時計の世界三大ブランドの一つといわれるパテック フィリップは、一般的な知名度こそロレックスなどの有名ブランドには劣るものの、世界3大時計として時計界を牽引するブランドです。
中古市場でも価格が落ちにくく、高額なものは数千万円もの値が付くなど、定価より高値で取引されることも少なくありません。
本記事では、パテック フィリップがなぜ高いのかを詳しく解説しつつ、高額取引の事例や高く売るコツなども紹介します。
Contents
パテック フィリップは
なぜ高い?
5つの理由を紹介
パテック フィリップは、1839年にスイスのジュネーブで誕生した、200年近い歴史がある老舗の時計ブランドです。腕時計の駆動を司るムーブメントをはじめ、部品もすべて自社で製造している「マニュファクチュール」であり、高い技術力と品質が評価されています。
ここからは、パテック フィリップの時計が高い理由について、以下の5つの項目に分けて紹介していきます。
- 「世界三大時計」の一つとして
ブランド力が高い - 永久修理を保証している
- 高い技術力で自社生産されている
- 厳選した高品質素材を使っている
- 供給を上回る需要がある
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
「世界三大時計」の一つとしてブランド力が高い
パテック フィリップは、「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」とともに世界三大時計に数えられており、高いブランド力を誇ります。
その背景にはブランド自体の長い歴史と、常に最高品質を追求し技術革新を続ける姿勢があります。
伝統技法や美しいデザインを取り入れた同社の時計は、世界中の愛好家を魅了し、格式が高く高価格帯のものも多いのが特徴です。
永久修理を保証している
パテック フィリップは、同社が製造した時計について永久修理を保証しています。
多くの時計ブランドでは、修理の対応はしていても、部品の保有期間は対象のモデルの生産終了から10~25年前後と定めています。つまり、部品の保有期間が過ぎてしまうと、修理を断られることがあるのです。
対して、パテック フィリップは通常であれば廃棄される工作機械や工具などもしっかり保存しています。そのため、たとえ100年以上前の時計でも修理が可能なのです。
また、必要な部品がない場合、ほかのブランドであれば代替品を用いたりムーブメントをまるごと別のものに入れ替えたりして対応します。これに対して、パテック フィリップは足りない部品があれば新たに作って、元どおりに修理してくれます。
高い技術力で自社生産されている
前述のとおり、パテック フィリップは時計の製造にかかわる工程をすべて自社で行なうマニュファクチュールブランドです。
時計好きの方にはよく知られていることですが、機械式の時計には複雑な機構を持つものがあります。
複雑機構を備える時計は、ブランドのハイエンドモデルとして扱われるのが通常です。しかし、パテック フィリップでは「コンプリケーションモデル」としてシリーズ化されており、その製造も当然ながらすべて自社で行なわれています。
このような時計を自社のみで製造し、シリーズとして一定数を供給できるのは、同社に高い技術力があるからに他なりません。
コンプリケーションモデルのなかでも同社が得意とする代表的な機構は、腕時計を稼働させているあいだに自動で日付を調整してくれる「パーペチュアル(永久)カレンダー」です。
パーペチュアルカレンダーは、姿勢による誤差を減らす「トゥールビヨン」、音で時刻を教えてくれる「ミニッツリピーター」と並び、機械式時計の「世界三大複雑機構」の一つとなっています。
パテック フィリップはこのパーペチュアルカレンダーの機構について、1889年に特許を取得しています。
厳選した高品質素材を使っている
パテック フィリップの時計には、ゴールドなどの貴金属を使った多数のラインアップがあります。
ステンレススチールを使った時計についても、ほかのブランドとは異なる丁寧な研磨処理を行ない、美しいデザインをいっそう引き立てています。
また、ダイアモンドの使用についても強いこだわりがあり、世界最高峰のジュエリー&時計ブランドとして知られるハリー・ウィンストンよりも厳しい自社基準を設けているのも特徴です。
供給を上回る需要がある
前述のとおり、パテック フィリップは高品質素材に強いこだわりを持っています。さらに、優れた時計職人が一つひとつ丁寧に製作していることもあり、大量生産を行なわない体制を採っているため、需要に対して供給が追い付いていない状態です。
そのため、パテック フィリップの時計は価格が高騰しており、数千万円もする高額なものもあります。
なかでも、ノーチラスとアクアノートは人気が高く、2020年からは一部モデルに購入制限が導入されました。これらのモデルを買った場合、同一モデルの再購入はできなくなっています。
こういった背景から、パテック フィリップの時計は正規店では手に入りにくい場合があり、定価よりも中古価格のほうが高額になっているモデルも見られます。
パテック フィリップの時計が
高額で取引された事例
ここでは、パテック フィリップの時計が高額で取引された事例をいくつか紹介します。いずれも億単位の値が付いたレアなケースですが、パテック フィリップの価値の高さを実感できるでしょう。
1つ目は、グランドマスター・チャイム「6300A-010」です。グランドマスター・チャイムは、パテック フィリップが製作してきた時計のなかでも、最も複雑な腕時計です。
パーペチュアルカレンダーやミニッツリピーター、ムーンフェイズ(月相の表示)など20もの複雑機構を持ち、表と裏に独立した文字盤を備えたリバーシブル・ケースが採用されています。また、6件の技術特許によって保護されています。
「6300A-010」は、2019年にジュネーブで開催された第8回オンリーウォッチ・オークションのために特別に製作された時計です。
パテック フィリップ史上唯一のオールステンレススチールのグランドマスター・チャイムで、同オークションでは33億5,000万円で落札され、世界で最も高い腕時計となりました。
もう一つの特別なグランドマスター・チャイムに、パテック フィリップ創業175周年を記念して作られた「5175R-001」があります。
こちらはローズゴールドの手彫金を施した華やかなモデルで、たった7個しか製造されませんでした。その取引価格は3億円を超えています。
また、2015年のオンリーウォッチ・オークションで、当時の最高額を飾ったのもパテック フィリップでした。同オークションのための特別仕様モデル「5016A-010」が、9億円以上で落札されています。
このときの落札者は、大人気俳優のブラッド・ピットだったといわれています。
以上の事例から、世界で1本あるいは数本しかない希少モデルや限定品の時計は、億を超える金額で取引されるケースもあることがわかります。
価格高騰中の
パテック フィリップ
「ノーチラス」とは
パテック フィリップの腕時計のなかでも、特に人気の高いモデルとして「ノーチラス」があります。1976年に発表された、ラグジュアリーなスポーツウォッチです。
「ノーチラス」とは「オウム貝」という意味のラテン語ですが、同モデルは世界最初の実用的な潜水艦「ノーチラス号」から名付けられました。同じ名前の潜水艦は、有名なSF小説「海底二万里」にも登場します。
近年、パテック フィリップのノーチラスは価格が高騰しており、人気だけではなく資産価値も高いモデルといえます。
ここからは、ノーチラスが持つ魅力や高額になった理由、中古市場の相場などを紹介していきます。
ノーチラスの魅力
ノーチラスはパテック フィリップを代表する人気のスポーツウォッチです。その魅力は、優れたデザインにあるといえるでしょう。
スポーツウォッチというと厚みのある無骨なデザインを想像する方も多いと思いますが、ノーチラスは薄型ですっきりとしています。
また、特徴的なのは「耳」と呼ばれる左右の出っ張った部分です。スポーツウォッチとして防水性を高めるために付けられたものですが、この耳の存在によって、ノーチラスはほかのブランドにはない魅力的なデザインとなりました。
さらに、潜水艦の船窓をイメージした独特の八角形のケースも、唯一無二のデザイン性を支える要素となっています。
ノーチラスが登場するまでは、高級ブランドではゴールドなどの貴金属を使った腕時計が主流でした。一方で、ノーチラスはこの路線を変更してステンレススチールを利用し、耐久性の高さをアピールしました。
もちろん、ステンレススチールを使用したからといって、パテック フィリップとしての高級感が薄れたわけではありません。その独特な魅力により、世界中のコレクターから高く評価されているのがノーチラスなのです。
「ノーチラス」はなぜ高い?
魅力あふれるパテック フィリップのノーチラスですが、その価格を押し上げた理由は何でしょうか。ここでは3つの項目に分けて詳しく解説します。
正規店でも在庫がないほど需要が高い
ノーチラスが高額取引されている最大の理由として、すでに正規店で在庫が存在しないということが挙げられます。
新型コロナウイルスの感染拡大などの世界情勢の変化によって生産体制に影響があり、これにより品薄状態が続いたことで、中古市場での価格が高騰しているのです。
加えて、前述のとおりノーチラスには正規店での購入制限が課されており、同一モデルの再購入はできません。
購入制限には転売を防いで適正価格での取引を促すなどの目的があったと考えられますが、かえってノーチラスの希少性を高め、価格の高騰を招く結果となりました。
人気モデルが廃盤になっている
ノーチラスの価格が高騰した理由には、人気モデルの廃盤も挙げられます。
例えば、「5711」というモデルは、日頃からスポーツウォッチを愛用している人たちから注目を集めていました。完成度が非常に高く、ステンレススチールを使った魅力的なボディは現在でも高い人気があります。
その「5711」は、生産終了のアナウンスと同時に中古市場での価格が高騰していきました。
芸術性と実用性を両立している
ノーチラスが、潜水艦から着想を得た唯一無二のデザイン性を持つことはすでに説明したとおりです。一目見ればノーチラスだとわかるオリジナリティあふれるデザインは一種の芸術であり、所有者にとってのステータスシンボルにもなっています。
また、高い防水性能を持ちながらもスポーツウォッチとしては薄型であり、実用性・汎用性にも優れています。ラグジュアリーな見た目の芸術性と、日常使いもしやすい実用性をしっかり両立させていることも、価格を押し上げている理由といえるでしょう。
パテック フィリップの時計を
高く売るための3つのコツ
ここからは、パテック フィリップの時計を少しでも高値で売るためのコツを3つ紹介します。
付属品とともに査定を依頼する
時計を購入したときの付属品は、一緒に査定に出します。具体的には、保証書や箱、余りのコマなどです。
また、メンテナンスや修理の証明書もあるなら用意しておきましょう。場合によっては、査定額がアップする可能性があります。
簡単に掃除しておく
査定に出す前に、時計は簡単に掃除しておきます。クロスや綿棒などで落ちる汚れは、事前に取り除いておくことで査定額アップが見込めます。
ただし、掃除することで傷が付いたりコーティングが剥がれたりするおそれもあるため、無理なお手入れは禁物です。
また、売却を考えている時計のオーバーホールや修理は、無理に行なう必要はありません。そのためにかかった費用の分だけ、査定額が上がるとは限らないからです。アンティーク時計では、かえって価値が下がってしまう場合もあります。
修理すべきかどうか悩んだときは、一度「おたからや」にご相談ください。
円安のタイミングで売る
パテック フィリップは海外のブランド時計であるため、ドル円為替相場が購入時よりも円安になっている場合、買取価格がアップする可能性があります。
少しでも高く売るためには、為替相場をチェックするとよいでしょう。
パテック フィリップ
買取査定は「おたからや」へ!
全国に約1,200店舗以上を展開する買取専門店「おたからや」には、パテック フィリップやロレックスをはじめ、高級ブランド腕時計の豊富な買取実績があります。
最新の時計買取相場を熟知したプロの査定士が丁寧に査定を行ない、査定額に納得いただければ、その場で現金でお支払いします。
店舗での「店頭買取」はもちろん、自宅に査定士が訪問する「出張買取」も可能です。無料で査定を実施し、出張料や買取手数料なども一切かかりません。
また、「おたからや」は、どのような状態の時計でも査定が可能です。付属品がなくても、オーバーホールや修理をしていなくても高価買取が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
長い歴史を持ち、世界的にも知名度の高いパテック フィリップの時計には、ノーチラスをはじめとする多数の人気モデルが存在します。中古市場での価値も上がり続けており、場合によっては購入時以上の価格で売却できます。
買取専門店「おたからや」は、パテック フィリップの買取実績も豊富です。どのような状態でも査定が可能で、査定にかかわる費用は一切かかりません。お手持ちのパテック フィリップをはじめとしたブランド時計の売却を考えている方は、ぜひお問い合わせください。
高級ブランド時計の多くは価格改定がされており、新品・中古問わず需要が高まり買取価格も上昇傾向にありますので、売却にはベストなタイミングといえます。
ブランド時計の高価買取はおたからやにお任せください。
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