大きな珠よりも高い価値を持つ場合があります。
- おたからや査定員のコメント
パールの価値は、6つの要素のいずれか1つだけを見て決まるものではありません。
また、通常の宝石とは異なり、パールはサイズが大きいほど、必ずしも高評価が付くとは限りません。
パールの価値を正確に測るのは非常に難しいため、正しい価値を知りたい場合は、パールに精通した「おたからや」の査定員にぜひお任せください。
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・パール(真珠)の価値はどう決まる?天然・養殖真珠の違いや種類も詳しくご紹介
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