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    用語について解説

ロレックスの
パワーリザーブとは?
用語について解説

自動巻き時計の稼働時間を見ると「パワーリザーブ」という単語が出てきます。これは自動巻き時計をいっぱいまで巻いた際に稼働できる時間を表していますが、では仕組みはどのようになっているのでしょうか。

今回はこのパワーリザーブについて詳しく解説し、実際に48時間稼働が可能なのかについてもごしょうかいしていきます。

 

ロレックスのスペックで
目にするパワーリザーブとは

パワーリザーブとは、ゼンマイを限界まで巻き上げている状態にして、時計が稼働できる時間のことを指しています。「パワーリザーブ 48時間」ならいっぱいまで巻けば48時間、「パワーリザーブ 70時間」なら70時間時計は動き続けることが可能です。

機械式腕時計はゼンマイを巻き上げ、そのゼンマイがほどけていく力を使って稼働します。電池式で稼働しているわけではないので、このゼンマイが巻かれる力が時計を動かすための大切なエネルギーということになります。

このゼンマイも「手巻き」という、手動で巻く方法と「自動巻き」という2種類が存在していて、ゼンマイが巻かれる方法もそれぞれ異なるのです。

 

ロレックス時計のほとんどは自動巻きが搭載されていますので、普段通りの生活を送っていれば勝手にゼンマイが巻かれて稼働できるようになっています。これは、全回転式ローターという構造を発明し、ムーブメント中央に固定された錘を回転運動させることでゼンマイが巻かれるようになっているのです。

一定の方向に動かしたりなどの決まりがあるわけではないので、使用している人は装着したまま日常生活を送って居れば、まず停止することはありません。外しっぱなしにしていたりしなければずっと動き続けますので、日常的に使用している人はあまり気にしなくても問題なさそうです。

パワーリザーブは、ゼンマイを巻き上げてほどけるまでの力を指していますので、最大の駆動時間とどれだけゼンマイを蓄えられるか、ということになります。

 

ゼンマイで時計が動く仕組みと
ロレックスの技術

 

ゼンマイが巻かれて時計が動く仕組みは、いたってシンプルで、ゼンマイを巻くことで動力機構に力が溜まり、そのゼンマイがほどけていく力が歯車に伝わっていくことで時間を刻みます。手巻きの場合はリューズ部分にゼンマイが繋がっており、リューズを手で巻くことで時計の動力を供給していますが、ロレックスの自動巻きは手が動く、時計が振れ動く際の振動を上手く活用することによって、ゼンマイが巻かれています。

このゼンマイにも主ゼンマイとヒゲゼンマイの2種類が存在しており、主ゼンマイはゼンマイを巻いた状態の際に巻きあがるもの、ヒゲゼンマイはテンプというパーツに巻かれ、振り子の役割を果たすもの、とそれぞれに役割がちがいます。

とくにこのヒゲゼンマイは機械式時計のなかでも大切なパーツで、ヒゲゼンマイの伸縮で振り子のような役割で時間が刻まれているのです。

このことからもヒゲゼンマイの精密さが時計の精密さに直結していることがわかりますので、多くの時計メーカーはそうしたヒゲゼンマイの製造に特化したメーカーのものを使用しています。しかし、ロレックスなどの時計の最先端の技術を持つようなメーカーは自社で開発した優秀なヒゲゼンマイを使用しているのです。

 

ロレックスのヒゲゼンマイは特に精密にできており、その名の通り青い見た目が特徴的な「ブルーパラクロムヒゲゼンマイ」と呼ばれるヒゲゼンマイが使用されています。このヒゲゼンマイが従来のロレックスと比較してさらに衝撃に強くなっていったのです。

Cal.3186より後に出ているムーブメントは、全てこの「ブルーパラクロムヒゲゼンマイ」が採用されているのです。衝撃に強いだけではなく、独自のパーツを使用することでロレックスの精密さを保っていて、正確な時間を刻んでくれます。

 

ロレックスの自動巻きが世に送り出されたのは1931年のパーペチュアルで、ここに「全回転式ローター」が使用されています。この技術は現代の自動巻き技術の元にもなっており、衝撃にも強く、さらに精密さもぐっと上がったのです。

出始めの頃はまだ片方のローターの動きだけでしかゼンマイの巻き上げはできませんでしたが、1950年代にCal.1030というムーブメントではどの方向に回転してもゼンマイの巻き上げを可能としたのです。こうして巻き上げ効率が上がり、さらに1960年代には耐摩耗性能を上げ、ムーブメントの軽量化も実現できたのです。

こうして少しずつ試行錯誤を重ね、現在のCal.3100系のムーブメントの形が完成していったのです。現行モデルですとパワーリザーブ48時間のものをよく見かけますが、70時間のものも現在は存在しています。

 

ロレックスエクスプローラー
ならパワーリザーブ48時間は
まる2日以上稼働

ここで気になるのが「パワーリザーブ48時間は本当に48時間動くことが可能なのか」という部分ですが、結論から言いますと可能です。もちろん使用する環境や時計の経年具合によっても前後する場合はありますので、使用している状況によっては48時間に満たずにゼンマイが切れてしまうこともあります。しかしながら興味深いのが、ゼンマイをフルで巻いた状態のエクスプローラー1は48時間以上稼働を続けたという検証結果です。

 

実際にロレックスエクスプローラー1を限界までゼンマイを巻き上げた状態にし、何もせずにそのまま置いておくと、2日間はしっかり稼働しています。さすがに全く動かさない状態でゼンマイがほどけつつあるので、振り子の機能もパワーが落ちてしまいます。

そのため、ここから時間のずれがでてくるのですが、ロレックスエクスプローラー1については1分程度のズレで済んでしまうのです。さらにそこから少し放置して完全に停止するまで2時間強は動き続けますので、48時間とはあるものの、条件が良ければまる2日と数時間は稼働できるということがわかります。前述もしていますが、使用する条件や中身のパーツの劣化具合によっても変わりますので、当然48時間ギリギリだったり、48時間に満たないという場合もあります。

 

当然といえば当然ですが、時計の精密さを維持するためには、ある程度ゼンマイが巻かれていてエネルギーがある状態が必要です。

何日も時計を外してしまったらズレてしまうこともあるかもしれませんが、基本的には日常の動作で自動的にゼンマイが巻き上がりますので、しっかり着用してゼンマイが巻かれるようにしておくと安心です。とくにロレックスエクスプローラー1は時計の精密性、耐衝撃性ともにすぐれたモデルとなりますので、その性能をふんだんに活かすためにもゼンマイのエネルギーはしっかり確保できるようにしておくことが大切です。

ロレックスの時計はエクスプローラー1に限らず、自動巻きを採用することで日常的に使用し、ゼンマイが切れてしまってパワーダウンすることを防いでいます。常に十分なエネルギーを得ることができるので、自動巻きによってロレックスの腕時計は常にパフォーマンスを維持することができるのです。

 

48時間動き続けた
ロレックスエクスプローラー

パワーリザーブ48時間のムーブメントを搭載しているロレックスエクスプローラー1は、1953年、サブマリーナーと同年に発売されました。1950年代半ばは自動巻きの技術が更に進化した年ですので、そんな試行錯誤が凝らされた年代に発売されたのがこのエクスプローラーなのです。

初代のモデルこそまだ左右両方の自動巻きに対応していなかったものの、セカンドモデルにもなると左右どちらも巻き上げ可能な自動巻きローターが搭載されました。

 

ロレックスエクスプローラーのコンセプトはその名の通り冒険家ウォッチです。洞窟を探検したりする冒険家が使用することを想定して設計されており、あらゆる過酷な状況でも使用できるように設計されています。

近年のエクスプローラーは耐磁性にも優れており、確かに自動巻きを使用する環境によってはフルで巻いても48時間未満で切れてしまう可能性はありますが、エクスプローラーに関してはよほど過酷な環境でもない限り、ずれが大きく生じる心配は無さそうです。

 

ロレックスの高精度
ムーブメントにより、
現在は70時間も稼働可能

2015年以降、ロレックスのムーブメントCal.3200番台でついに70時間稼働できるパワーリザーブが開発されました。とはいえ、腕に装着していれば勝手にゼンマイが巻かれるため、48時間のパワーリザーブでもそこまでストレスを感じることはありませんでしたが、この新世代ムーブメントはさらに注目されていったのです。

2021年に発売された最新のロレックスエクスプローラー1 ロレゾールもこのパワーリザーブ70時間を実現した新世代ムーブメントCal.3230が搭載され、発表から1年経過した今でも注目を集めたモデルとなっています。そのほかにこの70時間のパワーリザーブを搭載したモデルはヨットマスター40やヨットマスター42、デイトジャスト36やデイトジャスト41などが挙げられます。

 

こうした最新のムーブメントを搭載したモデルが増えるにつれ、ロレックスはさらに注目を集め、市場でもプレミア価格がついて新作のエクスプローラー1ロレゾールも既に定価よりも高額な価格で取引がされています。最新のパワーリザーブ70時間ももちろん人気ですが、日常使いで使用する目的でパワーリザーブ48時間のものを購入したいという方も増えている状況です。

 

まとめ

ロレックスなどの時計の紹介にあるパワーリザーブというのは、機械式時計でゼンマイを全部巻いて巻き切れるまでの時間、ゼンマイに蓄積されるパワーを指していることがわかります。ロレックスが持つ自動巻きの技術なら、パワーリザーブ48時間のものであっても、日常的に装着しているだけで勝手にゼンマイが巻かれますので、パワーリザーブ48時間と記載があっても、毎日装着していればゼンマイが切れてしまうという状況もありません。

 

さらに、ロレックスのような高級時計店の場合、自社で生産したヒゲゼンマイを使用することにより、より精密に時間を刻むことが可能となっています。主ゼンマイで巻いたパワーを効率的に使用し、時間を正確に刻むにはこのヒゲゼンマイと呼ばれるパーツが重要です。

この精密さを実現しているのが、独自開発の「ブルーパラクロムヒゲゼンマイ」です。ロレックス独自で開発されたムーブメントは、時計を正確に、さらに時計自体を衝撃や磁気から守るために、日々進化し続けています。

高級腕時計として人気を集めるロレックスは、その時計の実用性も考慮して設計されています。近年高級腕時計の需要は高まり、ロレックスの価格も高騰傾向にありますので、探している方は中古などにも目を向けてみると、良いものに出会えます。

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