日本は金の密輸大国?なぜ頻繁に密輸事件が起きるのか

世界の国々の中でも、日本は金の密輸が多い国であるという言葉ご存知でしょうか。島国であるため密輸は難しいようにも思えますが、犯罪組織のさまざまな方向によって密輸事件は多発しています。そこで今回は、なぜ日本で密輸事件が多発してしまうのか詳しくみていきましょう。
日本で金の密輸が多発しているわけ
島国で様々な物品を持ち込むのも難しいように思える日本ですか、世界の中でも特に金の密輸が多い国だということはあまり知られていません。なぜ物を持ち込みにくい日本で、金の密輸が多発してしまうのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
法律による問題
犯罪組織は海外と日本の消費税差分で不当な利益を得ようとしますが、日本よりも周囲の国で売った方が差分は大きく得をすることができます。
それにもかかわらず日本で売ろうとする理由は、日本の法律です。例えば、他の国では密輸した事がばれるとその対象となる物品は没収されてしまいます。しかし一方で日本の場合は、一定金額の罰金を支払えば所有権を取り戻すことが可能です。
そのため犯罪組織にとっては、密輸がばれたことによるリスクが少なく日本が密輸の的となってしまっています。
税率の改定
金を輸入するためには、基本的に税関に申告をして消費税を納めなければいけません。
もっとも消費税がない経済特区である香港などで金を買って、それを消費税込みの値段で売却すると大きな利益を得ることができます。
特に日本は近年消費税の税率改定が行われていたため、犯罪組織としても大きな利益を得ることができるチャンスでした。そのため金の密輸が日本で多発してしまったということになります。
警察の発表によると消費財改訂前とその後では、金密輸に関する事件が約1.5~2倍近く増えたようです。
実際に起きた密輸事件を紹介
犯罪組織にとっては、お金を払えば不法に持ち込んだものであっても返してくれる日本は格好の的です。そのため様々な密輸事件が起きており、何度かニュースでも大々的に報道されたことがあります。そこで以下では、実際に起きた事件がどういったものなのか詳しくみていきましょう。
海に投げ捨て事件
平成29年5月に来日中国人と日本人が結託して、およそ200kg以上の金を密輸しようとした事件ありました。
この事件では事前に東シナ海上で金を海の中に投げ捨てて、後から日本から回収しに行くといった方法が取られています。国内で初めて起きた瀬取り密輸事件であり、当時各放送局も大々的に報じました。犯人グループは金を回収して港に乗り入れたところを、警察によって取り押さえられ逮捕されています。
1件あたりの金の押収量も過去最大となっており、日本の中でも非常に有名な事件です。
普通の夫婦が運び屋をしていた事件
金の密輸では度々一般の人々が運び屋として利用されるケースがあります。
過去には海外の空港で「靴やおなかの中に金を隠して日本に持ち込んだらお金をあげる」といった勧誘に乗せられて、一般の夫婦が密輸で逮捕されてしまったという事件も。また新婚旅行の夫婦に声をかけて、合法だと偽り金の運び屋をさせた犯罪組織も存在しています。
このように一般人に対して犯罪組織が甘い言葉で近づいて、密輸という法律に反した行為をさせるケースもあるので注意が必要です。
まとめ
日本の法律の制度上、密輸を厳しく取り締まることが難しいため犯罪組織の格好の的となっていることを解説してきました。もっとも密輸は犯罪組織だけではなく、一般の人々を利用して行われたケースもあります。甘い言葉で近づいてきた犯罪組織に乗せられて自分が巻き込まれないように、軽い気持ちで密輸をしないように気を付けなければいけません。