高級時計の市場が成長するなかで、ロレックスの流れをくむチューダーの人気も高まっています。チューダーの入手困難なモデルを把握して、今後の購入や資産形成のための売却に役立てたい方もいるでしょう。

本記事では、チューダーの概要に触れたうえで、入手困難モデルや人気モデルを手に入れる方法などを紹介します。チューダーの資産価値が変動する要因についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

チューダーの特徴・価格動向について紹介

ロレックスのディフュージョンラインとして誕生

1926年、チューダー（The TUDOR）はイギリスのロンドンにて、ロレックスの創業者でもあるハンス・ウイルスドルフの代理人によって商標登録されました。その後、1936年にハンス・ウイルスドルフに譲渡されます。

当初、チューダーはロレックスのオイスターケースにパーペチュアル機構を搭載した、ディフュージョンラインでした。ディフュージョンラインとは、ブランドの品質を維持したまま価格を抑えたラインのことをいいます。

そのような背景から、チューダーをロレックスの兄弟ブランドと認識している方も多いようです。

しかし、1946年に「モントレ チューダー S.A.」としてまったくの別会社として生まれ変わります。2015年には自社製のムーブメントの開発に成功し、ロレックスの兄弟ブランドというイメージを払拭しました。

2018年には日本にチューダー正規販売店が開店し、人気と注目を集めています。

独自のデザイン性を持っている

チューダーのなかには、ロレックスと似ているモデルもあります。あまり詳しくない方であれば、ロレックスと区別がつかないこともあるでしょう。

しかし、細かなディティールに目を向けると、チューダーならではの独自性が発揮されています。

具体的には、「イカ針」と呼ばれるイカのような形状の針や、薔薇や盾をモチーフにしたロゴなどです。1969年から盾をモチーフにしたロゴが使われており、堅牢性と信頼性の象徴とされています。

また、ブランド名である「チューダー」は、薔薇戦争に勝利して王位を得たイギリスの名家チューダー家からきています。チューダー家の紋章は薔薇でした。

過去に使用された薔薇のロゴにはこうした背景があり、歴史やロマンを感じられます。

定価改定が実施されている

チューダーは、2024年の1月に値上げを行なっています。主要モデルでは8～10％の値上がりとなりましたが、価格帯としては40～50万円程度、ハイエンドモデルでも70万円台から購入が可能です。

ロレックスと比較すると、はるかにリーズナブルで購入しやすい価格帯ではありますが、需要に対して供給が追い付いていないモデルもあります。そのため、市場価格が高まっているモデルもある状態です。

なかには欲しいモデルが入手困難なため、さまざまな店舗を回って目当てのモデルを探す「チューダーマラソン」を実行する方もいます。ロレックスの「ロレックスマラソン」と同じ現象であるといえるでしょう。

また、リセールバリュー（再販価値）が高まっているモデルもあるため、売却の際に高価買取になる可能性もあります。

【コレクション別】チューダーの入手困難の可能性があるモデルを紹介

ここでは、チューダーの正規店に在庫がないモデルや、プレミア価格がついているなどの理由で入手困難なモデルをコレクション別に紹介します。

ブラックベイ フィフティエイト

ブラックベイ フィフティエイトは、2018年に発表されたチューダーのダイバーズウォッチです。

名前の由来は、チューダー初の200ｍ防水モデルであるダイバーズウォッチ「ビッグクラウン」の発表年（1958年）からきています。ダイバーズウォッチコレクションへの敬意を表しつつ、革新性も備えているのが特徴です。

チューダーの特徴的なデザインの一つであるイカ針と、39㎜という絶妙なサイズ感から、男女を問わず身に着けやすいユニセックスな魅力があります。

なかでも、特に人気が高くて入手困難なモデルは「Ref.M79030N-0001」で、希望小売価格は56万1,000円です（2024年9月時点）。

「Ref.（リファレンスナンバー）」とは、時計の製品番号のことを指します。

ブラックベイ

ブラックベイは、2012年に発表されて以来アップデートを重ねながら人気を高めてきました。

そのベースとなっているのは、チューダーの歴史的名機でもあるダイバーズウォッチ「サブマリーナー」です。チューダーの60年にもおよぶダイビングの歴史が凝縮されています。

サブマリーナーの復刻版として登場したブラックベイは、ヴィンテージ感がありつつも、スポーティーな魅力も兼ね備えたデザインが特徴です。豊富なバリエーションと高い機能性も人気の理由であり、チューダーの特徴を示すイカ針も採用されています。

入手困難な可能性がある人気モデルとしては、2012年に登場した「Ref.79220」が挙げられます。チューダー当初の薔薇のロゴが使われており、とても話題になりました。

クロノタイム

クロノタイムは、1976年に発表された自動巻きのクロノグラフ（ストップウォッチ）が付いた時計です。チューダー版のデイトナとして人気を集めましたが、2003年に生産が終了しています。

おおまかに、初期モデル・セカンドモデル・サードモデルに分類され、ケースの大きさやベゼルが異なるのが特徴です。

初期に生産された「Ref.9420/0」や「Ref.9430/0」は、ケースに厚みがあることから「カマボコケース」と呼ばれ、コレクターズアイテムとして人気があります。

また、カジノのルーレットをモチーフにした通称「ビッグ・ブロック エキゾチック」は中古市場でとても人気が高く、高値で取引されています。

ブラックベイ クロノ

ブラックベイ クロノは2017年に誕生したモデルです。クラシックな印象のチューダースポーツ クロノとブラックベイ ダイバーを掛け合わせています。機能性が高く、革新的でありながら、往年のチューダーのクラシカルな雰囲気を受け継いでいるのが特徴です。

2019年には、限定版として「ブラックベイ クロノ ダーク」が発売されました。これは同年に開催されたラグビーワールドカップにおいて、パートナーシップを結ぶニュージーランド代表「オールブラックス」の王座守護を祈念したものです。

「ブラックベイ クロノ ダーク」は生産において趣向を凝らし、生産数をこれまでオールブラックスに参加した選手の数に限定しています。そのため、初回生産数が1,181本と少なく、入手困難な可能性が高いモデルであるといえるでしょう。

サブマリーナー

チューダーのサブマリーナーは、ロレックスのディフュージョンラインであることを強みにし、ロレックスのサブマリーナーと同じパーツを使っていることが最大の特徴です。オイスターケースやねじ込み式のリューズは、ロレックスと共通パーツを採用しています。

一方で、内部には汎用ムーブメントを採用してコストを下げているのが特徴です。ロレックスと比較すると入手しやすい価格帯になっているため、「ロレックスに憧れがあるけど手が届かない」という方にもおすすめです。

なかでも入手困難なモデルとして、サブマリーナーで唯一の手巻き式ムーブメントが搭載された「Ref.7923」や、生産数が少ない「Ref.7928」などが挙げられます。

入手困難になる前に知っておきたい！チューダーの人気モデル5選

ここでは、将来的に入手が困難になる可能性があるチューダーの人気モデルを5つ紹介します。

チューダー ロイヤル「Ref.28600-0005」

チューダー ロイヤルは、2020年に発表された比較的新しいコレクションです。世界規模で販売されていますが、おもにアジア向けに開発されており、チューダーの新定番として人気を集めています。

ケースの大きさは3種類あり、カラーバリエーションも豊富です。男女を問わず、好みの腕時計を見つけやすいでしょう。

「Ref.28600-0005」は、ブルーのダイアルが美しく、ケースの大きさは41㎜と存在感があります。エレガンスなデザインながら機能性を兼ね備えており、人気が高まっているモデルです。

希望小売価格は32万5,600円です（2023年12月時点）。

ブラックベイ プロ「Ref.79470」

2022年に発売されたブラックベイ プロ「Ref.79470」は、1950年代のチューダーのダイバーズウォッチのダイアルデザインを採用したモデルです。

ロレックスの初代エクスプローラーⅡをイメージさせるデザインで、発売当初から話題を集めました。まだ世間にあまり広く出回っていません。

チューダーの希望小売価格はストラップの種類によって異なり、54万5,600円と59万0,700円で展開されています（2024年9月時点）。

プリンス デイトデイ「Ref.76213」

プリンス デイトデイは、ロレックスの大人気コレクション「デイデイト」に相当するものとして、長年にわたってファンからの支持を得ています。

「Ref.76213」は、イエローゴールドとステンレススチールのコンビモデルです。鮮やかなブルーのダイアルとイエローの上品な組み合わせで、存在感があります。個性的なデザインが特徴です。

ヘリテージ ブラックベイ GMT「Ref.79830RB」

ヘリテージ ブラックベイ GMT「Ref.79830RB」は、2018年に誕生した赤と青のベゼルが個性的な人気モデルです。ロレックスのペプシベゼルを彷彿させるデザインとして話題になりました。

短針だけではなく、長針もチューダーの特徴であるイカ針になっています。ベゼルのカラーとの相性も良く、存在感溢れるモデルです。

希望小売価格はストラップの種類によって異なり、56万8,700円と61万3,800円で展開されています。（2024年9月時点）。

ヘリテージ ブラックベイ ブロンズ「Ref.79250BM」

チューダーの顔ともいえる人気モデルブラックベイ、その火付け役ともいわれているのが、「Ref.79250BM」です。

ケースにブロンズを使用しているため、経年劣化による色の変化などのエイジングを楽しめます。「ヘリテージ」というコンセプトそのものだといえるでしょう。

発売直後からとても人気のあるモデルです。現在は多少落ち着いてはいるものの、近年ブロンズ素材の人気が時計界で再燃していることから、今後人気が高まる可能性があります。

チューダーの入手困難モデルを手に入れる方法

チューダーはロレックスと比較すると手に入れやすい時計ですが、それでも人気モデルは入手困難になることがあります。ここでは、人気モデルを手に入れる方法を2つ紹介するので、ぜひ確認しておきましょう。

国内の中古販売店で購入する

人気が高い入手困難モデルは、正規販売店での予約ができず、そもそも在庫がない可能性が高いといえます。しかし、中古市場では流通している可能性があるため、どうしても欲しいモデルがある場合は中古市場もチェックするとよいでしょう。

ただし、希少価値が高まって高値で取引されている可能性もあります。定価との差額などを考慮し、慎重に検討してから購入しましょう。

海外の販売店で購入する

チューダーは世界各地で販売されているため、日本では入手困難なモデルでも、海外なら購入できる可能性があります。海外旅行や出張のついでに探してみるのもよいでしょう。

ただし、海外で購入する場合は、コピー品などをつかまされないように注意することが重要です。信頼性の高い販売店であるか、しっかりチェックする必要があります。

判断が難しい場合は、正規販売店や免税店で購入するようにしましょう。

チューダーの資産価値が変動する3つの要因

チューダーは売却する際のリセールバリュー（再販価値）を期待し、資産形成の一環として購入する方も見られる時計です。

ここでは、入手困難なモデルを資産形成として求める方に向けて、チューダーの資産価値が変動する要因を3つ紹介します。

原材料費・人件費

原材料費や人件費が高騰すると、時計の価格改定が行なわれて値上がります。中古市場での時計買取価格は販売価格と連動しているため、リセールバリューも高くなるのです。

近年では、ヨーロッパでは物価上昇にともなう人件費の高騰が見られています。チューダーは2024年1月に価格改定を行なっており、値上げをしました。

すでに一部モデルは高値で取引されていますが、今後も価格改定によってリセールバリューが上昇する可能性があるといえるでしょう。

市場の流通量

人気モデルで需要に対して供給が追い付かず、市場の流通量が限られる場合、中古市場でもプレミア価格がついて資産価値がアップします。

近年は腕時計の需要が世界的に高まっており、新型コロナウイルスの感染蔓延などもあり、多くのブランド腕時計が品薄状態となりました。

また、生産が終了したモデル、特別なコレクションなども、流通量が少ないため資産価値が上がりやすいです。

世界情勢の動向

世界情勢の動向も、チューダーの時計の資産価値を大きく左右する要因の一つです。

近年では、ロシア・ウクライナ情勢による物価上昇や、アメリカの利上げにともなう円安が問題となっています。それにより、海外ブランドの腕時計を販売する日本の正規販売店は、値上げせざるを得ない状況になっているのです。

こうした値上がりによってリセールバリューが高まると、中古市場では高値で取引されやすくなります。チューダーの時計の売却を考えているなら、好機といえるでしょう。

チューダーの買取査定ならに「おたからや」へ

チューダーの資産価値はさまざまな要因によって変動します。今後の動向を予測することは難しいですが、ロレックスの相場がやや下がり気味なことから、チューダーの相場も下がる可能性が考えられるでしょう。

とはいえ、中古市場で価格が高騰しているモデルもあるため、気になる場合はまず査定を受けてみるとよいでしょう。

全国に約1,200店舗以上を展開する買取専門店「おたからや」なら、最新相場を知り尽くしたプロの査定士がチューダーの時計を適正に査定します。買い取りにかかる費用はすべて無料で、「店頭買取」「出張買取」から選べるほか、Webで簡単な査定も可能です。

査定額に納得いただければ、即日現金にて買い取りを実施します。まずはお気軽にご相談ください。

チューダーの買取情報をチェックする

ブランド時計の買取情報をチェックする