【ラリマー-Larimar(ブルーペクトライト-BluePectolite)】

世界各国で採掘されている天然石は、パワーストーンとしても人気があります。その中には宝石のように美しいものもあり、市場では高値で取引されています。ラリマーもそうした天然石の一つで、独自の個性を持つことから非常に人気です。ここでは、ラリマーの特徴や魅力について詳しく紹介します。
Contents
ラリマーの特徴と宝石言葉
ラリマーの特徴
ラリマーの特徴として挙げられるものは、非常に鮮やかな青い色を持っていることです。この石の名称も海が由来になっていると言われています。これを名付けたのはドミニカで地学を研究している学者です。スペイン語のマールという言葉と自分の子供の名前を組み合わせて、ラリマーという名称を作りました。マールとは海のことで、もともとはラリマールという名称で呼ばれていましたが、それが短縮されて、現在のようにラリマーと言われるようになりました。珪灰石の一種であることもラリマーの特徴で、この種類の石が初めて世界で発見されたのは19世紀前半のことです。発見された当初は、この石にそれほど高い価値があるとはみなされませんでしたので、貴重品として取引されることもありませんでした。この石が高い価値を持つものと認められるようになったのは20世紀になってからです。1970年にカリブ海の海岸で発見されたものが青い色をしていたことから、宝石のような美しさのあることが世界中に知られることとなり、高額で取引されるようになりました。
ラリマーの宝石言葉
宝石としても愛されているラリマーには、独自の宝石言葉もあります。ラリマーの宝石言葉は「愛情」で、その他に「平穏」や「心の安らぎ」もこの天然石の宝石言葉として知られています。この石にはこれらの宝石言葉からも分かるように平和を愛するという意味があり、他人と争い合うようなことをしなくても、穏やかに生きていける力を身に着けることができると言われているのです。そのために、平和を愛している人にもこの石を好んでいる人が多く、無駄な争いを避けて穏やかな生活ができるように、この石が使用されることも多いです。争いをなくして平穏に生きることにより、心や体のバランスを適正な状態に保つことが期待できることから、健康増進を願ってこの石を身に着けている人もいます。
ラリマーの色と魅力
ラリマーの色
ラリマーにはさまざまなタイプのカラーがあります。ラリマーは正式にはペクトライトという名前の鉱物です。ペクトライトには幅広い色のものがありますが、色が地味なものが比較的多く、無色や白などの他に、グレイのものも多く産出されています。薄いイエローやピンクの石もあります。ですが、これらのものは同じペクトライトでもラリマーとは違うものとみなされており、これらの鉱物と区別するためにブルーペクトライトという言い方が使用されることも多いです。ブルーペクトライトとはペクトライトの中でも青系のカラーを持っている石のことで、この種類の石のことだけを通常はラリマーと呼んでいます。そのために、ペクトライトに分類されている石であっても、色が青くないものはラリマーとしては取引されていません。なおブルーペクトライトとは、石の取引上、他の石と区別するために使用されている言葉で、正式な名称ではありません。ラリマーの色が青いのは、石の成分が通常のペクトライトと若干違っているからです。バナジウムや銅などの物質が内部に含まれていることが多いので、色も全体的に青くなっています。
ラリマーの魅力
ラリマーの青は普通の青というより水色に近い色をしていることが特徴です。海の色にも似ていることから、海を連想させる石としても知られています。この海のような美しい青がラリマーの大きな魅力になっており、海が好きな人にも広く愛されている天然石です。基本的にはどれも青い色をしていますが、石の品質によっても発色には大きな違いが見られます。青が濃いほど魅力のあるものとされており、市場でも高額で取引されることが多いです。色が白っぽくなるほど魅力がなくなるといわれてはいますが、一方で白っぽいものを好んでいる人もいます。青の中に白い線が混じっているものは海の波を連想させるために、魅力的なデザインとして多くの人に愛されています。
ラリマーの産出国
ラリマーの原産地である世界の国
ラリマーは世界の中でも、ごく限られた地域でのみ産出される天然石です。特に多くの石を産出していることで知られている場所はカリブ海にある島国で、この地域の中でも特に多くのラリマーを産出している国がドミニカ共和国です。ドミニカ共和国はキューバの東側にある国で、アメリカ合衆国からは南東の場所にあります。この国は世界的なラリマーの産地として知られており、世界で取引されているラリマーの多くはこの国で採掘されています。ドミニカ産のものは品質が非常に優れていることでも知られており、この石の特徴である青い色も鮮やかに発色しているものが多いです。ドミニカのある「カリブ海の海の色」のような色をしていることがドミニカ産のラリマーの特徴になっており、この美しい青を好んで、ドミニカ産のものを選んで購入しているパワーストーンの愛用者も多くいます。最高品質にランク付けされるようなものもドミニカで産出されることが多く、世界を代表する産出国と言えます。ドミニカでラリマーを産出できるのはバルオコ鉱山という場所で、この石を取引している人には非常によく知られている場所です。
産出できるその他の国
ブルーベクライト自体はその他の国でも産出されており、カリブ海にある国の中では、バハマでも採掘することができます。バハマはアメリカ合衆国のフロリダ半島からも近い場所にあり、ドミニカ共和国の北西にある島です。バハマでは国内の広い地域でブルーベクライトを採掘できます。アメリカ合衆国でもこの石は産出されており、アメリカも国内の広い地域で採掘できます。北アメリカ以外の地域でこの天然石を産出しているとして有名な場所はヨーロッパです。その中でも有名な産出国として知られている場所はイギリスで、イギリスの全域で採掘することができます。ヨーロッパではドイツの南東にある共和国であるチェコでも採掘することができます。
ラリマーのお手入れと保管方法
お手入れのための方法
ラリマーは天然石であることから、お手入れをするときには傷つけないよう気を付ける必要があります。表面に汚れが付いてしまったらすぐに取り除いた方が良いです。長時間そのままの状態にしておくと、簡単には落とせなくなることがあります。一日に一回ほど表面の状態をチェックするようにすれば、汚れが付いたときにも短時間で発見しやすいでしょう。汚れの落とし方にも工夫が必要で、できる限り水を使用しないで汚れを落とした方が、石が傷つきにくくなります。ラリマーは水分を吸収することにより、内部の組織がもろくなることもありますので、あまり長時間水を使って洗ってしまうと、多くの水分を吸収してしまい、石の状態を維持するためには最適とは言えません。非常に短い時間であれば、水でさっと洗い流すこともできますが、水が付いた状態のままで放置しておくことは厳禁です。水洗いをしたときには必ず表面に残っている水分をしっかりと拭き取る必要があり、余分な水分を取り除くことでラリマーの品質劣化を防ぐことができます。絶対にしてはいけないことは、水の中にしばらく放置して洗う方法です。水の中に長時間放置しておくと、大量の水分を吸収してしまいますので、劣化が急速に進行してしまう危険性があります。
正しく保管するための方法
ラリマーをいつまでも美しい状態に保つためには、保管の方法にもしっかりと気を配る必要があります。ラリマーを保管しておく場所も選ぶ必要があり、ラリマーの品質を劣化させやすいような環境は避けなければなりません。ラリマーが劣化しやすい環境とは、水分が多い場所や直射日光が多く入ってくる場所です。ラリマーが日光や水に弱いのは、ラリマーの中に含まれている成分と関係しています。劣化を防ぐためには、あまり日の当たらない湿気の少ない場所が最適です。使用していないときにはこうした場所に保管するようにすれば、劣化の進行を効果的に防止できます。また、普段体に身に着けている場合には、水で体を洗うときには必ず外すようにした方が、石の品質を維持しやすくなります。
ラリマーの市場価値
市場でも高く評価されている天然石
ラリマーは宝石市場でも高く評価されています。石の持つ特徴によって市場価値には違いがあり、同じラリマーであっても、取引価格に差が出ることもあります。高い市場価値を持つラリマーの特徴として挙げられるのは、青と白のバランスが非常に良いものです。ラリマーは石により青と白の配色に違いが見られ、芸術的な美しさを持つものほど高い価格で取引されることが多いです。青の色合いもこの石の市場価値を決める重要なポイントになり、青の色が薄くなるほど低く評価される傾向があります。青の色が濃いものが特に高く評価されており、市場でも最高級の価値を持つものとして取引されているのです。ラリマーの中には緑色と青の中間のような色をしているものもあり、このタイプのものにも色が薄いものと濃いものの2種類があります。青とコントラストを作る白のカラーも石によって違いがあり、純粋な白に近いものや透明に近いものがあり、それぞれ市場価値に違いがあります。
価値を決定する重要なポイント
ラリマーの市場価値を決めるために使用されているものが、いくつかの重要な基準です。高い価値を持つ石の特徴として挙げられるものは、黒が混じっていないことです。青が鮮やかな石であっても、黒が目立つほど混じっているものは、評価が大幅に下がることがあります。黒以外の色が混じっていても評価が下がることがあり、黒に近い灰色などもラリマーの価値を下げるものです。これらのカラーが含まれていないものが最上級の天然石として評価されており、市場でも高額で取引されています。色のメリハリがあることも市場価値を決める重要な基準とされており、青と白の色が対照的であるほど、石の価値が高くなっています。水の表面を連想させるような模様が付いているものも高く評価されることが多く、石のサイズも価値を決める重要な要素です。もちろん目立つ傷が付いていないことも、最上級のラリマーに必要な条件になっています。
ラリマーの値段と価格相場
ラリマーに付けられている値段
ラリマーは市場で多く取引されていますが、売買される品物の品質によって価格にも大きな違いがあります。品質が非常に低いものは安い価格で取引されていることが多いです。一方ラリマーでも最上級の品質を持つものの中には、貴重な天然石と同じような価格で取引されているものもあります。1グラム当たり1,000円以上の価格で取引されているものもあり、こうした原石を使用して作られるアクセサリーも価格が高額になっています。どのような種類の商品を選ぶかによっても相場価格には違いがあり、使用されている量が少ない商品の方が、価格の手ごろなものが多いです。1粒程度のラリマーが付いているアクセサリーであれば、1万円以下で買える商品も多くなっています。使用されている石のグレードによっても商品の価格は異なり、低いグレードのものならばさらに安い価格で購入できます。中ぐらいのグレードのラリマーが1粒付いているアクセサリーならば、3,000円程度の価格で販売されていることも多いです。さらにグレードが低い石を使用しているものならば、それ以下の低価格で購入できます。その一方で、グレードの高い石を使っているものは価格が5,000円を超えるものも多いです。1粒のラリマーが使用されているアクセサリーでも、粒のサイズが大きいものであれば1万円以上の価格が付けられています。
ブレスレットの価格相場
ラリマーは、粒が複数組み合わされて作られたブレスレットとして販売されていることもあります。こうしたタイプの商品は、1粒だけラリマーが使用されているよりも価格が高額なものが多く、粒の数が多い分より豪華な雰囲気があります。ブレスレットタイプの商品の場合、中ぐらいの品質の石を使用しているものでも1万円以上の価格で販売されており、石のグレードが高くなるとさらに価格は高いです。最高級のラリマーが使用されているブレスレットの中には、5万円を超える価格が付けられているものもあります。
まとめ
天然石として人気があるラリマーについて紹介してきました。この石の大きな特徴として挙げられるのは、海のような青い色です。ラリマーの正式名称はペクトライトと言いますが、青い色をしているペクトライトのみをラリマーと呼んでいます。ペクトライトは世界の広い地域で産出されていますが、特に品質が高い石が採れることで知られている場所がドミニカ共和国です。石の特徴によって価値に大きな違いがあり、青の色が濃いものや白との対照がはっきりしているものが、高く評価されています。