アメリカ陸軍航空軍のチャック・イェーガーは人類で初めて音速を超えた戦闘機パイロットであるのと同時に、無類の時計好きとしても知られています。

そんなチャック・イェーガーとGMTマスターの知られざる関係について解説します。

人類初の音速の世界へ

チャック・イェーガーは1923年にアメリカに生まれ、18歳になるとアメリカ陸軍航空軍に入隊しパイロットになることを目指しました。1943年には厳しい訓練の末、見事に試験に合格して戦闘機パイロットのライセンスを取得するとその類稀な才能をすぐに発揮し、1回の戦闘で5機の敵機を撃墜するなど輝かしい功績を残しました。

その技術が高く評価され1947年には現在のNASAの前身であってNCAAにスカウトされ、高速飛行計画のパイロットに選ばれました。超音速航空機のXS-1に搭乗し、何度も音速へのトライが続けられましたが、すぐには結果が出ず厳しい日々が続きました。実験には多くの危険が伴い、人命を最優先にすることから何らかの問題があればスピードを緩めて帰還するのを繰り返していました。

そんな中で誰もが諦めようとしたその時、9回目のフライトでついにマッハ1.06を達成し、人類初の音速の世界へと足を踏み入れました。その後も計画を続き、1948年にはこの時点で最速のマッハ1.45を達成しました。このような鉱石からチャック・イェーガーは伝説のパイロットと呼ばれ、多くの人々の憧れとなっています。

ロレックスとの意外な関係

次々と偉大な記録を作り出してきたチャック・イェーガーでしたが、最初にマッハ1.06という音速の世界へ突入した際に腕に身につけていたのがオイスターパーペチュアルで、これをきっかけにロレックスとの良好な関係がスタートしました。

人類初の音速の世界へ足を踏み入れた50年後の1997年にチャック・イェーガーはさらなる最高速度を求めて再びチャレンジをしますが、その際にはGMTマスターのチャック・イェーガーモデルを身につけていました。これはロレックスが彼に敬意を表すために特注で製造した世界でひとつだけのオリジナルモデルでした。

一方、彼の飽くなきチャレンジ精神が多くの人々の心を引き寄せたのと同時にチャック・イェーガーモデルにも注目が集まり、どこで手に入れられるのかと問い合わせが殺到しました。そこでロレックスとザ・リアルマッコイズのコラボレーションにより、数量限定で一般販売が開始されました。

その後もロレックスは彼のチャレンジをスポンサーとして支援し、チャック・イェーガーはロレックスの良さを世界中に広める広告塔として活躍するなど両者の深い関係は続きました。

チャック・イェーガーモデル

彼の活躍と共に大注目となったロレックスのチャック・イェーガーモデルは、その後限定販売として提供されています。

1997年にGMTマスターIのRef.16700の赤青ベゼルと黒ベゼル、GMTマスターIIのRef.16710の赤黒ベゼルがそれぞれ50本限定で販売されたほか、1999年には刻印が変更されるなどマイナーチェンジをしたセカンドモデルが登場して150本が販売されました。

GMTマスターIとGMTマスターIIともに既存のモデルと同様のデザインですが、文字盤にチャック・イェーガーとコラボレーションしたザ・リアルマッコイズの文字が刻印されているほか、裏蓋には彼が記録を達成した際に搭乗していた戦闘機のイラストも刻印されています。

出荷本数が極めて少ないというプレミアム感も相まって、現在でも根強い人気を誇っているアイテムです。

まとめ

人類初の超音速飛行を達成したチャック・イェーガーとロレックスの間には、知られざる関係があることが分かりました。限定販売されたチャック・イェーガーモデルには名前や戦闘機の刻印などのプレミアム感も然ることながら、製品化に至るまでには崇高な夢と素敵なストーリーが存在しています。

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