世界7大時計に選ばれる
超高級腕時計ブランド
といえば?
7大時計の魅力を紹介
「世界7大時計」と呼ばれる超高級時計ブランドをご存じでしょうか。世界7大時計といわれるのは、パテック フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタン、A.ランゲ&ゾーネ、ブレゲ、ブランパン、ロジェ・デュブイです。
それぞれのブランドが独自の伝統や歴史、技術を有しており、そのこだわりは時計愛好家を魅了し続けています。
この記事では、世界7大時計と呼ばれる超高級ブランドの歴史や特徴、代表的なモデルを紹介します。
Contents
世界7大時計に選ばれる
ブランドの魅力とは
世界7大時計は、高いデザイン性と品質を兼ね備えており、その圧倒的な価値の高さから世界中のセレブリティーに愛用されています。
ここでは、世界7大時計に選ばれるブランドの魅力について解説します。
価格・価値が高い
世界7大時計のアイテムは、極めて価格が高いことで知られています。圧倒的な価値を提供するアイコンであり、その腕時計を購入することには高いステータスや地位を示す意味もあるのです。
価格は、一般に数百万円から数千万円で、億を超える場合もあります。
高級腕時計は、単に時を刻む道具としてだけでなく、ステータスシンボルまたは、投資対象としても注目されています。希少性の高い高級腕時計は、年々その価値が高まっていく傾向があります。
ただし、投機目的での高級腕時計を購入したとしても、価値が急落するリスクもあります。
品質が高い
超高級腕時計の特徴の一つとして、極めて精度が高いことが挙げられます。世界7大時計の各ブランドは、長い年月をかけて独自の技術を磨き続け、非常に精密なムーブメントを開発しています。
このような高精度を実現するためには、熟練した職人の手作業による組み立てが欠かせません。膨大な手間をかけることで、信頼に足る品質を確保しているのです。
職人の手によってひとつひとつ丁寧に組み立てられた腕時計は、非常に綿密な動きを実現し、長期間使用できる資産としても高く評価されています。
デザイン性が高い
デザイン性の高さも、世界7大時計のアイテムの魅力です。スイスの伝統的な機械式時計のデザインを受け継ぎつつ、モダンでスマートな意匠も多く採用されており、見る者に高級感と品格を与えます。
また、スポーツやラグジュアリーカーなどとのコラボレーションを頻繁に行なっており、スポーツの愛好家や車好きにも人気です。
ハリウッド映画やテレビ番組で芸能人が多く着用し、そのきらびやかなイメージもブランド価値の一部となっています。
【世界7大時計その1】
オーデマ・ピゲ
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「オーデマ・ピゲ」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
オーデマ・ピゲの歴史や特徴
オーデマ・ピゲは、1875年にスイスのル・ブラッシュという町で、ジュール=ルイ・オーデマと幼なじみのエドワール=オーギュスト・ピゲによって創業された時計ブランドです。
オーデマ・ピゲは、創業当初から精度と革新性にこだわり、数々の技術的偉業を成し遂げました。
1892年には、世界初のミニッツリピーター搭載の腕時計を製造したことで知られています。時計製作への情熱は消えることなく、そのこだわりは現在まで脈々と続いています。
オーデマ・ピゲの大きな特徴が、創業から現在まで、途切れることなく創業者一族の手によって経営されてきた点です。
時計業界でも多くのブランドが一時的に操業を止めたり、大手企業に買収されたりしています。そのなかで、オーデマ・ピゲは、創業当時の哲学をあくまでも掲げ、腕時計の小型化と薄型化に挑み続けているのです。
技術的な革新やデザイン変革にも積極的に取り組んでおり、常に新しいものを生み出しています。そのデザイン性やブランドイメージの評価は高く、高精度を求めるプロフェッショナルから愛用されています。
オーデマ・ピゲの代表的な時計モデル
オーデマ・ピゲのなかでも代表的なモデルを、以下で3つ紹介します。
ロイヤルオーク
著名なデザイナーのジェラルド・ジェンダによってデザインされた、1972年発売の「ロイヤルオーク」は、オーデマ・ピゲを象徴するモデルです。
このモデルの特徴は、タペストリーのギョーシェ彫りが施されたダイアルと、ビスで留められた八角形のベゼルにあります。当時、超高級時計ブランドが、ステンレススチール製のスポーツウォッチを発表したことで、世界を驚かせました。
ラグやケースにエッジを効かせたデザインも、ロイヤルオークの特徴の一つです。スポーツウォッチとしては珍しく落ち着いたテイストで、ビジネスシーンでも人気があります。
不変の人気を誇るロイヤルオークは、現在もさまざまなバリエーションのモデルが発表されています。もともとの製造本数が少ないことに加えて人気が高く、入手困難な状況が続いているモデルです。
特に、ケース直径が39mmの「ロイヤルオーク・ジャンボ」などの人気モデルは、なかなか手に入らないといわれています。
ミレネリー
1995年に登場したオーデマ・ピゲの「ミレネリー」は、美しい楕円形のケースを持つ腕時計です。そのデザインは特徴的で、ムーブメントのテンプと文字盤のバランスが優れており、立体的なデザインに個性が感じられます。
当初は、楕円形である以外に大きな特徴は備わっていませんでした。しかし、2006年のリニューアルにともない、大胆なアシンメトリーデザインがミレネリーの代名詞となりました。
機械式時計のギミックを存分に披露するデザインとなっており、多くの時計ファンを魅了しています。100年以上にわたるオーデマ・ピゲの長い歴史のなかでも、高い人気を誇るモデルの一つです。
ジュール・オーデマ
オーデマ・ピゲのハイエンドライン「ジュール・オーデマ」は、創業者のジュール=ルイ・オーデマへのオマージュとして、展開されているコレクションです。
このコレクションには、クラシカルなドレスウォッチや、スポーティーなクロノグラフなど、いくつかのバリエーションがあります。
ダイアルデザインが豊富で、オーデマ・ピゲならではの複雑機構を搭載したモデルもあります。ロイヤルオークに比べれば、人気はあまり高くないかもしれませんが、数々の隠れた名品を誇る腕時計です。
【世界7大時計その2】
パテック フィリップ
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「パテック フィリップ」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
パテック フィリップの歴史や特徴
パテック フィリップは、スイスの時計メーカーで、1839年にアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックが創設した会社が前身となっています。
その後、時計技師のジャン・アドリアン・フィリップが合流し、パテック フィリップとしての歴史が始まりました。高精度で高品質な時計の製造を志しており、時計自体のデザイン性も非常に高く評価されています。
スイスの伝統的なデザインを踏襲しながら、モダンでスマートな印象を与えるモデルも少なくありません。
パテック フィリップの特徴は、職人の手作業によって追求される精緻な構造です。パテック フィリップでは、厳しい品質基準を満たしたスイス時計しか取得できない、「ジュネーブシール」を超える「パテック フィリップシール」の基準を設けています。
パテック フィリップの時計のあらゆる部品には、この基準が適用されており、熟練の職人が手作業でこれを組み立てているのです。
ティファニーとの関係も厚く、1933年、アメリカの銀行家ヘンリー・グレーブス・ジュニアは、ティファニーを通じて、当時としては世界一複雑で高度な腕時計をパテック フィリップにオーダーしました。
この時計は、「グレーブスウォッチ」と呼ばれ、2014年のオークションでは20億円を超える金額で落札されています。
また、2001年には「T150ティファニー 5150」という記念モデルが発売されています。
パテック フィリップの
代表的な時計モデル
パテック フィリップのなかでも代表的なモデルを、6つ紹介します。
カラトラバ
「カラトラバ」は、発売から90年以上が経過した今も、絶大な人気を誇る定番モデルです。剣と十字架型の百合の花を合わせた模様「カラトラバ十字」は、パテック フィリップの伝統的なエンブレムとなっています。
1932年に発表された初代カラトラバ Ref.96、通称「クンロク」は、バウハウスの哲学に大きく影響を受けています。視認性の高いバーインデックスや菱形のドフィーヌ針などは、すべて完璧なバランスで造形されており、カラトラバが「世界の丸型時計の規範」と評されるようになったのです。
型番に「96」が入ったモデルは、初代カラトラバのデザインを踏襲しており、マニアからも高い支持を得ています。
アクアノート
1997年に登場した「アクアノート」は、「スポーツとエレガンスの融合」をテーマにしています。このモデルの特徴は、凹凸のある格子状のダイアルと、ゆるやかなカーブを描いた八角形のケースです。
基本モデルの防水性は120mであり、ダイバーズウォッチとしてはそれほど高くありませんが、このクラスの高級腕時計としては、実用性があります。
最高の強度と紫外線への抵抗力を誇る、ハイテクコンポジット素材を使った「トロピカルバンド」も特徴的です。革以外のバンドでありながら高級感があり、ビジネスシーンに適したスマートさを兼ね備えています。
ノーチラス
1976年誕生の「ノーチラス」は、パテック フィリップ初のスポーツウォッチです。オーデマ・ピゲのロイヤルオークと同じく、ジェラルド・ジェンダがデザインを手がけました。
国内で人気が高いカラトラバよりも、世界的にはノーチラスのほうが知名度や人気が高いといわれています。
ゆるやかなカーブを描く八角形のフォルムが特徴的で、洗練されたクラシカルな印象を与えます。ケースサイドにある「耳」と呼ばれる突起は、ケースの堅牢性や防水性を高める役割を果たすだけでなく、重要なデザインアイデンティティーの一つです。
スポーティーテイストとエレガンスを大切にしており、フォーマルシーンでも見劣りしない高級感を備えています。基本のデイト表示の3針モデルは、ケース厚が8.62mmで、スタイリッシュに装着できます。
金無垢のモデルは、傷が気になることがありますが、ノーチラスは頑丈なオールステンレスでほとんど傷が付きません。
基本の3針からパテック フィリップのお家芸であるコンプリケーションまで、スポーツウォッチの枠に収まらない多彩なラインナップがそろっています。
ゴンドーロ
1993年に発表された「ゴンドーロ」は、レクタンギュラーやトノーなど、ラウンド以外のケースがラインナップされたコレクション。20世紀初頭に流行した、アールデコ様式と現代的な美を融合したデザインがその特徴です。
このシリーズ名は、ブラジルの著名なパテック フィリップ販売店「ゴンドーロ&ラブリオ社」に由来しています。1872年から1927年にかけて、同社向けに製作された特別なモデルへのオマージュとなっているのです。
どのモデルも優美な曲線やこだわりのあるデザインを持っており、一流デザイナー渾身の最高峰ウォッチといえます。
ゴールデン・エリプス
「ゴールデン・エリプス」は、円と長方形を融合させたエリプス(楕円形)のケースがアイコンの時計です。1968年に発表されたこのタイムピースは、伝統から大きくかけ離れた独創的なデザインで、当時は世間を驚かせました。
ゴールデン・エリプスのプロポーションは、「1:1.6181」の黄金比によって規定されています。この比率は、ギリシャの数学者が発見した「神聖なる比率」といわれており、建築や絵画の歴史的な作品のなかに多く発見されています。
グランド・コンプリケーション
「グランド・コンプリケーション」は、時計製作の最高峰を目標に、技術と芸術性を融合させた、パテック フィリップの到達点といえるコレクションです。
時計愛好家だけでなく、コレクターや投資家からも高い評価を受けており、長く愛用されています。
グランド・コンプリケーションの複雑で精密な機構を実現するには、高度な技術が必要です。パテック フィリップは、多彩なコンプリケーテッド・ウォッチを発表しており、その製造は非常に困難です。
パテック フィリップが1989年に発表したキャリバー89は、「世界最高峰の複雑性を備えた時計」という評価を確立しています。
【世界7大時計その3】
ヴァシュロン・コンスタンタン
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「ヴァシュロン・コンスタンタン」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
ヴァシュロン・コンスタンタンの
歴史や特徴
「ヴァシュロン・コンスタンタン」は、1755年にジャン=マルク・ヴァシュロンによってスイスで設立された腕時計ブランドです。
260年を超える歴史のなかで、創業者の意志は息子のアブラアン、孫のジャックへと受け継がれていきました。その後、実業家のフランソワ・コンスタンタンが合流し、1819年にヴァシュロン・コンスタンタンとしての歴史が始まりました。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、創業当初から精度の高い腕時計を生産しており、そのこだわりは現在も続いています。また、特徴として、ダイアルやリューズに配された、メゾンの誇りを表すマルタ十字が挙げられます。
製造される腕時計には、複雑な機能が搭載されており、世界7大時計のなかでも秀でた機能性の高さがヴァシュロン・コンスタンタンの魅力です。モデルごとに異なる幅広いデザイン性も、高く評価されています。
ここまで紹介した「オーデマ・ピゲ」「パテック フィリップ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」は世界3大時計ブランドに数えられ、その圧倒的な価値の高さから「雲上ブランド」とも呼ばれています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの
代表的な時計モデル
ヴァシュロン・コンスタンタンのなかでも代表的なモデルを、5つ紹介します。
トラディショナル
ヴァシュロン・コンスタンタンの「トラディショナル」は、18世紀から受け継がれている卓越した時計製造の伝統を鮮やかに表現したコレクションです。
厳しい基準と長い歴史を礎に、高度な技巧を駆使して製造されており、傑出した統計製造技術を象徴しています。
トラディショナルコレクションは、極めてシンプルなものから最も複雑なものまで、幅広いラインナップが特徴です。いずれも世代を超えて継承されるクラフトマンシップのもとに製作されており、気品を漂っています。
オーヴァーシーズ
1996年に登場した「オーヴァーシーズ」は、ヴァシュロン・コンスタンタン初のオールステンレスのスポーツモデルで、大人のスポーツウォッチとして人気を集めています。
流れるようなラインを描くケースや、エッジが際立つラグやブレスレット、マルタ十字のモチーフを模したベゼルが特徴的です。堅牢でありながら、スタイリッシュで高級感のあるデザインが広く支持されています。
パトリモニー
2004年に発表された「パトリモニー」は、クラシカルなデザインが特徴的です。このコレクションには、伝統的な技法が反映されており、カーブと直線が美しく調和しています。
1950年代のヴァシュロン・コンスタンタンのモデルに着想を得たスリムなケースが魅力的で、徹底したミニマリズムが、洗練された雰囲気を漂わせています。
フィフティーシックス
1956年に発表された、ヴァシュロン・コンスタンタンのアイコニックなモデルが、「フィフティーシックス」です。親しみやすくエレガントで、モダンな印象を与えるデザインは、「コスモポリタンスタイル」という言葉をよく表しています。
このコレクションでは、クラシックな文字盤と大胆なデザインのケースのコントラストによって個性を表現。ケースデザインは、マルタ十字のロゴからインスピレーションを得ています。また、オープンワークのローターでもマルタ十字を表現しています。
ヒストリーク
ヴァシュロン・コンスタンタンは、1755年以来、数々の創造的な時計を世に送り出してきました。その創造性を称えるコレクションが、「ヒストリーク」です。このコレクションでは、メゾンがこれまでに発表してきたタイムピースを現代風にアレンジしています。
例えば、「ヒストリーク・アメリカン1921」は、1921年にアメリカ向けに発売されたモデルの再解釈です。斜めに時刻を読み取れる文字盤が最大の特徴で、ファッショナブルで独創的なデザインが楽しめます。
洗練された精密な技術と大胆な美を融合させた、最高級モデルの一つといえるでしょう。
【世界7大時計その4】
A.ランゲ&ゾーネ
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「A.ランゲ&ゾーネ」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
A.ランゲ&ゾーネの歴史や特徴
A.ランゲ&ゾーネは、1845年に設立されたドイツの腕時計ブランドです。スイスに拠点を置く時計ブランドが主流のなか、A.ランゲ&ゾーネは、元祖ドイツ時計として世界的な地位を築いています。
1900年のパリ万国博覧会で、トゥールビヨン搭載の懐中時計を出品して名声を博すなど、設立後も順調に評判を高めていきました。しかし、第二次世界大戦後の1948年、東ドイツに接収される形でブランドは一時消滅してしまいます。
1989年のベルリンの壁崩壊を受け、1990年にブランド復活を果たしました。復活後は、IWCの協力を得て、高精度かつ高品質な腕時計の製造に注力しています。
新たなモデルには新たなムーブメントを搭載するなど、徹底したマニュファクチュール体制を構築しました。
A.ランゲ&ゾーネは、高精度の腕時計生産に注力するだけでなく、そのデザイン性においても高い評価を受けています。グラスヒュッテ工芸の伝統に根差したデザインに、最新のトレンドを反映させ、時代を超越しても色褪せないスタイルを確立しているのです。
A.ランゲ&ゾーネの代表的な時計モデル
A.ランゲ&ゾーネのなかでも代表的なモデルを、3つ紹介します。
ランゲ1
「ランゲ1」は、1994年に発表されたA.ランゲ&ゾーネのフラグシップコレクションで、これまでに数多くのラインナップが発売されています。このコレクションはブランドの復活劇を記念するものであり、またA.ランゲ&ゾーネの本質を体現したものです。
ランゲ1の最大の特徴は、端正でありながら独創的なダイアルデザインです。アウトサイズデイト表示の寸法も、黄金分割比に従った均整のとれた構成になっています。
42年におよぶ休眠期間を感じさせない斬新なデザインで、A.ランゲ&ゾーネの復活を世界に印象付けました。
ランゲ1は、自社一貫の手作業で製造されており、マイスター時計技師たちの情熱とこだわりが詰まった工芸品です。
ダトグラフ
1999年に登場した「ダトグラフ」は、A.ランゲ&ゾーネの技術の粋を結集させた高精度な機械式クロノグラフです。
ダイアルでは、12時位置のアウトサイズデイトとスモールセコンド、ミニッツカウンターがデルタを構成しており、その知的なプロポーションが見る人を魅了します。
ほかのモデルと同じように、高品質な手巻きムーブメントが搭載されており、最高の精度を実現しています。
スポーティーでありながらエレガンスな風格を漂わせる、世界最高のクロノグラフの一つです。
サクソニア
「サクソニア」は、A.ランゲ&ゾーネのフラグシップコレクションであるランゲ1とともに1994年に発表されました。シンプルで控えめな気品が魅力で、無駄の一切を省いたデザインが腕時計の本質を体現しています。
数あるラインナップのなかでも、ほとんど装飾性を排した「サクソニア・フラッハ」はブランド史上最高の薄さを誇っています。一見地味なデザインですが、サクソニアこそA.ランゲ&ゾーネが到達した設計上の最適解だといえるでしょう。
【世界7大時計その5】
ブレゲ
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「ブレゲ」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
ブレゲの歴史や特徴
ブレゲは、フランス生まれの天才時計技師、アブラアム=ルイ・ブレゲが1775年に設立したブランドです。
ブレゲは自動巻き機構をはじめ、パーペチュアルカレンダーやミニッツリピーター、トゥールビヨンといった数々の複雑機構を発明し、時計業界を大きく進歩させました。
ブレゲの発明した技術は、現在の腕時計の礎となっており、多くのブランドやモデルに影響を与えています。
顧客には歴史上の人物も多く、その一人がフランス王妃のマリー・アントワネットです。
ブレゲの時計に魅了されたマリー・アントワネットは、複雑機構のすべてを盛り込んだ時計の製造をオーダーします。これが「No.160」と呼ばれる伝説のモデル誕生のきっかけとなりました。
ブレゲは、高貴で美しい装飾の時計を製造することでも知られており、ケースサイドのコインエッジ装飾やダイアルのギョーシェ彫りは、一級品の美しさを誇っています。
また、スポーツモデルは、タフネスや精緻な構造で圧倒的な評価を得ており、数多くの傑作があります。
手作業で製造されるブレゲの腕時計は、すべて手作業のため生産本数が少なく、入手するのが極めて困難です。
ブレゲの代表的な時計モデル
ブレゲのなかでも代表的なモデルを、3つ紹介します。
アエロナバル
1995年発売の「アエロナバル」は、1950年代にフランス軍から発注を受けて製作された「タイプXX」が原型のモデルです。もともと航空部隊のパイロットのために開発されたこともあり、航空や海洋をテーマにしたデザインが特徴となっています。
高品質な手巻きムーブメント搭載で精度は極めて高く、100mの防水性能を持つため、ダイバーズウォッチとしても人気です。
ダイアルを彩るクロノグラフには、フライバック機能が備わっており、指針も独特でフラットな形状です。革バンドもメタルバンドもなじむバランスの良いデザインなので、カジュアルにもフォーマルにも合わせやすい魅力があります。
職人が美しく仕上げたコインエッジなど、ディテールにもこだわったアエロナバルは、ミリタリーウォッチでありながら誰でも親しめるモデルだといえます。
マリーン
1990年に登場した「マリーン」は、海をテーマにしたデザインが特徴のラグジュアリースポーツウォッチです。創業者がフランス海軍のマリン・クロノメーターを製造していたバックグラウンドをヒントにして生まれました。
頑丈なケースやプロテクター付きリュウズの無骨な印象と対照的に、スタイリッシュなコインエッジ装飾とダイアルのギョーシェ彫りが大きな特徴です。
100m防水なので日常使いにも適しており、スーツにもカジュアルな服装でも合わせやすいデザインとなっています。
クロノグラフやGMTといった機能が搭載されたモデルもリリースされており、使用素材も豊富なので、好みのものを探してみるとよいでしょう。
クラシック
ブレゲの「クラシック」シリーズは、シンプルで古典的なデザインを特徴としています。優雅な雰囲気を漂わせつつ、30m防水で日常使いにも適した機能性の高さが魅力です。
クラシックには多くのモデルが発売されており、それぞれに異なるデザインや機能が備わっています。どのモデルにもブレゲらしい意匠が凝らされています。
特にわかりやすいのが、ブレゲ針です。ブレゲ針とは、先端が月のような形をした針のことで、1783年に創業者が開発して以来、ブレゲの代名詞として数々のコレクションに使われてきました。
【世界7大時計その6】
ブランパン
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「ブランパン」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
ブランパンの歴史や特徴
ブランパンは、スイスのジュラ地方にあるヴィルレという村で、1735年に創業された高級時計ブランドです。創業者は、ジャン=ジャック・ブランパンで、現存する世界最古の機械式時計ブランドといわれています。
200年近く続いた家族経営のなかで、ブランパンは自動巻きモデルの製品化などで着実に名を上げていきます。
1970年代のクォーツショックで一時は窮地に陥りましたが、1980年代に、複雑機構を搭載したモデル「シックス・マスターピース」を打ち出し、見事に復活を果たしました。
ブランパンは、独自のデザインや品質にこだわっており、「製造するのは機械式時計のみで、さらにラウンドフォルムしか採用しない」ことでも知られています。
ブランパンのこだわりは非常に強く、極めて精密なムーブメントも自社で開発しています。機械式時計の品質や技術では、世界を代表するブランドの一つです。
近年では、クラシカルラインやコンプリケーションを搭載したモデル、超ハイスペックのスポーツウォッチなども展開しています。
ブランパンの代表的な時計モデル
ブランパンのなかでも代表的なモデルを、5つ紹介します。
レマン
本社のある、スイス・ジュラル地方のレマン湖に由来する名を持つ「レマン」は、クラシカルな風格を漂わせるブランパンのラグジュアリーラインです。優美かつシンプルなデザインで、オーソドックスなラウンドケースが特徴です。
ベゼルには、古典的なダブルステップのデザインを採用していますが、モダンなダイアルデザインやストラップには遊び心が感じられます。
また、このシリーズには高度な技術がつぎ込まれており、アラーム機構やGMTといった機能を備えたモデルも用意されています。名作といわれる1994年誕生の「2100シリーズ」は、エレガントなスポーツモデルとして新しいスタイルを提示しました。
フィフティ ファゾムス
「フィフティ ファゾムス」コレクションでは、1953年の発売時から、ブランパンが抱き続ける海洋への純粋な情熱をそのデザインや機能で表現しています。
その伝説的なオリジナルモデルが高く評価されている、モダンダイバーズウォッチの原型といえるシリーズです。
「ファゾムス」とは古い長さの単位で、50ファゾムスは約91mを意味しています。発売当時のダイバーが潜れる最も深い水深をその名に冠することで、最高峰の耐久性をアピールしていました。
現在のフィフティ ファゾムスは、当初の性能を大きく上回る300m防水を誇っています。
ブランパンは、フィフティ ファゾムスというダイバーズウォッチを代表するモデルを有するブランドとして、海への情熱と探検精神を大切にしています。
そのため、科学者や水中写真家、ダイバーなどの海を愛する人たちを支援し、海洋の素晴らしさを伝え、海洋資源の保護に貢献しているのです。
エアコマンド
「エアコマンド」は、1950年代のアメリカ空軍との結びつきを再現するために、ヴィンテージスタイルと最新技術を組み合わせたコレクションです。
このコレクションでは、当時最も人気のあった軍用クロノグラフとして有名な先駆モデルを踏襲しています。フライバック機能搭載のクロノグラフやカウントダウンベゼルなどの機能が採用されており、洗練されたデザインと機能性が楽しめます。
ヴィルレ
「ヴィルレ」コレクションは、ブランパンの発祥の地をその名に持つ、最もクラシックなコレクションです。約300年の伝統を継承しつつ、再解釈を加えることで現代性をもたらす努力も忘れていません。
純粋なシルエットや視認性の高いダイアル、ダブルステップ・ベゼルのスレンダーなケースがブランパンのルーツと美意識を表現しています。
ヴィルレのムーブメントには、最新の技術が詰め込まれており、ムーンフェイズ機能やカレンダー操作保護機能など、その価値を高める工夫が数多く施されています。
L-エボリューション
「L-エボリューション」コレクションは、ブランパンの躍動的でアバンギャルドなエッセンスを体現したコレクションです。
L-エボリューションでまず目を引くのが、ダイアルの左右に大胆に配されたローマ数字の3と9です。アラビア数字採用のモデルでは、3と6、3と9、9と12といったように、数字の組み合わせにいくつかのバリエーションがあります。
無骨で未来的なデザインに、ブランパンの新しい姿勢が垣間見えるでしょう。
このコレクションでは、最先端の技術と伝統的な技術を融合させた革新的なムーブメントが高く評価されています。モデルごとに、月表示やデイト表示、GMTといった機能が搭載されており、トゥールビヨン搭載のモデルは1,000万円超の価格で取引されています。
【世界7大時計その7】
ロジェ・デュブイ
ここからは、世界7大時計の一つに数えられる「ロジェ・デュブイ」の歴史や特徴、代表的な時計モデルを紹介します。
ロジェ・デュブイの歴史や特徴
ロジェ・デュブイは、1995年創業の比較的新しい高級時計ブランドです。創業者であるロジェ・デュブイは、若くしてパテック フィリップの技術者を務め、共同創業者のカルロス・ディアスは、高級ファッションメーカーを経営していました。
ロジェ・デュブイには、唯一無二の世界観があり、インパクトの強い独創的な腕時計を多数展開しています。特に、スポーツウォッチの分野では成長が著しく、スポーティーテイストを重視することで知られています。
すべての時計でジュネーブシールを取得しているだけでなく、創業から10年程度で自社開発のムーブメントを使い始めた実力派ブランドです。
現在は、リシュモングループの傘下に入り、資本の充実によってコストパフォーマンスや品質を向上させるのに成功しています。
ロジェ・デュブイでは、「プレイヤー(社交)」「ウォリアー(戦士)」「ベンチャラー(冒険者)」「ディーバ(歌姫)」の4つの世界観を掲げています。
そして、各世界観に対応する「モネガスク」「エクスカリバー」「パルジョン」「ベルベット」のコレクションを展開し、独自の表現を追求しているのです。
ロジェ・デュブイの代表的な時計モデル
ロジェ・デュブイのなかでも代表的なモデルを、3つ紹介します。
エクスカリバー
「エクスカリバー」は、アーサー王の逸話に登場する剣の名前です。剣には魔法の力が宿っており、イングランド王の象徴とされていました。ロジェ・デュブイの「エクスカリバー」は、その名にふさわしい最高峰の技術力で製造されています。
風防には、スリムで軽量なデザインを採用しており、ダイアルの指針や星型のブリッジもそれに沿った形状をしています。「未来を創り出す」というブランドの理念を体現する、独創的なデザインも魅力的です。
スパイダー
レーシングスポーツをモチーフにした「エクスカリバー スパイダー」は、「人生の最速トラックを生きる人々へ」と題されたシリーズです。
各モデルのデザインは、さまざまなスーパーカーからインスピレーションを得ており、鋭角でソリッドなデザインがレーシングを想起させます。
また、モータースポーツで実際に使われたタイヤのラバーをストラップに採用するなど、リアリティへのこだわりも魅力の一つです。
ハイパーウォッチ
「ハイパーウォッチ」は、ロジェ・デュブイ愛好家をターゲットにしたコレクターズシリーズです。文字盤のデザインは極めて独特で、その名のとおりハイパーな存在感を漂わせています。
ミニッツリピーターやトゥールビヨンといった、複雑機構を搭載した革新的なメカニズムは、多くの時計愛好家を魅了しています。
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まとめ
世界7大時計とは、スイスの高級時計ブランドである「パテック フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタン、A.ランゲ&ゾーネ、ブレゲ、ブランパン、ロジェ・デュブイ」の7つのブランドのことです。
これらのブランドは、いずれも長い歴史と伝統を持ち、卓越した技術と精巧なデザインで知られています。特に、トゥールビヨンなどの複雑機構を搭載したモデルは人気が高く、世界中の富裕層やセレブリティーから愛されています。
なかには、投機目的での取引も行なわれており、入手するには手間と時間、そして費用がかかるのが特徴です。
世界7大時計の売却を検討している場合は、プロの査定士がいる「おたからや」にご相談ください。
高級ブランド時計の多くは価格改定がされており、新品・中古問わず需要が高まり買取価格も上昇傾向にありますので、売却にはベストなタイミングといえます。
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