金投資詐欺「豊田商事事件」とは?

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金投資詐欺「豊田商事事件」とは?

豊田商事という会社をご存じでしょうか。日本で起きた金にまつわる事件を巻き起こした、悪名高い会社です。被害総額でも詐欺に関するものとしては最大であり、日本のなかでも1,2を争う悪質極まりない詐欺でした。現在でも同じような詐欺は多発しているので、だまされないように過去の手口を詳しく知っておきましょう。

豊田商事事件とは

豊田商事事件とは1980年代に起きた、日本でも1,2を争う悪質な詐欺です。被害総額はおよそ2000億円を超えているといわれており、現在でも日本のなかで最大の被害額を誇る悪質極まりない詐欺事件でした。いったいどのような詐欺が行われたのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

事件の詳細

発端は豊田商事という会社が、金を用いた悪徳商法を始めたことです。当時はまだインターネットなどが普及していなかったため、高齢者などへの警戒を促すことができず日本全国で被害が広がってしまいました。

詐欺の具体的な内容は、金融商品に詳しくない高齢者の自宅に訪れて金を格安で購入できる契約を持ちかけ、実際には現物を渡さず証券を発行するものです。

将来的に金の価値が上がるとだまされた高齢者の人々は、訪れた販売員にだまされてしまい次々と金の購入契約を結んでしまいました。最終的には購入してしまった人の手元には偽物の証券しか残らず、お金は全てだまし取られてしまう非常に悪質な手口だったのです。

悪質な手口

高齢者の自宅に訪れた豊田商事の販売員は、偽物の金の延べ棒を机に並べて金の購入を迫ったそうです。また多くの人に信用してもらうために、当時一般の人々の中で認知度が高かった企業やブランド名を勝手に使用したり、テレビ CMを積極的に流したりなどしています。

実際に会社の名前である豊田商事も「TOYOTA」と誤認識させるために名付けられ、あらゆる手を使って高齢者を中心とした人々をだまそうとしていたのです。 

被害総額と被害者のその後

さまざまな手口によって被害者は約数万人まで増えました。被害総額は約2000億円以上ともいわれており、現在の日本では最大の被害額です。

ただの紙切れをつかまされてしまった被害者の人達には、豊田商事からお金を回収してある程度救済もされました。一連の出来事がきっかけで、日本では取引契約に関するさまざまな法律(有名な法律ではクーリングオフ制度など)が制定されることになり、一般消費者の保護につながった影響力の高い出来事だったといえるでしょう。

殺人事件へと発展も

実はこの事件にはまだ驚愕の事実が残されています。それは当時の豊田商事の会長が、テレビ中継をしているマスコミの前で殺害されてしまったのです。

その日は豊田商事の会長が逮捕されるとニュースがあったため多くのマスコミが集まっていました。そこに現れた犯人が生放送をしているマスコミの前で、会長を刺殺してしまったのです。

会長が逮捕される瞬間を撮影しようとしていたマスコミは当然カメラで犯人を撮っていたので、犯人が会長を刺す瞬間や血まみれになって部屋から出てくる様子なども事細かに放送されています。

高齢者を狙い不当な利益を得て殺人事件にも発展してしまった豊田商事事件は、今後二度と繰り返されてはならない事件だといえるでしょう。

 

金投資の詐欺に巻き込まれないためには 

金投資の詐欺に巻き込まれないためには、悪質な業者が行っている手口をあらかじめある程度知っておく必要があります。そこで以下では、現在でも度々問題になっている詐欺事件の手口について紹介していくので必ず覚えておきましょう。

地金取引詐欺

近年で金投資の詐欺で行われている手口として挙げられるのが、地金取引詐欺です。

この詐欺では悪質な業者が高齢者などをターゲットとして、電話で勧誘を行います。「純金で積立投資を行うようなものです」といった説明で相手を安心させ、できるだけお金を引き出そうとしてくるのです。

実際には契約内容も複雑であり、年間の手数料や金の管理費用などで損をしてしまう仕組みになっています。金の積立投資を勧誘してくる電話があったら、詐欺ではないかしっかり見極めましょう。

海外取引を利用した詐欺

この詐欺では悪質な業者が海外取引を利用してきます。突然高齢者を狙い電話をかけて「アジアで金を安く仕入れて、日本で高く売って利益を得ませんか」といった勧誘をするのです。

実際には差益などは発生しないため利益が得られないのはもちろんのことですが、支払ったお金もだまし取られて戻ってきません。

安易な投資を勧誘する電話には注意をして、万が一電話がかかってきた場合でも必ず家族と相談するようにしましょう。

 

まとめ

金に関する詐欺は現在でもまだまだ続いています。悪質な業者はあらゆる手を使って一般消費者をだまそうとしてくるので、できるだけだまされないように予備知識をつけておく必要があるでしょう。万が一金投資に関する怪しい電話がかかってきたら、家族に相談し警察へ連絡するように決めておくとだまされずにすみます。

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