はじめて腕時計を購入する際、どれを選んだらよいか迷ってしまうかたも少なくないでしょう。ここでは、アイテム選びの一つとして、振動数をピックアップして紹介します。また、高級腕時計ロレックスに用いられる振動数についても解説します。
Contents
振動数とは?
ロレックスの振動数を説明する前に、まずは振動数とはどんなものかを解説いたします。具体的にどんな部分の数値なのか、また購入時にはどこから確認をしたらいいのか知っておきましょう。
テンプの数値を表すもの
腕時計の内部に設置された「テンプ」と呼ばれる装置に関する数値です。腕時計を動かす上で欠かせないもののため、ロレックスなど高級腕時計を愛好しているかたはご存じではないでしょうか。このテンプが1時間もしくは1秒間に動いた数を振動数と呼びます。
近年、メーカーごとの企業努力により、振動数によるデメリットが前面に出ることは少なくなりました。
しかし、長く愛用するアイテムだからこそ、自分のライフスタイルにあったスペックで購入するのがベストともいえます。
スペック表から確認ができる
振動数は各腕時計のスペック表に記載されています。例えば、「36000振動/時」と書かれている場合、1時間あたり36000回もの振動が腕時計の内部で起きている、ということです。これを1秒あたりに換算すると10振動になります。
振動数が購入時の比較ポイントとして見逃せない理由があります。その一つが、腕時計が刻む時間の精度という点です。次の段落では、振動数によってどんな違いがあるのかを解説します。
振動数が多い腕時計の特徴
振動数が多い=腕時計内部の動きが早い、ということになるため、時を刻む際のズレが起きづらい、という特徴です。回転体を安定させるためには、より早く回る必要があります。これはコマや竹とんぼといったものを思い浮かべると分かりやすいでしょう。
振動数が少ない腕時計の特徴
動きが比較的ゆったりであるため、腕時計内部の部品消耗が少なく長持ちする、という特徴です。そのため、高性能にこだわらず、同じ腕時計を長く使いたいというかたは、振動数が少ないものを選んでみるのもよいでしょう。
振動数の主な種類
一般的に、28800振動を超える振動数をハイビート、21600振動より下だとロービートと呼ばれます。ここでは、それぞれのメリット・デメリットをより分かりやすくまとめました。
ロービートの代表・21600振動
テンプの動きがゆったりとしているのが特徴です。このタイプの腕時計を購入するメリットとしては、ゼンマイ部品の磨耗がハイビートと比べて遅いことが挙げられます。
また、テンプの振動数が少ないということは、駆動時間の延長にもつながります。したがって、パワーリザーブ(腕時計の最大稼働時間)も長く保てるため、日中から夜遅くまで働くサラリーマンの味方にもなるでしょう。
18000振動
21600振動よりも振動数が少ない18000振動というのも存在します。これは懐中時計に用いられるもので、ETA社製から販売されるアイテムで多く見受けられます。ちなみに、18000振動を生み出すムーブメント「Cal.6497」の中には、21600振動を刻むものもあります。
ハイビートの代表・36000振動
36000振動はハイビートとして高い精度が出せる、というのが最大の特徴です。特に、腕時計として携帯する際のパフォーマンスも高く、いつでも精度の高い状態が保たれています。ちなみに、腕時計は携帯していないときと腕に着用している時では、精度誤差も生じやすいと言われています。この誤差をできる限り減らせる、というのも36000振動といったハイビートタイプを選ぶメリットにもつながるでしょう。
その反面、部品の磨耗が早いというのがデメリットとして挙げられます。そのため、テンプ以外の面でシリコン素材が用いられるなどのデメリットに対する対策を持たれているのも、高級腕時計ならではの特徴でもあるといえます。
中間振動数・28800振動
ハイビートとロービートの中間にあたるタイプです。一般的に高級腕時計と呼ばれるものは、この28800振動が用いられています。例えばロレックスやIWCといったメーカーから、オメガ・ブライトリングといったメーカーでも採用されています。
28800振動は、携帯制度と部品消耗の両面でバランスが取れているのが特徴です。そのため、機能面だけではなくデザイン面でも各メーカー別の特色を出しやすいといえます。
25200振動
28800振動のような中間モデルには、25200振動というものがあります。これは主に、オメガのコーアクシャルムーブメントで用いられるものです。28800振動と比べ振動数も少なく、スペック的に劣っているように思われがちですが、パーツの消耗と機能性のバランスを再考したオリジナルスペックでもあるため、ほかの高級腕時計と遜色がなく人気も高いアイテムといえます。
振動数と高級腕時計の関係
続いて取り上げるのが、高級腕時計と振動数の関係です。他の腕時計とは異なり、各メーカー別にさまざまな対策が打たれています。ロービート・ハイビートと一言で判断せず、各メーカーが取り組んでいる内容も考慮しながら選んでみるとよいでしょう。
ハイビートでも部品消耗の
対策済みである
ハイビートで最も懸念されるのが、腕時計の心臓部分でもあるテンプの部品消耗です。せっかく購入した高級腕時計であっても、すぐに壊れてしまうようでは意味がありません。幅広い層から次も購入したいと思われるよう、各メーカーでは部品消耗をできる限り減らすための対策が実施されています。
ロービートでも携帯精度が高くなる
対策を打っている
ロービートの弱点は、ハイビートと比較したときに携帯精度がどうしても劣ってしまうという点です。長く愛用されるアイテムだからこそ、少しでも時刻がずれてしまってはユーザーからの評判も落ちてしまいます。
現在はテンプに使用する部品の改良により、ハイビートほどの精度ではないものの、ある一定の評価が出るような携帯精度を兼ねそろえたロービート機が誕生しています。
ロレックスの振動数は
どれくらい?
ロレックスで用いられる振動数は、主に28800振動とされています。つまり、ハイビートとロービートの中間という位置づけです。ここでは、代表的なモデルとして、ロレックス エクスプローラー 214270を取り上げて説明します。
28800振動なのに耐久性が高いのが特徴
ロレックスの腕時計が評価される部分の一つに、比較的振動数が多い28800振動であるのにもかかわらず高い耐久性で作られていることが挙げられます。なぜ、他の腕時計と比べて長く使うことができるのか、その理由をまとめました。
自動巻きCal.3132を使用
ロレックス エクスプローラー 214270には、自動巻きCal.3132というパラクロム製ひげゼンマイが実装されています。このパラクロムというものは、耐磁性を高めるため、ロレックス社が生み出した技術です。また、高い気温のなかでも壊れないよう、急激な温度変化にも耐えられる対策が採られています。これがロレックス エクスプローラー 214270がCOSC認定された理由でもあります。
摩耗にも強い
上記のパラクロム製ひげゼンマイによって生まれたメリットは、壊れにくさだけではありません。振動数が高くなればなるほど懸念される部品消耗についても効果が出ています。時を刻むことで消耗されるゼンマイのトルクですが、摩擦に強い部品を用いることでそのデメリットを軽減。いつまでも安心して着用できる腕時計に仕上がっています。
28800振動の性能を高める
独自開発技術
ロレックス エクスプローラー 214270の特徴として欠かせないのが、パラフレックス・ショックアブソーバーと呼ばれる独自技術です。これにより耐衝撃性が従来モデルより50%アップし、より安心して使える腕時計へと進化しました。
まとめ
今回は一般的な腕時計の振動数から、ロレックスの振動数についても紹介しました。メーカーによって、振動数ごとの特徴を最大限に活かした技術が用いられています。ハイビート・ロービートの特徴やメリット・デメリットを理解しながら、自分にあった一品を探してみてはいかがでしょう。
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