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【アベンチュリン-Aventurine】

アベンチュリンの
特徴と宝石言葉

アベンチュリンの特徴

アベンチュリンは二酸化ケイ素を主成分とする石英や長石が熱によって変性して生まれる珪岩で、宝石として利用されるものは、石の中に雲母や鉄を含むヘマタイト、あるいはゲーサイトを内包するものです。内包される鉱物に由来する輝きはアベンチュリン効果と呼ばれ、アベンチュリンとして知られる緑色以外の珪岩にも発生します。内包されるもので特に美しいアベンチュリン効果をもたらす雲母は、英語名のマイカの名称で肌を美しく見せる化粧品の材料にも使われている物質です。この雲母の輝きは砂金にも似ていることから、この石の和名は砂金石、あるいは砂金水晶となっています。かつては翡翠の代用品として使われており、インド翡翠という呼び方も残っています。ダイヤモンドをはじめとする屈折率や透明度の高い宝石ではないので、高価な宝飾品への利用よりは身近なパワーストーンでの利用が多いです。加工しやすい鉱物であることから植物を模した形にしたり、模様を彫刻したりすることもできるので、様々な形で商品化されています。

アベンチュリンの宝石言葉

アベンチュリンは精神を安定させる効果があるとも考えられている様々な宝石言葉を持つ宝石で、代表的なものは「安眠」と「安定」です。その他には「家庭円満」や「恋のチャンス」といった宝石言葉があり、バリエーションのオレンジアベンチュリンには「実りある日々」、ブルーアベンチュリンには「心の落ち着き」といった宝石言葉があります。

アベンチュリンの色と魅力

アベンチュリンの色

アベンチュリンはインド翡翠と呼ばれるほど翡翠によく似た色合いの宝石ですが、本物の翡翠がケイ酸塩鉱物であるのに対し、アベンチュリンは珪岩の一種です。最も有名なのは緑色の石ですが、黄緑色に近いものから、やや青みの強いものまで色には幅があります。石が形成される過程で雲母を内包することで生まれるアベンチュリン効果が見られていれば、アベンチュリンと呼称されるため、緑色以外のオレンジ色や青色も見られます。いずれも色の濃淡はその石ごとに個性があるので、ハンドメイド材料としてビーズに加工されているものは一粒ごとに違った表情を見せるのが特徴的です。加えてモース硬度7の加工しやすい鉱物なので、立体的なバラの形などにも加工しやすく個性的なアクセサリーも多いです。

アベンチュリンの魅力

アベンチュリンは強い輝きを持たない宝石ですが、アベンチュリン効果と称される独特のきらめきはまるでラメを含んでいるようで非常に魅力的です。モース硬度が7と一般的な宝石に比べると硬めな鉱物であり、艶やかなカボションカットや個性的な形の加工がされ、大ぶりなルースも多く流通しています。個体差による色の違いも少なくありませんが、一点物の印象的なジュエリーを探しているのであれば、アベンチュリンなら他にない存在感を持った品物が見つかるでしょう。パワーストーンでもしばしば使用されており、手芸用のビーズに加工されたものが比較的手ごろな価格で入手できるのも魅力といえます。

アベンチュリンの産出国

アベンチュリンの一大産地はインド

アベンチュリンの主要産地はインドで、その周辺地域では古くからインド産のアベンチュリンが利用されていました。例えば、古代チベットでは洞察力や直観力と結びつけられ、仏像の眼にはめ込まれることもありました。さらに中国では長い間翡翠が珍重されていて歴代の皇帝も身に着けていましたが、それだけにとても高価だったため、産出量が多く安価で、なおかつ色がよく似ていて翡翠と同じような加工ができるインド産のアベンチュリンが代用品として用いられた歴史があります。こうした歴史からインド産のアベンチュリンはインド翡翠と呼ばれるようになり、翡翠との区別がはっきりした現代にもその名称が伝わっているのです。

世界中で産出されるアベンチュリン

インド以外の産出国にはアメリカやブラジル、タンザニアやジンバブエが存在します。ダイヤモンドやガーネットがその産地によって価値の変わる宝石であるのに対し、アベンチュリンは産地による価格差が顕著に表れない宝石であるため、産地が分からない場合もありますが、産地によって顕著に特徴が異なる石ではないので、あまり気にする必要が無いともいえます。

緑色を探すならインド翡翠の名称で

一大産地であり歴史的にも古いインド産のアベンチュリンはかつて翡翠の代用品でしたが、今では緑色のアベンチュリンの代名詞です。念珠やパワーストーンでグリーンアベンチュリンを探す場合には、インド翡翠の名称を用いると見つかりやすいでしょう。

アベンチュリンの
お手入れと保管方法

アベンチュリンは柔らかい鉱物

アベンチュリンが翡翠の代用にされていたのは、その色合いだけでなく、同じように加工しやすい特徴があったからでした。そのことからもわかるように、アベンチュリンはモース硬度が7と若干柔らかい鉱物で、アクセサリーとして加工や使用をするには十分な強度がありますが、固い金属や石との接触で傷つくことがあります。また、アベンチュリンは艶のあるカボション状に加工されていたり、植物の形などに加工されていることも多いので、傷が入ったり落下の衝撃で欠けてしまったりすると目立つので注意が必要です。

アベンチュリンのお手入れ方法

モース硬度7の宝石なので、お手入れの際には超音波洗浄は向きません。使用後は乾いた布で乾拭きするか、汚れが強い場合には水で洗ってよく拭きあげて乾燥させましょう。この宝石は一般的なジュエリーのように金属の台座に固定して使われないことも多いので、直接肌に触れることも少なくありません。石の美しさを保つためには、着用後は毎回お手入れをすることが重要です。パワーストーンの用途で使用している場合はそれに合わせたお手入れを行いますが、長時間日光に当てたり濡れたままにしたりすることは避けましょう。

アベンチュリンの保管方法

固いものとの接触で傷付く可能性の高い宝石なので、他のジュエリーやアクセサリーの金具とぶつからないように個別の箱や袋に入れることがおすすめです。保管の際は高温多湿と直射日光を避け、落下しない安定した箱などに入れるようにしましょう。

アベンチュリンの市場価値

アベンチュリン効果があれば価値がある

アベンチュリンは雲母などを内包した珪石で、内包物が内部反射によって独特のきらめきを発生させている鉱物全般を指していることから、インド翡翠の名称で知られるグリーンアベンチュリン以外の石も含んでいます。アベンチュリンを除く一般の珪岩は宝石としての利用がないことからも分かるように、アベンチュリン効果の有無が最も重要です。

緑色は人気が高い

インド翡翠の別名が示すようにアベンチュリンで最も有名なカラーは緑色で、その濃淡に関わらずしばしば利用されています。とりわけハンドメイド素材としてビーズに加工されたものでは緑色のものが多く流通しており、顕著に濃淡の異なる個体が混合しない商品も見受けられます。しかしアベンチュリンは褐色や青色のものもパワーストーンとして利用されおり、赤身の強いオレンジアベンチュリンも緑色に次いで人気が高いです。

天然石アクセサリーに多用されている

アベンチュリンは透明度や屈折率が高くない宝石であることから、高価なジュエリーでの利用は少なく、天然石やパワーストーンでの人気が高い鉱物です。そのため天然石のハンドメイド材料としては入手しやすく、ビーズアクセサリーを含む手ごろな価格帯のアクセサリーに多用されていますが、地金を使った指輪のように手の込んだジュエリーにはあまり加工されていません。石そのものが加工しやすい鉱物かつ、安価ゆえに大ぶりなものの流通もあることから、その存在感を楽しむ宝石といえます。

アベンチュリンの
値段と価格相場

アクセサリーは手ごろな価格帯が多い

加工しやすい反面屈折率が高くない宝石のアベンチュリンは、手ごろな価格帯の天然石アクセサリーとして多く販売されています。例えば指輪の場合、地金を用いて作られた商品で2,000円から3,000円、天然石ビーズを使ったものなら1,500円台からの価格です。天然石アクセサリーでしばしばみられるブレスレットであれば、使用されている石の大きさやその他の素材によって上下するものの、おおむね1,000円台から購入可能です。地金を用いたジュエリーであっても、地金にコストのかかるピアスでも1セット20,000円程度の相場です。

アベンチュリンだけの価格相場は手ごろ

ルースの場合、グリーンアベンチュリンなら10ミリ径で500円前後から購入することができます。未加工の原石であれば100グラムで600円程度、パワーストーン用途で使用される大ぶりの裸石でも2,000円ほどと、宝石の中では手ごろな価格帯が主流といえます。そのため、ハンドメイド材料のビーズなら10ミリを超える大ぶりなものが1粒300円前後、小ぶりなビーズのまとめ売りであれば20個で400円ほどが相場です。

インド翡翠の念珠の相場

グリーンアベンチュリンはインド翡翠の名称で数珠にも使用されていますが、価格には大きな幅があります。広い宗派に利用できる略式数珠の場合、女性用なら数千円から一万円台、男性用は一万円台から二万円台が目安ですが、仏具を選ぶ場合は専門店に尋ねることをおすすめします。

まとめ

アベンチュリンはインドを主な産地とする宝石で、内包する雲母によって生じるアベンチュリン効果が魅力です。インド翡翠と呼ばれる緑色のみならず赤色のオレンジアベンチュリンも人気があり、パワーストーンとしても広く用いられている身近な宝石といえます。加工しやすい天然石なので個性的なアクセサリーも多いですが、比較的手ごろな価格帯が主流です。また、加工しやすく安価な特徴からビーズでの販売や数珠への利用も多いです。

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