ブレゲは、世界五大時計ブランドの1つ。緻密な設計と芸術的なデザインで、多くの愛好家を魅了してきました。ただし、どんなに優れた高級時計でも、長く使うには定期的なメンテナンスが欠かせません。そのメンテナンスこそが「オーバーホール」です。

「オーバーホールはどれくらいの頻度で必要なのか？」
「正規サービスと修理専門店、どちらに依頼すべきなのか？」
「費用や納期はどのくらいかかるのか？」

こうした疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ブレゲのオーバーホールについて、依頼方法から注意点まで徹底解説します。さらに、売却を考えている方に向けて、「オーバーホールが査定にどう影響するのか」についてもご紹介します。

ブレゲの時計はどのくらいの頻度でオーバーホールを受ければ良い？

ブレゲでは、目安として5年前後の間隔でオーバーホールを受けることを推奨しています。

一般的に、ブランド時計のオーバーホールを受けるタイミングは、潤滑油やパッキンが劣化してきたときです。注油や交換といった作業を行なわなかった場合、時計が正常に動作しなくなったり、時計内部の部品が壊れたりする可能性があります。

また、リューズ・ケース・ボタン・ブレスレットといった外装部品も劣化するため、オーバーホールが欠かせません。

ブレゲのオーバーホールの依頼方法

ブレゲのオーバーホールを依頼する方法は、「正規サービス」と「時計修理専門店」の2つです。それぞれにメリットとデメリットがあり、料金や納期、仕上がりの安心感に違いがあります。

正規サービスに依頼すると、純正部品やメーカー保証による安心感が得られます。修理専門店に依頼すると、コストや納期を抑えられるメリットがあります。ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきます。どちらに依頼するか自分に合った方法を選択しましょう。

ブレゲ正規サービスセンターに依頼する場合

ブレゲ正規サービスセンターに依頼する最大の魅力は、「純正パーツを使用した修理」と「メーカー保証」が得られる点。オーバーホールの際に必ずブレゲ純正の部品を使い、ブランドの基準に沿った高精度な修理を行ってくれます。また、作業後には一定期間の保証が付与され、安心して使用できるのが特徴です。

複雑機構を備えたモデルの場合、正規サービスを利用するのが特におすすめ。ケースや文字盤の仕上げなども、ブランド本来の美しさを損なわないよう配慮されます。コレクションとしての価値を維持したい方には最適といえるでしょう。

ただし、正規サービスは料金が高額になりやすいため注意が必要です。シンプルなモデルでも数十万円、複雑モデルでは50万円以上になるケースも。さらに、修理期間は3ヶ月から半年程度かかることが多いです。部品の調達や徹底的な検査に時間がかかるため、すぐに時計を使いたい方には不向きといえるでしょう。

「安心感」と「費用・時間」のバランスを考え、自分に合った依頼方法を検討することが大切です。

ブレゲ正規サービスセンターの受付方法（来店・ピックアップサービス）

正規のサービスセンターでは、店頭に持ち込む方法と、無料のピックアップサービスを利用する方法があります。来店受付では、専門スタッフが時計の状態を確認し、その場で受付を行います。

ピックアップサービスは、自宅まで集荷に来てくれるサービスで、遠方の方でも安心して利用可能なのがメリットです。

また、正規サービスに依頼する最大のメリットは、「純正パーツによる修理」と「メーカー保証が受けられる」という点。特に複雑機構を備えたモデルでは、正規サービスに依頼することをおすすめします。

オーバーホールを依頼できるブレゲのサービスセンター

ブレゲは世界中にサービスセンターを設置しており、必要に応じてオーバーホールや修理を依頼できます。

日本に設置されているサービスセンターは、以下の4つです（2025年10月時点）。

【東京カスタマーサービス】

【大阪カスタマーサービス】

※無料ピックアップサービス及び配送の受付のみとなります。来店窓口はございません

【北海道地区指定サービスセンター（有）札幌時計サービスセンター】

【中部地区指定サービスセンター 中部時計サービスセンター】

【九州地区指定サービスセンター（有）スイス時計サービスセンター】

その他、オーバーホールは正規販売店に依頼することも可能です。

時計修理専門店に依頼する場合

修理専門店を利用する場合のメリットは、料金が抑えられることや、正規サービスと比べて納期が短めになることです。また、専門店によっては柔軟なサービスがあり、購入後の安心もあり、顧客に合わせた対応をしてくれるケースもあります。

ただし、店舗によって技術力や実績に差があるため、信頼できる修理店を選ぶことが重要です。

時計修理専門店の受付方法（来店・配送）

時計修理専門店に依頼する場合も、店頭での直接受付と配送による受付があります。配送サービスを行っている店舗は全国どこからでも依頼できるため、利便性が高いのが特徴です。

また、来店受付は、どこに修理が必要か、どの部分の部品を交換すれば良いのかをその場で相談することができます。その場で見積もり金額を検討できるため、時間に余裕がある人は来店受付がおすすめです。

配送の場合は、専用の梱包キットを用意している店舗もあり、時計を安全に送ることができます。また、事前にメールや電話で相談できる店舗も多いため、状態を伝えてから発送できるのも安心なポイント。ただし、配送では時計の状態を直接確認できないため、実物を見てから見積もり金額が変わるケースもあります。

そのため、配送を利用する際は「見積もり後のキャンセルが可能かどうか」「返送時の送料負担は誰がするのか」といった点を事前に確認しておくと安心です。

ブレゲのオーバーホール料金と納期

ブレゲのオーバーホールにかかる料金や納期は、依頼先によって大きく変わります。正規サービスに依頼する場合は純正パーツが使用され、仕上がりや保証の面で安心感があるのがメリット。しかし、その分コストは高額になりやすい傾向があります。

一方で、修理専門店でのオーバーホールは料金を抑えやすく、納期も比較的短めに済むのがメリットです。ただし、店舗によって技術力や対応範囲に差があるため、事前の下調べが欠かせません。特にブレゲは複雑機構を持つモデルが多いため、豊富な修理経験を持つ職人が在籍する修理専門店かどうかが重要なポイントです。

このように、料金と納期は「正規サービスか、専門店か」の選択によって大きく異なります。ここからは、それぞれの料金と納期を詳しく見ていきましょう。

正規サービスの料金と納期

正規サービスに依頼した場合、ブレゲのシンプルなモデルでも数十万円規模の費用がかかる場合があります。クロノグラフなどの複雑機構を備えたモデルでは、さらに高額になることも。場合によっては50万円を超えるケースも珍しくありません。

また、納期については、3ヶ月から6ヶ月程度かかるのが一般的。部品の取り寄せや入念な検査が行われるため、修理が長期化することもあります。安心感は大きいですが、料金と時間の負担がかかる点は注意しておく必要があります。

正規サービスは、専用Webサイトから依頼することができます。

修理専門店の料金と納期

修理専門店は、正規サービスよりも費用を抑えられることがメリットです。

納期は1ヶ月から2ヶ月程度と、正規サービスより短めです。部品調達や作業体制がルーティン化されていることから、比較的早く仕上がるのがメリットです。ただし、店舗によって価格設定や納期に差があるため、事前の確認をおすすめします。

料金・納期の違いから見る選び方

「安心感を最優先にしたい」「純正パーツで修理したい」という方は正規サービスがおすすめです。一方、「できるだけ早く使いたい」「コストを抑えたい」という方には修理専門店が向いています。

どちらが適しているかは、時計のモデルや使用状況、ユーザーの希望によって変わってきます。それぞれの修理方法の特徴をふまえ、自分に合っている方を選ぶようにしましょう。

オーバーホールの推奨頻度

ブレゲのオーバーホールは、一般的に3年から5年に一度が目安とされています。ただし、使用環境によってオーバーホールの頻度は変動するため、一概には言えません。防水性能を保ちたい場合や、汗や湿気にさらされやすい環境でよく使う場合は、より短いスパンでのメンテナンスが推奨されます。

• おたからや査定員のコメント

ブレゲのオーバーホールの内容と流れ

ブレゲのオーバーホールは、単なる部品交換や掃除にとどまりません。時計を完全に分解して洗浄し、組み立て直すことで、時計全体を最適な状態へとよみがえらせます。その作業は、まさに「時計の再生」といえます。

こうしたメンテナンスを行うことで、ブレゲの精密機構を長期間にわたって維持することができるでしょう。また、オーバーホールでは外観の仕上げや防水性の復元といった作業も含まれます。単に動作を直すだけではなく、見た目の美しさや使用感も改善されるのがオーバーホールの特徴です。

ここからは、一般的なオーバーホールのステップを順を追って解説します。正規サービスと修理専門店で若干の違いはあるものの、基本的な流れはほぼ共通しています。

診断・見積もり

まず、時計の状態を診断するところから始まります。外装の傷や汚れ、精度のズレ、ゼンマイの巻き上げ感。リューズおよびプッシュボタンの操作性など、細部までチェックします。必要に応じて専用の機器を使い、歩度測定や防水検査を行うこともあります。

検査が終わったら、診断結果をもとに、修理内容が整理されます。交換が必要な部品や費用などが見積もりとして提示されるので、全て確認しましょう。

依頼者は、この段階で修理を依頼するかどうか決定することができます。特にブレゲの場合、複雑機構を搭載しているモデルも多いため、見積もり内容が高額になることも珍しくありません。事前に見積もりを受けられる点は安心材料といえるでしょう。

ムーブメントの分解・洗浄

見積もりに同意したら、時計の心臓部であるムーブメントを分解します。数百点におよぶ細かな部品を1つずつ外し、摩耗や損傷の有無を確認していきます。その後、専用の超音波洗浄機にかけて、古い油やホコリを徹底的に除去します。

洗浄後は組み立て直しの工程に入り、必要な箇所に新しい潤滑油が注入されます。この作業を行うことで、摩耗を防ぎ、精度の安定性を保つことができます。

部品交換・防水性の復元

分解・洗浄の際に摩耗や劣化が確認された部品は、新しいパーツに交換されます。ゼンマイや歯車といった主要部品だけでなく、見落としがちなパッキンやネジ類も対象です。

また、防水性の復元も非常に重要な工程です。ブレゲは防水性能を備えたモデルも多く、防水パッキンの交換や防水試験を怠ると、湿気や汗による故障リスクが高まります。オーバーホールでは必ず防水試験が行われ、ケースの密閉性を確認しています。

ケースやブレスレットの仕上げ

オーバーホールでは、内部のメンテナンスだけでなく外観の仕上げも行われます。ケースやブレスレットの細かな傷は、ライトポリッシュと呼ばれる研磨で目立たなくしていきます。

ブレゲの時計は、ギョシェ彫りや独自のケース形状が特徴的なので、ポリッシュの際はオリジナルの質感を損なわないよう、高度な技術が求められるでしょう。外観が美しくなることで、売却時の評価にも良い影響を与えます。

最終検査

最後に、時計全体の検査（最終点検）を行います。精度検査では、姿勢差（時計の置き方による誤差）や温度変化の影響を細かく測定し、測定値が基準値内に収まっているか確認します。

また、防水試験を改めて行い、実使用で問題がないかを再チェックします。くわえて、外観検査では、ケースやブレスレットの仕上げ、針の位置、ガラスの透明度なども細かく確認します。

こうしたすべての工程をクリアして初めて、ユーザーの手元に時計が戻ってきます。

ブレゲを売る前にオーバーホールはすべき？

売却する際に「オーバーホールをしてからの方が高く売れるのでは？」と考える方は多いです。確かに、オーバーホール済みの時計は動作の安定性が保証され、買い手に安心感を与えるため、査定額が上がることがあります。

しかし、必ずしも事前にオーバーホールをする必要はありません。その理由は、オーバーホール費用が高額になる可能性があるからです。数十万円かけてメンテナンスをしても、その分が買取価格に上乗せされるとは限りません。

• おたからや査定員のコメント

ブレゲの高価買取は「おたからや」で！

「おたからや」は、ブレゲをはじめとするブランド時計の買取専門店です。日本全国に1,600店舗以上を展開しており、店舗数・取引規模ともに業界トップクラスです。そのため、他店を超える高価買取を実現しています。

また、経験豊富なプロの査定士が在籍しているので、ブレゲの価値を正確に見極め、適正な査定価格を提示することが可能です。

「おたからや」では、修理やオーバーホールする前の査定をおすすめしています。「針が全然動かない」「変色している」「ガラス面が割れている」など、明らかに修理・オーバーホールが必要な時計でも高価買取可能です。まずは一度ご相談ください。

なお、ブランド時計を少しでも高く売る方法を、以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ

ブレゲの腕時計は、その精巧な機構と気品あるデザインから世界中で高い評価を受けています。しかし、長く愛用するためには定期的なオーバーホールが欠かせません。

正規サービスに依頼すると純正パーツで修理してもらうことができ、メーカー保証の安心感も得られます。しかし、費用や納期の負担は大きくなるため、慎重な検討が必要です。一方、修理専門店を利用すると、コストを抑えることができ、スピーディーな仕上がりが期待できます。ただし、技術力や保証の範囲は店舗ごとに異なるため、注意しなくてはなりません。

オーバーホールの流れを理解しておくことで、作業内容や必要性がイメージしやすくなり、適切な判断につながるでしょう。なお、売却の際は、事前にオーバーホールを行う必要はありません。現状のままでも適正に評価されるケースもあるため、一度無料査定に出してみることをおすすめします。

特に「おたからや」では、ブレゲのような高級時計でも、経験豊富な査定員がしっかりと価値を見極められるのが強みです。

ブレゲを長く楽しむにしても、手放すにしても、今回の内容を参考に最適なタイミングと依頼先を選んでいただければと思います。

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