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金の投資詐欺に注意!
手口や詐欺被害を
防ぐためのポイントを解説

近年金相場が高騰し、2024年10月に金の買取価格が史上初めて15,025円を記録するなど、注目を集めていることから、金投資に興味を持つ人は多いのではないでしょうか。その際に注意したいのが金投資詐欺です。金投資に興味のある人や、すでに金投資を行なっている人は、金投資詐欺のターゲットになりやすいといえます。

金投資詐欺を他人事と思わず、いつ被害に遭ってもおかしくないという気持ちで投資に取り組むことが大切です。この記事では、金投資詐欺で見受けられる手口や詐欺かどうかを見極めるポイント、詐欺から身を守るためにできることなどを紹介します。

金投資詐欺の手口には
どのようなものがある?

金投資詐欺に巻き込まれないためには、悪質な業者が行なっている手口をある程度知っておく必要があります。ここでは、現在でも問題になっている詐欺事件の手口について紹介するので、金投資を検討している方は確認しておきましょう。

現物まがい商法(ペーパー商法)

現物まがい商法とは、金やゴルフ会員権、ダイヤモンドなどを売りつける悪徳商法です。「今購入すれば将来値上がりする」などと言い購入させますが、現物は渡されません。

現物の代わりに、「預かり証」または「権利証」などと呼ばれる紙切れが渡されます。これが別名「ペーパー商法」と呼ばれる理由になっていると考えられます。

「値上がりするから現金を預金するよりも得」「安全に保有できる資産」など、魅力的な言葉で購入へと誘導するのが手口の特徴です。戦後最悪といわれている「豊田商事事件」は、現物まがい商法の典型例といえるでしょう。

豊田商事事件とは

豊田商事事件とは、1980年代前半に発生した、豊田商事という会社による極めて悪質な金の投資詐欺事件のことです。豊田商事の社員は、高齢者の自宅を訪問して金を売りつけ、金の現物を渡さずに預り証のような書面を渡していました。購入者の手もとにはその偽物の証券しか残っておらず、最終的にはお金をだまし取られたのです。

豊田商事は、テレビCMを流したり、一等地にあるビルの豪華な応接室に客を案内したりと、堅実な優良企業であることを信用してもらえるように、さまざまな手法を駆使していました。被害総額は2,000億円以上といわれており、現在でも日本における最大規模の被害とされています。

地金取引詐欺

近年、金投資詐欺の手口として挙げられるのが、地金取引詐欺です。地金とは、金属の種類に関係なく、保存しやすいように素材そのものを固形の塊にしたものを指しますが、投資目的のインゴットを地金と呼ぶ場合もあります。

地金取引詐欺では、ターゲットとなる高齢者などに対し、悪質な業者が電話で勧誘を行ないます。「純金で積立投資を行なうようなものです」といった説明で相手を安心させ、できるだけお金を引き出そうとするのです。

実際の契約内容は非常に複雑で、高額な手数料や口座の管理費用などで損をしてしまう仕組みになっています。地金の積立投資を勧誘してくる電話があったら、セールストークを鵜呑みにせず契約内容をよく確認し、安易な契約は絶対に行なわないことが大切です。

オレオレ詐欺

オレオレ詐欺は、孫や息子など、近しい親族になりすまして電話をかけ、金銭を要求する詐欺です。1度目の電話では本人であることを信じさせるような会話をし、2度目の電話で金銭を要求するなど、手口は巧妙です。

近年では、地金取引を利用したオレオレ詐欺も発生しています。実在する貴金属会社の銀行口座にお金を振り込ませ、そのお金で犯人が地金を購入してだまし取るといった手口です。実在する貴金属会社の銀行口座に振り込ませるため、被害者も信用してしまいやすく、十分な注意が必要です。

海外取引を利用した詐欺

この詐欺では、悪質な業者が海外取引を利用してきます。「アジアで金を安く仕入れて、日本で高く売って利益を得ませんか」と勧誘するのがおもな手口です。

実際には差益などは発生せず、手もとに利益は残りません。また、支払ったお金が戻ってくることもほとんどないでしょう。投資の勧誘話や電話などには十分注意し、万が一このような内容で勧誘された場合は必ず家族と相談してください。

劇場型詐欺

劇場型詐欺とは、演劇のように複数の登場人物が存在し、ストーリー仕立てで行なわれる詐欺です。

初期のオレオレ詐欺では、近しい親族を装った人物のみが登場していましたが、劇場型詐欺では、親族を装った人物だけでなく、警察官や会社の上司、弁護士、業者など、さまざまな立場の人が登場します。

金に関する劇場型詐欺の具体例としては、ある業者を装った人物から、電話や郵便物で金の購入による儲け話を持ちかけられたあと、別の業者を装った人物から「その品物を高値で買い取る」と伝えられ購入をあおられる、というものです。購入したあとはどちらの業者とも連絡が取れなくなり、買い取りも返金もされない状態に陥ってしまいます。

<関連記事>【要注意】貴金属に関連する押し買い・訪問詐欺が多発中

持ちかけられた話が詐欺か
どうか見極める5つのポイント

金投資の話を打診された段階で、その話が詐欺なのかどうか判断するのは難しいこともあります。ここでは、詐欺かどうかを見極めるポイントを5つ紹介するので、金投資を検討している方は確認しておきましょう。

金利が高すぎる

投資の世界では、金利や年利が高水準で確定することはありません。もちろん、金投資においても同様です。一般的に考えれば疑念を抱きそうなものですが、高額のリターンに誘惑されてしまう人も少なくありません。

こういった話で、友人や会社の同僚など、信頼できる知人から誘われた場合でも安心しないよう注意しましょう。もしかしたら、その知人も被害者の一人であり、自身が詐欺被害に遭っていることを自覚していない可能性もあります。

元本保証やノーリスクを謳っている

ひとくちに「投資信託」といっても、種類はさまざまです。金投資もその一つですが、投資にリスクは付き物であることを忘れてはなりません。

定期預金などを除き、ほとんどの投資商品は元本が保証されることはなく、元本割れのリスクがあります。そのため、元本保証やリスクがないことを強調された場合は、怪しいと判断したほうがよいでしょう。

紹介プログラムがある

投資詐欺のなかには、ほかの人を紹介することで報酬が受け取れるケースもあります。もし誘ってきた相手が先輩や上司など断りづらい人だった場合は、その関係性を悪用している可能性があるため注意が必要です。

また、複数人から同じ投資の話を持ちかけられた場合も、警戒したほうが良いかもしれません。金投資には、始める際のハードルが低い投資方法もあり、多くの人がその方法で投資していると思わせることで、心理的ハードルをさらに下げようとしている可能性があるためです。さらに、近しい人でなくても、著名人の名前を勝手に利用して説得してくるケースもあります。

金投資専用のコミュニティに誘われる

金投資専用のLINEグループなど、シークレットなコミュニティに誘われた場合も注意が必要です。表向きは金投資について議論することが目的のグループであっても、実は詐欺行為を行なっている可能性があるためです。

前述の紹介プログラムに勧誘されるケースや、グループメンバー全員が詐欺に加担しているケースもあります。そのため、知らない人からの誘いだけでなく、知人からの勧誘であっても警戒することが大切です。

考える時間を与えずに契約を迫ってくる

金投資を始めるにあたって、考える暇を与えずに契約を迫ってくる業者や会社には、警戒する必要があるでしょう。冷静に考えられる時間を与えることで、詐欺であることに気付かれてしまうためです。

金の価値は世界情勢に影響されやすいため、業者に「今が買い時だ」と説得されれば購入を急ぎたくなるかもしれません。また、「あなたにだけ教えます」や「今だけの期間限定」など、魅力的なアピールポイントを提示してくる可能性も考えられます。

このような手口は、投資詐欺における常套手段といっても過言ではありません。金投資を勧められた際、契約を急かすような様子があれば詐欺を疑いましょう。

金投資詐欺から身を守る
ためにすべきことは?

金投資詐欺から身を守れるように、自身で行なえる対策を紹介します。すでに金投資を行なっている、あるいは今後金投資を行なう予定がある方は、被害に遭わないように理解を深めておきましょう。

金投資を持ちかけてきた
業者や会社を調べる

金投資詐欺を行なっている業者や会社は、自社の詳細を知られたくないと考えます。そのため、公開されている企業情報があるかどうかを確認することは、被害を受けない対策の一つとして効果的です。

また、企業が金投資の商品を扱うには、「商品先物取引業者」や「金融商品取引業者」の許可・登録が必須となります。投資を行なう前に会社名と法人番号を確認し、登録がない場合は詐欺の可能性が高いことを覚えておくとよいでしょう。

クーリング・オフ制度を活用する

万が一、詐欺と思われる契約を行なったとしても、クーリング・オフ制度を活用することで、一定期間内であれば契約を破棄できます。このような制度を知っておくことで、被害を防止することが可能です。

また、少しでも契約内容が疑わしい場合は、全国にある消費生活センターでの無料相談も活用するとよいでしょう。

金投資など現物がなくても行なえる投資においては、少しの違和感も見逃さないように注意してください。

家族・弁護士など頼れる相手に相談する

豊田商事事件と同様、金投資詐欺をはじめとしたさまざまな詐欺は、高齢者をターゲットにしているケースが少なくありません。もし、詐欺と思われる勧誘を受けた、契約をしてしまったという場合は、一人で悩まず、まずは家族や弁護士など、信頼できる相手に相談することが大切です。

詐欺の被害を受けた側は、精神的に混乱している状態かもしれません。そのようなときは、詐欺の事案に強い弁護士に相談することで、法的観点のもとベストな解決方法を提案してもらえます。

警察に通報する

金投資をはじめとしたさまざまな詐欺行為は犯罪です。被害に遭った場合は、早急に警察に相談しましょう。緊急で駆けつけてもらう必要のない場合は、警察相談専用電話「#9110」に連絡することで、最寄りの相談窓口を紹介してもらえます。

相談する際は、業者・会社の情報や現状、被害金額、それを証明するための証拠を確保しておくことが大切です。インターネットでの取引で書類などを利用していない場合は、取引内容がわかる画面のスクリーンショットを保存しておき、プリントアウトするとよいでしょう。

まとめ

金投資に関する詐欺は、現在でも発生しています。悪質な業者はあらゆる手を使って一般消費者をだまそうとしてくるので、被害に遭わないための予備知識をつけておくことが大切です。

万が一、金投資詐欺が疑われる状況に遭遇した場合は、家族や弁護士に相談したり、警察へ連絡したりと、対処法を決めておくとよいでしょう。金投資詐欺の手口を把握し、安全な資産運用を実現してください。

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