時計のコレクターの中でも人気のロレックスですが、中でも「赤サブ」と呼ばれる赤サブマリーナーは注目されている時計です。ダイバーズウォッチとしての高い機能性を持つ時計で、アンティークウォッチとしての魅力も大きく、コレクターのなかでも注目されているのです。ロレックスといえばコレクターのなかでも注目されている高級時計ですが、その中でも赤サブはなぜ人気があるのでしょうか?赤サブの特徴や歴史、種類について紹介します。
ロレックス赤サブマリーナー
とは?特徴や歴史は?
「赤サブ」と呼ばれているロレックスの赤サブマリーナーはRef.1680の一つで、文字盤中央の下に位置する「SUBMARINER」の文字の色が赤になっているものを指します。ベゼルは3型でフォントは凛々しい印象です。こちらの時計は個数が少なく、さまざまな違いがあることで、コレクターから注目されています。
サブマリーナーが誕生したのは1953年で、世界初のダイバーズウォッチとして長い歴史を持っています。サブマリーナーが誕生した当時、ロレックス独自のオイスターケースは時計の内部に水を浸入させないつくりが高く評価されました。それは衝撃ともいえるくらい注目を浴びたのです。
完全防水のケースは、金属の塊を削り作られたもの。裏蓋とリューズをねじ込み式にしたつくりは、オイスター(牡蠣)の殻のようにぴったりとして隙間がありません。そのつくりのおかげで、ケース内部には水やホコリなどが侵入できないようになっているのです。水が浸入できないだけでなく、水圧にも耐えうる頑丈さも利点です。水深100メートルの水の中では100キログラムもの重さが時計にかかるものです。その水圧に負けないつくりになっているため、水のなかでも安心して利用できるというわけです。
潜水時間の計測が可能な回転ベゼル、水深100メートル防水性などの機能を備えたこの時計は、ダイバーズウォッチとしてハイスペックであり、非常に高く評価されています。サブマリーナーの特徴の一つであるベセルは、60分のメモリ入りで、ダイバーは潜水時間を正確に把握できるのがメリットです。
また減圧停止を測定できるので安全性が高い点も魅力です。この時計は水を浸入させないつくりと、耐久性に優れているだけでなく、メンテナンス性も高く、アンティークウォッチとして今でも高い人気を誇っています。
クラシカルな雰囲気を併せ持ちながらも、スポーティーでスタイリッシュな見た目も魅力的です。カジュアルなシーンはもちろんビジネスシーンなど場面を選ばず使える時計で、高級時計のなかでも高い人気を得ています。
当初こちらの時計には日付表示が備わっていませんでした。しかし1965年に日付表示が備わったロレックス サブマリーナーデイトが登場しました。日付のないものはノンデイトとして区別されています。
サブマリーナーデイト(Ref.1680)がつくられていたのは、1965~1980年で、赤サブもこの年代にしかつくられていません。特に赤サブは1970年代前半までで製造を終了しているとされています。つくられていた当初は文字の色は赤く、後に白になったという説や、特に時期に関係なく赤くなっていたり、白でつくられていたりしたという説があり、色に関して明確な情報はありません。
ロレックス
赤サブマリーナーの魅力
つくられていたのが数年程度という赤サブマリーナーは、その珍しさが魅力の一つです。アンティーク時計のなかでも、特に注目を集めている種類で、現在では当時の定価から10倍以上となっているケースもあります。
もちろん、この時計の魅力はつくられている数が少ないというだけではありません。プラスチック製の風防、フチなしインデックスはアンティークならではのクラシカルな雰囲気を醸し出し「味」を感じさせる点が魅力でもあります。日常使用として使い込まれた時計にしか出せない味が、どこかなつかしさを感じさせる魅力となっているのでしょう。
注目されている理由は性能の高さにもあります。こちらの時計には、自動巻きクロノメーターCal.1570が搭載され、頑丈でメンテナンス性能を高めています。後に出たものはゼンマイの巻き上げ部位を引くことで秒針を止められるハック機能が搭載。リューズ側とチューブ側にパッキンを配置したつくりは気密性を高め、さらに防水性能を高める役目を果たしています。
先にも述べましたが、この時計にはプラスチック製の風防が使用されている点も特徴です。後になってサファイアクリスタルが採用されているものが出ましたが、古風な雰囲気を漂わせている点に魅力を感じさせるのでしょう。
また、フチなしインデックスも魅力の一つです。メタル枠がないデザインで、ファンにとってはたまらない魅力となっているのです。製造中、文字盤のディティール変更が度々おこなわれていて、製造期間が短い中でのさまざまなディティール変更によってあらゆる違いが楽しめるのが、ファンを惹きつける魅力の一つです。その変更などによって、6つの文字盤があるとされ、デザインによって価値が大きく異なるのも興味深い点です。
赤サブマリーナーの種類
こちらの時計にある6つの文字盤には、次のような違いがあります。
- 「6」の違い
- 「F」の違い
- 防水表記の違い
660ftの「6」には、「オープン6」と「クローズ6」があります。「6」の丸くなっている部分が閉じている書体が「クローズ6」、丸くなっている部分に隙間がある書体が「オープン6」です。
フィート表記の「F」にも2種類あり、「F」の上の横棒が長いのを「ロングF」、上下の横棒が同じ長さのものを「ショートF」といいます。
「SUBMARINER」のロゴの下には、200m=660ft表記と、660ft=200mという2つの表記があり、200mが先に書かれているものをメーターファースト、660ftが先に書かれているものをフィートファーストといいます。
また、「SEA-DWELLER」のロゴが赤くなっている「赤シード」も赤サブに勝るとも劣らないくらい希少なアンティーク時計です。こちらの文字盤も「オープン6」や「クローズ6」などの違いがあり、魅力的なモデルとして人気があります。
ロレックス サブマリーナーデイト Ref.1680の6種類は以下の通りです。
- マークI:200m=660ft、クローズ6、ロングF
- マークII:200m=660ft、オープン6、ロングF
- マークIII:200m=660ft、オープン6、ショートF
- マークIV:660ft=200m、オープン6、ショートF、クロノメーター表記のスペースが広い
- マークV:660ft=200m、オープン6、ショートF、クロノメーター表記のスペースが狭い
- マークVI:660ft=200m、クローズ6、ロングF
マークIは初期型でメーターファースト。数が非常に少なく高額で取引される可能性が高いモデルです。マークIIはマークIと同じくメーターファーストで取引価格が高額になる傾向にあります。マークIIはブラウンに変色することもあり、価値が高くなる可能性もあります。
マークIIIもマークII同様、ブラウンに変色することがあり、価値が高くなることも。マークIVは比較的多く出回っているモデルです。文字盤のバランスがよく美しく見えるので高い人気があります。マークVも流通量が多く、よく見かけるタイプです。マークIVとよく似ていますが、王冠マークの形とクロノメーター表記の文字間が少し狭くなっている点が異なります。マークVIは赤サブの後期型モデルで、「6」の表記がマークIと同じクローズになっています。
このような細かい変更は明らかにおこなわれているものもありますが、中には生産工場による違いも影響しているのでは?と言われています。
赤サブマリーナー取扱の注意点
買い取り価格も高額なこちらの時計は、文字盤のちょっとしたデザインや配置の違いによって価格差が生じます。製造年数が短いだけに、個体数も少ない傾向にあるため、希少価値も高いのが特徴です。高額での取引が多い赤サブマリーナーには、注意点があります。中には、偽物が流通することがある点です。通常の白レターの1680を赤く塗ったなどの偽物が出回っていることもあります。
まとめ
個体数が少なく希少価値のある赤サブマリーナーは、高額取引をされる高級時計です。防水性やメンテナンス性に優れた高機能性を備える一方、アンティークな雰囲気を持ち、その味を楽しめるのが魅力です。6つのモデルにわけることができる赤サブですが、細かな違いを楽しめるのもコレクターから注目されている理由です。
高級ブランド時計の多くは価格改定がされており、新品・中古問わず需要が高まり買取価格も上昇傾向にありますので、売却にはベストなタイミングといえます。
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