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    変遷と価格推移とは

ロレックスのミルガウスの
変遷と価格推移とは

数多いロレックスのコレクション中でも、通が好むと言われているミルガウスは、中古市場では値上がり傾向にあります。ミルガウスにはどのような魅力があるのでしょうか。ミルガウスが誕生することになった経緯や歴史、そして価格推移についてもチェックしてみましょう。

 

知っておきたい
ミルガウスの特徴

ミルガウスは、1956年にロレックスよりリリースされました。ミルガウスというブランド名はフランス語「1000のガウス」という意味の言葉からきています。ガウスというのは、地磁気の研究で19世紀前半に活躍をした、カール・フリードリヒ・ガウスの名前を取った磁束密度の単位です。磁極1平方メートルあたりの磁力線本数のことを指しています。1,000ガウスは79,580A/m(アンペア/メーター)に相当します。

通常の腕時計は、磁気にはどうしても弱くなっています。金属でできた時計は、磁気が強い場所に置くと、磁気を帯びた状態になります。磁気帯びになってしまった時計は、内部の部品が磁石のようになってしまい、時計としての精度が乱れてしまい、正しい時を刻むことができなくなり、専門の修理が必要となります。そのため、磁気に強い耐磁時計が必要とされることとなったのです。

一般的な腕時計の場合、おおよそ50から100ガウスまで耐えられるとされています。つまり、ミルガウスは、1,000ガウスもの強い磁場でも耐えることができます。強い磁場にさらされている人がつけられる用に初めて作られた腕時計です。医師や、研究者などの職業のために誕生した、画期的なプロフェッショナル向けモデルと言えるでしょう。

当時、時計は磁場に弱いということ自体、それほど知られていませんでしたが、ロレックスの現行モデルでは、どれも耐磁性を持っています。さらにミルガウスは、磁力に耐えうるためにロレックスの技術が詰まった逸品です。また、製造期間が短いこともあり、特別感があるモデルとして市場では高い人気を博しています。

歴代ミルガウスの系譜とは

ミルガウスは1956年に誕生した初代と二代目、一旦生産が中断された期間を経て、三代目、そして現行モデルまで、4つの系譜に分類することができます。それぞれの特徴についてみていきましょう。

初代ミルガウス Ref.6541(1956年~)

初代ミルガウスは、ロレックスのヴィンテージの中でも非常に希少価値のある、コレクターアイテムのひとつとされています。

誕生当時、ロレックスは海中や高度が高い環境でも耐えることができる、サブマリーナーやGMTマスターなどの製造をおこなっていました。そして、高い磁場でも耐えられる実用的な時計を目的として、欧州原子核研究機構(CERN)との共同で製作されたのが、ミルガウスです。

当初はサブマリーナーと同じ、回転ベゼルを採用していました。その後、スムースベゼル、自動巻きムーブメントなど、マイナーチェンジを繰り返しています。ケースの直径は35mmで、軟鉄製のインナーケースを用いていることによって厚みが感じられます。

二代目ミルガウス Ref.1019 (1959年~1991年)

二代目ミルガウスは、1959年に発売されました。初代と比べるとデザインが大きく変更されています。シンプルなデザインと、大きめの長短針、細い秒針との対比が印象的です。そして、他のモデルと比べて、ROLEXのロゴデザインが大きいことも特徴です。秒針はストレートタイプになり、ダイヤルは、バー・インデックスに変更されました。

製造期間中、目盛のピッチの変化や、文字盤の仕上げや、夜光の位置が変更となるなど、幾度かのマイナーチェンジがおこなわれています。Ref.1019は、30年という長い期間製造されていましたが、斬新かつニッチなターゲットのために、1991年をもって、生産終了となっています。

三代目 ミルガウス Ref.116400 (2007年~2015年頃)

二代目の生産終了から20年経過した2007年に、ミルガウスが復活しました。復活した理由のひとつに、情勢の変化があります。2000年前後に、携帯電話が急激に普及していったことに伴って、磁場に対する認識も広まることとなりました。

時計に耐磁性が求められるようになったことから、世界中のメーカーが磁気の対策を打ち出していくようになりました。中でも、パテック フィリップによるシリコン製ヒゲゼンマイの発明が知られています。時計の中でも、磁気帯びの影響をもっとも受けやすいパーツである、ヒゲゼンマイにシリコンを用いることによって、安定した精度となりました。現在でも主流の機構となっています。

この時期、ロレックスにおいても、ヒゲゼンマイの改良が進められていました。2000年から5年をかけて開発された、ブルーパラクロム・ヒゲゼンマイが登場したのです。ニオブをメインとして、ハフニウムとの合金によるパラクロームを用いたもので、それまでのヒゲゼンマイの10倍の衝撃にも耐性があります。耐磁性のみならず、温度変化にも強く、復元力があるという特徴を持っています。

三代目は初代と二代目のデザインをあわせもったデザイン、初代から変わらない、1000ガウスの耐磁性能があります。回転ベゼルは、スムースベゼルが採用されています。

耐磁性構造が新しくなっていることも大きな特徴です。ケースは同じサイズの他のモデルよりも厚いのは、軟鉄製インナーケースが内蔵されているためです。ムーブメントは、前述のブルーパラクロム・ヒゲゼンマイに加えて、ミルガウスの専用ムーブCal.3131になりました。ニッケル・リンによる非晶質合金で製造されたガンギ車、アンクルを組み込んでいます。このことによって、耐磁気がさらに上がり、精度の安定がより確かなものになりました。

外装部分では、ステンレス素材のひとつである「904Lスチール」が、ブレスレットとケースに用いられています。904Lスチールは薄い膜でカバーされているため、サビや腐食などに強いことと、非常に堅牢であることが特徴で、時計メーカーとしてはロレックスが初めて採用した素材です。研磨性も高いことから、美しい曲面と、鏡面仕上げがされている重厚なケースとなっていることも特徴です。

デザインでは、秒針が初代のイナズマ針が採用され、オレンジのカラーリングがとてもインパクトがあります。文字盤はブラックとホワイトの2種類あります。ブラックはインデックスの外側部分に少し暗めのオレンジのマーカーが付いています。

ホワイトはインデックスが薄く明るいオレンジで、ミニッツサークルもオレンジとなっています。ホワイトはその明るい南国を思わせるカラーリングデザインから、別名トロピカルマンゴーとも呼ばれています。

現行 ミルガウス Ref.116400GV
(2007年~)

現行のミルガウスは、三代目ミルガウス Ref.116400と同時期に発売開始されました。現在発売されているのは、Ref.116400GVのみとなっています。Ref.116400との差はそれほどなく、Cal.3131のムーブメントと、イナズマ針がオレンジカラーであるところも同じです。

三代目とRef.116400GVの大きな違いは、特徴的なサファイヤクリスタルガラスにあります。GVとはGlace Verteのイニシャルを取ったもので、フランス語で「ガラスが緑色」という意味があります。

ROLEXのカラーである緑色をガラスに落とし込んでいるのは、アニバーサリーという意味合いのも含まれたモデルであるため、と考えられます。特殊な製法のガラスのためか、ROLEXには通常、6時部分に王冠のマークが透かしで入れてありますが、ミルガウスのサファイヤクリスタルガラスには入っていません。2014年より、ブラックの文字盤に加え、Zブルー文字盤が登場しています。ブルーの塗料には、ジルコニウムが含まれていることから、美しさをより一層際立たせています。

歴代ミルガウスの
価格推移と価値

歴代のミルガウスの価格推移と、現在の価値についてみていきましょう。2021年にロレックスが全体的に製造数を減少させたことから定価が値上げされました。そのため全体的に相場が高騰しています。初代ミルガウスは、非常に希少性が高いことから、市場に出ることはほとんどありません。二代目も流通自体がとても少ないため、アンティークの代名詞とも言われています。こちらも市場に出ることが少ないですが、400万円以上の値段が付くこともあります。

三代目ミルガウスのRef.116400は、2021年より、値上がり傾向にあります。特にホワイトの文字盤は、現行にないデザインのため、人気があります。ブラックの文字盤は100万円前後、ホワイトの文字盤は180万円前後となっています。

現行のミルガウスも、黒文字盤、Zブルー文字盤ともに値上がり傾向にあります。2021年初頭においては100万円前後を推移していましたが、徐々に値上がりしていき、黒文字盤は180万円前後、Zブルー文字盤も200万円前後となっています。

まとめ

ミルガウスは、ロレックスの技術の結晶ともいえる逸品です。耐磁性に加えて個性的なデザインが、ロレックスの中でも特殊な存在として際立っています。その希少性から、市場での価格は値上がり傾向にあります。ロレックスのミルガウスの動向は、今後とも目が離せません。

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