ここではパテック フィリップの魅力や原価、超高価格帯を可能にするブランドブランディングついて触れていきます。
Contents
パテック フィリップの
原価と時計職人
パテック フィリップの原価は?
高級時計の多くが、手が届かないほどの価格をしています。その中でもパテック フィリップのシリーズは群を抜く値段をしており、まさに目が飛び出ても不思議ではないほどです。時価で評価されることもあるパテック フィリップのシリーズは、なぜ他の高級時計ブランドよりも高いのでしょうか。
パテック フィリップの原価は、おおよそムーブメント・素材・意匠・開発生産体制・デザイン・アフターケアによって構成されます。パテック フィリップの400万円のモデルがあったとしたら、あくまで推測ではあるものの約50万円から100万円ほどが原価だと考えられます。
こう見ると1本あたり300万円から350万円の利益を叩き出しているように見えますが、実際は違います。ここに機械時計を製作する時計職人の人件費と要する時間までを加えると一気に価格が跳ね上がります。
スイスの時計の職人たち
パテック フィリップは、スイス・ジュネーブに拠点を構えていますが、すべての腕時計をハンドクラフトで製作していくのが、時計職人たちです。
スイスの時計の職人たちの年収相場は、日本円にして約400万円から1,000万円以上とされており、技術力と実績によっては年収1億円以上の時計職人もいると言われるほどです。
ちなみに日本ブランドの大手時計メーカーの場合は400万円から600万円ほどとされており、スイス時計業界における時計職人の地位の高さをうかがい知れます。
1本の時計にかかる時間
さらに1つの機械時計を完成させるのにかかる時間も考慮する必要もあります。一般的な高級機械時計は完成までに数ヶ月かかるのが通例であり、ものによっては半年から1年以上をかけて組み立てられますが、複雑かつ精巧なものほど時間を要するため価格も上昇します。
高度かつ精密な技工を施したムーブメントをわずか直径36mmから50mm前後に納めていくのは、時計職人の高度な技術によるものであり、これらのコストは削減できません。
パテック フィリップの原価はムーブメント・素材・意匠・開発体制・デザインによって構成されていますが、これは他の高級時計や大手時計ブランドと大きな違いはありません。
しかし世界屈指の技術と実績を持つ時計職人の人件費や1つのアイテムを制作するのに数ヶ月から数年もかかるため、1本あたりの価格が高くなります。
パテック フィリップで最も手頃なノーチラス・ステンレスシリーズでも定価で約500万円ほどしますが、プレミアムなコレクションになると7,000万円を超えることもあります。
一体誰が購入するのか想像もつきませんが、その原価の多くを占めるのは、完成までにかかる時間と卓抜した時計職人の人件費です。
汎用ムーブメント不使用!
垂直統合型のムーブメント
パテック フィリップの時計工房に属する時計職人は、いずれも世界屈指の実力を誇る匠ばかりです。世界の高級機械時計ブランドにとって喉から手が出るほど欲しい存在といえます。そんな時計職人にとって最も難関なのが、ムーブメント製作です。
心臓部であるムーブメントは、まさに機械時計の性能、機能に直結する存在であり時計職人の経験と技術力が試される核心的なパーツです。
一般的な高級時計ブランドではコレクションによって使用されるムーブメントが違っており、特にエントリーやベーシックモデルには、汎用性の高い社外製ムーブメントが用いられます。
デザインや組み立ては自社工房でおこなうけれども、ムーブメント部品は専門会社から取り寄せる分業体制を取る高級時計ブランドも少なくありません。
マニュファクチュール
マニュファクチュールのメリット
パテック フィリップは、垂直統合型ムーブメント製作を行うマニュファクチュールです。文字通りムーブメントの素材調達と部品製作から組み立て完成させるまで、一貫体制を確立している高級時計です。
心臓部にまつわる素材・部品・組み立てを持つことは、高い製造技術と管理体制の証明であり、高級時計ブランドの中でもごく限られた存在でしか実現できません。
またブランド価値の向上に加えて他の高級時計ブランドに対する差別化戦略としても威力を発揮します。
マニュファクチュールであることのメリットは、それだけではありません。独自の技巧や装飾をほどこすことで、他にはないオリジナリティあるコレクションを世に送り出せるため、所属する時計職人の創造力とデザインセンスと技術力のすべてを注ぎ込めます。
マニュファクチュールだから出来ること
一般的な高級時計ブランドが使用する汎用ムーブメントは、手頃かつ安定した性能を持ちますが、デザインや機能や装飾において制限を受けるのに対して、マニュファクチュールは一切の制限がありません。
パテック フィリップのデザイナーや時計職人らの実力を思う存分、実力を発揮できるのはマニュファクチュールだからこそです。またあらゆる点でこだわり抜いたコレクションの数々を世界に送り出せる原動力とも言えるでしょう。
さらにマニュファクチュール体制の維持、品質向上へのたゆまぬ努力と投資も価格に反映されています。特にムーブメントの機能の複雑さに比例して高くなるため、汎用性ムーブメントをベースにしている高級時計ブランドと比較すると大きな価格差が生まれます。
年間生産本数最大6万本!
徹底したハンドクラフト
生産体制
パテック フィリップが取り扱う時計は、全てハンドクラフトによって制作されています。
もちろん素材からムーブメントの部品を造り出す作業は、専用工作機械を用いますが、それ以外はハンドクラフトで製作しているので、アイテムの仕上がりは時計職人の腕が決め手になります。
また、ハンドクラフトなので1つの時計を完成させるまでに数ヶ月単位の時間がかかるため、少数生産体制にならざるを得ず、最大でも年間生産本数6万本だと言われています。
この生産量の少なさもパテック フィリップの原価に少なからず影響しています。
工業社会では良いものをより多く生産してコストダウンを目指すのが一般的です。量産するほど各種素材をまとめて仕入れれば、コスト削減に貢献します。
また、生産目標を設定し、どのアイテムにも使用できる汎用性ある部品をベースにして、機械生産や流れ作業の導入で生産性向上を目指します。
これにより売上増大と利益確保を目指すのが、一般的な考え方です。
時計職人ファーストな考え方
しかしパテック フィリップは、そのような一般的な製造体制ではなくあえて家族工業的なハンドクラフトを徹底しました。
特段のノルマもなく時計職人を急かさず、技術を極めようとする時計職人を信頼することで、技術的な限界の突破とデザインの開発にありったけのリソースを注いでいます。超緻密なムーブメントだけでなく細部の装飾や刻印に至るまで、圧倒的なハンドクラフト魂によって生まれるのが、パテック フィリップのコレクションに共通した特徴です。
パテック フィリップの期待に時計職人たちは、高度な時計作りで応えています。
その一例が世界最高品質クラスのキャリバーR27です。1989年に発表された完全自社開発・製造によるミニット・リピーターは、特定の時刻に達すると約18秒の美しい音色を奏でる自動巻きムーブメントであり、ブランドのマイルストーンとなった存在です。
パテック フィリップの複雑機構を持つムーブメントのベースとなるものであり、2014年に登場したキャリバー6301Pへと継承されています。
また、最も長く愛されているキャリバー215は、約40年前の登場から現在までムーブメントとして活躍するなど、圧倒的な精密性と安定性を両立しています。これらの高度なキャリバーは全て、時計職人のハンドクラフトによるものです。
他を凌駕する
圧倒的なブランド力
パテック フィリップのブランド戦略
パテック フィリップは、マニュファクチュールとハンドクラフトにこだわりを持つため、どうしても少量生産体制にならざるを得ません。
その結果、目が飛び出してしまうほど1本あたりの値段も高くなりますが、売れ行きは極めて好調です。
この背景には独自のブランディングに基づいたブランド戦略があります。
パテック フィリップは、ブランド価値向上を実現するため、販売台帳サービスを展開しています。過去にタイムピースを購入したオーナーだけを対象に加入できる会員制度であり、登録すると年2回パテック フィリップ・インターナショナルマガジンが自宅に送付されます。
このマガジンは、1996年の創刊からブランドとオーナーを結ぶ特別な存在となりました。パテック フィリップの各コレクションの機構やテーマ、ストーリーとライフスタイルの提案など、ブランドの魅力を余すことなく伝えるものとなっており、オーナーの満足感をくすぐることでしょう。
ちなみにパテック フィリップは、創業以来、コレクションを購入した顧客台帳を全て保管しているとも言われています。
永久保証の確約
創業当時から顧客台帳を保管する理由は、永久修理保証にあります。パテック フィリップは、購入したオーナーに永久保証を確約しており、これは創業時から現在まで一貫しています。
無料修理というわけにはいきませんが、1839年の創業から携わったあらゆるコレクションを対象にしているため、安心して購入できます。
特に顧客層に多い富裕層の信頼を集める理由になっており、ブランドへの信頼性という点で大きな強みです。
ブランドブランディングの徹底
コレクションやシリーズ展開におけるブランドブランディングも徹底しています。
一般的に高級時計のハイエンドコレクションに展開されるのが、永久カレンダーやミニッツリピーター、トゥールビヨンですが、パテック フィリップではベーシックなコレクションにいずれかの機能を搭載しています。
そのため他の高級時計ブランドにとってハイエンドコレクションが、パテック フィリップにとってベーシックやエントリーコレクションに位置づけられます。
機械時計に詳しい人ほど、違いの凄さを理解せざるを得ません。
パテック フィリップは、世界三大時計に数えられる存在です。ただそれだけで他の高級時計と圧倒的な違いが生まれていますが、さらに独自のブランドブランディングにより、価値向上を実現しています。
数ある高級時計ブランドの中でも「独立孤高」を感じられる存在であり、それもまた原価では判断できない魅力になっています。
まとめ
世界三大時計の1つパテック フィリップの魅力や特徴、原価や価格が高い理由について紹介してきました。
世界トップクラスの時計職人がハンドクラフトで作り上げたコレクションの数々は、所有する満足感を与えてくれる至高の1本です。時計職人のハンドクラフトが生み出すブランド価値は、原価だけでは計れないものがあります。
買取専門店「おたからや」では、ノーチラスをはじめ、パテック フィリップのモデル全般の買い取りに対応しています。最新相場を知り尽くしたプロの査定士がしっかりと査定するため、大切な腕時計を安心してお任せください。
買い取りを依頼する際は「店頭買取」と「出張買取」の2つの方法から選択でき、査定料・出張料は無料です。査定額にご納得いただければ、その日のうちに現金でお支払いします。
高級ブランド時計の多くは価格改定がされており、新品・中古問わず需要が高まり買取価格も上昇傾向にありますので、売却にはベストなタイミングといえます。
ブランド時計の高価買取はおたからやにお任せください。
関連記事
タグ一覧
- #A.ランゲ&ゾーネ
- #GMTマスター
- #IWC
- #K10(10金)
- #K14(14金)
- #K22(22金)
- #K24(純金)
- #MCM
- #アクアノート
- #アクアマリン
- #アメジスト
- #アンティーク時計
- #イエローゴールド
- #ヴァシュロンコンスタンタン
- #ヴァンクリーフ&アーペル
- #エアキング
- #エクスプローラー
- #エメラルド
- #エルメス
- #エルメス(時計)
- #オーデマ ピゲ
- #オパール
- #オメガ
- #カルティエ
- #カルティエ(時計)
- #グッチ
- #グリーンゴールド
- #ケイトスペード
- #ケリー
- #コーチ
- #サファイア
- #サブマリーナー
- #シードゥエラー
- #シチズン
- #ジッピーウォレット
- #ジバンシィ
- #ジミーチュウ
- #シャネル
- #シャネル(時計)
- #ジュエリー
- #ショパール(時計)
- #スカイドゥエラー
- #スピネル
- #セイコー
- #ゼニス
- #ターコイズ
- #ターノグラフ
- #ダイヤモンド
- #タグ・ホイヤー
- #タンザナイト
- #チェリーニ
- #チューダー
- #デイデイト
- #デイトジャスト
- #デイトナ
- #ティファニー
- #ティファニー
- #ノーチラス
- #バーキン
- #パテック フィリップ
- #パネライ
- #ピーカブー
- #ピアジェ
- #ピンクゴールド
- #フェンディ
- #ブライトリング
- #プラチナ
- #フランクミュラー
- #ブランド品
- #ブランド品買取
- #ブランド時計
- #ブルガリ(時計)
- #ブレゲ
- #ホワイトゴールド
- #マークジェイコブス
- #ミュウミュウ
- #ミルガウス
- #モーブッサン
- #ヨットマスター
- #リシャールミル
- #ルイ・ヴィトン
- #ルビー
- #レッドゴールド
- #ロエベ
- #ロレックス
- #ロンシャン
- #地金
- #宝石・ジュエリー
- #宝石買取
- #時計買取
- #珊瑚(サンゴ)
- #真珠・パール
- #色石
- #財布
- #金
- #金・プラチナ・貴金属
- #金アクセサリー
- #金インゴット
- #金の純度
- #金価格・相場
- #金歯
- #金縁メガネ
- #金貨
- #金買取
- #銀
- #銀貨
-
店頭買取
-
査定だけでもOK!
買取店舗数は業界最多の
約1,200店舗以上!おたからやの店舗数は全国 約1,200店舗以上(待機店舗を含む)。これは、数ある買取店の中で最多を誇ります。日本全国津々浦々にて、地域密着でお買取りを承っております。
-
出張買取
-
査定だけでもOK!
買取専門店おたからやの
無料出張買取。買取専門店おたからやの無料出張買取です。出張料・査定料・買取手数料は全て無料、査定は最短5分です。随時キャンペーンを実施をしております!まずはお気軽にご相談ください!