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    (ゴールデンベリル-
    Goldenberyl)】

【ヘリオドール-Heliodor
(ゴールデンベリル-
Goldenberyl)】

ヘリオドールの特徴と宝石言葉

ヘリオドールは透明感のある黄色や黄緑色をした宝石です。ゴールデンベリルや、イエローベリルと呼ばれることもありますが、緑柱石(ベリル)の一種で、とりわけ黄みがかった色合いのものを指しています。ヘリオドールのモース硬度は7.5で、ジュエリーに加工することも可能です。ガラスのような光沢があり、カットによって輝きを増すため美しい宝石になります。もともとヘリオドールは六角柱の結晶で、大きなものが発見されることも少なくありません。とはいえ、ジュエリーに向くような質の高いものとなると見つかることは少ないです。ヘリオドールの宝石言葉は「希望」や「輝ける日々」であるといわれています。ゴールドや黄色の色合いが太陽を思い起こさせることから、このような宝石言葉がついたそうです。また、ヘリオドールは、太陽という意味があるギリシャ語のヘーリオスと贈り物の意味があるドロンという言葉が由来となっています。太陽の贈り物という意味を持つこの宝石の名称が、「希望」や「輝ける日々」といった明るい印象の宝石言葉がつけられるきっかけとなりました。

ヘリオドールの色と魅力

太陽・贈り物という意味のあるギリシャ語から名づけられたヘリオドールは、緑柱石の一種でありながらも黄色味のある色合いが特徴です。その色合いから金運を与えてくれるパワーストーンと考えられています。ヘリオドールの色は透明に近いようなごく淡い色から濃い黄、それにややグリーンがかった黄緑のような色合いまで様々です。ヘリオドールには別名もあり、ゴールデンベリルと言う名称やイエローベリルと名付けられていることもあります。例えば業者によっては緑の強い色合いをヘリオドールと呼び、黄みの強いものをイエローベリル、金色に近い物をゴールデンベリルと呼ぶこともあるのです。ただし、これらは具体的にどのように分類するか厳密に決まっているという訳ではありません。ベリリウムを含む鉱物である緑柱石は、ヘリオドール以外にも色の違う様々な宝石があります。例えば、ピンク色のものはモルガナイト、青いものはアクアマリンです。ヘリオドールを加熱処理することでアクアマリンになるため、人工的に熱処理したものがアクアマリンとして流通していることもあります。

ヘリオドールの産出国

明るい色合いが希望や幸せな人生を思い起こさせるヘリオドールが発見されたのは1900年代の前半でした。アフリカ南西部のナミビアは鉱業が盛んな国で、最も大きな割合を占めているのはダイヤモンドの採掘です。またウラン鉱山でのウラン採掘もナミビアの代表的な産業となっています。そのような地域の鉱山にてヘリオドールは発見されました。ほかにもアフリカ大陸にはこの宝石を産出している地域はいくつもあり、アフリカのほぼ中央に位置するナイジェリアや南部のジンバブエ共和国などが産出地として挙げられます。南アメリカ大陸ではブラジル南東部のミナスジェライスで、ヘリオドールが産出されていますが、ミナスジェライス州は古くから鉱山を中心に発展した地域です。金の採掘を皮切りに鉱山が開発され、ダイヤモンドやインペリアルトパーズなど宝石の採掘が盛んになりました。このようなミナスジェライスではヘリオドールも採掘されています。ほかにはロシアやウクライナ、それにタジキスタンも有名な産出地です。さらに、マダガスカルやスリランカでも見つかっているなど、各地で産出されています。

ヘリオドールの
お手入れと保管方法

モース硬度が7.5というヘリオドールは、それほど脆い宝石というわけではありません。しかし、取り扱い方法を間違えると品物によっては破損することもあるため注意が必要です。ヘリオドールの手入れをする際、基本的には柔らかい布を使用して汚れを軽く拭き取るようにします。もし酷い汚れが気になる時には水で洗うことも可能です。超音波洗浄をしても問題ない場合もありますが、場合によっては割れる恐れがあるため避けた方が無難でしょう。ヘリオドールに小さなひびや割れがある場合に超音波洗浄をすると、割れることがあるとされています。この宝石を保管する際には、直射日光を避けて仕舞っておくとよいでしょう。長期間強い日差しにさらしていると次第に色が薄くなることがあるためです。色が濃い方が高い価値があるとされているため、日光に当たらないところに保管しましょう。またモース硬度7.5のヘリオドールはより硬い宝石やジュエリーなどと一緒に保管すると擦れた際に傷が付くことが考えられます。そのため触れ合わないように保管することがおすすめです。

ヘリオドールの市場価値

ゴールドや黄色などの明るい色合いが美しいヘリオドールは、透明度が高いものが高い価値を持つとされています。内部に濁りがあるものは透明感の強いものと比較すると価値が下がってしまうのです。また、大きさもヘリオドールの価値を左右するポイントの1つとなっています。小さなものよりも大きなサイズのものの方が価値が高いと評価されるのはもっともです。さらに色によってもヘリオドールの価格には違いが出てきます。一口にヘリオドールといっても微妙な色の違いがあるためです。具体的には黄緑色のものからゴールドがかったもの、黄色のものまでがあります。これらの中で最も価格が高いとされているのは、ゴールドのものです。その次に高い値段が付くのは黄色みの濃いものとされています。黄緑のものはこれらの中では、価値が低いです。ジュエリーとして用いられる場合には透明度が高く色のはっきりしたものが選ばれています。カットを施して輝くようにして使われるのが特徴です。より淡い色のものや内包物の多いものはジュエリーには使用されず、パワーストーンとして流通することが多い傾向があります。

ヘリオドールの値段と価格相場

ヘリオドールは、宝石の中では比較的手の届きやすい価格で流通されることが多いです。しかし、透明度の高さに加えて、発色が良く美しい色合いのものは高い値段となりやすい傾向もあります。中でも高い値段が付くことがあるのが、ゴールドがかったヘリオドールです。これはゴールデンベリルとも呼ばれることがあり、美しい黄金色が人気を集めています。また、イエローベリルと呼ばれることもあるヘリオドールはゴールデンベリルよりも黄色に近い印象です。鮮やかな黄の発色が良いものが高い値段になります。これらはヘリオドールの中では比較的高値で取引されることもあるタイプです。とはいえ数万円で手に入ることもあるので気軽に身に付けられる宝石といえるでしょう。一方、インクルージョンが多いものや色の淡いもの、傷のあるものなどはさらに価格は下がります。ヘリオドールは、手ごろな価格のものでは数千円で手に入ることもありますが、色や大きさ、透明度のほかに評価に影響を与えるのがカットの美しさです。これらがトータルで鑑定のポイントとなり、評価されることになります。

まとめ

ヘリオドールは「希望」・「輝ける日々」といった宝石言葉をもつ宝石で、黄や黄緑・ゴールドのものがあり、その透明感が特徴的です。ヘリオドールの有名な産出国はナミビアですが、他にも世界の様々な地域で産出されています。お手入れや保管をする際には、傷が付かないようにするほか直射日光を避けることが大切です。ヘリオドールは、比較的手の届きやすい価格で流通されることも多いですが、市場価値は品質や大きさによります。透明度が高く発色がきれいで大きなものほど価値が高くなるでしょう。

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