日本で本格的な金券文化の礎を築いたのは、明治時代に百貨店の三越が発行した「三越の商品券」です。これは、特定の場所で商品と交換できる引換券として、贈答品や景品として広く利用されるようになりました。これにより、現金に代わるスマートな支払い方法として、人々の間に金券が浸透していきました。

高度経済成長期からバブル期にかけて、金券はさらなる普及を遂げました。この時期、デパートやスーパー、旅行会社など様々な企業が金券を発行し、その金券の種類は多岐にわたりました。また、現金を持ち歩く手間を省くために、全国各地に金券ショップが登場。金券は日常生活に欠かせないものとなりました。中には、額面を大きく超えるプレミア価格がつく金券も登場し、コレクターの収集対象にもなりました。

現代では、スマートフォンによるキャッシュレス決済が主流となり、物理的な金券の需要は減少傾向にあります。しかし、金券は今もなお、企業の株主優待やキャンペーン景品、個人間の贈答品として根強い人気があります。また、発行元や有効期限の有無が、金券の価値を左右する重要な要素となっています。

時代とともに金券の形は変わっても、その「価値」がなくなることはありません。ご自宅に眠っている古い金券や、使う予定のない金券があれば、ぜひこの機会におたからやへご相談ください。