ロレックスのベゼルにはどんな種類があるの?

世界でもっとも有名な高級時計は?と聞かれると、「ロレックス」という人が最も多いのではないかというくらい、ロレックスは世界的にも有名な高級時計ブランドです。
老若男女問わず、ロレックスの名前を知らない人はいないのではないでしょうか。
ロレックスは腕時計としてのクオリティはさることながら、その古い歴史や存在感は他の高級時計会社を圧倒するものがあります。
そんなロレックスの時計に採用されているベゼルには数多くの種類があり、各ベゼルにもロレックスのこだわりを感じることができます。
ここでは、そのベゼルについての種類や特徴などについて解説していきます。
Contents
そもそもベゼルとは何か?
ベゼルという言葉を聞いてそれが何かをぱっとイメージできる人は、そこそこ時計の知識がある人でしょう。
通常の生活をしていく上では、ベゼルという単語はなかなか馴染みのない言葉ではないでしょうか。
時計におけるベゼルとは、時計の文字盤をグルっと囲んだドーナツ型のパーツになります。
べセル(bezel)はもともと、枠や額縁のような意味をしており、スマートフォンやTVのディスプレイの外側部分です。
時計に当てはめると。ベゼルは文字盤の外側の部分や風防をはめる溝部分のパーツのことを指します。
ベゼルは風防を固定する目的として使用されており、チリやほこりが入らないようにして、気密性を高める役割をしているともいわれています。
近年では、ベゼル部にダイヤルなどの目盛りをつけて機能性を持たせたり、宝石などのジュエリーを散りばめたり装飾的な役割を果たしていることもあります。
ロレックスはベゼルのデザインに非常にこだわりがあるブランドで、ロレックスのベゼルには大きく2つのパターンがあります。
それは、ベゼルに機能性を持たせたものと、デザイン性を重視したものの2つです。
機能性をもたせたベゼルとしては、クロノグラフで用いられるようなタキベゼルや、ベゼルが独立して回転させることができる回転ベゼルがあります。
デザイン性を重視したベゼルとしては、ポリッシュドベゼル、フルーテッドベゼル、エンジンターンドベゼル、ピラミッドベゼルなど大きく4種類のベゼルが存在しています。
それでは、これらのバリエーション豊かなベゼルの種類について、それぞれの特徴などを詳しく紹介していきましょう。
ポリッシュドベゼル(スムースベゼル)とは?
ロレックスの中で最もスタンダードなベゼルとして、ポリッシュドベゼルがあげられます。
ポリッシュドベゼルは、別名スムースベゼルとも言われており、ベゼル自体には何の装飾もなく、ベゼルの表面を鏡面に仕上げたもので、シンプルですっきりとした印象を与えてくれます。
そのため、年齢や男女を問わず、オンオフのどちらでも活用できるスタンダードなベゼルとして人気があります。
採用しているモデルも比較的安価なモデルに採用されていることも特徴のひとつです。
シンプルな形状がゆえに、ステンレス素材やプラチナ素材を十分に活かしたデザインになっています。
ロレックスのモデルでは、ミルガウスやオイスターパーペチュアル、エクスプローラー、デイデイトなどで採用されています。
フルーテッドベゼルとは?
フルーテッドベゼルはベゼル全体に縦縞が入ったような形状に見えるベゼルになります。
遠目から見ると縦方向に縞々の模様が施されているように見えますが、厳密にはギザギザの山型にカットされています。
手首を傾けるとキラキラと輝くように見えるのは、光の角度によって山型カットの明暗が分かれるためです。
このフルーテッドベゼルはロレックスの代表的なベゼルといっても過言ではないくらい代表的なベゼルです。
素材が金であることも特徴で、高級感漂うドレスウォッチのワンポイントとして非常に重要なパーツになります。
ただし、フルーテッドベゼルは金を素材として使用しているため、強度的にステンレスなどと比較して弱く、大きな衝撃や傷などに弱いという難点があります。
エンジンターンドベゼルとは?
エンジンターンドベゼルは航空機のエンジンが回転しているような形状をしていることから、このような名称がついています。
このエンジンターンドベゼルはロレックス独自のベゼルとして有名です。
ぱっと見では、フルーテッドベゼルと同じように縦縞の模様が施されているように見えます。
しかし実際には、エンジンターンドベゼルは削っている部分と削っていない部分があり、削っていない部分が棒状であるため、縦縞のように見えているのです。
また、フルーテッドベゼルは金素材であることに対して、エンジンターンドベゼルはステンレス素材を使用していることが多く、スポーティなイメージを与えてくれるのも特徴です。
ファインリーエンジンターンドベゼルとは?
エンジンターンドベゼルと同じような形状をしていますが、ベゼルの5分毎に現れる棒状の部分が鏡面仕上げを施しており、細かく模様が刻まれているのが特徴です。
エンジンターンドベゼルよりも、よりスポーティでスタイリッシュな印象を与えてくれます。
現行のモデルでこのベゼルを採用しているものはなく、エアキングやオイスターペーパチュアルなどのセミアンティークモデルに採用されたベゼルになります。
バークベゼルとは?
エンジンターンドベゼルと形状は似ていますが、異なる点はベゼルに施した縦溝が樹皮のように不規則であることです。
このバークベゼルはロレックスオリジナルのベゼルになっており、デイデイトに搭載されています。
5分刻みにダイヤモンドが入ったモデルも存在しています。
また、バークベゼルを搭載したデイデイトは、ブレスレットのセンター駒もバーク仕上げになっていることが多いのも特徴です。
ピラミッドベゼルとは?
ピラミッドベゼルはその名の通り、ベゼルがピラミッドのように山型にカットされています。
フルーテッドベゼルも同じように山型にカットされているのですが、ピラミッドベゼルは縦方向だけではなく、横方向にもカットされて、四角錐形のピラミッド形状になっています。
近づいてみるとよくわかりますが、文字盤の周りにたくさんのピラミッドが配置されているような形状になっています。
ピラミッドベゼルはドレスウォッチに多く採用されており、ラグジュアリー感を醸し出すベゼルになっています。
デイトジャストなどの華やかなモデルに使用されており、文字盤を引き立てるデザインとしても有名です。
タキベゼルとは?
タキベゼルはクロノグラフデザインにのみ搭載されているタキメーターのベゼルになっています。
ロレックスでクロノグラフを搭載したモデルはデイトナだけなので、タキべセルを採用されているモデルはコスモグラフデイトナのみになっています。
タキメーターは時速を計算することができる機能がついています。
クロノグラフを使って、1kmにかかった移動時間を計測して、クロノグラフの秒針が指すタキメーターを読み取れば、だいたいの時速を知ることが可能になります。
実際にこのやり方で時速を知ることはないとは思いますが、メカニカルなデザインがファッショナブルでスタイリッシュだと人気になっています。
タキベゼルの素材はステンレスなどの金属製が主ですが、最近はセラミック製のタイプも登場しています。
回転ベゼル(逆回転防止)とは?
回転ベゼルはベゼルが回転する仕組みになっており、ダイバーズ専用のベゼルです。
ベゼルには何分経過したのかがわかるように目盛りがあります。
逆三角形のアイコンを分針にあわせることで、ベゼルが経過時間を教えてくれるような仕組みになっています。
もともとダイバーズウォッチはボンベの残量を知るために作られたのですが、ダイバーだけではなくビジネスでもプライベートでも経過時間を計測する手段として利用することができます。
ダイバーズウォッチとして使用しているときに、ベゼルが何かの拍子に回転してしまうと、ボンベの残量を誤ってしまうことになり、大事故につながってしまいます。
そのような事故が起こらないように、最近では逆回転防止機能がついた時計があり、もしベゼルが回転しても経過時間が短くならないような仕組みになっています。
また、回転ベゼルはスポーティなデザインとしても人気が高いです。
ロレックスのモデルで回転ベゼルを採用しているのは、サブマリーナやシードゥエラーです。
回転ベゼル(両回転)とは?
同じようにベゼルが回転するタイプとして、片方向にしか回転するタイプではなく、両方向に回転するベゼルがあります。
用途としてダイバーズ用として限定しているわけでないため、ベゼルが誤ってどちらに動いても問題なく、両方向に回転することは非常に便利です。
ベゼルに記載してある目盛りと時計の針をあわせることで経過時間を計測できるのが特徴です。
代表的なモデルは、ヨットマスターやターノグラフ、サンダーバードなどがあります。
両方向に回転するベゼルを採用した時計の中で特徴的な時計のモデルがあります。
それは、GMTマスターと呼ばれるもので、ベゼル上に24時間表記がされています。
ベゼル表記と24時間針とを組み合わせることで、第二の時間帯の時刻を知ることができるのです。
時間帯の午前と午後を区別するために、2色のカラーリングを施していて、目を引くデザインになっているのも特徴です。
宝飾ベゼルとは?
ハイクラスのモデルに採用されているのが、宝飾ベゼルと呼ばれるものです。
その名の通り、宝飾品を施したベゼルになるのですが、バケットダイヤモンドやパヴェダイヤモンド、サファイヤなどの天然石を使用したものになります。
この宝飾ベゼルを採用した時計は、高級時計というよりも宝飾品としての価値も高く、エレガントでラグジュアリー感漂う時計になります。
ただでさえロレックスの腕時計は高級品なのですが、高級品の中の高級品として至高の時計といっても過言ではないでしょう。
ロレックスのカッティング技術がすごい
ベゼルには機能性を持たせたものとデザイン性を持たせた2つのモデルがあります。
特にデザイン性を持たせたモデルでは、ロレックスオリジナルのカッティング技術により、高級感やラグジュアリー感を感じ取ることができます。
ロレックスのベゼルには、57面や58面などの多数のフルカットダイヤモンドが使用されています。
その完成度は非常に高く、ルーペで確認しても1つの集合体としか見えないほどで、シングルカットは一瞬ガラスなのでは?と思ってしまうほどの精度です。
それほどロレックスの独自開発されたカッティング技術は素晴らしいものとなっています。
光の乱反射を利用したラグジュアリー感の演出
ロレックスのベゼルには、フルーテッドベゼルやエンジンターンドベゼル、ピラミッドベゼルなどカッティングをフルに活用したベゼルがあります。
これらは文字盤にも負けないような存在感を出しているのですが、意匠のデザインや素晴らしいカッティング技術によるものではないでしょうか。
特に山型や縦縞の模様は、光の当たり具合によってキラキラと光って見えます。
ベゼルの表情が変わるようにも見えてしまうのは、凹凸部分が光で乱反射するからです。
見る角度を変えることで、さりげなく光沢を放つなどで一層の高級感を演出しています。これらはロレックスの歴史を支えてきた長年の職人の技術による賜物ではないでしょうか。
まとめ
以上のように、ロレックスのベゼルの種類やそれぞれの特徴について紹介してきました。ベゼルは文字盤と同じくらいに時計の顔として重要なパーツで、ベゼルの種類で時計全体のデザインの印象が大きく変わってしまうこともあります。
各ベゼルにはそれぞれ、機能の面でもデザインの面でも技術的な面でもロレックスのこだわりが詰まっており、ロレックスの奥深さを感じることができるのではないでしょうか。
ロレックスの時計を検討する時には、ベゼルにも着目することで、さらにロレックスの魅力にひきこまれるかもしれません。